あそんでいるだけでも逆さまになったり回転したりといったさまざまな動きを経験できます。
ゆっくり鉄棒と仲よくなりましょう。
日本の四季の気候と豊かな自然によって育まれた「和食」。
ユネスコの無形文化遺産に登録され日本が誇る文化として世界に認められました。
そんな和食の新たな時代を開こうと立ち上がったのが京都の料理人たち。
使うのは山菜や乾物など日本の風土で長年培われてきた伝統の食材です。
伝統食材が新たな輝きを見せる「温故知新レシピ」を毎月シリーズでお送りします。
(テーマ音楽)4月から毎月シリーズでお送りしている日本の伝統食材を現代風に楽しむ「温故知新レシピ」。
6人の京料理人たちに月替わりで講師を務めて頂いています。
今月5月教えて頂くのはこの方です。
京都の山里にある料理旅館4代目ご主人中東久人さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
中東さんが手がけるのは山の恵みを生かした「摘草料理」ですがどういった料理なんですか?そうですね。
山で摘み取った野草や山菜を主な食材としてお客様に出させて頂いてます。
はい。
ご自分で摘み取られたりもなさるんですか?そうですね。
毎朝山に入って食材に出会いに行くのが私の日課となってますね。
まず食材ありきで。
この場所この時期そしてこの日にしか食べられないそういった料理を目指してますね。
そんな中東さんに今月教えて頂く食材がこちらです。
まさに今が旬の山菜ふきとうどです。
どういったところが魅力なんでしょうか?そうですね。
やはり独特の香りと食感そしてほのかに甘い苦みですね。
こういったところが特徴ですね。
これらの特徴を生かしたお料理がおいしいんですよね。
さあこれらをまさに現代風に食すコツというのはどういうところにありますか?はいそうですね。
やはり山菜というのはですねすごく繊細な風味がします。
それを消さないように下処理と調理に気を配る事。
そしてあとはうまみ油脂分を加える事によってコクを出す。
そうする事によってより一層おいしくこういった山菜たちが食べる事ができますね。
なるほど。
では今日教えて頂くメニューをご紹介します。
一品目は…これはですねふきを油揚げで巻いたのが「信田巻き」。
豚ひき肉のあんをかけて頂きます。
ふきの風味も食感も引き立つ一品です。
そして二品目は…これは刻んだふきを炊き込んだご飯にふきの葉のふりかけをたっぷりと。
ふきを味わい尽くすご飯です。
そうですね。
そして三品目です。
うどと焼き目をつけた鶏肉をからしみそと共にホイルで包んで焼いた一品です。
ではまず一品目「ふきの信田巻きそぼろあん」を教えて頂きます。
はい。
まずふきはですね鍋の大きさに合わせて切っていきます。
大体これぐらいですね。
ではふきを湯がいていきます。
湯がく時ですねお塩をちょっと入れて頂きますと色がきれいに安定していくと思います。
緑がきれいに出るんですね。
はい。
どれくらい湯がくんでしょう?あんまり長い事湯がくと駄目ですよね。
そうですね。
長い事湯がき過ぎますとふきの風味もとんでしまいますんでね。
なるべく短時間で高い温度で湯がくのがコツですね。
そうしますとこちらに…。
そうですね。
こちらがゆであがったものでございますね。
これをですね冷水に落とします。
氷水ですね。
はい。
これは氷水に浸すのはなぜですか?よくふきとかさらしたりとかしますけれどもさらしますとふきの風味がどんどんどんどん水と共に流れていってしまいます。
ですからこれは色止めをするためだけという行為でですね氷水につけておきます。
そうするとふきの風味がきちっと保たれるんではないかと。
なるほど。
さあこうしてサッと氷水につけて取り出して…。
取り出して水けをきって。
これをむいていきますね。
もうシュルシュルーッとね。
そうですね。
これが楽しいんですよ。
小さい頃お手伝いしました。
これ手でむいても大丈夫ですか?手でむいても大丈夫です。
全部こうシューッとね。
むきますね。
きれいですね。
そしてもう一つの大事な材料が油揚げ。
そうですね。
これ京都の油揚げ大判のもの1枚です。
