違う!あなたが殺したんだ。
ぜひご覧ください
(名波洋一郎)
30年前私たち一家は突然の火事に見舞われた
(消防士)「木造2階建て100平米全面延焼中…」
(名波和明)お願いします!お母さん!
(和明)洋一郎!お父さん!お母さんが…。
(和明)お母さんあとで助けるから!
(消防士)「建物内に逃げ遅れ4名ある模様1名は父…」有希子を頼むぞ!
(消防士)「あと女子1男子1名の模様」お父さーん!!
(消防士)危ないぞ!
(有希子の泣き声)大丈夫だよ有希子。
大丈夫…。
(ピアノ)
両親を失った私たち兄妹は施設に預けられた
お兄ちゃーん!有希子!お兄ちゃーん。
有希子ー!
1年後妹は裕福な家庭に引き取られていった
有希子ー!
あの時父は私に「有希子を頼む」と言ったのだ
しかし私たちは離れ離れになった
そして30年後にようやく再会したのだった
(ピアノ)
(拍手)
(樋口有希子)ありがとうございました。
あっご無沙汰しております。
いかがでした?ありがとう来てくれて。
(名波)ハハ…。
この手でよく弾けるな。
ハンディが逆に力になったの。
素人の感想だから当てにならんが…とてもよかったよ有希子。
その名前で呼ばないで。
ごめん…ついうっかり…。
樋口有希子はもうこの世に存在しない。
(携帯電話の振動音)はい。
ああわかった。
すぐ行く。
仕事?うん。
じゃあ。
気をつけてねお兄ちゃん。
御殿山署の名波洋一郎だ。
(警察官)ご苦労さまです。
一家3人が殺害された家はコンサートホールのすぐ近くだった
私は急いで現場に駆けつけた
(パトカーのサイレン)
(吉田)ああ名波か…。
ひどい有り様だ…。
被害者は3人か?まだわからん。
おいで。
大丈夫だ…。
おいで。
もう大丈夫だ。
すいません。
長原耕次君どこですか?
(角南慎介)知らん。
でも…署に呼んでるんですよね?知らん。
すいません。
なんだ?あいつ…。
耕次君!食べるか?これかな?
(長原耕次)ありがとう。
うん!あっ名波。
本庁三係の主任香川だ。
よろしく。
御殿山署の名波です。
所轄とのコンビですね。
お前子供を発見したらしいな。
ええ。
うちの班長に見込まれたらしい。
よし!俺たちも行こう。
本庁捜査一課三係は鷹栖係長のもと通称鷹軍団と呼ばれていた
鷹軍団の応援のもと私たち御殿山署の刑事たちは殺された長原一家の交友や怨恨の線を追ったが残酷な犯罪に繋がるような手掛かりは得られなかった
こんなひどい殺しは許せん!しかし子供が助かったのは奇跡です。
(香川)なあ名波。
ええ。
いいか。
捜一三係鷹軍団の底力を見せてやれ!必ずホシを追い詰める。
わかったな。
(木元・小池・香川)はい。
(木元)ベロベロじゃないですか!
(香川)しっかり持てよお前。
みんなうちに来い!飲み直しだ!ハハハ…。
(香川)おい!名波。
どこに行くんだよ!いや俺所轄ですし…。
もうごちゃごちゃ言うなよ!お前はもう鷹軍団の一人なんだって!ほら行くぞ!
(鷹栖亜矢子)餃子が焼けましたよ〜。
ああ美味しそう!
(小池)美味しそう!亜矢子さんいつも突然ですいませんね本当に。
(鷹栖麻子)はいタレどうぞ〜。
(香川)えっ特製の?すごいすごいすごいすごい!お父さん!せっかく皆さんいらっしゃるんだから起きて!ほら…ねえ。
麻子さん麻子さん。
大丈夫です。
お疲れなんです寝かせておいてあげてください。
すいません。
いやいやいやいや…。
ごめんなさい。
いえいえ…。
読まれるならどうぞ持って行ってください。
並べてあるだけなんです。
父が本読んでるのなんて見た事ないです。
ハハ…鷹栖係長釣りするんですか?最近は忙しすぎて全然…。
釣りされるんですか?ああいや…。
(香川)おい名波!どこだ?帰るぞ!じゃすいません。
では失礼します。
(麻子)おやすみなさい。
うるさいよ!もう。
ドア開いてるんだから…。
(麻子と亜矢子の笑い声)ありがとうございました。
(亜矢子)はい。
ごちそうさまでした。
失礼します。
(亜矢子)また来てくださいね。
(麻子)名波さん!
(亜矢子)名波さん。
あの…。
名波さんって独身ですか?ちょっと〜麻子…。
もしよかったらお姉ちゃんの手料理持って帰りませんか?プロ顔負けですっごい美味しいんです。
味はともかくもしよかったら…。
(麻子)お姉ちゃん!?大丈夫ですか?
(香川)どうした?お父さん!!お姉ちゃんがまた…!お姉ちゃん…。
救急車!係長のお嬢さん亜矢子さん当分検査入院だそうだ。
前にも倒れたんですか?ああ生まれつき心臓が悪いらしい。
係長も苦労が絶えん。
しかし美人だろ?お嬢さん2人とも。
(2人の笑い声)母親は?係長の奥さんか…。
残念ながらお亡くなりになった。
奥さんも美しい方だった。
あそこに猫の死骸が…。
ここにもゴミ箱に死んだ鳩が入っていた。
んー…鳩を捨てた男をご覧になったとか?キョロキョロ辺りを見回してるから「怪しい」ってピンときてね袋を確かめたら案の定…。
あの男時々見かけるけど何をしてるんだか…。
若いのに青白い顔して気味が悪いのよ。
ほらっいた…。
はいよろしく!
