ハートネットTV WEB連動企画チエノバ「今月も“LGBT”の悩みを中心に」 2015.05.07


WEBで届いた皆さんの声を知恵に変えるWEB連動企画「チエノバ」です。
「LGBT」セクシュアルマイノリティーをテーマにお送りしていきます。
スタジオにはいつものように久保純子さん荻上チキさんです。
よろしくお願いします。
そして今日のゲストは杉山文野さんです。
杉山さんは以前「ハートネットTV」の「OurVoices」でMCを務めていたという事ですが女性として生まれて現在は男性として生活しているトランスジェンダーです。
ちょっとこちらの写真をご覧頂きたいと思います。
懐かしいですね。
これ杉山さん?はい。
中学生の時の写真になりますね。
これでも12年間ほどセーラー服にルーズソックスで学校通っていたので。
この時というのが初潮が始まって胸が膨らみ始めて体は順調に女性として成長していく一方で気持ちの上ではすごく男性的に成長していく。
まさに引き裂かれるなんていう思いではね片づけられないような気持ちで。
でも誰にも言えないし自分だけが頭がおかしいんじゃないかなって悩んでた時期ですね。
杉山さんはそんな思いを伝えてなんとか理解者を増やしてもらおうという事でNPOなどでLGBTへの理解を広げるための活動を行っていらっしゃいます。
今日はよろしくお願いします。
さてこんな数字が発表されました。
ある調査なんですがLGBTの人の割合なんです。
7.6%およそ13人に1人という数字で3年前の同様の調査では5.2%でしたから割合が高くなった。
随分増えたような感じがしたんですけど…。
これ決して実数が増えたという訳ではなくてこれ実際にはいないのではなくて言えないという方が多いという中では少しずつ言える環境が出来てきたかなという事もあるんですけれどもそういう事で言うと妥当な数字なんじゃないかなと僕は思うんですけどね。
少しずつ理解が広がってきたという象徴かもしれません。
さてたくさんのカキコミが届きました。
こちらご覧下さい。
タイトルだけですけれどもこれ一部です。
たくさん頂いて…。
ありがとうございます。
「言えない苦しさ」。
10代の方…10代20代の方多いですね。
カミングアウトで悩まれる方多いですよね。
「やっぱり理解してもらえない?」とか「アライとしてできる事は?」。
「診断書がないとダメ?」というのは気になりますね。
職場の対応なのか何なのか。
いろんな思いが届きました。
そして弘樹さん今ありましたけれども富山県の方なんですがLGBT支援団体の職員の方からのカキコミご紹介します。
やっぱり地域によって差が随分あるんですね。
(チキ)理解度だけではなくてそもそも選択肢に差が開きがありますからね。
でもこういう時ってやっぱり杉山さん地方の方がなかなかカミングアウトしにくい…?いいも悪いも地域のつながりが地元のつながりが強い分カミングアウトが個人だけの話じゃなかったりする事もあるんですね。
例えば僕が親にカミングアウトしたとしてそうすると家族にまで背負わせてしまうかもしれない。
杉山さんちの娘が息子になったらしいよって親が責められちゃうんじゃないかという事でなかなか地元では言えないと。
そういった事でなかなか地元に帰れないという人も多いですね。
都会だとあんまりつきあいが…。
いいも悪いもですけど隣近所があんまり顔も知らないというと割と言う事ができたとしてもそういった事は地方ではよく言われる話です。
チキさんどうやって地方では情報を得たらいいんですかね?地方でも今ですといろいろな団体が活動している所増えています。
また地方でもネットなどが使えたりすると当事者たちが集まる掲示板とかそうしたところで情報を得る事ができるんですね。
ただこのネット環境まだまだ課題があって間違った情報とかアダルトな情報とかそうしたものも氾濫してたりするのでその辺りもっともっと改善が必要ですね。
先ほどの弘樹さんのように支援したいという方は本当に多かったんですがこんなカキコミも届いています。
リアさんは20代の方です。
このカキコミに対してアイデアがたくさん届いたのでいくつかご紹介しましょう。
