スロバキアの AeroMobil 社が2017年の市販を目指し開発中の空陸両用車 AeroMobil 3.0 が、5月8日に実施したテストフライトで墜落、大破しました。
機体を開発する Stefan Klein 氏が試作機のドライバー/パイロットを務めていましたが、墜落の直前に非常用脱出システムを起動、パラシュートを使って無事に生還しています。
[Image credit: MH, SME.sk]
残念な結果に終わった5月8日のテストフライトですが AeroMobil 社 CEO の Juraj Vaculik 氏は事故後、ツイッターで「脱出システムのテスト完了!」と言わんばかりに明るい素振りを見せる Stefan Klein 氏を紹介しています。
Dear Friends, Stefan is well and ready for the next flight. Thanks for your support. @aeromobil #EmergencyLanding pic.twitter.com/OEmPXrIuRj
- Juraj Vaculik (@jurajvaculik) 2015, 5月 8
さらに AeroMobil 社は「デザインを煮詰め、信頼性を高めていくうえで事故は起こり得るもの」とし、事故に対して楽観的な姿勢を示しています。
とはいえ市販に向けた開発ロードマップには試験中の墜落事故など含まれているはずもなく、たとえマイナートラブルであったとしても、その原因究明と対策にある程度の時間が必要となることは間違いありません。またこの事故が潜在的な顧客に対して不安要素となる可能性も懸念されるところです。
なお AeroMobil 社は、墜落した機体は損傷したパーツを交換して再びテスト飛行に臨むとしています。しかしクラッシュした機体写真を見れば見るほど、全損ではないのかと思えてなりません。
下は事故よりも前、3月23日に実施された AeroMobil 3.0 テストフライトの模様。
ちなみに、AeroMobil 社と同様に空飛ぶ車を開発する企業としては米国の Terrafugia があります。こちらは翼を縦に折り曲げて収納するタイプでテスト飛行も経験済み。2006年に開発を開始し、当初2011年の出荷を目指していましたが、のちに2013年へと修正。さらに2015年の現在にあってもまだ市販には至っていません。