(店員)お願いしまーす。
(九鬼祐太)行ってきま〜す。
(香川)九鬼祐太二十歳。
大森公園付近のマンションに一人暮らし。
近所のピザ屋でバイトを。
面白いネタ拾ってきたなおい。
まあしかし80過ぎのお年寄りの話ですからあまり当てには…。
83といってもかなり元気です。
話も論理的で観察力もあり…。
鳩や猫を殺したからといって人も殺したとは限らんだろう!可能性はゼロではないかと。
名波入れ込んでるなあ。
じゃあ他に目撃者が出たら検討するって事でどうだ?帳場が縮小されると聞きましたが…?ああ都内で重大事件連発だからな。
このまま迷宮入りにさせるわけにはいきません。
ハハハ。
名波本庁の俺たちのところに来ないか?お前さえよければ署長に話をつける。
おお〜いい話じゃないか!いつまでも所轄でくすぶってるより鷹軍団に来いよ!ありがとうございます。
考えます。
ジャン!読むか?犯人必ず見つけてやるからな。
新聞で読んだ…。
その子一人助かったんでしょう?5歳で家族を全部失うなんて…。
私たちと一緒ね。
俺たちは兄妹で生き残った。
でもすぐに別れ別れになった。
あの火事さえなかったら…。
すまん。
兄なのになんの力にもなれなくて…。
お兄ちゃんのせいじゃない。
これからは俺がお前を必ず守る。
ありがとう。
生き残った耕次君のためにもなんとか犯人を見つけたいと思ってる。
(足音)中里美沙さんですね。
サインお願い出来ますか?表に…。
いや私あの…中里さんとお話ししたいだけで…。
表に!
(笑い声)乱暴だなあもう〜…。
凱旋公演なんでしょう?ヨーロッパでピアノのお勉強して一角のピアニストになって故郷に錦を飾る…。
実にめでたい。
私もちょこっとだけそのおこぼれに預かりたいだけで…。
あんたには関係ない。
(笑い声)それがそうでもないんですよ。
私は自他ともに認める正義のジャーナリストでしてね。
ふるさとの皆さん方にピアニスト中里美沙の正体をきちんと伝える責任があると…。
なぜ彼女は本名ではなく中里美沙と名乗っているのかとか。
(笑い声)話し合いましょうよお兄さん。
条件次第で私は自分の信念を曲げても構わないと…。
あ痛たたたたた痛えなあ。
あんた力任せにつかむからズキズキ痛んできたよ。
病院行って診断書書いてきてもらうから治療代と慰謝料出してくださいよあ痛たた…。
本当に痛えや…。
これは重傷だわ…。
「品川で家族3人が不幸な死を遂げてから1年近く経ちますが残念ながら犯人逮捕には至っておりません」
事件から1年が過ぎた
私は鷹栖係長の推薦で警視庁捜査一課に配属になっていた
その間も捜査は続いていたが犯人に繋がる有力な手掛かりは得られなかった
お父さんのお休み随分久しぶりね。
ああそうだな。
何?その気のない返事…。
そうか?当てましょうか?お父さんが今何考えてるか。
カレー好きだよな亜矢子はな!はあ…ほらやっぱり。
お姉ちゃんの事考えてるんでしょう?つまらんやきもちを焼くな!亜矢子はな小さい頃から病気がちで入退院を繰り返して苦労してるんだよ。
わかってるわよ!たまには私にも付き合ってっていう話!だから来てんじゃないか一緒に。
あっ痛っ…。
すいません。
気をつけろ。
直ちゃん?
(沢松直純)おおなんだ麻子か。
ねえ最近大学行ってる?全然見かけないけど…。
あっお父さん覚えてない?沢松直純君。
近所に住んでて幼稚園が一緒でよく遊んだ…。
でも京都に越しちゃって…。
そしたら今度私たち大学で劇的な再会をして…ね。
混んできた。
どこか入ろう。
(麻子)あ…ごめんまたね。
ちょっとお父さん勝手に行かないでよ!
(足音)
(携帯電話の振動音)はい。
「今どこにいる?」羽田近くで聞き込みしてますが…。
「お前はいつもポールポジションに着けてるな」ハハどういう意味ですか?「イチキュウキュウ殺しだ」「現場は大田区蒲田新町1丁目マル害は2名…」わかりました。
はいすいません。
本庁だ。
(パトカーのサイレン)マル害2人の人定は?ここの母親と息子です…。
(ドアが開く音)
(ため息)鑑識がお前が先着して現場を荒らしたとごちゃごちゃ言ってきた。
心配するな。
一喝しておいた。
名波ついてるな。
本庁で一番乗りだったそうじゃないか。
おかげで鑑識にクレームつけられました。
心配するな。
係長がいる限り鷹軍団に恐れるものは何もない。
(捜査員)マル害は沢松優子52歳。
総日通信外信部勤務。
二度の結婚歴があり病死した最初の夫との間に出来た一人息子がもう一人のマル害。
沢松直純24歳です。
直純は経陵大学の4年生。
沢松優子の二度目の夫は大島邦明54歳。
毎報新聞総務部の社員で3年あまりの結婚生活ののち離婚しています。
(捜査員)死亡推定時刻は両者とも昨日午後6時から7時の間。
(捜査員)ホシは台所のガラス戸を割り鍵を開けそこから侵入。
(捜査員)被害者宅から靴跡1種類31個採取しました。
サイズ26センチ前後のサンダルで恐らくアメリカ製と思われます。
はい捜査本部。
…はい。
鷹栖警部鑑識から電話です。
はい。
うん…どうも。
今入った鑑識からの連絡内容を伝える。
諸君らにはまだ話してないが沢松直純の部屋にホシが持ち込んだと思われるタオルが遺留されていた。
そのタオルの特定を鑑識に依頼していたがえー…。
今治製ビーガ。
今治製のビーガと判明した。
御殿山の帳場に応援で加わった鷹栖係長の三係以外の者は事情がわからんと思う。
実は1年前品川で家族3人が殺された現場にも同じタオルが遺留されていた。
(ざわめき)管理官。
三係香川です。
品川の事件のアメリカ製の26センチのサンダルと凶器のナイフはすでに公表されていますがタオルの事はずっと保秘されていた。
すなわち犯人以外には絶対に知り得ない秘密の暴露ってやつで…。
当然本件は御殿山とここ蒲田中央署との合同捜査になると考えてよろしいですね?いや合同捜査にはならん。
それぞれが別個に捜査をする。
(ざわめき)三係名波。
理由を教えて頂きたいんですが。
現在挙がってきた証拠は全て同一犯の犯行を示唆しています。
なのになぜ合同捜査にならないのか。
マル害がカルト教団の本を上梓してるので公安が動いているからか…。
まさか都知事の「安全で平和な東京」なんてお題目に逆らえないってわけでも…。
名波!何度も言わせるな。
合同捜査はせん。
これは決定事項だ。
2つの事件の関連性については御殿山蒲田中央署両捜査本部の捜査の進展を見ながら慎重に判断をする。
その間マスコミ対策等の観点から犯人検挙まで両本部の捜査員同士の接触は禁止とする。
以上だ。
私は関係ありませんよ。
優子とは3年で別れた。
直純も私の子じゃない。
北区で当て逃げしたんだってな?そうです。
逃げるつもりはなかったんですけどなんか怖くなっちゃって…。
事故発生時刻を正確に。
夕方の6時15分。
お疲れっす!お待たせしました。
どうでした?別れた旦那。
死亡推定時刻に当て逃げやらかしてて。
事故ったくせにやけに嬉しそうで…。
におうな。
アリバイ作りか?