本日は油揚げは京風の大判のものを使います。
すりこ木などでですねこれをたたいたりコロコロしたりとかして周りに切り目を入れます。
そうするとうまく剥がれていくという感じになりますね。
包丁で切り目を入れて剥がすと上下に2枚とれるわけですね。
使用するのはこの1枚ですね。
半分ですね。
これを使用していきます。
普通の油揚げの場合はどうしましょう?普通の油揚げの場合はですね短い方の1辺ですねこちらを残していきます。
残しといてその周りに切り目を入れましてそれで開いて頂きます。
そうするとこういう状態になりますね。
大きくなりますね。
これで巻いて頂いたらいいかと思います。
これは丸ごと1枚使うという事ですね。
そうですね。
さあそれでは信田巻きやっていきましょうか。
それではまずまな板にお揚げを広げましてですね均等に先ほど湯がいたふきをのせていきます。
4本ですかね。
はい。
そしてこれをきっちりと巻いていきますね。
あんまり緩く巻くと中に空洞ができて食べる時にコロコロッとふきが落ちていってしまいます。
きちっと巻いて頂いて…。
爪ようじで…。
爪ようじで留めていきますね。
このねふきそれから油揚げ長いまんま巻いていくというのが面白いですね。
そうですね。
こういう状態です。
そうしましたら…。
次は炊いていきますね。
炊く前にこれも鍋に合わせた大きさに切って頂く方がいいですね。
大体半分。
大体これで半分です。
さあお鍋の中には合わせ汁というんですかね。
炊き地が入っています。
これどれくらい煮ていきましょうか。
大体弱火でですね…落としぶたをして頂いて炊いて頂きます。
これを煮ていく時の注意点はありますか?あまり煮立て過ぎますとですねふきの風味がとんでいってしまいますし今度は炊き過ぎるとですね時間ですねふきの食感が悪くなってしまいます。
なるほど。
じゃあ火加減は弱火で時間も長すぎず…。
という事ですね。
という事なんですね。
注意点です。
弱火にしまして10分間ほど煮たらですねあとは火を止めて自然と冷ましながら味を含ませて頂いたらいいかと思います。
その間に味が染みていくんですね。
そうですね。
では続いてそぼろあんの作り方です。
お鍋の中に入っていますね。
豚のひき肉でですねうまみとコクを加えていきます。
では最後にあんにするんですね。
そうですね。
ここにですね炊き上がりましたら水溶き葛ですね。
はい。
水溶き葛をここに流して頂いて混ぜて頂いて仕上げて頂きます。
これでとろみが出て…。
そうですね。
かけるんですね。
では盛りつけたものがこちらです。
そしてあと木の芽をあしらいます。
ほんとにねふきのおいしさがギュッと詰まっていますね。
そうですね。
では材料でおさらいです。
ふきはゆでたあと水にさらしません。
そして氷水でキュッとさらすだけです。
煮る時は煮立て過ぎずそして煮過ぎない事がポイントでした。
続いて二品目は「ふきご飯」です。
ではふきを先ほどのように湯がいて頂いて5mmの幅に切っといて頂きます。
ふきの軸ですね。
先ほど切ったふきの軸を炊き地に約30分ほど浸しておきます。
これ煮立てないでこのまんま浸しておくんですね。
そうですね。
そして味付けは結構薄めですか?そうですね。
ふきの風味を感じるために調味料はなるべく控えめにしております。
これを…。
一旦取り出しますね。
ここにご飯が入ってますのでここにあけて頂きます。
このご飯を炊くお釜の中にはお米が1合分入っています。
そこに直接この炊き地をまず入れてしまうんですね。
そうなんです。
これいうたらふきの風味の入った炊き地でございますんでこのままでも十分ふきの味がしますね炊きましたら。
そして浸す時間は…。
約1時間ほど浸水させます。
そしてそのあと調味料ごと炊いていく。
これごと炊いていけばいいですね。
そうしましたらふきの葉っぱも今日は使います。
これもふきの軸と同じように大体1分間ぐらいゆでて頂いて氷水にとってそして水けを取ってそれから油で揚げていくという事ですね。
油で揚げるんですね。
そうなんです。
家庭でもキュキュキュッとやれば…。
そうです。
絞って頂いていいです。
