「きょうの健康」今週は「心筋梗塞を防ぐ」と題してお伝えしています。
ゲストは昨日に引き続いてタレントの松村邦洋さんでいらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
お世話になります。
まずラインナップご紹介しますと今日は4日目ですので…心筋梗塞を防ぐための治療についてお伝えしてまいります。
松村さん6年前の東京マラソンで…。
2009年の3月22日に走って倒れましてね。
4月3日にね退院したんですよ。
そしたらスポーツ新聞がね「松村開幕に間に合った」って書かれてましたけどね。
それは?別に僕プロ野球選手じゃないんですけどね。
いえいえ大好きですからね。
それにしてもですね入院されてた訳ですけどもその時どんな治療を行われてたかというのはご存じですか?いやもう気が付いたら目が覚めて。
どんな治療があったのか…。
知りたいですね。
その辺り今日もですね教えて頂きたいと思います。
お話をして下さいますのは国立循環器病研究センター心臓血管内科部門長の安田聡さんでいらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
心筋梗塞を予防するために狭心症の段階で治療といいましょうか手術とかそれを行う事あるんですか?狭心症の治療の柱という事でこちらにまとめてありますが何と言っても生活習慣の見直しという事が基本になる訳ですが病状に応じて生活習慣の改善あるいは動脈硬化を予防するようなお薬の治療法というものが加わってきます。
更に病状に応じてより重症の場合はカテーテル治療あるいはバイパス手術というものが心筋梗塞になるのを予防するためにあるいは心臓の機能を守るために適応になってくるという事です。
カテーテルとバイパス手術どんなものかというのは?医療用語というのは何か分かるんですけど詳しい事は分からないですね。
ですよね。
カテーテル治療というものはどんなものか見て頂こうと思いますけれども。
はい。
あ〜こういうものなんですか。
青いものがカテーテルですね。
これが血管の中を入っていきます。
このカテーテルの中に今カテーテル治療の主流になってるのはステントの治療という事になるんですけどもステントが中を通っていきます。
そうすると今出てきますが…。
あ〜出てきましたね!こういうふうに。
これは今ステントが畳まれた状況ですけども実は治療をしてステントが広がるとこのような状況になって血管の中にとどまるという事になります。
このステントがこれなんですか?広がるんですね!これが広がってこういったものが血管の内側に補強されるような形で治療が行われる。
松村さんこれがもしかしたら?そうですね僕が助かったのもこういうカテーテル治療だったらね。
そうですね恐らく使われてるんじゃないかと思いますね。
では更に詳しくよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
あっ分かりました。
ではステントの治療の方法というものを実際見て頂こうと思いますけども先ほど畳まれた状態のステント見て頂きましたね。
非常に細いものですね。
それをまず動脈硬化の巣の所にこの状態でまず置くと。
位置決めをします。
そのあと風船をまず膨らませるために圧力をかけます。
そうすると風船が膨らむと同時に折り畳まれたステントが広がってきます。
次に圧力を下げて風船をしぼませた状態でこの風船を体の外に抜き出します。
そうすると最終的にどうなるかというと広がったステントが動脈硬化の巣の所に残って血管の内側から血管を支えるといったような事ができて血液の流れる道がここで確保されるという事になります。
本当血液の流れというのは命ですね。
そうですね。
では実際にその血液の流れが悪くなってしまった患者さんの実際の映像を見て頂こうと思うんですけどもとにかく胸が苦しくなって病院に来られた患者さんの映像という事になります。
実はこの患者さん完全に血管が詰まってしまってましたのでステントで血管を広げる前に血栓を吸引するタイプの治療も併せて行いました。
心臓の表面を冠動脈が走ってる訳ですけどもこれは正常の状況で血液が流れてる状況の写真です。
この患者さん入院してきた時に血管がここで詰まってしまっているという状況でした。
血栓を吸引するカテーテルが今入って血栓を吸引して体の外に血栓を取り出してます。
次にここにマーカーがありますけども今ステントを入れて風船を膨らませてまさにステントを留置しようとしてるところです。
このマーカーの間がそうですね。
そうすると血液の流れがこの大きな血管が確保された血流が再開されたという事になります。