(小池)1年前の品川の一家3人殺しの時のアリバイはどうなんですか?裏取りはまだだが一応聞いてある…。
そんな雑魚相手にせんでも…。
ああ!?そう言うな。
捜査は一歩一歩慎重にだ。
(木元)でも確かに品川と同一犯だとするとあの元旦那が続けてあんな残忍なヤマ踏むとは思えませんね。
(笑い声)
(香川)ん?どうした?
(木元)なんだよ。
いやいやいや。
さっき管理官名波さんに突っ込まれて憮然としてましたね。
笑えたなあれ。
本当お前は上の事なんて考えない奴だな。
一人残された耕次君の事を考えれば面子なんか構ってられません。
それはそうだ。
お疲れさまです。
お疲れさまです。
はあ…!殺された母親の沢松優子の線から何人か浮かんだ。
早速当たろう。
1人は3か月前トラブった取材先の相手で…。
係長。
母親より息子の線が先では?ホシは持参したナイフでまず直純そのあと帰宅した母親の優子に襲いかかった…。
先に殺されたからといって息子狙いとは限らん。
息子がいるのを知らずに母親を殺そうと上がり込んだのかも。
品川の3人殺しとの関連で考えるとホシのターゲットは大人で子供が巻き添えを食ったと考えるほうが自然だ。
ついでに言っておくがなマル害の沢松直純は娘の知り合いだ。
(香川)亜矢子さんの?いや麻子のほうの知り合いだ。
小学校まで一緒で大学でまた一緒になった。
(香川)麻子さんショックを受けておられるのでは?まあ驚いちゃいたが特別親しかったわけでもないらしい。
(香川)そうですか。
係長。
私用があります。
もう行ってもよろしいですか?
(香川)もう少し付き合えよ。
急用か?この際言っておきますが捜査会議のあと三係だけでこんなところに集まるのはどうかと。
(香川)鷹軍団はそうやってずっと一致団結してきたんだ。
「鷹軍団」などという名前も私はあまり…。
(香川)ああ?わかった。
行っていいぞ。
(店員)いらっしゃいませ。
(足音)
(店員)いらっしゃいませ。
お知り合い?うん。
いい店だなあ名波。
俺だって長ったらしい打ち合わせより美人と飲むほうを選ぶな…。
中里美沙さんですよね?ピアニストの。
ええ。
サイン頂けますか?いいですよ。
ありがとうございます。
どうやら有名な方のようだ。
いや失礼しました。
何か飲まれたら?いやいやこんな高そうな店とてもとても。
すぐに消えます。
和を乱すななんてまっとうな説教はせんが1人で仕事をするんじゃない。
必ず人の助けが必要になる。
悔しいが1人じゃ何も出来ん。
生きていけん。
自分はずっと1人で生きてきました。
その話今度ゆっくり聞かせてくれ。
じゃあ…。
お腹すいた。
なんか食べていかない?こんちは。
あれからまた色々調べましてね。
少しルポ記事書いてみたんですよ。
あっ…すみません!お兄ちゃん…私怖い。
あの人がどこまで知ってるのか。
あれは事故だ。
お前は関係ない。
直純君とはいつもフレンドリーにやってましたよ。
優子さんに暴力を振るい直純君に陰湿な虐待を繰り返しそのせいで直純君は心も体もズタズタにされた。
お前は優子さんに離婚された。
そのあと仕事も何もうまくいかずそれで沢松親子を逆恨みして…。
刑事さん。
(ため息)勝手に話作られるぐらいなら…全部正直に話しますよ。
(香川)聞いたか?当て逃げの真相。
運転してたのは大島じゃなくて奴の愛人の息子らしい。
せっかく決まった就職がパーになるのがかわいそうだからかばったんだと抜かしやがった。
(はしゃぐ声)おい!ちょっと静かにさせろ!わかってるわよ…。
(香川)向こう行ってろ!もう…。
ほらもうお父ちゃん怒ってるでしょ!ふざけた野郎だと思わんか?交通事故は悪いよ。
当て逃げはもっと悪い。
身代わりなんてもっての外だ。
でもな俺が一番頭にきてるのは愛人の息子だってとこだ。
いいか?愛人作るなら女房もらえよ。
子供欲しいなら女房と作りなさいよって。
それが日本の正しい家族の姿じゃないか?あっ…。
名波お前独り者だな?結婚せんのか?母親なんか孫の顔が見たいなんて言うだろう?香川さんは仕事も家庭も両立されて羨ましいです。
(はしゃぐ声)
(香川)おい!
(香川)でもまあこういう家族がいるから俺は捜査が出来るんだ。
家族はいいぞ。
香川さん見てると本当そう思います。
そうだろう。
まあこうやってやかましい時もあるからな。
おいちょっと静かにさせろっつってんだよ!ほら父ちゃん怒ってるでしょ。
静かにしなさい!まったくもう…。
そうだ名波。
手詰まりだし九鬼追ってみるか?でももし同一犯じゃなかったら?えっ?こっちの裏かいて品川の手口を真似て同一犯に見せかけたのかもしれない。
お前なんかつかんだのか!?いや…。
おい…。
(ピアノ)今日はピアニストの中里美沙さんが訪ねて来てくださったばかりかうちのぼろピアノで演奏までしてくださいました。
みんなもう一度拍手!
