20世紀初頭イギリスの貴族クローリー家が住む館ダウントン・アビー
(コーラ)ああシビル。
嫌よそんな…。
三女シビルの突然の死に悲しみに暮れるダウントン
(マシュー)トムのこれからのことは決まったの?
(ブランソン)リバプールにいる兄の所で働こうかと思ってる。
ブランソンは生まれたばかりの娘を連れ屋敷を去ろうとしていました。
しかし…
僕が領地の管理人になってもいいんですか?
(ロバート)シビルからの贈り物だと思ってくれ。
マシューとブランソン。
2人はダウントンの再建に乗り出します
僕らの子供のためにダウントンを守りたい。
次女イーディスはある決断をします
(イーディス)私ジャーナリストになるわ。
(メアリー)編集者の印象は?とてもすてきよ。
無罪となったベイツがダウントンに戻ってきます
(カーソン)お帰りなさいベイツさん。
君の処遇は考えてる。
むげにクビにはしない。
ベイツの代わりに伯爵の従者を務めていたトーマスは…
(オブライエン)ジミーはあなたが気になるみたい。
オブライエンの策略で窮地に立たされることに…
(ジミー)どけ!触んじゃねえこの野郎!
(トーマス)俺たちの間には絆が…。
やめろ。
ふざけんな!
(オブライエン)あの男は神と人間の法に背いたんだから告発して転落を見届けるのよ。
(テーマ音楽)
(ビル)フィールドは何とか無事のようだ。
一安心だな。
(モールズリー)あの雨でよくもったね。
お屋敷チームのやる気はどうだ?我々村チームはやる気満々だぞ。
旦那様のやる気には勝てませんよ父さん。
誰よりも真剣だ。
(カーソン)ベイツさんが休みを終えて職場に復帰する。
このたびの不幸な事件にけじめをつける時だ。
(トーマス・バロー)俺はお払い箱?今回の君の問題について私は嫌悪感を隠せないがだからといって全く君に同情しないというわけでもないのだよ。
君の汚れは言ってみれば自然のいたずらのせいで別に自ら望んだものではないだろう。
このまま黙って去るというなら穏便に済まそう。
ベイツさんが戻ってきたことを理由に辞職するんだ。
そうすれば私も喜んで推薦状を書こう。
不名誉なことは一切載らない完璧なものをね。
分かりました。
今夜の業務は?もうお着替えの時間だから今夜は君がやってくれ。
ベイツさんはあしたからだ。
俺は別に汚れてはいません。
あなたとは違いますが汚れてはいない。
そうかなるほど。
この話はもう終わりだ。
もういいかね?着替えの鐘を鳴らさねば。
(ドアを開ける音)仕事をしたまえ。
立ち聞きしている暇はないぞ。
(オブライエン)私は別に…。
・
(パットモア)ほらぼやぼやしないで。
もう時間がないよ。
(コーラ・クローリー)クリケットチームはどんな感じ?
(ロバート・クローリー)何の問題もないだろう。
トーマスも居るしな。
(イーディス・クローリー)彼辞めるんでしょう?ああ。
だが試合まではここに居てもらう。
アンナが庭師から聞いた話では村チームは強いそうよ。
屋外の使用人が村チームとは納得いかんな。
どちらもお父様のチームなんだから両方応援すれば?私は屋敷側の主将だ。
村チームの主将になったら?勝つのはあっち。
大抵はな。
だがいつもじゃないぞ。
どうした?メアリー。
静かだな。
ロンドンへ行ったそうだが疲れたのか?
(メアリー・クローリー)そうね。
あしたはゆっくり休むわ。
(ジミー)まずい。
行かなきゃ。
その前にいい知らせよ。
カーソンさんがトーマスの解雇を決めたみたい。
やっとか。
あなたがトーマスに対する怒りをぶちまけたければ今のうちよ。
別にそんな気は…。
まあそりゃいまだに胸くそ悪いけど…。
それはそうよ。
でもここで彼を許せばあなたも同類だと思われるわよ。
では失礼。
上に行かないと。
(足音)
(マシュー・クローリー)アンナどうしたんだ?
(アンナ)メアリー様が奥様と中に。
もうお着替えの時間なんですが。
僕が見てこよう。
(コーラ)ライダー先生はいいお医者様よ。
心配ないわ。
ええ。
そうだといいんだけど。
アンナが外で待ってるよ。
いやだ。
驚かせないでよ。
私も行かなきゃ。
オブライエンに怒られるわ…アンナお待たせ。
何の相談?別に。
女同士の話。
それよりお父様が話していたわよ。
クリケットの試合のこと。
去年は村にボロ負けした。
僕も出なきゃ駄目?でしょうね。
お父様は去年の雪辱を果たそうと燃えているから。
ベイツは免除されてるんだろ。
羨ましいよ。
脚に問題さえなければ喜んで出場すると思いますけど。
そうだよなすまない。
失言だった。
どうぞご心配なく。
ただの冗談です。
フム。
・
(モールズリー)ほら何をやるにしてもそれなりの資質ってモノがあるだろ?まあクリケットにだってもちろんあるわけで。
子供の頃からやってると何ていうか技が自然と体に染みついてるんだよね。
(パットモア)ン〜。
父が鬼コーチでね。
エヘヘッ。
みっちり教え込まれたよ。
ウン。
(デイジー)なのに何で初出場なんです?それはそのうお屋敷に来たのは今年だし村チームは嫌いだったから。
(アイビー)ファンクラブを作りましょうよ。
優しいねアイビー。
だけど私が望むことはお屋敷の勝利だけさ。
あ〜ら謙虚だこと。
その姿勢をみんなも見習わなきゃね。
フン。
(デイジーとアイビーの笑い声)ウフフッ。
ウン。
何を熱心に読んでいるの?今週のコラムよ。
あした送るの。
テーマは?哀れな退役軍人よ。
その多くが道端で物乞いをしたり元将校はクラブで女性のダンスの相手をしてる。
塹壕に比べればクラブのほうがはるかにマシさ。
ちゃかさないで。
自分は塹壕を知らないくせにね。
(バイオレット・クローリー)今頃はもう18くらいね。
あのローズが18歳?ええそうよ。
驚きだわ。
どうも。
(イザベル・クローリー)責任重大ね。
(バイオレット)断れなくてね。
私のめいに当たるローズの母親から「ローズを預かって」と頼まれたの。
ローズはねロンドンが嫌いなのよ。
だけど7月までスコットランドには戻れないんですって。
父親の仕事が忙しいらしくてね。
ロンドンが嫌でヨークシャーのあなたのもとで過ごそうというわけね?ウン。
珍しい子ね。
そんなバカな。
できるだろう?
