世界で初めて超高齢社会を迎えた日本
そんな中注目を集めているのが…
まひした手のリハビリに使われるものや歩行を支援するものなどさまざまなロボットが次々に開発されています
今日はロボットを使ったリハビリの最前線を詳しくご紹介します
「きょうの健康」今週は日本医学会総会の会場から「メディカルジャーナル特集医療の未来」という事でお伝えしております。
ゲストをご紹介します。
宮川大助・花子さんとご一緒にお伝えします。
よろしくお願い致します。
ありがとうございます。
(拍手)早速ですが大助さんは脳卒中は8年…?もう8年かな?2007年2月の5日だったです。
相当後遺症がまだ現在もありますね。
リハビリも相当やりましたよ。
そうですか。
でもこうお話ししてるとほとんど…。
僕の場合は左半分は見事にしびれてます。
リハビリもやっぱり続けていかないともうこれでいいよっていう日がないですね。
だからいいよ言うた時点で体が固まったりいろいろするので8年間ずっとリハビリは続けてますね。
お話をして下さる方をご紹介します。
リハビリがご専門で日本リハビリテーション医学会の理事長でもいらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
(拍手)今最初の映像にも少し出ましたけれどもリハビリの世界でも今ロボットが登場してるんですね。
ご存じのように日本は医学のレベルでもものづくりの技術力でもとても高い国です。
ですから医学と工学の連携によって作られるリハビリロボットというのはこれから世界をリードしていくのではないかと注目されてる訳です。
ロボットを使ったリハビリというのはどんな方にもどんな場合でも行えるんですか?こういう方々が対象になるといわれてます。
中枢神経の障害を来しますとふらついたりバランスを崩してしまうようなそういう能力が落ちてしまうそれから手足のまひが起こってしまう方も多くいらっしゃいます。
ロボットではそういう方々のリハビリの助けになるという事が期待されてます。
愛知県に住む原田喜與子さん。
去年脳に良性の腫瘍が見つかり手術で取り除きました。
しかし歩く時のバランス能力が落ちてしまいました
そこで藤田保健衛生大学病院を訪ねロボットを使ったリハビリを行いました。
これはリハビリを行う前の原田さんです。
直線の上を歩くテストでは体が左右にふらついていました
原田さんは藤田保健衛生大学と自動車メーカーが共同開発したロボットでリハビリを行いました
テレビゲームをしているだけのように見えますが病気の後遺症などでふらつきがある人のバランス能力を高める効果をねらって作られています
特徴は体の重心の移動に合わせて動く事です。
体を前に傾けると前に。
後ろに傾けると後ろに動きます。
左右どちらかに重心をかけると回転します
ゲームにはスキーやテニスなど重心の移動が多いものを取り入れています
ゲームをすると前後左右の重心移動を繰り返し行います。
これを続ける事でバランス能力が向上するのです
どうしてもリハビリの練習というのは単調になりがちでつまらなくて疲れてとなりがちなんですけどもこういうゲームを取り入れる事によって楽しくまたやろうという気持ちになるというのが一つとても大きいかなというふうに思います。
原田さんはおよそ1か月間このロボットを使ってリハビリを行いました。
その結果…
ほとんどふらつかずに歩いています
研究では原田さん以外にもおよそ40人のバランス能力が改善したという結果が出ています
ひとつきでああなるもんですか。
リハビリって苦しいって思ってよくおとうさん方でも病気された方って「リハビリ邪魔くさい。
しんどい。
もうええがな。
ちょっとも結果も出ないし」って言われる方たくさんいてはってやめられるんですけど今の奥様はまず「楽しいですね」っていう言葉が出たのが。
楽しいというのは非常に大事な事です。
楽しんで自分から進んでやろうという気持ち自分が体を自ら動かそうという気持ちがすごくリハビリには大事です。
バランス能力を高めるという事の目的は大事なのは転倒や骨折を防ぐという事が大事なんです。
バランスが悪いという事は転んで骨折にもつながるという事です。
データをご覧頂いて分かるようにおうちに生活をされているお年寄りの方の10%から20%転倒の経験。
それから脳卒中の方でいいますと6割の方が転倒している。
転倒してます。
そうです。
そして転んだ人の5%から10%の方が骨折を起こしてしまう。
場所が悪いとそれが寝たきりにもつながるんですね。
え〜そこまで!今ご紹介したロボットというのはこれからなんです。
これから日本全国の医療機関で試されていきます。
そしていろんなデータが蓄積されていきます。
そしてまたその先に向かっていく事になると思います。
安心感がありますね。
リハビリやった時コケたらどうしようというのがあるからリハビリしにくいのありますけどちゃんとつってくれててコケないようにしてくれてるというのがあって。
大事な事というのは医学的な効果これがきちっと証明していくという事が普及の上では大事です。
もう一つ大事なのは安心っておっしゃいましたけどもこの安全性なんですよ。
例えば100人の方にトレーニングをしたら99人よかったんですけど1人が転んで骨折してしまったという事になったら元も子もない訳です。
そうですよね。
まずはバランス能力を高めるというロボットをご紹介頂いたんですが次はどんなロボットになるんですか?もう一つ一番多く開発されているものとして歩行を補助してくれるロボットというのがあります。
3年前脳卒中になり手足が思うように動かせなくなった…
