ひるブラ「めざせ!世界の“SHIBORI”〜愛知県・名古屋市〜」 2015.05.11


生字幕放送でお伝えします
敦士さんまだ5月の上旬ですけどもきょうは暑くなりましたね。
この扇子の風がたまりませんね。
日ざしも強くなってきましたしね。
きょうは愛知県名古屋市からお伝えするのは、こちらです。
スタジオの柴田さん!なんだか分かりますか?
それって染め物じゃないですか?もしかして。
さすが、よくご存じで。
そして、僕が今着ているこのシャツと若月さんのネクタイ。
これも染め物なんですよ。
いい風合いですよね。
これがどんな方法で染めたかといいますと絞りなんです。
有松の絞りは絞り染め9割のシェアを誇っていまして全国1の有松・鳴海絞りなんですよね。
いまや世界に誇る全国一の伝統工芸なんです。
柴田さん、絞りというと布だけを染めるものと思ってませんか?
思ってますよ。
布以外に何かあるの?
有松は、一味違うんですよ。
新しいものにチャレンジしてるんですよね。
地元の若手グループのお二人です。
なんと、牛の革ですよ!
牛の革って、牛革ってこと?
厚みがあるんですよ。
これにも絞りの技術を使って染色してるわけです。
牛革の絞りのバッグです。
いい風合いが出てますよね。
この絞りを支えているのが江戸時代から400年以上続く伝統の技術なんです。
きょうは、この愛知県・有松から伝統の有松・鳴海絞りについてお伝えしていきます。
有松の名を全国に広めたのがこの道なんですよ。
ここは江戸時代からある重要な街道の東海道なんです。
有松は絞りの有名な産地として江戸時代の浮世絵にも描かれてるんです。
それが、こちらでございます。
見たことありますよね。
なんか、おまけでついてきたような気がする。
こういうのが。
この通りと比べてもらうと…。
似てますよね?実は、歌川広重が描いた昔の有松の様子なんですが建物といいねこの道が東海道でして歴史があるんですよ。
そして、絵に見える、この建物は有松の絞り問屋が描かれてるんですね。
ここ、有松なんですけれども愛知・名古屋の南東部の東海道沿いにありましてこの東海道を旅人が通っていました。
その旅人がこの有松の絞りの魅力を全国に広めたんですよね。
昔の人もこの風景を見てたんでしょうね。
その江戸時代からの技術が今にも残っています。
タイムスリップしたようですね。
本当に江戸時代のたたずまいが残っていますけれども。
こちらも江戸時代の建物なんですけれども先ほどの絵の場所とは違うんですけどもなんと、創業225年。
江戸時代から続く絞りのお店なんですよね。
こちらの中に有松の絞りが100年以上前から世界に認められてきたという証しがあるんです。
なんだろうと思いますよね。
中にあるんです。
立派な建物ですよ。
柱も太くて、天井も高くて昔の商家の造りですね。
そして、この籠。
江戸時代の籠です。
江戸時代で見たことあるその籠は本物がそのままこうやって飾られているんですよ。
それだけ大きな豪華なお屋敷ですよね。
いろんな絞りの商品が並んでますよ。
うちわがあったりとか巾着もあってこの巾着も便利なんですよ。
伸びるんです!
柴田さん、100年以上前に世界が認めたという証しがこちらです。
「パリ万国博覧会受領賞牌」。
その上に1900年という数字がありますよね。
1900年のパリ万博で銅賞を受賞したんですよ。
さらに上1910年の日英博覧会でも銀賞を受賞した。
この盾と絵だけでも価値がありますよね。
歴史がありますよね。
有松の絞りは100年も前から世界から認められた伝統工芸品なんですよね。
100年以上前に世界が認めた有松の絞り、どんなものだったか店主の服部謙志さんにお聞きしたいと思います。
服部さん、100年以上前に世界が認めた有松の絞りどんなものだったんですか?
こちら今、代表的な絞りをご用意しました。
まず最初に、手蜘蛛絞りですね。
蜘蛛の巣のような柄が特徴的なんですよね。
そしてくくってあるところなんですがこの糸をツルツル…って全部一本の糸でくくってるんです。
これを、ほどきますとこういった柄が出てくるんですね。
これ外国の人は最初見たときびっくりしただろうね。
やわらかいのに、なんでとげとげなんだってびっくりしたよね。
これ全部、手作業ですから。
機械でできませんから。
ずるずるって手で絞ってくくって。
そして、これを全部、伸ばすと今、くくってるから短いですけど何メートルになるんですか?
約12mになります。
完成まで、どれくらい時間かかりますか?
やはり絞るだけで1か月はかかりますね。
製品になるまでもうちょっと時間がかかる?
染めたりして2か月ぐらいかかりますね。
すごく手間がかかってますね。
そして、お次の柄を。
三浦絞りですね。
これは三浦さんが考案された…。
人の名前の絞りです。
これまた細かいですね。
そして最後。
こちら巻き上げ絞りですね。
ドレッドヘアーのような感じですね。
それが開くときれいなものになります。
これ、有松絞りというのはどういったところが世界から評価されたんでしょうか?