(トム・ブランソン)いえ無理です。
力になりたくてもクリケットはやったことがないんです。
僕には無縁のスポーツだったので。
去年は出ただろ?いえ出場してません。
一度も経験がないんです。
ならやってみろ。
(コーラ)ロバート。
無理強いしないで。
ディナーを楽しみましょ。
アァ…。
(デイジー)そっちのタマネギも全部刻んじゃって。
トーマスに推薦状を書くみたいよ。
(ジミー)どうしろって言うの?カーソンさんに抗議するのよ。
トーマスに悪い評価を付けないなら通報するってね。
通報って…俺が!?そうよ。
やるべきだわ。
みんなから変な目で見られたくなければね。
何してんの?料理が冷めちまうだろ。
(足音)ウーン。
ローズのことですがうちに泊めたらどうですか?いえいいの。
預かるのが楽しみなのよ。
フフフッ。
私に18歳は無理だわ。
若い子とは話が通じないもの。
夫と私はよく旅をして言葉の通じない相手とも楽しい夜を過ごしたわ。
コツは笑みを絶やさず批判的な顔をしないことよ。
フムフー。
それじゃあベイツあしたからよろしく頼むぞ。
おやすみバロー。
君の幸運を祈っている。
恐縮です。
旦那様。
(ドアの開閉音)敗者は去るのみか。
これからどうする?どうでもいいだろ。
そうだな。
私には関係ない。
(ドアの開閉音)シンプソンとタッカーの土地を買い取ればかなりの土地が戻ってくるんだ。
そこで立派な事業ができる。
だからこの時期にクリケットの試合があってよかったよ。
どうして?あなたが試合で活躍すれば父が計画に賛成するとでも思ってるの?というよりクリケットをやることで古い伝統も大事にしたいっていう姿勢を見せられる。
で私は父の説得係?そうとも。
僕らはチームだろ。
(キスの音)ウン。
キス以上は駄目よ。
僕が恋しくなかった?恋しかったわ。
でもロンドンに行って疲れたのよ。
(キスの音)ハァ…。
(ノック)どうぞ。
カーソンさん。
バローさんは辞めるんですか?ああそうだ。
こう言っては何だが例の事件はバローさんの誤解から起きたものだ。
彼も深く反省している。
まあ言い訳にはならんがね。
彼に低い評価を付けました?何だって?だってああいう男をよその家で働かせられませんよ。
妥当な推薦状を書くつもりだが…。
見てもいいですか?駄目に決まってるだろ。
やはりこれは警察に通報しようかと。
何?今の時代皆さんは進歩的なようですが…。
おいちょっと待て。
私は決して「進歩的」などと言われる筋合いはないぞ。
とはいえこのお屋敷でスキャンダルは困るのだ。
バローさんにはできるだけ静かに去ってもらうことにする。
それがお屋敷とご家族と君自身のためだ。
いいな?お言葉ですがこのまま黙っているわけにはいきません。
罪を見逃せませんから。
(ドアを開ける音)
(ドアを閉める音)今コーヒーをいれさせるわ。
(ローズ・マクレア)あああの私コーヒーは。
母に止められてるの。
それじゃ他の物を…。
いいえいただきます。
言わなきゃどうせバレませんから。
(イザベル)お母様はお元気?忙しくしています。
父は仕事の奴隷だから他のことは母に任せっきりで。
奴隷ってことはないでしょう?この人には比喩が通じないのよ。
あなたに渡す物があるの。
(ドアを開ける音)フン。
(エセル)おいれしますか?いいえ私がやるわ。
(ドアを閉める音)ほら見て。
雑誌に載せた広告に反応があったわ。
バイオレットはうちの料理人をよそへやる気なの。
ウフッ。
それはちょっと困りますね。
この人は人を困らせても自分の主義を貫く人よ。
それはお互いさまでしょ。
ウフフッ。
フン。
推薦状なしで出て行けと?10年も勤めたのに…。
すまないが諦めてくれ。
それじゃ誰も雇ってくれない。
旦那様はご存じなんですか?いや。
なら直訴します。
だがこうなった経緯も説明できるのかね?アッ…。
ウン。
ジミーは誰かにそそのかされたんです。
彼はそんな冷酷なやつじゃない。
君のこの状況で彼をかばおうという姿勢には心打たれるがこれが現実だ。
一日二日ここに泊まってもいいですか?頭を整理したいので。
ウン。
ああそれは別にかまわんだろう。
だがそれ以上の便宜は図れんよ。
アッ…。
ありがとうございます。
(ベイツ)かろうじて臭いはしないな。
いいおうちよ。
壁を塗り直せばよくなるわ。
私が塗ろう。
できるさ。
ハシゴに登っちゃ駄目よ。
でもまあ2人で快適なおうちにできるわよ。
いくら何でも楽観的だ。
「前向き」と言ってちょうだい。
それが私たちでしょ?君がいる部屋ならどこだって快適だ。
ウフッ。
おいで。
ウワー!アハハハッ!ハハッ。
少しはこの辺を案内しないとね。
イーディス。
水曜にウィットビーの市場へ連れてってあげなさい。
楽しいぞ。
(イーディス)無理だわ。
水曜はロンドンへ行くの。
そう。
連れてって。
あらでもここへ来たばかりだしあの街は嫌いなんでしょ?えっ?誰が言ったの?スーザンよ。
アァ…お母様ったら。
じゃあの子の勘違い?いいえ。
母の言うとおりだけどロンドンへ行って母を驚かせる贈り物を用意したいの。
これはないしょにしてね。
ご両親の所に泊まるか?それじゃ計画が台なしよ。
だったら私と一緒に。
ロザムンドおば様の家は部屋が余ってるし。
ロンドンへ何しに行くの?編集者と会ってコラムの話し合いよ。
僕も一緒にロンドンへ行くよ。
あした電話してクラブハウスに泊まるようにする。
だったらあなたもおば様の家に泊まって。
それに私1人ではローズにてこずりそうな気がするし。
どうして?何となくだけど予感がするの。
そんなことしたらスーザンが怒るわ。
ううん喜ぶわよ。
娘に協力してくれたみんなに感謝するはず。
それにイーディスっていうお目付け役もいるし心配ないわ。
(ブランソン)折り入って頼みがあるんです。
(コーラ)頼みって?領地の1/3を自営の農場にしたいんです。
運営できるの?できます。
伯爵が反対しても僕らを信じてください。
母を味方に付けてるの?かわいそうなロバート。
戦後の世の中は彼に厳しいわ。
フーッ。
管理人の家には住めそう?ジャービスはきれいに使ってた?ああ問題ないよ。
ただ家具はみんな彼が持ってったから質素に暮らすよ。
多分屋根裏に使える物があると思うから見てみましょう。
でもシビーはどうなの?寂しいんじゃないかしら?あなたと乳母だけしかいない家なんて。
もう決めたことですから。
(扉を開ける音)
(ヒューズ)バローさん?ウッ。
こんな所で一体何をしているの?
