地面を真っ赤に染めるカニ!カニ!カニ!今日の主人公アカガニです。
ふだんは森にすんでいますが年に1度海を目指して大行進するんです。
その数なんと5,000万匹!この不思議な光景が見られるのはインド洋に浮かぶオーストラリア領クリスマス島。
森から海へアカガニたちの旅は最長9キロに及びます。
その道のりは危険がいっぱい!あっ!車にひかれた!命がけの長旅。
その理由はこちら。
たどりついた海でメスたちは一斉に卵を放つんです。
そこに…子どもたちを狙って巨大なジンベエザメが襲来!さらに今回30年ぶりという子ガニの集団上陸にも遭遇しました。
アカガニ5,000万匹が繰り広げる壮大な命のドラマです。
(テーマ音楽)クリスマス島を覆ううっそうとした熱帯雨林。
アカガニはこの森の至る所に暮らしています。
地面にいくつもの穴が開いていますね。
あっ出てきました!アカガニです。
直射日光と乾燥を避けるため地面の巣穴に隠れていたんです。
甲羅の幅は最大で12センチ。
クリスマス島固有のカニだと考えられています。
日ざしが和らぐとこうして地上に姿を現します。
おや?地面に落ちた果実を運んでいます。
大きなハサミで果肉をつまみ取って…口に運びます。
いや〜器用なもんですねぇ。
こちらでは葉っぱをかじっています。
今度は花。
こうしてアカガニは地面に落ちているものを好き嫌いなく食べます。
そして森には5,000万匹ものアカガニがいるので地面はまるで人間が掃除したみたいにきれいさっぱり。
大繁栄したアカガニたちによって作り出されたクリスマス島独特の景観です。
雨季が訪れました。
森に降り注ぐ大量の雨。
すると…アカガニたちが歩きだしました。
うわ〜すごい数!同じ方向を目指すアカガニたち。
進むにつれ大群となっていきます。
いよいよ海への大行進が始まったんです。
ふだんは森で暮らすアカガニ。
でももともとは海に暮らす生きものです。
子孫を残すためには海に卵を放たなければならないんです。
森から海までの道のりは最長で9キロ。
アカガニの足では1週間以上もかかる長旅です。
中でも最大の難所がこちら。
島で唯一人が住む町です。
アカガニたちが町にやってきました。
こちらは公衆トイレ。
あらららら。
迷い込んでいます。
一見何の変哲もない空き地。
あっフェンスに行く手を阻まれ大渋滞です。
網目が狭くてなかなか通り抜けられないようです。
こちらのカニ口から泡を吹いています。
体が乾燥して苦しんでいる証拠です。
このままでは命を落としてしまいます。
早く日陰に隠れなくちゃ!みんな必死で隙間をくぐり抜けます。
アカガニたちにとって最も危険なのは車が通る道路の横断。
危ない!でも車がすべてのカニをよけて走ることなど到底できません。
あ〜!こうして車にひかれて命を落とすカニは毎年10万匹にもなるといいます。
うわあ〜ん!はるばる移動してきたのに車にひかれちゃうなんて!どうにかならないんですかね?いや〜ヒゲじいごもっともです。
島の皆さんもアカガニを守ろうとこうして熊手を使って避難させるなどいろんな工夫をしているんですよ。
えそうなの。
はい。
こちらでは道沿いに仕切りを設置しています。
カニたちが危険な道路に出るのを防いでいるんです。
ふむふむ。
さらにカニたちが誘導されていく先にあるのは…。
うん?何ですかこれは?これねカニ専用の歩道橋なんです。
こうした努力でアカガニの交通事故は8割以上も減少したんです。
あ〜そりゃすごい。
少し安心しました。
でもね事故は減ったんですが実はもっと大きな問題があるんですよ。
えどんな?こちらアシナガキアリです。
もともとクリスマス島にはいなかったんですが建築資材と共に持ち込まれたと考えられています。
ほうほう。
このアリ非常に攻撃的でアカガニに集団で襲いかかります。
ひえ〜!うわぁ怖い!はい。
近年このアリが大繁殖し多くのアカガニが餌食となりました。
その結果生息数は半分にまで減ってしまったんです。
そりゃ大変ですな。
はい。
アカガニが姿を消した森ではこのとおり。
うわ!下草が伸び放題。
いや〜こんなに変わっちゃうんですな。
そうなんです。
アカガニは島の自然を保つ重要な存在。
だからこそ島の皆さんは一生懸命保護しているんです。
なるほどねぇ。
クリスマス島にとってアカガニがいカニ大切かたしカニ分かりました。
アカガニがピンチから救われますように。
ん〜!大行進が始まって1週間。
ようやく海岸にたどりつきました。
長旅を乗り越えたアカガニたち。
もうへとへとのはずです。
海はすぐそこ。
さあ頑張れ!海に入っていくアカガニたち。
あれ?すぐに引き返してきます。
実は卵を海に放つのはまだ先のこと。
今はとりあえず水分補給をしに来ただけなんです。
アカガニたちの大行進。
まだまだ目が離せません。