やはりこの繊細な手仕事の技とそれによってできる凹凸感が世界で認められたと思います。
こういう凹凸で浴衣を作ったら気持ちいいんでしょうね。
涼しいですよ。
こちら最高ですよ。
そういったところが認められたと。
そして、このお店にはいろんなものがあるんです。
いろんな色。
華やかな色からシックな色までいろんな絞りがあるんですがここで服部さんに僕に似合う色を見立てていただこうかと思ってます。
これからの季節浴衣なんかもいいですよね。
雁木杢目
(もくめ)の…。
僕には重いかもしれませんけどもきれいですよね。
こういう白を貴重にしたものもありますね。
日の出絞りですね。
お日様の日の出です。
粋ですよね、絞りで。
柴田さん!敦士さんに似合うこの独特のデザインなんですけど今も海外で注目されてるんですよね。
そのデザインを生かしてさまざまなものに使われているんですがそれが、こちらです。
ランプなんです。
このかさが絞りになっているんです。
ほかにも、さまざまな大きさのものがありますんでご紹介します。
こちら、上をご覧ください。
優しい光が出てますよね。
先ほどもありましたようにこの独特の凹凸がやっぱり絞りの特徴なんですよね。
掃除するの大変そうですね。
ほこり、いっぱいたまりそうじゃない?これ。
ただ、ランプシェードに使われている素材は化学繊維でして絞ったあとに熱を加えてありますので形状記憶になっております。
ですから洗っても大丈夫なんです。
洗えるの?
洗っても絞りの独特の凹凸が出るんですよね。
それごと、はいでじゃーっと洗って戻せばいいんですね。
この独特の凹凸によって絶妙な陰影が出るでしょう。
これが海外で人気なんですよ。
これ、高いですか?お高い?
そこそこのお値段もしますね。
ピンからキリまでありますけども。
それだけじゃありませんよ。
柴田さんにお似合いのものもありますよ。
スカーフです。
これもね、涼しげなデザインがありますね。
このランプやスカーフを企画製作してらっしゃる村瀬裕さんです。
村瀬さん、この絞りが海外で人気が出ていてある現象が起こってるそうですね。
この絞りの技術有松・鳴海絞りが世界で紹介され今、世界のSHIBORIとして共通用語として認められ非常に高い評価をされています。
柴田さん、絞りが世界のSHIBORIになってるんですよ。
英語っていうかローマ字で。
格好いい!
この世界で認められる有松の絞りなんですが江戸時代から続くものが大本になっているんですよね。
それ、なんだか分かりますか?
どういうこと?絞りは絞りでしょ?染め物の技術で…。
もともと、何が有名になってこの有松の名が広がったかということなんですが。
実は、こちら!手拭いなんです。
これも江戸時代から流行してたわけですか。
この東海道を通る旅人が、必需品ですよね。
手拭いが人気が出て有松の名が広がっていったんです。
こちらにさまざまな手拭いがありますんでご紹介します。
旅人の中にも走ってらっしゃる方もいたと思うのでこういうときにきょうみたいな天気のときは汗を拭うにも十分なんですよね。
こちらに伝統の柄、江戸時代から続く柄があります。
まず、豆絞り。
色合いがいいでしょう。
お隣、先ほどもありましたように手蜘蛛絞り。
濃い色合いがいいですよね。
模様だけじゃありません。
絵柄もあります。
魚のこい。
絞りでこいを表現してるんですか。
昇ってるんですよね。
こちら、おもしろいですよ。
みのに鉄砲。
みのに鉄砲という柄なんですけど猟師さんが昔わらでできた雨の日などにかぶるみのを表現しておりましてここが鉄砲のパンパンという火花が様子を再現しています。
江戸時代から本当にバリエーションがあったんですね。
昔ながらの遊び心のある粋なデザインが今の現代にも生きているということですね。
このように江戸時代から続く伝統の技なんですがこの技だけじゃなくて町並みも大切にされてきたんですね。
この通り、何かないの分かります?柴田さん。
何かない…。
あれがない!コンビニがない!ファストフードがない!
コンビニもないんですが電柱もありません。
電柱が一本もないんですよ。
この800mにわたって電線を地中に埋めまして電線をなくしたんですね。
今は町並みを見ようと海外からも多くの観光客が訪れています。
来月になりますとこの江戸の東海道を再現したお祭りも開催されるということなんです。
この大切な町並みそして技術生き残ってきたんですけどその技術をご紹介します。
あちらの絞りの資料館に敦士さんが行っています。
柴田さん、僕、今何をやっているか分かりますか?
絞り?
そうなんです。
絞りの柄を作る作業をやってみてはいたんですが…。
やっぱ、きょう覚えたことはできないですね。
今、糸で柄をくくっていく、くくりという作業をしていたんですがやっぱり、いろんな絞りの手順がある中でくくりという作業が一番難しいらしいんですよ。
そして、僕の今お隣にくくりのプロがいます。
名人です。
中島鈴枝さんです。
早いですよねびっくりしますよね。
その早さもさることながら中島さんおいくつだと思いますか?