(拍手)ありがとう。
耕次君の事刑事さんから伺って。
私も何かお役に立てないかなって。
ここであんなすごい演奏が聴けるなんて感激です。
いえ…。
あの…田代先生はまだこちらに?田代先生は5年前にお辞めになりましたけど先生の事ご存じなんですか?ええちょっと…。
耕ちゃん最初はぽつんと寂しそうにしてましたが今では何人かお友達も出来ました。
おっ上手だな。
これ食べるか?ジャーン!ありがとう。
またここに来ると思わなかった。
有希子!お兄ちゃん!
(有希子の声)あの別れがなければ私は今も有希子のままでいられたのに。
何があろうとお前は俺のたった1人の妹だ。
ありがとうお兄ちゃん。
(麻子)いつもありがとうございます。
ありがとうございました。
ありがとう。
またよろしくお願いします。
そいつは1年前の品川の一家3人殺しの時のネタだな?はい。
別れた旦那の線も早々に消え沢松優子絡みも全部空振りで…。
もしお許しが頂けるのであればこの男をもっと突っ込んで調べてみたいんですが。
(ため息)人の庭を荒らす事になるなあ。
係長。
御殿山と情報交換してるんですか?合同捜査しない捜査員同士の接触も禁止なら上で詰めてくれないと。
待て待て。
情報交換は頻繁にやってる。
(香川)名波が同一人物じゃないかもと言い出して。
品川の3人は全員ナイフでめった刺し。
しかし沢松直純は心臓ひと突きでした。
心臓以外の刺し傷21か所に生活反応なく最初に心臓を刺されそれが致命傷になった。
あとからわざわざめった刺しにして品川と似させたか?母親も首の後ろをナイフでひと突きでした。
それにアメリカ製のサンダルの跡が品川と同じではありません。
品川は使い込んだサンダル。
こっちは新品。
しかしサンダルのサイズと種類は同じだ。
同じものを何足も持ってる奴はいる。
名波の意見は面白い発想だが…。
はあ…。
帳場で噂になってるぞ。
貴重な睡眠時間削って釣りしてる馬鹿がいるってな。
同一犯じゃないっていうのはなんかもっと決定的な証拠でもあるのか?いえまだありません。
釣り誰に教わった?お父さんか?お父さんお元気かい?ええ。
今でもたまに2人で釣りを。
そうか…いい風景だなあ。
うちは娘2人だ。
男2人で釣りなんて羨ましい。
息子欲しかったんですか?まあな。
しかしこればっかりはどうにもならん。
軍団に大勢息子はいるが親不孝者ばかりだ。
殺人事件捜査にご協力お願いします。
情報をお寄せください。
ご協力ください。
よろしくお願いします。
(香川)おう。
同期の角南だ。
名波も知ってるだろう?
(角南)みっともない事しやがる。
「我々は無能です」って宣伝してるようなものじゃないか。
(香川)お前との接触は本当は禁止なんだが…。
クソくらえだ。
なんかねえのか?そっちは。
わざわざ2つ雁首揃えて品川くんだりまで来たんだろう?
(香川)そっちは1年も先行してるだろう。
どうなんだ?そっちとこっちのマル害同士の接点はないか?それもひと通りやった。
実は…名波が同一犯じゃないのでは?と言い出して。
品川の現場の遺留品のタオル完全保秘で来たのに大田区の現場に同じものがあった。
だから同一犯だろう?遺留品のタオルの事を知るのは御殿山の帳場にいた人間だけです。
ハハハ…内部犯行説か。
お前俺たちを犯人扱いしようとするのか?まあまあ…。
大田区の事件の時のそっちの帳場全員のアリバイチェックしてもらえますか?それを言うならあの時鷹軍団も応援に来てたろう。
もちろんこっちもやります。
うん…。
まあ係長に話してみよう。
すまんな。
不愉快な話だなあ。
解決しなければ身内から縄付きを出せってか。
フフッ…まあそう言うな。
念のためだ。
協力してくれ。
協力はいいが香川なんで突然こんな話に?いや名波と話をしてて。
御殿山でも同じ提案があった。
提案者はお前と同期の人間だ。
経緯より結果が大事だと思いますが。
わかった。
やろう。
4月9日午後6時から7時の間すなわちこのヤマのマル害の死亡推定時刻だがどこで何をやっていたか全員香川主任に報告。
香川と名波で裏を取れ。
はい。
俺はその時間娘の病院にいた。
ご面倒おかけします。
話は父から聞いてます。
捜査する人たちのアリバイも調べるとか。
単なる形式です。
じゃあ私お茶飲んできます。
(香川)いってらっしゃい。
さて4月9日の午後6時から7時係長は…いやお父様はこちらに?はい。
あの日は昼過ぎに妹が来て帰ったら入れ違えで父が来ました。
(亜矢子)えっと…3時過ぎかな?それで7時頃までずっとここにいました。
あっ…もっと詳しく必要ですか?ええ出来れば。
いやもうそれで十分です。
ありがとうございます。
終わりました?ええ…。
あの…あっちのカフェのコーヒー美味しいです。
あっ…。
ああ。
ああ…。
名波さんって頑固なんですね。
彼女大変でしょ?あっ彼女じゃなかったです?この前偶然お店の前で。
有名なピアニストの方ですよね?ああいやその話は…。
ああ…。
じゃあコーヒーおごってください。
うん…。
死んだ直ちゃんの事件難航してるんですか?毎日新聞見てるけど全然記事出ないし。
お父さんに聞いても絶対教えてくれないんです。
私嫌われてるから…。
まさか…。
私死んだ母親に似てるんです。
お父さんとお母さん仲悪かったから。
だからお父さん私の事嫌いなんです。
贅沢な悩みです。
そうですね…。
直ちゃんに比べたら私なんか恵まれてますよね。
直ちゃんってなんか…不幸な一生だったなって思うんです。
1人目のお父さんは病死。
2人目とは仲悪かったみたいだし…。
そうだ…!小さい頃京都でマンションから落ちた事もあったんです。
マンションから?直ちゃんが京都へ越してしばらくして事故に遭ったって聞いて父と2人で京都へお見舞いに行ったんです。
(麻子)私その時初めて新幹線に乗って走り回って車掌さんに怒られました…。
直純君の事でなんか思い出した事あったら連絡ください。
失礼します。
事件の事以外も連絡するかもしれませんよ?