(泣き声)フム。
ここを去るからってそんなに悲観することありませんよ。
経験も積んだし次は執事だって夢じゃないわ。
あなたは分かってない。
じゃあ分かるように説明して。
でも全て知ったらきっとあなたはショックで不快な気持ちになる。
ショックで不快に?あらまあ。
ならますます聞きたいわ。
さあ。
先代の伯爵夫人がねこの村であなたが孤立してるんじゃないかって気にしているの。
アァ…私を気遣って?そうでもないわ。
あなたにまつわる心ないうわさ話が広まっていると思ってるみたい。
アァ…。
それで仕事を探す広告を出したら何件か申し出があったそうよ。
つまりね私とヒューズさんがあなたに推薦状を書いてあげるからそれを持って新天地で出直すこともできるわ。
過去は消せる。
(ドアを開ける音)呼んだ?新しいメイドはどう?彼女は駄目ね。
きっと続かないわ。
アンナが恋しい。
侍女になってからの呼び方は?「アンナ」のままよ。
「ベイツ」って呼ぶのは変だもの。
確かに。
それで何の用?その…マシューもロンドンに行くのよね?それが何?どの列車で帰ってくる予定か知りたくて。
木曜の3時発よ。
なんで?それより前の列車には乗せないで。
そう言われても。
何て言えばいいの?適当に考えて。
お願いよ。
分かったわ。
でもなんでいつも物事を複雑にするの?
(ドアの開閉音)話はマシューがロンドンから帰ってから。
何の計画だ?彼が話します。
彼の考えだ。
不吉な予感がする。
(コーラ)どうしたの?マシューが恐ろしい計画を立てているようでトムも怖がって言わないのだ。
酒が要る。
(ため息)ジェームズの脅しに屈しては駄目ですよ。
言っときますけどトーマスから事情は聞きました。
さぞかし不快だったろう。
気の毒に。
どうして?そういう男性を見たのはトーマスが初めてだと思ってるの?そう願うよ。
違うわ。
私が思うに恐らくジェームズが彼を刺激したのよ。
何?ああ聞くに堪えんぞ。
そんな話は…。
落ち着いて。
故意に誘ったとは言ってませんよ。
でもジェームズは軽薄な遊び人だからトーマスに誤解されるような言動をしたに違いないわ。
我々がこんな会話をしているのが信じられん。
とにかく生意気な若造のせいで1人の男の人生が台なしになるのを見てられないわ。
国に尽くしてケガを負った男の人生をね。
だが我々にはどうにもならん。
ああいう行為は君にとっていくらなじみがあっても法に反するのだ。
分かってますよ。
なら結構。
言うとおりにしないとジェームズは通報しトーマスは牢屋に入れられる。
それがトーマスのためになるか?
(舌打ち)愛の巣を見回りか?石炭を取りに来た。
羨ましいよ。
どうせ嫌みだろ。
いや本心さ。
「みんなに祝福された幸せなカップル」。
俺にはなれない。
もっといい人間になれよ。
そうしたらトラブルになった。
どんな?いいんだ。
俺はいなくなる。
消えるよ。
うれしいだろ?ああそうだな。
今回は君を頼りにしているよ。
モールズリーさん。
どうぞどうぞ。
クリケットはお手の物だ。
ウン。
何だか不安だな。
それから私ジェームズアルフレッドそこのボーイ2人。
ここまでで6人だが。
プレーはできませんがスコア係なら。
よかった。
ありがたい。
それから旦那様マシュー様ブランソンさんを入れてもう10人だ。
バローさんは出ないの?試合の前に出て行くから。
ああそうとも。
メアリーは?アンナから出かけていると聞いたが?今夜は帰らないわ。
あした戻るの。
あした?なあコーラ。
あの2人はうまくいっているのか?メアリーとマシュー?ああ…。
うまくいってると思うけど。
そうか…早く我が家の跡継ぎの顔が見たいと思ってな。
ロバートまだ気が早いわ。
昼食のご用意ができました。
我々だけか?ええ。
トムは領地を見がてら外で食べるそうよ。
私を避けてる。
マシューの計画の件でな。
そうかもね。
旦那様チームの状況を報告してもよろしいですか?全員そろったか?ご家族が3人使用人で7人集めまして欠員はあと1人です。
いや2人だ。
ブランソンは出ない。
ブランソンさんは今忙しいのよ。
そうですか。
我々も皆忙しい身ですがお屋敷の名誉を守るために参加いたします。
そうだな。
だが今のはやや言い過ぎだぞ。
妻の機嫌を損ねるのは賢明ではないからな。
(ロザムンド・ペインズウィック)みんなここへ来たのは用事があるからでしょ。