やっぱり映像で見るとすごいですね。
そうですね。
そんな重症な状況でも行えるメリットがカテーテル治療にはあるんですね。
基本的には局所麻酔で行う事ができますから体に対する負担が非常に少ないという事ですね。
もう一つは治療時間が大体1時間から2時間ぐらいで終える事ができますし…。
短いですよね。
それからその結果として入院期間も3日から長くても5日間ぐらいで入院期間も短いという事で体の負担が少ない治療であるという事がやはりこのカテーテル治療の一番のメリットであろうというふうに思います。
ずっと金属って大丈夫なんですかね?そう。
今使われている金属ステンレス製なんですね。
これは非常に血管の内側から動脈硬化の層を押さえつけるという力が強くてそういった意味では効果が非常に高いものなんですけども金属というのは体にとっては間違いなく異物ですからやはりそれに反応して異常な細胞が血管の中で増えてしまって金属を厚く覆ってしまうという事がやはり出てきます。
約半年後ぐらいにはこちらにありますようにステントという金属の内側に新しく動脈硬化の巣ができてしまって血液の流れる道が非常にまた狭まってしまうと。
ですから狭心症という病気が再発してしまうという事が半年後に起こってしまったという事があったんですね。
そこで開発されてきたのがこの金属の部分に異常な細胞が増えてくるのを抑えてくれるようなお薬をコーティングした薬剤溶出性ステントっていうんですけどもそういった新しいタイプのステントも開発されてきています。
お薬がコーティングされたステントを使った場合には血栓を予防するために血液をサラサラにするお薬を最低2種類一定の期間服用し続けるという事が必要になってきたという事になります。
金属っていうのは新しく入れ替えるとかいうのもあるんですかね?実は金属というのは体の中に入ってしまうとそれを取り出すという事が難しくなる訳ですね。
難しいんですね。
ですから金属のステントとお薬というものが切り離せないものだったんですけども実は最近更にステントは進化してきて新しい素材でできたステントも使えるようになりました。
これをちょっと見てもらおうと思いますけれども。
見た目はそんなに先ほどと…。
これ広がった膨れた状態ですね?そうですね。
一見見たところ変わらないんですけど実はこれは溶けるステントなんです。
ヨーロッパでは脚の方の血管の治療で使われてるんですけども溶ける糸ってご存じですかね?聞いた事あると思うんですけど。
それと同じような素材で作られてるもので体の中に入れると…なくなったらまずいんじゃないですか?実はこのステントというものは最初の9か月1年ぐらい役割を果たしてくれると血管がそのままの形を保持してくれるというところがあるんですね。
溶けるステントで毎年毎年入れなきゃいけないのかなと思っちゃったんですよね。
形状記憶のような形で保ってくれる訳ですね?残らないから入れ直すという事もしやすくなるかもしれませんね。
じゃあどんどんどんどんよくなってきてる訳ですね。
進化してるんですね。
ここまではステントの治療カテーテルの治療の進歩という事でお話をしてきましたけど次はバイパス手術という事ももう一つ大事な治療法になってきます。
ちなみにバイパス手術という事でどんな事が思い浮かびますか?道路交通情報の時にね「どこどこバイパスから車が混んでいます」とかねよくラジオで聞きますけどね。
そうですね。
「交通情報お願いします」なんて。
バイパス手術というのはもともとのある血管が本線という事であればバイパス手術というのは新しい道路を作ってよりたくさんの血管で心臓を守ってあげるという事になると思います。
こちら側少し濃い部分ですね。
これが動脈硬化で血管が細くなってる部分ですね。
その先の所に新しい道を作ってあげてたくさんの血管で心臓を守ってあげると。
全身麻酔をしたりして体の負担は大きいですね。
ですから入院期間も一般的に数週間と長い訳ですけども一度にたくさんの血管の治療ができるというところがこのバイパス手術の一つのメリットでしょうしこのバイパス自体に病気の再発というのが少ないんですね。
ですから一旦治療を行うとその効果が長く確実に続くという点がこのバイパス手術の特徴だと思います。
どこからその血管を持ってくるんでしょうね?いろんな所から血管を持ってくる訳ですね。
ろっ骨の方に行っている血管これを内胸動脈といいますけれどもこれを心臓の方に移し替える。
あるいは手首の血管ですね使って移植する。
それから胃の周りの動脈を移植する。
それから脚のふくらはぎにある静脈を移植する。
そういった事で心臓の方を守っていくという事になります。