殺された沢松直純の落下事件
そして同じ日に起きた暴力団の抗争事件
一見なんの関係もない2つの記事に私の刑事としての勘が動いた
こんにちは。
この間ホテルのバーで一度お会いした…。
名波さんを追いかけていらっしゃった時に。
あああの時の!ここら辺お住まいなんですか?ええまあ。
じゃあ失礼します。
ああ…どうも。
はあ…。
係長。
ん?おお…。
これ見てください。
ん?随分古い新聞だな。
沢松直純が小学校の時京都のマンションから転落した時の記事です。
ネタ元は麻子か?係長も京都まで直純君のお見舞いに行ったとか。
悪いが覚えてない。
同じ日に近くで暴力団の抗争事件がありました。
こっちは覚えてる。
当時俺は四課にいた。
バリバリのマル暴だった。
矢田部組と住田会の抗争事件でこの直前にもドンパチがありました。
(銃声)矢田部組のヒットマンが京都の歯医者で住田会組長を襲撃。
居合わせた7歳の男の子が流れ弾に当たって死亡した。
死んだ男の子の頭から回収された弾は357マグナムから発射されたホローポイント弾だった…。
破壊力の強いホローポイントが子供の頭に…!?はあ…ひどい。
ひどいで済むか!!外…出ますか?あんな子供の死体を見たのは後にも先にもあの時だけだ。
この世に生を受けてわずか7年でなんの落ち度もない子供の命が奪われるなんて…。
死ぬも地獄生きるも地獄だと…。
品川では5歳の男の子が1人生き残りました。
生きてりゃなんとかなる。
苦労はするだろうがな。
並大抵の苦労ではありません!この前嘘を言いました。
7歳の時に火事で両親を失い妹は3歳で私たちは施設へ入りました。
施設での楽しみはピアノ遊びでよく2人で簡単な連弾をしたものです。
そのうち妹はもらわれていき離れ離れに…。
妹の養父母はとても教育熱心で妹が熱心にピアノを習っていると風の噂で聞きました。
でもあんなピアニストになるなんて…。
じゃあこの前の彼女が妹さん?去年たまたま見たピアノのコンサートのポスターが気になって生まれて初めてクラシックを聴きに行って…。
そこで何十年ぶりかの再会を果たしたってわけか。
いやそれはよかった。
それが…よくなかったんです。
妹はある事情があって名前を変えて生きているんです。
ある事情?ええ。
まだ話せません。
込み入ってるようだな…。
俺になんか話して大丈夫なのか?はあ…係長なら。
おお…えらく信用されたもんだな。
まあ嬉しいよ。
ハハ…。
1人じゃなかったのね。
いや私はそろそろ。
私が彼女を呼んだんです。
なら一緒に飲みましょう。
今日は私がおごります。
じゃあごちそうに…。
今有希子の事を話してた。
ずっと秘密にしてました。
でもたった2人だけの兄妹ですから係長にきちんと紹介したくて。
(無線)「警視庁から各局」「パシフィックフィットネスクラブで発砲事件発生」「少なくとも2名が負傷した模様」「銃を所持したマル被は徒歩で逃走」パシフィックフィットネスクラブ…。
こっちの管内だな?そうです。
(蒲田中央署署長)手が足りん。
すまんが捜査本部も全員現場に出てくれ。
(一同)はい。
名波!タクシーのほうが早い!はい。
撃ち合いになるかもしれん。
あっあの男!えっ?止めて止めて!
(運転手)何かあったんですかね?
(運転手)あっお客さんお金!あとで。
(呼び出し音)
(アナウンス)「ただ今電話に出る事が出来ません」鷹栖係長は?こちらには来られておりません。
(無線)「大森公園1の1公園内で傷害事件発生」「PM1名が受傷した模様」
(香川)おい!すいません。
現場は?第二球技場近く。
ここから真っすぐ300メートル入ったところです。
ホトケだよ。
係長。
呼び止めて職質かけたらいきなりナイフで襲ってきやがった。
痛むが出血は知れてる。
腹も刺されたが防弾チョッキで助かったよ。
タクシーで見つけた奴ですか?うん。
一度見失ったが…随分走らされた。
最後は胸に一発。
一点の曇りもない適正な拳銃使用だ。
ホトケ拝むか?銃撃事件の…?違う。
フィットネスクラブとは無関係だ。
拝んどけ。
お前が知ってる奴だ。
九鬼ですか?猫殺しの。
お前ら間違っちゃいなかった。
こいつ死ぬ間際に言いやがった。
品川で3人蒲田で2人殺したってな。
(香川)フィットネスクラブのほうは私立高校の2年の男子が自首した。
(銃声)
(人々の悲鳴)
(銃声)
(香川)女性スタッフに勝手に入れ上げ冷たくされたんで相手を殺し自分も自殺しようと父親の趣味である猟銃を持ち出したという事だ。
近所でも評判の仲のいい家族だったとさ。
笑えるだろ?では品川や蒲田の事件とは無関係だったんですね。
ああ。
2つの事件は鷹栖係長の奮闘で解決だ!よーし九鬼の部屋を調べれば品川も蒲田の事件も一件落着だな。
行こう。
それでは早速私のほうから両事件の犯人と断定された九鬼祐太の生い立ちから報告を。
九鬼祐太の本籍出身地は三重県伊賀市。
税理士の父明宏と母早智子の間に生まれた。
九鬼家は地元の旧家資産家で国会議員も輩出しています。
九鬼祐太は恵まれた環境で育ったが母親が心臓疾患を患うと父は家族を捨て家出。
祐太は病気の母と2人きりで暮らす事に。
この時の体験がのちの九鬼祐太の性格を形作ったものと思われます。
(九鬼の声)「家族…。
家族っていったいなんだろう」「正直ぼくにはよくわからない」「小さいとき母さんから殴られた」「けれども僕は誰にも言えなかった」「母さんは心が壊れていた」「母さんはよく明かりもつけない部屋で三面鏡に映る三人の自分の姿に向かってぶつぶつ話していた」「思えば僕は小さいころからずっと独りぼっちだった」「家族の愛情というものを知らない」「そもそも愛情という感情がどういうものなのかわからない」
(香川)名波!いつまで殺人鬼の作文読んでんだ!お前まさかかわいそうな九鬼少年に同情してんじゃねえだろうな!いいか?同情するなら沢松親子にしてやれ。
いやまずは俺が沢松親子に土下座して謝らなきゃならん。
あの時猫殺しのこの野郎をもっと追い詰めてれば…沢松親子は殺されずに済んだんだ!香川!あれは俺の責任だ。
あの時御殿山のネタだと腰が引けた。
それで…。
しかし係長は見事に九鬼を仕留めた。
フィットネスクラブの事件に駆り出されて九鬼に出くわすなんて…。
やっぱり係長は俺たちなんかと違って警察官としてすげえ星の下に生まれたんだと…。
警視総監賞間違いなしですよ。
おめでとうございます!