さあどうぞ出かけてちょうだい。
(イーディス)上で着替えるわ。
でも夕食は一緒に食べましょうね。
近況を知りたいわ。
どうぞ我々の事はお気遣いなく。
ええそうよ。
そうしたいの。
家族のうわさ話が何よりのごちそうなんだから。
それじゃあ喜んで。
よかった。
夕食は8時半よ。
もしもし?交換台?・
(電話交換手)番号をどうぞ。
ナイツブリッジ4056。
・
(電話交換手)お待ちください。
(ドアを閉める音)募集広告への返事を読みました。
でもどの家もここよりは劣ります。
それは光栄だわ。
ワトソン夫人のお宅は魅力的ですがチードルに近いんです。
チードルはブライアント夫妻の家の近くで…。
(イザベル)なるほどね。
つまりそれじゃ本末転倒ね。
過去を吹っ切れないと思うんでしょ?奥様も?ええそう思うわ。
他に候補がなくて残念ね。
ハァ…ここに残りたいんですが…。
そうなるとバイオレット様ともめますよね?ああそれは気にしないで。
あなたが居なくてもあの人とは常にもめてるんだから。
(ドアの開閉音)
(女性)どうも。
(グレッグソン)今日は一段ときれいだ。
こんなこと職場では言うべきじゃないかな?いいえ。
すごくうれしいわ。
さてと仕事だが…君の原稿を読ませてもらったよ。
「退役軍人の苦境」がテーマとは女性のコラムには珍しい。
確かに女性的ではないけれど大切なテーマだからどうしても書きたくて。
いやその誤解しないでくれ。
女性がこういうことを書くのもいいと思ってるんだ。
常々言ってきたんだよ。
「重いテーマにも挑むべきだ」と。
ホントに?ああ。
すごく新鮮な切り口だと思うよ。
成熟した女性の主張だ。
「成熟」って響きは嫌だわ。
だったら…大人?ええ。
「大人の女性」がいい。
(2人の笑い声)ところで今夜は街に泊まるんだろ?空いてる?申し訳ないけど今夜は約束があるの。
残念。
今度来る時はぜひ連絡して。
ウゥ…。
トーマスのことはもう忘れて。
どうせいなくなるんだし。
気になるんだ。
やつの言葉が。
それに仕事を奪ったし。
別に奪ったわけじゃないわ。
もともとあなたが居ない間の代理だったんだから。
ウン…。
ヒューズさんに聞いてみるよ。
何か事情を知っているかも。
おっと。
ウフッ。
あなたよりはね。
ウフッ…。
ウン。
タクシー!ワーウィック広場へ。
(タクシー運転手)はい。
そうでしたか。
ショックではありませんか?いいえ。
トーマスの秘密はみんなが知っていたことでしょう?ええ。
でも表向きは知らん顔していたわ。
だからカーソンさんは参ってるの。
問題を目の前に突きつけられてもう無視できなくなったから。
それでジミーに屈した?ハァ…「しかたがない」と言って。
トーマスを牢屋に入れるわけにはいかないからね。
あんなとこ入るもんじゃない。
私がトーマスに同情するとは…。
ウフッ。
人生は驚きの連続ね。
待ってたほうがいいんじゃない?いいえ。
ローズを待っていたらおいしい料理が台なしですよ。
私のせいだわ。
私が目を離したから。
違うよ。
仕事ならしかたがないさ。
(ロザムンド)そういえばその編集者との仕事はどうだった?ああ…うまくいったわとっても。
あなたはどうだった?特に何も。
僕の用事はあしただからね。
(ロザムンド)ミード。
何なの?
(ミード)入って。
こちらは屋敷の外でローズ様を乗せたタクシーの運転手です。
(タクシー運転手)あの実はお客様がスカーフを忘れたのでそれを届けに。
ご親切にどうも。
言いたまえ。
食堂まで通された理由を。
下でメイドさんが皆様に行き先をお伝えしろと。
教えて。
あの子はどこへ?最初はワーウィック広場でお友達と合流を。
でそこからどこへ移動したの?その前に私は外に出されてお二人は2時間車内に。
あら不経済ね。
そのあとお二人は「クラブへ連れていけ」と。
グリーク通りの「ブルードラゴン」です。
そこはどういうクラブなの?それは…よくある…。
どんな所?知らないの。
(バンドの演奏)
(ローズの笑い声)
(バンドの演奏)
(笑い声)
(バンドの演奏)ワーオ!
(バンドの演奏)ダンテの「神曲」に出てくる地獄の外みたいだ。
地獄の中よ。
(バンドの演奏)
(イーディス)あそこにいたわ。
(ロザムンド)何?あれ。
別人みたい。
(女性客1)早く早く。
一緒にいるのが例の「お友達」ね?あの男と2時間も広場にいたわけ?