まずはLGBT当事者の友人という緋呂さんからです。
「物腰が柔らかな方なんですよ」と。
誰も否定せずに答えると。
それから当事者ののらくろさんからは「『私も最近オネエ言葉出てます』とか話やターゲットをそらしてあげて下さい」。
一人じゃない。
というアドバイス。
それからじんさんからは…何よりですね。
こういう上司がいる事ね。
リアさんのように理解者になりたい味方になりたいという思いを持つ方をはいこちら。
アライといいます。
もともと同盟者協力者支持者意味する英単語「Ally」から来ています。
このアライをたくさんたくさん増やしていこうという。
コウスケさんから頂いたものなんですけども「自分はアライです」という事で。
「周囲に当事者がいないのですが当事者からおせっかいとか興味本位とか思われませんか?」という悩みが寄せられたんですね。
それに対して当事者の方からこんなアドバイス頂きました。
あんまり出過ぎず自然体でいてほしいと。
自然体ってすごい大事だと思っていてこのコウスケさん当事者がいないというふうにおっしゃってますけれどもいないのではなくてねきっとオープンにしてる方がいないだけですぐ近くにいらっしゃるでしょうから僕たちが今推進してるのはウェルカミングアウトというのがいいんじゃないかと。
当事者が「実はね僕って性同一性障害なんです」という当事者側からのカミングアウトではなくて周りの方がウェルカムなんですよという事を言ってほしいと。
(チキ)カミングアウトをウェルカム?
(杉山)そうウェルカムですと。
例えば自分にはね実はゲイの友達もいるんだよとかこんなLGBTを扱った作品を見た事があるよとかそれこそ今いろんなニュースが流れていて同性パートナーシップの話みたいな事を肯定的に捉えて頂いて発言して頂くとあっこの人だったら言えるかもしれないなと思うきっかけが増えてくるので一日一善じゃないですけど一日一回ぐらいそんな発言をしてみると周りの環境も少しずつ変わっていくんじゃないかなと。
雰囲気づくりが大事なんですね。
ちょっとずつね。
そしてアライを増やすための取り組みをしているというある自治体の職員の方からもこんなカキコミが届きました。
このAllyさん投稿された方ですけども大阪市淀川区の市民協働課の白方さんです。
アライさんじゃなくて白方さん。
右から2番目ですねこの方です。
淀川区では2013年にLGBT支援宣言を行って役所を挙げてセクシュアルマイノリティーへの理解を広めるという事でこんな広報誌も作っているんですって。
「虹色ニュース!」。
コミュニティースペースどんなところですかって。
集えるところがありますよという情報だったり。
電話番号だったりね。
あとは職員の皆さんからのメッセージなんかも一人一人書かれてるんですね。
温かい。
こういうふうに目に触れる機会がたくさん増えるのはいい事ですよね。
(チキ)そうですね。
取り組みを始める事によってまだまだ課題がある。
当事者から見たら不完全だって思われる状況から出発する自治体も多いんですね。
ただそういうふうにして指摘を受けてより改善をしていくというまずはその第一歩を踏み出す事によっていろいろ批判をしっかりと受けていく。
何となくのPRいい事してるアピールではなくてちゃんと向き合っていくためには足りないところ批判などに真摯に向かい合っていく。
そういった姿勢を含めて求められていく対応だと思います。
ここから一歩ですね。
当事者としてはどうですか?内容はもちろんなんですけれどもやっぱり自分の住んでる地域でこういう事を前向きにちゃんと捉えて尊重してくれるんだというだけでほっとする安心する当事者も多いと思うのでどんどんどんどん進めていってもらいたいなと思います。
「アライの方とか周りに全く居ないのが現実なんだよなあ…」という事ですけれども行政がやれる事もありますし少しずつ増やしていくこういう取り組みが出てきたらいいなと思います。
ではこちらの映像をご覧下さい。
セクシュアルマイノリティーへの理解を呼びかける「東京レインボープライド」が開催されています。
集まったのは5万人以上。