(拍手)おいおいおいおい!この際だからな言っておくが俺は自慢出来るような事はやっちゃいない。
(香川)そんな事ないですよ!謙遜でも格好つけでもない。
本心だ。
九鬼は死んだ。
俺が射殺した。
もう九鬼本人の口からなぜ5人もの人間を殺したか聞けない。
名波お前はホシに死なれた事はあるか?他は?ありません。
ないです。
俺は二度目だ。
昔連行してたホシが隠し持ってた銃で俺を撃った。
俺も発砲してホシは死んだ。
その時撃たれた傷がもとで俺は片足が今でも不自由だ。
いやそれは係長の勲章です!それからどんなひどい現場でもびくともしなくなったよ。
毎度小便ちびってるお前とは大違いだな。
何言ってるんですか!
(一同の笑い声)係長それはどこの署にいた時の事ですか?今の葛飾東署だ。
よし!じゃあここでもう一回鷹栖係長に乾杯しよう!お兄ちゃんもピアノ続けておけばよかったのに。
そしたら一緒にリサイタル出来たかもしれない。
まもなくだな。
うん。
九鬼って奴はバイトがピザ屋で事件のあった品川の家によく配達してた。
なんかトラブルでもあったの?配達が遅いとかトッピングが違ってたとか。
ガキの時不幸な奴は何するかわからん…。
また世間がそう騒ぐ。
私の事ね…。
レッスンにかこつけて手を出す大人なんて私絶対に許せない!忘れろ有希子!あれは事故で終わってるんだ。
忘れられない。
私人を殺してるのよ!事故だ!あいつは自分から足を滑らせて湖に落ちた。
あの男は現れるのか?今は全く現れない。
いたずら電話もないし。
いざとなればうちの係長も力になってくれる。
(泣き声)お兄ちゃん好きなのね鷹栖さんの事。
ああ…信頼してる。
よかった。
お兄ちゃんにそういう人が出来て。
よし…。
どうだ?友達出来たか?なんかしたい事聞きたい事あったらなんでも言えな。
この前名波さんと来たピアノの女の人…。
おお…それが?…好き。
ハハハハハ…。
私たちは死んだ九鬼と殺された沢松親子の接点を追ったが全く見つからなかった
(携帯電話の振動音)携帯まで追いかけてすいません。
いえ…。
話ってなんですか?あっ…犯人と直純君の関係ってわかったんですか?いや…。
ちょっと気になった事があって…。
(麻子の声)事件の少し前父と一緒の時偶然直純君に会ったんです。
そしたらその日の夜直純君が電話してきて…。
あっちからかけてくる事なかったから驚きました。
もしもし?さっきはどうも。
あんなとこで会うなんてね。
おたくの親父ってさ昔から足引きずってたっけ?足?私が小さい頃から足を引きずってるけどなんで?って聞いたんです。
それで?「あっそう」って感じで切れました。
今の話係長に…?してません。
でもそのあと直ちゃん父と直接話したみたいなんです。
直接?一度父が電話で誰かと言い争ってる時があって。
足がどうとかって…。
父は認めませんでしたけどあれは絶対直ちゃんだと。
中里様お出かけでらっしゃいますか?ええ。
支配人とも相談しましてやはりお耳にお入れしたほうがよろしいかと…。
なんでしょう?今日はまだ見かけませんが中里様の事調べ回っている方がいまして。
ハハ…どうした?中入れよ。
九鬼と沢松親子の接点わかりましたか?いや…品川は繋がったのにお前ら何やってんだって毎日上から叱られっぱなしだよ。
係長はこっちに?いや。
そっちと一緒じゃないのかよ?えっどうした?品川で3人蒲田で2人やったと係長だけが九鬼から聞いたんでしょ?九鬼のメモも日記もあるわけでもないのに…。
しかし奴の部屋からはあれだけごっそりと証拠品が出たんだ。
間違いない。
おい名波なんなんだ?手掛かりあるならなんでも大歓迎だ。
教えろ。
ちょっと失礼。
おい名波!
(ピアノ)去年に引き続き二度目のツアーで全国13か所お邪魔します。
今からすごく楽しみにしています。
高校卒業後ずっとヨーロッパで生活してきたもので…。
ええと…あの…。
日本の美しい風景をステージの合間にカメラに収め…。
各地で美味しいお料理なんかもたくさん頂いて…。
(ため息)
(ため息)
(ノック)有希子!嗅ぎ回られてるって?今日も記者会見に紛れ込んでる気がして…。
あいつか?男か?女か?男。
私来週初日でしょ。
不安なの…。
心配するな。
今年のツアー終わったらパリに戻る。
やっぱり私日本で有名になっちゃいけないのよ。
お兄ちゃん…。
うん?ホテルマンが言ってた人お兄ちゃんもよく知ってる人なの。
ここで二度…駅でも偶然会ったわ。
病院の帰り必ずここに寄ると聞いたので…。
なんの用だ?なぜ妹の身辺調査するんですか?聞きたい事あれば私に直接聞いてください。
香川が困ってたぞ。
名波がまだ同一犯じゃないって言ってるってな。
九鬼のゲロは係長一人聞いただけで他の者は誰一人聞いてません。
お前俺を疑ってるのか?奴の部屋から証拠品も続々と出たじゃねえか!逆に同一犯でないとの証明かもしれません。
お前の推理小説また今度聞くよ。
沢松直純は事件前係長と麻子さんに会った。
その夜麻子さんに電話があって彼が係長の足の事を聞いてきたと…。
心配するな。
名誉の負傷だ。
気にしてない!