(マシュー)追及するのはよしましょう。
(バンドの演奏)
(拍手と歓声)
(マイクの男性)「どうもありがとうございました」。
(ローズの笑い声)ウゥ…。
(キスの音)やだ。
ウッソ…。
アッ…どうしてここが分かったの?よろしく。
ローズの母親のいとこよ。
レディー・ロザムンド・ペインズウィック。
テレンス・マーガデールよ。
(マーガデール)よろしく。
掛けて。
皆さんにグラスを。
ところで奥様はどちらに?彼女は今田舎で…。
アッ…ウンウン。
あのうテレンスはね父と仕事をしていたの。
だから家族ぐるみのお友達なのよ。
(イーディス)あらそう。
じゃあお父様に知らせたら喜ぶわね。
ねえやめて。
踊ろうか。
(マイクの男性)「それでは皆様お待たせしました。
次はこちらの曲です」。
(バンドの演奏)いいか。
この件をみんなに黙っていてもらいたかったらこのままおとなしく帰って「彼と関わらない」と誓うんだ。
少なくとも居候の間はね。
でも彼すごくかわいそうな人なの。
彼の奥さんっていうのがとってもひどい人で…。
そんなもの若い子を誘うための作り話だよ。
先へ進む前に一度奥さんに会ってみることをお勧めするよ。
別にいい。
彼私を愛してるし離婚が決まったら私と結婚するのよ。
離婚はいつ?アッ…それは今すぐってわけには…。
いかないだろうな。
だったら条件をのむんだ。
でなきゃレディー・ロザムンドに託すぞ。
なんで助けてくれるの?虐げられた者の味方だから。
失礼。
(バンドの演奏)ワーウィック広場のほうがいいわ。
あそこは静かで落ち着くもの。
長居はしなかったので…。
ローズは疲れたそうなので帰ります。
(マーガデール)もう少しここに…。
(バンドの演奏)ローズを預かれるのは私もうれしいのよ。
でも子育ては大変だわ。
終わりがないんですからね。
(イザベル)ロバートとロザムンドを熱心に育てていたの?あら意外かしら?少しね。
世話は子守任せであなたは着飾った子供たちと1時間ほど過ごすだけかと思ったわ。
そうは言うけど毎日1時間よ。
なるほど。
大変よね。
というわけでスワイヤー氏の遺産のおかげでお屋敷は持ち直した。
(ノック)カーソンさんいいですか?外します。
あっいや…。
(ドアを閉める音)何かね?バローさんはいつ出て行くんです?さあ分からん。
仕事もないのにいつまで居るんですか?こんなのおかしいでしょ?過ちは起きたが君は無事だ。
なのになぜそんなに大騒ぎするんだ?フン。
俺の考えは変わりませんから。
(ドアの開閉音)彼に入れ知恵した者をご存じですか?ベイツって人はうるさいな。
どうして?みんなあの人のことを褒めたたえてるけどひと言多いんだよ。
(アルフレッド)何か言われた?バローさんの肩を持つんだ。
カーソンさんが推薦状を書かないからでしょ?ひどい話よね。
いいや当然の報いなんだよ。
何も知らないくせに。
何あれ?私のせい?放っておきなさい。
関わらないほうが身のためよ。
(バイオレット)エセルの件は何か進展あった?ないわ。
残念ながらいい受け入れ先が無くてね。
1つも無かったの?ワトソン家は「魅力的」ですって。
でも近くにブライアント夫妻のお宅が。
そもそも「魅力的」だと言ったのは息子のチャーリーに近づけるからだと思うわ。
まあそれも当然よね。
ええそうね。
でもブライアント夫妻にとがめられたらもっと傷つくだけだわ。
(車の走る音)
(ライダー)結果が出たらお知らせします。
ですが恐らく何の問題もないでしょう。
せっかくいらしたのに無駄足でしたな。
ライダー先生お聞きしたいことがあるんです。
妻もここへ来ましたか?奥様は診ていませんしもし診ていても守秘義務がありますから。
ですよね。
ただ…僕のせいだと分かっているのに妻が悩んでいると思うといたたまれなくて。
こういうことは誰のせいでもないと思いますよ。
まあ私を信じて。
確率からいってクローリー家が子宝に恵まれる日もそう遠くないでしょう。
ハァ…。
どうも。
それじゃ。
では。
(ドアを開ける音)
(ドアを閉める音)ハァ…。
(足音)予約したレビンソンです。
飲んで落ち着いて。
ウン。
フーン。
どうして診察なんて。
問題は僕にあるのに。
分かってないわね。
問題は…私にあったの。
どういう意味?違和感があったのよ。
少し…。
アァ…いくらあなたにでもこんなことは言えないわ。
お父さんみたいだな。
だって娘だもの。
とにかく簡単な手術をしたわ。
えっ!?もう何週間も前のことよ。
あなたを拒んだのはそのせいだったの。
(ため息)嫌われたのかと思った。
それでね今日先生に経過を診てもらったらもう大丈夫みたい。
先生からは半年後の診察までには妊娠するだろうって言われたわ。
フン…。
じゃあ…早速子作りを再開しよう。
ウン。
ホントならスーザンに全てを報告したいわ。
母は理解してくれない。
私もよ。
何を考えてるの?良家の子女が既婚者と交際するなんて。
(マシュー)ローズもこれからは軽はずみな行動は慎むはずですよ。
そうでなきゃ僕がレディー・フリントシャーに報告します。
いいわ。
でも許さないから。
(ため息)
(車の走る音)
(車のドアを開ける音)
(イーディス)ローズ。
あなたちょっと奔放な女性が出てくる小説の読み過ぎなんじゃない?フッ。
みんなは秘密を守ってくれる?そのつもりよ。
あなたが約束を破らない限りはね。
ロザムンドおば様も?何だか今にもしゃべりそうだった。
(イーディス)平気よ。
おばあ様にバレたら怖いもの。
えい。
アァ…。
見てた?今の向き。
最初はこう。
次がこう。
(ジミー)よく分かりました。
何だい?浮かない顔して。
別に。
バローさんの件が不愉快なだけ。
だったらあんたもあっちでバットでも振り回したら?笑顔が戻るんじゃないの?ホントにカーソンさんは推薦状を書いてあげないのかしら?