当事者そしてアライがそれぞれの思いを訴えました。
会場に来ていた人たちにこんな質問をしてみました。
みんな集まろうぜ!今日は。
イエ〜イ!みんな大好き!このイベントは都内を中心に行われています。
「自分のセクシュアリティーがはっきりしなくて苦しい」という悩みを紹介したんですね。
そしたら放送中からたくさんの反響が届きました。
ちょっとおさらいしておきましょう。
こちらです。
FtXMtXという言葉なんですがFtXのFというのはFemale女性です。
MtXのMというのはMale男性。
FtXMtXともに男性とも女性とも規定しない在り方というものなんですね。
FtX当事者の方からこんな悩みが届きました。
せっかく電話相談したのにこの対応だったと。
世の中の電話相談窓口っていろいろあるんですけど当事者たちが設置しているものに比べるとやっぱり公的機関が設置したものってクオリティーが低いものが多いのが実情なんですね。
だから研修などを重ねてそうしたところにも当事者の声を届けていく事がまだまだ必要な状況です。
今回はそうしたアドバイスになっていないような事をされたという事なんですけど本来であればどの地域にもそれなりに団体など連絡先とかもあったりするのでそうした選択肢を本当はメニューとしてつなげられるような環境づくりが必要ですよね。
番組では今回FtXの方を取材しました。
ご紹介した就活セミナーでパネリストの一人だったこの方です。
東京都内にある高齢者向けのサービスを手がける会社です。
なかったら次に僕が大阪行った時に決めてきたいので。
アパレル部門で働く…3年前この会社に入った時からFtXである事をオープンにしてきました。
女性として生まれた中島さん。
しかし高校2年の頃自分の性に違和感を感じ始めます。
自分は体は女でも心は男ではないか。
大学進学で上京したのを機に男性として振る舞い始めた中島さん。
性別適合手術も考えました。
しかしどこか無理をしている自分にふと気付きます。
ちょうどそのころLGBTの集まりでFtXの事を知りました。
ようやく自分らしい性の在り方を見つけたのです。
その後自分のセクシュアリティーを明かして就職活動を行い今の会社に採用されました。
中島さんの人間性に引かれた会社側はセクシュアリティーにはとらわれず採用を決めました。
しかしどう受け入れたらいいのか戸惑いもあったといいます。
女性でもなく男性でもないというFtXについてほとんどの社員は知りませんでした。
中島さんは機会がある度に自分のセクシュアリティーについて丁寧に伝えるよう心がけました。
入社して3年。
コミュニケーションを重ねるうちに周りの人たちの理解が少しずつ深まってきています。
本当に最後の潤さんのお互いの距離を縮めていく。
お互いの歩み寄りっていうのが大事ってのは本当に思っていてよく当事者が話したんだけど理解がないってそこで終わっちゃうのはすごくもったいなくて逆にね一回話したぐらいで理解できる事でもないと思うし分かる分かるって言われても本当にこの人分かってるのかなと思う事も多いんですよ。
だから分からないなりに分かりたいと思う気持ちがお互いの間にあるかとそういうところでお互いが歩み寄っていくっていうのが大事なんじゃないかな。
自分の物差しとか価値観で判断するんじゃなくてこうあるべきの押しつけ合いじゃなくてこうありたいというのをお互い応援できるような関係性を作っていくっていうのが一番大事なんじゃないかと。
聞いていいのかなってちょっと思う時もあるんですよね。
僕なんかはいろんなケースがあると思いますけど聞いていいのかなと距離を取られたりとか腫れ物を触るように扱われる方が逆に嫌なのでどんどん聞いてほしいなと。
ただいいのかなと思う時は素直に「聞いていいのか分かんないんだけど」ってひと言入れてもらうだけで全然変わってくると思うんで是非そうやってお互い知りたいという気持ちも大事にしてもらうのがいいかなというふうに。
普通人と知り合う時ってそうですよね。
先ほど上司の方がね来る前にいろいろ議論したけど結論は出なくて来てからいろいろ対応してというような。