でも大丈夫なんですか?人工の血管じゃなくそういうものを違う所から持ってくるんですね。
いろんな動脈がね。
実はいろんな臓器組織というものは複数の血管で守られているんですね。
ですからある一つの血管を行き先を変えたり移植したりしてもほかの血管で守られてる事が多いので多くの場合はもともとの組織臓器への影響は少ないというふうにはいわれています。
ただ事前にそれを移し替える事であるいは取る事で影響がないかどうかという事はいろんな検査で確かめた上で行われるという事ですね。
カテーテルとバイパス手術についてお話を伺ってきたんですけどどういう場合にどちらを選ぶかとその辺りはどう考えたらいい?どちらの治療法を選ぶかという事に関しては狭さくの場所は何か所かあるいは患者さんの年齢というのは体力的な事柄ですね。
それから心臓以外の持病どんなものがあるかという事でカテーテル治療かバイパス手術かという事が決まってくるという事になります。
おおまかな比較をするためにまとめてみましたけども冠動脈の根元にある上流にあるような病気の場合に関してはバイパス手術の方がよりふさわしいというふうにいわれています。
それからカテーテル治療は一回に治療できる回数は限られてますけどもバイパス手術はたくさんの血管を一度に治療する事ができます。
ですから狭さくの場所が3か所以上と書きましたけど多いほどバイパス手術の方がよりふさわしいという事になります。
それから年齢の高い人例えば80歳以上のような患者さんというのは体力的な問題もありますのでそういった場合はより負担の少ないカテーテル治療といった事をまず最初に考えていくような形になるだろうとあります。
それ以外にここに書きましたけど肺の病気。
これは全身麻酔の時に人工呼吸にかけますね。
それから肝硬変というものがあると血が止まりにくくなったりします。
こういった場合はバイパス手術よりもより負担の少ない局所麻酔で済むカテーテル治療の方が選ばれやすいですし一方で糖尿病の患者さんというのは何か所も病気が出てくる事が多いですね。
それから腎臓病も合併してる事が多い。
カテーテル治療の時に使う造影剤というのは腎臓に少し影響を及ぼしますのでこういった場合はカテーテル治療よりもバイパス手術の方がメリットがあるだろうと。
これは大ざっぱなところでありますが患者さんの個々の状態で治療の選び方という事は変わってきますのでこういった今治療を受けてるこういった持病があるんだという事は医師と十分相談して治療法を決定して頂くという事が大事なんじゃないかなと思います。
もう手術が終わりましたと無事成功しましたと。
そしたらもう大丈夫だと考えてよろしいんですか?カテーテル治療あるいはバイパス手術というのはもちろん大きな治療法でありますけどもそれで全てが終わったという事ではないんですね。
お薬をきちんと継続していくという事はとても大事な事ですね。
再発予防のためにも動脈硬化を予防するお薬あるいは血栓を予防するというお薬は継続して頂くという事は心がけて頂きたいというふうに思います。
ありがとうございました。
いや〜ためになりましたね。
治療の前に我々ができる事をまずやらなきゃいけないですね。
「心筋梗塞を防ぐ」という事で4日間にわたってお伝え致しました。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/05/07(木) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 心筋梗塞を防ぐ「カテーテルかバイパス手術か」[解][字]
狭心症が進行した場合などに行われるカテーテル治療とバイパス手術。カテーテル治療は金属のステントを血管内に固定、バイパス手術は、血管をつなぎ合わせて血流を改善。
詳細情報
番組内容
薬で治療しても狭心症が進行した場合は、カテーテル治療かバイパス手術かを選択。カテーテルと呼ばれる細い管を使って冠動脈の狭くなった部分を内側から広げ、ステントと呼ばれる金属を血管内に固定して血流を改善するカテーテル治療に対し、バイパス手術は血管の狭い部分をう回して、その先に血液が流れるように血液の新しい通り道を作り、多くの血管で心臓を守る治療法。どちらの治療法を選ぶかは、血管の状態や持病などで判断。
出演者
【ゲスト】松村邦洋,【講師】国立循環器病研究センター部門長…安田聡,【キャスター】桜井洋子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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