80歳?
94歳ですよ!
お若いですね!
この中島さんは子どものころから始めてこの道80年なんです。
くくりのプロなんです。
名人です。
国から指定された伝統工芸士でもいらっしゃるんですね。
すごいですね。
手元のしっかりなさってて94でこの細かい作業をなさるって目がちゃんとよっぽどよくないとできないですよ、これ。
速い!
僕がやってた作業をこのスピードでできるんですよ。
まさに名人でございます。
今、中島さんが作る柄は突き出し鹿の子絞りといいましてこの点々が、子鹿の斑点のように見えますよね。
そして、出来上がったものがこちら絞りの完成品ですね。
鹿の子絞りといわれてますね。
一つ一つ、手作業だから一つ一つの模様が、全部ちょっとずつ模様が違っててかわいいですね。
味がありますよね。
今、中島さんあまりのスピードなのでちょっと、ゆっくり、どうやって糸をくくっているのか見せていただきましょうか。
針がありますね。
これで、点に当てますね。
これを2回、回します。
抜いて、きゅっと締めてわっぱで縛る。
ここをかたく締めんと染料が入っちゃうからここをかたく締めて…。
ゆっくりやってもらってもすごい難しいと分かるんですけど。
きゅってしないとさっきの敦士君みたいに抜けちゃうのね。
こういった方が伝統をつむいでいらっしゃるんですね。
これからもお元気でくくってください。
そして、お隣の方。
松岡清子さんです。
こちらは違うくくり方なんですが竜巻絞りといいましてこうやって布を自分でじゃばらのように畳んでいってそれを糸で竜巻のように、くるくる巻くから竜巻絞りというんですね。
自分の指先の勘だけでありましてかなり神経を使う絞りのくくり技法であります。
出来上がったものが糸をほどいたものですがこう色が出てくるんです。
ストライプに出てくるんですね。
きれいですよね。
柴田さん!この熟練の技が世界のファッションにも取り入れられているんですよ。
こちら、この洋服なんですが柴田さん、どこかで見たことあります?ご存じのはずなんですがね。
有名なデザイナーズブランドのものです。
どこだろう…。
日本のデザイナーさんですか?ISSEYMIYAKEとかそういうやつ?
そうです!
三宅一生さんなんですよ。
20年以上前から有松の絞りを毎年のように新作に取り入れてらっしゃるんですね。
ドレスは外国の刺しゅう柄を有松の絞りで表現しています。
このワンピースも伝統の絞りで染められたものなんですよ。
江戸時代の伝統と最新ファッションがコラボレーションをしているということですね。
なんともいえない布の風合いがすてきですね。
さらに、この有松では新しいチャレンジも行われています。
今度は空間を絞りで彩ろうとされているんです。
おしゃれですね、これ。
天井も布ですか?
優雅なものカーテンなんです。
こちらも都内の有名ホテルで実際に使われているカーテンで伸縮性があって光の通り具合もすてきでしょう。
これも有松絞りなの?
そうなんです。
まだまだ、ありますよ。
のれん?
のれんなんですよ。
これも有松絞り。
重ねてのれんになってるんですけど一枚一枚、使うとオブジェとして使っていただいても。
何枚も重ねることでのれんにもなると。
敦士さんさらには、下にありますがビーズクッションですよ。
これ全部、絞りですよ。
凹凸がありますね。
これは豪華ですよ。
気分がいいですね!
これらを手がけたのが染色師の久野剛資さんです。
久野さん、いろんなチャレンジの手応えいかがですか?
ファッションだけじゃなくて伝統の技がやっぱり、和だけにとどまらずにインテリアとかそういういろんなジャンルに広がってますね。
さらに、素材にもチャレンジが生かされています。
こちら牛の革。
これも渋いでしょう。
いい色合いが出ていますね。
ここが絞りの部分です。
さらにはデニム地。
それからキャンバス地なども行われています。
これらを作ってらっしゃる地元の若手のグループの竹田さんです。
このチャレンジ、いかがですか?
今までの絞りでは使ってこなかった普通の生地に絞りを施しまして高齢の職人さんたちが作るのは難しいですので若手の職人さんにこういったものを絞っていただいて大胆な柄を表現できるのも魅力の一つかなと。
若さで作る絞りということですね。
こういったものが新しいチャレンジにつながっていくわけですね。
2015/05/11(月) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
ひるブラ「めざせ!世界の“SHIBORI”〜愛知県・名古屋市〜」[字]

多彩な柄と複雑な絞り模様で親しまれている名古屋市の有松鳴海絞り。職人たちは今、世界進出を目指して新しい絞りに挑戦しています。最先端の技術とデザインを堪能します。

詳細情報
番組内容
【ゲスト】敦士,【コメンテーター】柴田理恵,【司会】若月弘一郎 〜愛知県・名古屋市から中継〜
出演者
【ゲスト】敦士,【コメンテーター】柴田理恵,【司会】若月弘一郎

ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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