(一同)お疲れさまでした!お疲れさまでした!お疲れさまでした!はいおめでとう!
殺された沢松直純と鷹栖係長の間に何かあったのか…
直純がマンションから転落して一命を取り留めたという記事が私の頭から離れなかった
私は自分の目で現場を確かめるために京都に向かった
私は直純が転落したマンションを訪ねた
抗争事件のあった歯科医院はマンションのすぐ近くだった
(北山順子)刑事さんから連絡頂いてあの時の事を色々思い出したんです。
あれからもちろん内装も機械も治療椅子も全部新しくしたんや。
そやけどやっぱり時々思い出す。
亡くなった芳村俊介君のお母さんもだいぶ苦しまれたんやと思うんです。
消息わかりますか?今入院してはるそうです。
(医師)芳村さんは職場でくも膜下で倒れられ脳に相当なダメージを受けておられます。
会話は?出来ます。
いや…します。
でも自分の言ってる事相手の言ってる事をどこまで理解しているか…。
警視庁の名波です。
芳村静江さんですか?亡くなられた俊介君の事をお聞きしたい…。
(芳村静江)俊介…。
起きなさい…。
目を覚ましなさい…。
『ステラバイスターライト』ビル・エヴァンス…。
毎週葉書…電話電話電話!ビラビラビラ!ケンタ…毒殺…。
俊介君の父親はどなただったんですか?出会った…ホンデンで…優しかった…。
『星影のステラ』
(松原晴之)『星影のステラ』。
ヴィクター・ヤング作曲のスタンダードの名曲です。
当時静ちゃんがパーソナリティーを務めてた番組にこの曲ばかりリクエストしてくるリスナーがいましてね。
困った事にこれがちょっとおかしな奴でして。
まあ今で言ったらストーカーですか?ストーカー…。
(音楽を止める音)夜中に繰り返し静ちゃんちに電話。
番号を変えると今度は中傷したビラをこことか彼女の家の近所にばらまいて…。
「ケンタ毒殺」は?あっケンタっていうのは当時静ちゃんが飼ってた猫の名前ですよ。
その男に毒を盛られてね…。
「出会ったホンデンで優しかった」…。
ホンデンっていうのは?その辺りの事情はよくわからないな。
そのあとすぐに彼女はここを辞めましたから。
で京都へ行って子供を産んであんな事件に巻き込まれて…。
俊介君の父親はどなただったんですか?それはわからないな。
彼女は一人で子供を産んで一人で育ててたんです。
蒲田からようやく抜けられたと思ったらもう次の事件ですか〜。
(香川)最初から弱音を吐くな!鷹軍団の腕の見せどころじゃないか!いつにも増して元気いっぱいですね主任。
今度行く本田はななじみの店が多いんだ。
ホンデン…?もう言わんか。
その昔葛飾東署は本田東署と呼ばれていたんだ。
出会った…ホンデンで…。
今の葛飾東署だ。
おい!相変わらず付き合い悪いな。
あの日は妹が帰ったあと3時過ぎに父が来て7時過ぎまでいました。
夕食は?5時です。
といっても私ほとんど食べませんけど…。
夕食のあとウトウトして起きたら6時半近くで。
もちろん父はまだここに…。
6時半…?時計を見て?時計はこの引き出しの中に。
秒針の音が気になって…。
父がしまっておこうって。
6時半だとなぜ…?テレビです。
父が見てたらしくて。
音楽番組6時半までの。
ちょうどエンディングで。
あ…私本ばっかりでテレビあんまり見ないので歌手の人の名前はわかんないんですけど女の人が歌ってたのを覚えてます。
失礼ですけども睡眠薬を?時々。
係長も知ってる?はい。
眠れない時は大概父が飲ませてくれて。
そうですか。
お役に立てました?はい失礼します。
(亜矢子)あの…父が何か疑われるような事を?いえ…。
失礼します。
(アナウンス)「おかけになった電話は…」
(アナウンス)「おかけになった電話は…」
(舌打ち)中里様は昨日の朝お出かけになったのをお見かけしたのですがそのあとお姿をお見かけしておりません。
(携帯電話の振動音)「お兄ちゃん私…」有希子…。
「名波俺だ」「そろそろ心配してる頃だと思ってな」「彼女は元気だ」係長これは…。
どうもこうもないだろう。
お前がしつこく嗅ぎ回るからこっちも少々手荒な真似を。
お前亜矢子の病院にまで現れたそうだな。
「名波取引しないか?」「お前がこれまで調べた俺に関わる一切合財とお前の殺人犯の妹の過去と命を交換してチャラにするってのはどうだ?」有希子はどこだ?有希子は!明日初日でしょ?どこ行ったんですか?中里さん。
さっきピアニストが消えたって関係者大騒ぎでしたよ。
実は明日初日のお客さん全員に私からプレゼントがあるんですよ。
私の書いた『ピアニスト中里美沙の犯罪』って小説をお配りしようかと。
私はその昔ペンションでバイトしていた時に目撃した高校生の女の子がピアノの先生をドンと湖に突き落とした場面にインスパイアされて書いた小説でね。
ヒロインは名前を変えて別人として生きてるんですよ。
その女はね幼い頃に火事で両親が死んじまって養子にもらわれていった。
本当の名前は名波有希子。
どうです?面白そうでしょ?お前…。
はい。
高いですよ。
でも大丈夫か。
刑事さん高給取りだから。
とても大切な事だ。
一つ頼みたい事がある。
あっすいません。
すみません閉園時間となります。
遅かったな。
てっきり人殺しの妹を見殺しにするのかと思ったよ。
馬鹿だった。
信用して妹の話をした自分が。
名前を変えたってのがどうも引っかかってな。
事情は調べた。
まさか人殺しまでやってたとはな。
違う!事故だ。
殺しだ。
沢松さん親子を殺したのは…九鬼なんかじゃない。
係長あなたが殺したんだ。
(窓ガラスを叩き割る音)
(直純)うぅ!