今日はこうやってバラバラになってますけれどもご家庭で絞りたてを入れて頂いて崩して頂くとフワッと開いていってうまい事揚げられます。
このまま油の中にヒョッとすればこのように。
そうです。
フワーッと広がってますね。
そうですね。
目安は泡が出なくなった状態ですね。
そういったのが大体上げる目安でございます。
泡が出なくなったらもう上げていいんですね。
これで完全に水分がとんだという事ですね。
葉っぱを揚げるのはなぜですか?それはですねふきの葉は苦みが強いので油を通す事によって苦みを和らげるのとですねあとは油脂分によってご飯をおいしくさせるというそういう意味合いがありますね。
なるほどね。
油のコクでグッとおいしくなるんですね。
ほんとパリパリな感じが音のカサカサッというので分かりますね。
そうですね。
さあこの揚げた葉っぱを今日はふりかけにするんです。
熱いままでやっちゃっていいんですね。
あんまり熱いとやけどしてしまうのでちょっと冷めてからこれをですねボウルに直接手を使っていくのでちょっと冷めた方がいいですね。
ちょっと熱いのでこのまま入れますね。
これをボウルに入れて頂きますね。
これぐらいにしときましょうか。
熱い場合は軽くここで崩して頂いたらいいと思います。
そしてかつお節ですね。
いったごまですね。
こい口しょうゆですね。
ザクザクと混ぜちゃっていいんですね。
ザクザクと混ぜて頂いたらいいです。
葉っぱが細かくなってもねそれは食べやすいですし気にされないで下さい。
じゃあご飯の方見てみましょうか。
あっもういい香り。
さあご飯どうなっていますか?さっき炊き地と一緒に炊いて…。
炊けましたね。
ふきが入っていますね。
5分間ぐらい蒸らして頂いたらふきも温まりますので。
このご飯を盛りつけてふりかけをかけたら完成です。
このようなものになります。
ふきの風味が味わえるご飯に素揚げしたコクのある香ばしさたっぷりのふりかけをのせてふきの滋味を味わい尽くす一品です。
では材料のおさらいです。
ふきの風味を味わうため調味料は控えめです。
ふきの葉を揚げてコクを足します。
続いては伝統食材を深〜く知るこちらのコーナーです。
今回の伝統食材はふきとうどです。
どちらも数少ない日本原産の野菜です。
ふきは愛知県や群馬県などで多く栽培されています。
主に食べているのは皆さん茎だと思っていませんか?実は茎ではないんです。
葉と地下にある茎の間をつなぐ葉柄と言われる部分を食べているんですって。
驚きですよね。
さて続いてはうどです。
流通しているものの多くは栽培されているものです。
日光を遮断して栽培する事で白く柔らかく育ちます。
品種にもよりますが苦みがまろやかなのが特徴です。
一方真っ白でなく緑がかっているのが…こちらは出荷前に日光を当てて緑色にします。
品種にもよりますが軟白うどに比べて香りと風味が強いのが特徴です。
うどにも白いものと緑色のものがあるんですね。
そうですね。
白いのと緑のがあるんですけれどもそれぞれ味が違うんですけれどもそれはお好みや調理方法によって使い分けて頂いたらいいかと思います。
はい。
さまざまな楽しみ方で楽しんで下さい。
以上「温故知新!日本の伝統食材」のコーナーでした。
では三品目です。
さあこちらがうどになりますね。
そうですね。
まずうどをですね筋が残らないように皮を厚めに切っていきます。
皮結構厚めに切りますか?そうですね。
結構筋がこの部分には多いのでちょっと厚めに切っていきます。
大体1cmぐらいですのでこれを大体の目安で結構です。
このぐらいに切って頂いてあとはストンストンストン…と。
切るだけで結構です。
これ酢水につけたりはしないんですか?そうですね。
酢水なんかにつけますとせっかくの繊細なうどの風味が流れてしまいますので切りたてをですね素早く調理していきたいと思います。
そして皮は大事にとっておくんですよね。
皮はとっておきますね。
あとで使います。
ではその他の食材です。
生しいたけとゆり根です。
そしてゆり根も…。
ゆり根の他じゃがいもでも代用は可能です。
そして今度は鶏肉です。
ではこの鶏肉を焼いていきましょうか。
まず皮を下にしてですね弱火で焼いていきます。