来るまでにどんな当事者かどんな人なのかって誰も分かんないじゃないですか。
セクシュアルマイノリティーに限らず。
そうした事は人に合わせて対応するというのが必要で。
これ聞いちゃいけないのかなというのもその人に合わせて。
ただよくあるのがセクシュアルマイノリティーだってやると「どんなセックスするの?」とか普通ほかの人には聞かないような事をなぜそこで聞くんだという事とかあったりするので当然対人として向き合っていくんだというのがまず前提にあるという事が必要ですよね。
今の映像の中島さんのセクシュアリティーなんですがFtXMtXの方の一例に過ぎません。
男性と女性の中間という方もいれば男性と女性の間を揺れているという方もいる。
もしくは間でもないという方もいるので非常に多様だという事をね理解したいと思います。
こういったツイートも来ています。
「なんでわざわざ男女二つで分けるんかね」という。
どうしてもこれが先入観としてあるから。
ここまでLGBTについてお伝えしました。
続いてのコーナーはこちらです。
「ROADTORIOパラリンピックへの道」。
今日はこの競技です。
どうぞ!
今回紹介するのはパラサイクリング。
手足の切断やまひなどの障害のある選手が1000分の1秒を競い合う自転車競技です
屋内型自転車競技場伊豆ベロドロームでパラサイクリングの日本選手権が開かれました
健常者の全日本選手権との共同開催。
こうした試みは2度目です
今回注目したのは…
両足の膝下に義足を着け自転車に乗ります。
パラサイクリングに義足で挑戦した日本の草分けの一人です
もともとトライアスロンの選手だった藤田さん。
11年前交通事故によるけがで両足を切断しました。
一度は諦めたアスリートへの道
しかし3年後パラサイクリングに挑戦。
一気に頭角を現します
北京ロンドンと2度のパラリンピックに出場し銀メダルと銅メダルを獲得。
リオそして東京での悲願の金メダルが期待されています
藤田さん山田と申します。
おはようございます。
おはようございます。
今日はよろしくお願いします。
自転車競技用に特別に開発されたカーボン製の義足です
えっ?形がかっこいい!
勝敗を分けるのはいかに効率よくペダルに力を伝達できるか。
しかし肝心のペダルを踏み込む部分が筋肉のない義足の藤田選手。
上半身の力を効果的にペダルに伝えるため背中と腰回りを徹底的に強化し世界と戦ってきました
藤田選手の前例のない挑戦は後輩にも大きな影響を与えています
リオに向けて弾みをつけたい藤田選手
3キロのこの種目はトップスピードを最後まで持続できるかが記録更新の鍵になります
勝負を決めるレース終盤
スピードをキープできるか!
結果は3分41秒565。
大会新記録でしたが日本記録には2秒及びませんでした
(拍手)
後半のペースの維持に課題2015/05/07(木) 13:05〜13:35
NHKEテレ1大阪
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HPやSNSを通して集まった当事者の声を“知恵”に変えるWEB連動企画“チエノバ”。今月も性的マイノリティー“LGBT”の悩みに向き合う。理解者を増やすためには

詳細情報
番組内容
HPやSNSを通して集まった当事者の声を“知恵”に変えるWEB連動企画“チエノバ”。今月も“LGBT”の悩みに向き合います▽レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー…他にも▽皆さんの悩みはなんですか?▽理解者=アライとは?▽男でも女でもなく、「X」とは?▽パラリンピック情報は、パラサイクリングの魅力を。
出演者
【出演】久保純子,評論家、シノドス編集長…荻上チキ,NPO法人ハートをつなごう学校代表…杉山文野,【司会】山田賢治

ジャンル :
福祉 – 社会福祉
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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