(名波の声)自分の犯罪を隠すために品川のホシ九鬼祐太を利用した。
こんにちは。
この間ホテルのバーで一度お会いした…。
名波さんを追いかけていらっしゃった時に。
じゃあ失礼します。
(銃声)
(人々の悲鳴)名波タクシーのほうが早い!はい。
あっあの男!止めて止めて!おう九鬼。
品川の話カタつけようや。
大森公園の第二球技場に来い。
(銃声)
(名波の声)死んだ九鬼の部屋に忍び込み沢松さん親子殺しの証拠を残した。
ホトケだよ。
痛むが出血は知れてる。
(名波の声)こうして九鬼が2つの殺人事件を連続して起こしたようにあなたは見せかけた。
九鬼と沢松親子の接点が見つかるわけがない。
卑劣でおぞましいやり口だ。
亜矢子はもうすぐ死ぬ。
俺が人殺しであってはならない。
あの子は俺を慕い心底愛してくれてる。
小さい頃から病気がちで入退院を繰り返してた亜矢子はここへ来ると笑顔を見せた。
心の底から嬉しそうに笑った。
だから何度もここへ通って2人で遊んだ。
あの子の笑顔は俺の生きる糧だった。
なのにあなたは自分のアリバイ作りに亜矢子さんを利用した。
ありがとう。
(名波の声)沢松親子殺しの日亜矢子さんに睡眠薬を飲ませ録画番組で6時半のアリバイを作った。
テレビ局に問い合わせた。
亜矢子さんが見た女性の歌手は2週間前の出演者だった。
そこまで調べたのか。
しかしお前が今言った事も表に出なけりゃなんでもない。
どうする?名波。
お前が俺と刺し違える気なら妹の過去をばらしついでに命も…。
亜矢子さんのためと言うが…。
亜矢子さんがこの世からいなくなったら…。
あなたの行動も意味がない。
不吉な事言うな!お兄ちゃんありがとう…。
麻子!亜矢子はどこだ!お姉ちゃんは下にいる。
生きてるのか?騙してごめんなさい。
自分が麻子さんに頼んだんです。
俺の話は亜矢子に…?何も…。
お父さん。
お父さんがこれから新聞やテレビに出たとしてもお姉ちゃんはもう…何も読めないし何も聞こえないって先生が言ってた。
そうか…。
名波。
はい。
俺はもう何も言わん。
その代わり麻子を頼む。
はい。
(衝撃音)名波さんのおかげで姉は何も知らずに亡くなりました。
誰もいない家に父と姉を連れて帰ります。
話したい事があります。
(ピアノ)お父さんは京都に愛人がいました。
彼女の名は芳村静江さんという人気ラジオパーソナリティーでした。
ストーカー被害に苦しみ鷹栖係長に本田…今の葛飾で相談に乗ったのが交際のきっかけでした。
(銃声)しかし2人の子供の俊介君が暴力団の抗争に巻き込まれ無残な姿で亡くなったんです。
俊介君が7歳の時でした。
鷹栖係長は抗争を起こした暴力団の男たちに復讐を果たしました。
(銃声)
(銃声)その現場を直純君に見られ…。
逃げた直純君はマンションから転落。
しかし直純君は…奇跡的に一命を取り留めました。
目撃したのが直ちゃんだった…?あまりの恐怖に記憶を消してしまう子供もいます。
恐らく直純君は鷹栖係長の事を記憶から消していたんじゃないでしょうか?それが大人になって再会した時に父の事を思い出した…。
直純君はお父さんが足を引きずる姿から記憶を取り戻したのかもしれない。
お父さんも直純君を思い出した。
直純君はお父さんを脅し金を無心したのかもしれない。
それでお父さんは品川の3人殺しを真似直純君を殺し偶然帰宅したお母さんを…。
ひどい…。
やっとわかりました。
母が自殺した理由が。
父の京都の愛人と子供の存在を知り苦しんでいたんですね。
私も母同様…。
いえ…母以上に苦しみます。
(足音)ごめんな遅刻して。
週刊誌記者の柿崎功が埠頭に上がった。
メモの中にお前の名前が…。
話が聞きたい。
わかりました。
先行ってろ。
すぐ行く。
はい。
あの子の事は俺に任せろ。
3人も4人も同じだ。
お願いします。
2015/05/10(日) 21:00〜23:10
ABCテレビ1
ドラマスペシャル「迷宮捜査」[字]
話題の警察ミステリーを主演・反町隆史で初ドラマ化!!連続一家惨殺事件の謎を追う刑事を待ち受けていたのは…。事件解決だけでは終わらない、驚愕の結末!!
詳細情報
◇番組内容
閑静な住宅街で、一家3人が惨殺される事件が起きた。刑事・名波洋一郎(反町隆史)は、難を逃れた5歳児を発見し保護する。犯人逮捕に至らぬまま、1年後、母子惨殺事件が発生。2つの事件の遺留品が一致、同一犯とみられていたが…。一方、名波は生き別れていた唯一の肉親である妹の有希子(貫地谷しほり)との再会を果たすが、有名ピアニストになっていた有希子は、重大な秘密を抱えていた…。
◇出演者
反町隆史、高橋克実、八嶋智人、貫地谷しほり、夏菜、中村ゆり、竜星涼、でんでん、大杉漣 ほか
◇原作
緒川怜『迷宮捜査』(光文社文庫刊)
◇脚本
西岡琢也
◇監督
藤田明二
◇音楽
沢田完
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎(テレビ朝日)
【プロデューサー】藤本一彦(テレビ朝日)、河瀬光(東映)、和佐野健一(東映)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/meikyusousa/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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