(アイビー)バローさんどうする気なんだろ?外国にでも行きゃあいいのさ。
アメリカなんか合いそうじゃないか。
(デイジー)別に国を出る必要はないでしょ?あいつの話はするな。
何か隠してるみたいなんだけど。
聞いたってどうせ理解できないよ。
できたら困るよ。
なぜカーソンは黙ってた?困っているだろうに。
口に出すのもはばかられるんでしょう。
カーソンらしい。
だがバローの件は周知の事実だ。
私もそう言いました。
私だってイートン校ではよく男からキスされそうになり撃退したものだ。
脅迫とはひきょうな…。
ジェームズは陰で操られてるんです。
「お前も同類だと思われる」とある人から吹き込まれたんでしょう。
何だと?誰がそんなことを?バローの敵か?オブライエンさん。
オブライエン?バローと親しかったのでは?もう違うんですよ。
ねえお母さんと話したけどあなたをよそへやると言ってるわ。
ロンドンへ戻るんじゃなくて?ああ駄目駄目。
あんな恐ろしくて汚い街は。
母は何て言ってるの?一足先にダンイーグルの屋敷へ行くようにと。
私だけ?いいえ。
アガサおばさんが一緒に行くわ。
おばさんとスコットランドで2人きり?冗談じゃないわ!確かにレディー・アガサは陽気な人とは言えないわよね。
ロンドンでテレンスと会ったお仕置きなのね。
一体誰が母に告げ口したの?テレンスってどなた?アァ…。
大おば様はご存じないでしょうね。
でも約束したのに…。
私に言わないで。
とにかくお母さんの命令はこうよ。
「クリケットの試合の翌日にスコットランドへ行くように」と。
アッ…私逃げる。
今回は無理よ。
うちのメイドが付き添うから道中は話し相手がいるわ。
一生籠の鳥なんて嫌。
大人になれば解放されるわよ。
フーン。
でも今は駄目。
フウン…。
牢屋に入ったからか?昔は俺を目の敵にしてたのに変わったな。
確かに私は変わった。
オブライエンさんが黒幕だ。
誰かいると思った。
ジミー1人で考えつくことじゃない。
彼女のことが許せないだろ?別に。
10年も働いて推薦状がないなんて。
働き口がない。
イギリスにはな。
でも外国にならある。
ボンベイのいとこの所へでも行くよ。
暖かそうだし。
オブライエンさんに反撃したらどうなんだ?「潔く負けを認める」って言葉があるだろ?俺は負けたんだよベイツさん。
こてんぱんにやられたんだ。
私が代わりに戦ってやる。
彼女の弱みを何か握ってないか?そんなやり方は認められん。
農民たちの土地はできるだけそのままにしておくのだ。
でも利益を上げるためには…。
またそれか。
利益利益利益…。
収入が無ければ前に進めません。
徐々にやればいいだろう。
とりあえず投資で様子を見てみるのはどうだ?元手が3倍いやそれ以上になる仕組みがあるという話を聞いたぞ。
高配当をうたっていても実現は怪しい。
だがアメリカ人のチャールズ…確かポンジーは90日でばく大な利益を保証している。
ハリー・ストークが大金を投資した。
じゃそのハリーって人は大バカ者ですよ。
だが私が知るかぎり…。
そうやって投資して家を失いかけたのはどこの誰です?なんて口を利くの!ロバートは立派な一家の主よ。
もっと敬意を払って。
マシューにも別に悪気はないのよ。
私にはそうは思えんがね。
無理やり土地を取り上げたりはしませんよ。
でも時代の変化についていくためにも大きな改革をしないと。
一時しのぎではもう駄目なのよ。
長期的な方法を考えないと。
小作人はどうなる?我々を信じてくれた彼らの家族は?彼らのためになるか?そうは思えない。
でもまずはダウントンの存続を考えないと。
でなきゃ雇用も確保できないわ。
君までそっちにつくのか?あなたのやり方では現状維持のままで何も変わらない。
マシューのお金を無駄に使うだけ。
やがてはどん底に落ちて全てを手放すはめになるわ。
だからマシューに賛成よ。
なるほど。
もはや私が意見を言う余地などないようだな。
どうやら邪魔者は引っ込んでいるしかなさそうだ。
(イーディス)もしもしデイリー・テレグラフの案内係?・
(オペレーター)はいご用件は?ロンドンの編集者について調べたいんだけど。
・お名前は?マイケル・グレッグソン。
「スケッチ」の。
・何を調べます?ああその…簡単な経歴でいいわ。
学歴とか卒業後のキャリアとか。
・分かりました。
それと私生活も少しだけ。
・お待ちください。
どうしてうちなの?最初のお客様が彼女だなんて嫌だわ。
内密の話なんだ。
トーマスのこと嫌いなのになぜそこまでするの?やつのむなしい気持ちが分かるからさ。
自分が転げ落ちるのを止めることのできない無力感。
ウン。
雄弁ね。
フン。
議員にでも立候補したら?ウッフッ。
(ノック)
(ドアを開ける音)
(ドアを閉める音)あらまあ。
すてきじゃない。
お金をかければもっとよくなるのに。
(アンナ)お茶はいかが?長くかかるならね。
一体どういうご用件なのかしら?飲む時間はある。
(カップを取る音)他にご用は?ひとつ言っておくわ。
今日の午後うちに手紙が届いたの。
バイオレットから。
あしたの朝来てほしいそうよ。
何の用でしょう?それは行ってみれば分かるわ。
あらあなたがオスカー・ワイルドのファンだったとはね。
バローさんとは親しかっただろ?なぜ変わった?正気に戻ったのよフン。
それで前よりもっと性悪になったの?まあ随分しんらつだこと。
「彼には推薦状が要る」とジミーを説得してくれ。
そうすれば彼も再出発できる。
なんで私がそんなことを?冗談じゃないわ。
やるんだ。
帰るわ。
今夜やるんだ。
断ったら?君の秘密をバラすことになる。
(ドアを開ける音)
(オブライエン)もう十分懲らしめたと思うの。
ここは紳士らしく彼を許してあげなさい。
だけど言ってたでしょ?あいつを許せば俺まで変な目で見られると。
泣き寝入りすればね。
でも今寛容さを見せれば情け深いいい男だと思われるわ。
通報なんてしたくなかったんだ。
なら撤回しなさい。
けどそれじゃまぬけに見えない?その逆よ。
むしろみんなからの評価が上がるわ。
ああジェームズ上へ行ってくれ。
その前に少しお話ししたい事があります。
どうしてまたロンドンへ行くの?ただ悪い知らせがあったからよ。
悪い知らせって?