左足のひざが曲がらなくなりました
どうしても外側に脚を振り回すような歩き方になります
以前のように歩きたいと願う陣内さんは佐賀大学医学部附属病院に行きました。
この病院では最近開発された複数のロボットを使ってリハビリの研究を行っています
陣内さんが使ったのはある自動車メーカーが開発したロボット
この円い部分にロボットを動かすモーターが内蔵されています。
また振り出す脚の角度を検知するセンサーも内蔵されていてモーターでどのくらいの力を補えばよいのか計算します
ロボットはあくまで使う人の意思に応じて動きます。
脚を少し振り上げるとモーターが働いて脚の振り上げを補助してくれるという仕組みです
この日はロボットを使って3回目ですが陣内さんは歩く姿勢がよくなってきたと感じています
(スタッフ)どんな感じですか?すればするほど…僕らロボットいうたら「鉄腕アトム」やと思うじゃないですか。
全然違う訳ですよね。
マシンやね。
まだ歩行を補助するロボットに関しては研究段階のものがほとんどなんです。
病院でのリハビリの訓練それから自宅で将来的に使い続けるものこれはいろいろあるとは思いますけれどもまだこれからそれがデータを積み重ねていく事によって検証されてくる。
それから全てをロボットにお願いしているという事ではないんです。
これはもう大事な事は今もご覧になったように歩行の練習をされている時も理学療法士の方作業療法士の方がリハビリには必ずついて指導してくれる訳です。
従来からその治療は行われている訳ですけれどもこれからも療法士さんがついてまたその手段の一つにロボットが加わるという事でリハビリテーションが続けられていくという事は忘れてはいけないと思います。
あ〜そりゃそやな。
何かロボットいうたらズボラになってるって感覚があって…。
そうじゃない。
ロボットが勝手にやってくれるんじゃなくて今お話あったようにロボットが補助してくれてる。
全て補助というのがすごく大事な事で助けてもらってるっていうのでこれからどんどんどんどんそういうのがね広がっていったらいいですよね。
思いますよね。
そういう意味じゃまだまだ開発中のあるんですね。
もう一つ開発中のロボット見て頂きたいと思うんですけどこのロボットは下半身がまひしてふだんは車いすを使っている方を対象としています。
このロボットの力を借りてそして立ち上がったり歩けるようになったり立っての作業もできるようになる。
それを目標として開発されたものです。
それで歩行器と一体化して動いてます。
このようにボールを投げてバランスをとる練習もしてます。
自立して少しでも歩いてそれから立って例えば台所仕事をしたりとか立っての作業ができるようにこういう事ができるようになるのは近い将来可能ではないかというふうに思います。
車いすの生活をしている方が立ち上がれるようになるという事の大事な事は例えば脚の血流がよくなる。
立ったり座ったりする事で。
それから消化管の動きが促されて便秘が起こりにくくなるとかそれから体重がかかりますから脚や腰の骨に重みがかかる事で骨粗しょう症を予防するという事にもつながる訳です。
ですからロボットの力を借りる事で単に機能の回復の訓練だけではなくて人の健康や生活を豊かにしていくそういうものにつながる。
つながりつつあると思います。
自分の脚で立てるという事がすばらしい事ですよね。
立つという事でもちろん目線の高さも違います。
ほかの方々と同じ目線でも生活できます。
それ以外にも先ほど言った健康増進につながる事もたくさんあるんですね。
分かります?健常な人が健康な人が普通にトイレ行くでしょ?ね。
それが必ず人の手がいるという時のねその遠慮と煩わしさっちゅうのは僕も経験してますからね本当に普通にトイレ行って普通に1人で行って1人で帰ってこれるっていうのは…。
普通では考えられない喜びなんですよこれ。
当たり前の事なんですけどね。
だから自分たちが年いったら必ず通る道にね補助輪が一つちゃんと置いてあるというのがものすごいうれしいです。
絶対明るい未来で私だけは絶対大丈夫ですいう事はまず言えないんでね。
何か希望の光が見えたというか。
本当にどうもありがとうございました。
どうもありがとうございました。
今日まで4日間日本医学会総会の会場からお伝え致しました。
ありがとうございました。
2015/05/07(木) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 メディカルジャーナル特集 医療の未来「ロボットでリハビリ」[解][字]
脳卒中や脳腫瘍の治療後のバランス能力を改善させる「バランス練習アシストロボット」、脚にまひが残る方に使われる「歩行練習アシストロボット」などを紹介する。
詳細情報
番組内容
いま、リハビリの専門家の間でロボットが注目されている。病気の後遺症や身体的障害の克服・支援に役立てようと、医学と工学の専門家が連携して開発を進めている。番組では、脳卒中や脳腫瘍の治療後のバランス能力を改善させる「バランス練習アシストロボット」、脚にまひが残る方に使われる「歩行練習アシストロボット」、下半身にまひがあり車いすを使っている人が使う「起立支援ロボット」などを詳しく紹介する。
出演者
【ゲスト】宮川大助・花子,【講師】昭和大学教授…水間正澄,【キャスター】桜井洋子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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