この鶏もも肉を使うのは意味があるんですよね?鶏もも肉を入れる事によって全体的な味にうまみとコクが足されます。
お皿をのせました。
そうなんですよ。
お皿をのせる事によってお肉が縮まなくなりますので。
どれくらい焼きますか?ひっくり返さなくていいんですねこれは。
大丈夫です。
皮目がパリパリになったら大丈夫ですね。
ではその間にからしみそです。
これは…分量いきましょうか。
うどの香りとからしみその相性抜群ですからね。
なるほど。
おみそのいい香りがしますね。
このからしみそと先ほどの具材を合わせていくんですね。
そうですね。
これは合わせやすい分量でしてありますんで大体これの約半分の量ですね。
ここに足して頂きます。
使うのはその半分の量です。
そして先ほど用意した具材と合わせていきます。
今日は「うどと鶏のホイル焼き」という事なのでホイルに焼いていきます。
そうですね。
まず少しだけ下に敷きます。
鶏肉ですね。
鶏もも肉を香ばしく焼いたものを皮がパリパリでね。
おいしそうです。
ホイルは1人分の一包みの分量ですね。
そうですね。
そしてこの上に先ほどの残りのおみそですね。
おみそまたちょっとのせて…。
はい。
のせていきます。
その上に更に先ほどの…。
スナップえんどうですね。
緑が映えますね。
ここで皮ですね。
この皮は先ほどのむいたうどの皮ですが…。
そうです。
皮の部分が一番香りが強いので風味付けにするためにこの皮を入れていきます。
どれくらい焼きましょうか?うどの皮は食べますか?うどの皮は食べて食べられない事はないのでお好みで食べて頂いても大丈夫です。
では盛りつけたものがこちらです。
うどの皮は除いて食べて下処理をしてないので繊細なうどの風味が生き鶏もも肉のコクと味わい深い一品になっております。
ほんとにこのホイル焼き開けた瞬間にホワッといい香りが立ち上りそうですよね。
では材料表でおさらいです。
うどは風味を保つために酢水にはつけません。
そして鶏もも肉とうどの皮を一緒に焼く事でうまみとコクを出します。
「温故知新レシピ」。
今日はふきやうどを使った3品を教えて頂きました。
まさに旬のお料理。
いい香りがしますよね。
スタジオの中にも。
そうですね。
これが春の香りですよね。
旬だからこそのおいしさってやはりあるものですか?ございますね。
やはりその食事からですね季節を感じるっていう事も非常に文化的でございますのでそういった事で季節感を感じて頂いたらなと思っております。
そうですよね。
都会に住んでいますとねなかなか自然の中に出ていって旬を感じるって事できませんけどもお料理から頂くというのもまたいいですよね。
今日は中東さんにふきとうどを使ったお料理教えて頂きました。
先ほどのからしみそもこのお料理の他にも他のものでもあえてもおいしいですよね。
大丈夫です。
非常に山菜と相性がいいのでねこごみとか普通の山菜のあえ物にクルクルッと混ぜて頂いたら。
是非皆さんもご家庭で試してみて下さい。
今しかないおいしさというのがありますからね。
そうですね。
今日はふきとうど教えて頂きました。
中東さんどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
(テーマ音楽)2015/05/07(木) 11:00〜11:25
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きょうの料理 今こそ伝えたい!京料理人の温故知新レシピ「ふきの信田巻き」[字]
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詳細情報
番組内容
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出演者
【講師】京都の料理旅館4代目主人…中東久人,【司会】岩槻里子
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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