(マシュー)いいだろ。
詮索はよそう。
それよりクリケットチームの状況は?まだ2人足りない。
トムはどうしても出たくないのか?出たくないんじゃなくてできないんだからしかたない。
(コーラ)勘弁してあげて。
ところで引っ越しはいつ?ホントに寂しくなるわ。
(イーディス)お母様こそ勘弁してあげて。
引き止めるのはかわいそうよ。
子供は家族に囲まれたほうが幸せなのよ。
解決してよかったな。
だがやはりバローは去るのか?何か?彼はクリケットがうまい。
去年負けはしたがバローの活躍は見事だった。
推薦状を渡して一件落着かと思っていましたが…。
ああ。
まあそうだがカーソンはバローの解雇を撤回するべきじゃないか?そうすればジェームズに威厳を示せる。
とりあえず試合に出てから辞めてもらってはいかがです?それだと利用するようで薄情ではないか?本人がここに残ることを望みませんよ。
いや望むさ。
とにかく大事なのは試合だ。
承知しました。
見ろ。
この握り。
確実だが柔らかい。
ボールを優しく包むんだ。
じゃあガブリエルやってみて。
おい本当なのか?バローさんを許したっていうのは。
ズルズル長引いてたがようやくおさらばできる。
旦那様がクリケットの試合まで雇うって。
だとしてもそう長くはないさ。
推薦状を持って出て行く。
せいせいするよ。
(モールズリー)違う違う。
こうだよ。
もう一度。
ではウインドミル農場にある小屋を見に行ってきます。
一緒にどうですか?私がいなくても大丈夫だろう。
(足音)
(ドアの開閉音)行かないのか?あとで合流します。
マシューは言いませんがあなたの支援を求めています。
何よりも。
力にはなれんよ。
彼のやりたい事は私には向かない。
「商売人じゃない」と?私は何も言ってない。
意見を言ってもいいですか?ここに住む家族はみんな自分の才能を生かしてこの家に尽くすべきだと思います。
僕は多少は農業のことを知っている。
マシューは法律と商売に詳しい。
私は違う。
あなたは使用人やこの辺りの地域に対して負うべき責任を知っている。
ここはひとつそれぞれの得意分野を生かすんです。
みんなで力を合わせれば未来は明るいでしょう。
弁が立つな。
フッ…。
今回の計画の説明もうまかった。
最近のマシューよりな。
支援していただけます?考えておこう。
だが条件が…。
クリケットチームに入れ。
ンンフ。
今言っただろ?みんなで力を合わせるべきだと。
フッ…負けましたよ。
そこまでおっしゃるなら。
(ドアを開ける音)ウソ…。
(ブライアント夫人)私のこと聞いてなかった?全然。
エセルが近所で働くことが問題になるかどうか確かめるには直接お聞きするのが一番だと思ってね。
あなたの希望はもう聞いたわ。
エセル。
その…ワトソン夫人から募集広告にお返事があったので…。
状況は分かってるわ。
あなたがどれだけチャーリーに会いたいかもね。
実を言うと心苦しく思っていたの。
親子を引き離してしまったから。
でもあの子が大きくなるまでは混乱させるようなことはしたくなくて…。
混乱はさせません。
説明は考えてあります。
昔乳母としてお宅に勤めていたということに。
だけどこのことがご主人に知られたら…。
主人のことは私に任せてください。
じゃあエセル。
ワトソン夫人に手紙を書いて申し出を受けて。
またチャーリーに会えます。
けどつらいわよ。
でも会えないよりはマシです。
フッ…ずっとマシだわ。
フッ…。
だがバローさんがここに残るとして何をやらせる?私の従者か?副執事にしたらどう?ディナーが一段と格式高くなるし彼の経歴にも箔が付くでしょう?でもそれじゃ私より格上に。
アァ…どうだろう?副執事と従者長に違いはなかろう。
(ヒューズ)でも問題があるわ。
ジェームズをどう説得するか?そうだな…。
バローさんを残すよう言い出した張本人は旦那様だ。
旦那様から説得していただくのが一番だろう。
アッ…。
無駄だよ。
今更練習したって。
ビギナーズラックを狙うよ。
まあそう言うな。
ロバートの支援を取り付けてくれたお礼に僕の技を伝授してやる。
支援の話はまだ分からない。
アッ…。
肘を高く。
紳士になんかなれないよ。
いくら乗馬や狩りを教わっても僕は永遠にアイルランド人だ。
それでいいよ。
いいぞ!今のだ。
うまいじゃないか。
ハァ…。
突然ご迷惑だったかしら?いやあ驚いただけで迷惑じゃないよ。
単刀直入に言うわ。
どうぞ。
この前ここに来たときあなたからの好意を感じたの。
私に気があるようなそぶりをしてた。
違うなら謝るけど…。
違わない。
だったら聞かせてもらうけどあなた結婚してるのよね?ああ。
奥さんのいる人から口説かれるなんて不愉快極まりないんだけど。
そういうわけでお仕事は辞めさせてもらいます。
確かに結婚はしているが説明させてくれないか。
説明って何を?結婚制度についてならよく知ってるわ。
そうだね。
だが事情が…。
妻は精神を患いずっと入院してる。
彼女はすてきな人で愛していた。
だけど私の知っている妻はもうどこにもいない。
治らないんだ。
じゃどうして離婚しないの?できないんだ。
妻に責任能力は無いから彼女の非を問うことはできない。
つまり私は…一生彼女に縛られるんだ。
心を病んで私を忘れた女性に。
君のコラムを読むのがどれほど楽しみだったことか。
君に会えるのがうれしかった。
考え直してほしい。
辞めないで。
(クラークソン)表!ああ残念。
(拍手)
(球を打つ音)よし。
(歓声)
(拍手)エセルの話がまとまってよかったわ。
新しい料理人なら簡単に見つかるでしょう?できることなら悪いうわさが立たないような完璧な人を見つけたいわ。
それならご満足でしょう?アアア私はただ息子に会いたいというエセルの気持ちを尊重したまでよ。
そうね。
あなたは自分の目的を達成するためなら親子の絆も平気で引き裂く人だもの。
幸いその必要はなかったわ。
・
(男性1)僕が?ハハッ。
(村チームのプレーヤーたち)イェーイ!
(歓声と拍手)
(男性2)次はカーソンさんだ。
どうも。
(球を打つ音)
(歓声と拍手)
(球を打つ音)
(拍手)
(ボウラー)エイッ!
(球を打つ音)ああ見事だ。
(歓声と拍手)よくやった。
ありがとうございます。
すばらしかった。
トーマスを助けて縁を切ろうと思ったら私より出世させた。
とんだまぬけだな。
ところであの時オブライエンさんに何て言ったの?そろそろ教えてくれない?誰にもバラすなよ。
「奥様の石けん」。
ハッ?意味は私にも分からないんだ。
「奥様の石けん」。
それが効いた。
決めてくれよモールズリー。
あとは任せた。
バローの目覚ましい活躍に花を添えてくれ。
どうぞお任せください旦那様。
頼もしいな。
お疲れさま。
全力は尽くした。
あとは見守るだけだ。
アンナが言うにはモールズリーの腕は期待していいそうよ。
ああ。
アアッ…。
(どよめき)いい球だ。
まあ大抵期待というのは裏切られるものだ。
お茶にしよう。
モールズリーにはがっかりね。
誰がバラしたの?あなた?まさか違うわ。
おかげで怪物と一緒にスコットランドに監禁されることになったのよ。
しょうがない子ね。
奥さんのいる人とつきあったんだから当然の報いよ。
誰から聞いたの?どうしてそんなことを!?ないしょだと言ったのに。
あなたから聞いたって言うから詳しく教えただけよ。
私は何も言ってないわ。
だましたのね?だますなんて人聞きの悪い。
家族の名誉を守るため必要なことをしただけ。
要するにだましたんでしょ。
ジェームズ。
見事なショットだったな。
よくやった。
ありがとうございます。
バローに対する寛大な心には私からも感謝したい。
屋敷に残ることを許してくれてありがとう。
残る?バローさんが残るんですか?副執事になる。
てっきり認めてくれたと思っていたが。
推薦状を持っていなくなるんだと思っていました。
だが別に残ってもかまわんだろう?それから君はめでたく第一下僕に就任だ。
はい?ありがとうございます旦那様。
(スタンフォード)グランサム伯爵ですね?いかにも。
アルフレッド・ニュージェントさんにお話が。
あなた方は?ヨーク署のスタンフォードとブランド巡査部長です。
アルフレッドが警察のごやっかいになるとは信じられん。
いやいやトーマス・バローさんの件で通報をいただきまして。
彼の話ではなんでも同僚に暴行を働いたとか。
それは何とも重大な告発だ。
ええ。
ですから試合の最中とはいえお邪魔した訳です。
お話を伺ってもよろしいですか?彼ならば…。
連れてこよう。
では一緒に…。
ここはどうか旦那様にお任せください。
真実を突き止めます。
フン。
でもあのような罪を見逃せません。
なにも「信念を曲げろ」とは言っていない。
「ただ少し寛容になれないか?」と言っているのだ。
悪を許すわけにはいきません。
悪?トーマスは選んでああなったわけじゃない。
第一何の害があるというのだ?そこまで追い詰める必要があるか。
それは…。
「罪のない者が最初に石を投げよ」。
君は自分が清廉潔白だと言えるのか?息子さんは残念でしたね。
全然駄目だ。
説明は完璧なんだけどね。
昔から講釈は一人前だが実戦はからっきしだ。
思ったとおり彼の誤解でした。
どうやら使用人同士のケンカを見てアルフレッドが早とちりをしたようでして。
事実を確かめもせずに通報したのかね?こんなことを言っては何ですがその時アルフレッドは酔っていたようで。
よく考えもせずに電話しました。
リンゴ酒を飲んでて…。
何だと?まあまあ今回は大目に見てやろうじゃないか。
いいだろ?カーソン。
アァ…。
そういうわけで調べるようなことはありません。
お騒がせしてすみませんでした。
お茶でもいかがです?いえ結構。
もう失礼します伯爵。
よい試合を。
(子供たちの声)お母様は?ええいただくわ。
フ〜ン?ウフフッ…アァ。
乳母はどこ?この子の身の回りの物を取りに行ったわ。
あなたが捜していると伝える?いや。
僕もここにいるから。
クリケットが上手ね。
とりあえずやってみるものですね。
聞いてもいいですか?なあに?「この屋敷に残りたい」と言ったらどう思います?シビーが小さい間だけは…。
迷惑ですか?いいえうれしいわ。
シビルも喜んでくれるはずよ。
そうですね。
トムがお父さんを説得してくれたよ。
よかったわ。
新しい王国を築いて王子を迎えましょう。
どちらもすごく待ち遠しいよ。
(クラークソン)皆さん休憩は終わりです。
さあ試合再開だ。
僕がボールを落としても笑わないでくれよ。
私を信じて。
もちろん。
これほど誰かを愛せるとは思わなかったよ。
マシュー急げ。
みんな待ってるぞ。
もう行かないと。
ええそうね。
(キスの音)考えが変わったそうですね。
というよりトムに変えさせられたんだ。
いいだろう。
どうなるかひとつ挑戦してみようじゃないか。
感謝します。
ウッ。
(球を打つ音)捕れ!
(歓声と拍手)アハハハッ。
やったな。
お見事。
よくやった。
スコットランドは好き?
(イーディス)編集者のマイケル・グレッグソン。
ちょうど彼もスコットランドへ行くらしいわ。
すごい偶然。
メアリーも本当に行くのか?予定日は1か月も先よ。
行ってもいいでしょ。
(エドナ)どうしてブランソンさんは置いてきぼりなんですか?さあ知らないわ。
向こうの奥様がいとこの娘と駆け落ちした運転手を気に入らないのかも。
こんなことして村で孤立したいの?あなたを待ってたんです。
別に人目なんか気にしないわ。
2015/05/10(日) 23:00〜00:12
NHK総合1・神戸
ダウントン・アビー3 華麗なる英国貴族の館(8)「クリケット大会」[二][字][デ]
20世紀初頭、貴族と使用人が繰り広げる愛憎劇を描いた大ヒット英国ドラマ、第3章。ベイツが従者として復帰。オブライエンは辞職するトーマスに嫌がらせをたくらむ。
詳細情報
番組内容
恒例のクリケットの試合が近づく。試合は屋敷の住人と村のチームの対抗で、ロバートは闘争心を燃やす。バイオレットは姪(めい)の娘ローズをしばらく預かる。ロンドンに行くイーディスとマシューは、一緒に行きたいというローズを連れて行くことに。カーソンはジミーとの騒動を起こしたトーマスに、ベイツの復帰を理由に辞職するよう告げる。カーソンがきちんとした推薦状を出すと知ったオブライエンは、阻止しようとたくらむ。
出演者
【出演】ヒュー・ボネヴィル…玉野井直樹,エリザベス・マクガヴァン…片貝薫,ミシェル・ドッカリー…甲斐田裕子,ローラ・カーマイケル…坂井恭子,ダン・スティーヴンス…佐藤拓也,アレン・リーチ…星野健一ほか
原作・脚本
【脚本】ジュリアン・フェローズ
監督・演出
【演出】デビッド・エバンス
制作
〜イギリス カーニバル・フィルムズ/アメリカ マスターピース制作〜
ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz
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