第2章では巨大な敵が襲撃!大丈夫?そしてついに海で卵を放つ時を迎えます。
30年ぶりという子ガニの集団上陸にも遭遇しました。
インド洋に浮かぶクリスマス島。
最も近い陸地でも300キロ以上離れています。
そのため独特の生きものが育まれています。
こちらはクリスマス島だけに生息するネッタイチョウの仲間。
長い尾でかじを取りながら海から吹き上げる風に乗っています。
こちらシロハラグンカンドリもこの島だけで繁殖する海鳥です。
枝の上赤い風船のようなものを膨らませているのはオス。
隣にいるメスに求愛をしているんです。
海鳥たちがこの島で子育てをするのには理由があります。
一つは天敵がいないこと。
そしてもう一つは海の豊かさ。
食べ物となる小魚がとっても多いんです。
海底からそびえ立つ島は小魚たちにとって大切なよりどころとなっています。
そんな小魚を狙って大型の魚も集まります。
こちらはアジの仲間で最大のロウニンアジ。
全長は2メートルにもなります。
あっ!もっと大きな魚を発見!全長10メートル。
世界最大の魚ジンベエザメです。
アカガニが大行進をする時期になると決まって島の近くに姿を現します。
ジンベエザメの狙いはアカガニの赤ちゃん。
その決定的瞬間はこのあと第2章で詳しくお伝えします。
大行進の末ようやく海へたどりついたアカガニ。
でも海水を浴びるとすぐに引き返してしまいました。
その後アカガニたちがやってきたのは海岸に程近い森です。
一体何をしに来たんでしょうか?あっ地面を掘り始めました。
実はこれオスが子育てに欠かせない巣穴を準備しているところ。
辺りは一面穴だらけです。
オスは巣穴を持たないとメスを射止めることができません。
こちらでは…巣穴の持ち主が近づいてきたオスに攻撃!巣穴の横取りをたくらむものも多いので警戒しているんです。
こちらでも巣穴を巡ってトラブル発生!持ち主が中にいるのに別のオスが入り込もうとしています。
争っているうちに…。
あらららら。
巣穴が崩れていきます。
たまりかねた持ち主が飛び出してきました。
こんなふうに大ゲンカになることもあります。
子孫を残すために欠かせない巣穴の奪い合い。
オスにとっては絶対に負けられない戦いです。
こちらでも巣穴を掘るオスに別のカニが近づいてきました。
あれ?でもケンカが始まる様子がありません。
近づいてきたのはメスなんです。
メスはオスより数日遅れてやってきてパートナーを探します。
あっメスにオスが抱きつきました。
そして巣穴の中へ誘い込みます。
寄り添う2匹。
どうやら結ばれたようです。
しばらくするとオスだけが巣穴から出てきました。
恋を成就させたオス。
あとはメスに任せ一足先にもともとすんでいた森の奥へと帰っていきます。
オスが去ってから2週間。
残ったメスたちはどうしているんでしょうか?巣穴の中をのぞいてみましょう。
いました。
よく見るとおなかの下に黒っぽいものが見えます。
卵の塊です。
オスが体を張って用意してくれた巣穴の中でメスは卵を守り育ててきたんです。
12月中旬のある日。
巣穴にこもり続けていたメスが出てきました。
まるで示し合わせたかのように一斉に地上に姿を現すメスたち。
いよいよ海に卵を放つその日がやってきたんです。
大きな卵の塊を抱えて歩きにくそう。
よいしょ。
よいしょ。
卵が地面にこすれて壊れないよう慎重に足を運びます。
その様子をじっと見つめるものがいます。
ヤシガニです。
世界最大のヤドカリの仲間で体重はアカガニの10倍近くもあります。
襲いかかりました!アカガニを食べようとしているんです。
卵を抱えたメスは素早く逃げることができません。
1匹が捕まってしまいました。
ヤシガニは怪力の持ち主。
巨大な爪でがっちりと挟んでいます。
絶体絶命のピンチです。
その時です。
あっ逃げ出しました!一体何が起きたんでしょうか?よく見ると片方のハサミが無くなっています。
右のハサミにご注目。
この瞬間!自ら切り離しています。
「自切」と呼ばれる防衛行動。
驚くべき捨て身の技です。
ちょっと待った!自分のハサミを切り離すなんて信じられませんなぁ。
う〜んアカガニだってこんなことしたくはないでしょうが命には代えられません。
非常手段なんです。
もっと驚く映像がこちら。
あら!片側のハサミと脚全部無くなってますぞ。
こりゃ大変だ。
まあヒゲじい落ち着いて下さい。
アカガニはこれでも大丈夫なんです。
大丈夫ってえ〜っ?こちらのカニよ〜く見て下さい。
ハサミの大きさが左右で違っていますよね。
お?あ〜確かにね。
これね小さいほうは一度失ったハサミが再生したもの。
脱皮を繰り返すうち元どおりになるんですよ。
へえ〜そりゃすごい!でしょ?だからアカガニは行進の途中でケガをしたりするとほらこのように自分でハサミや脚を落としてしまうことも少なくないんです。
う〜ん。
たとえ脚を断ち切ろうとも海へ行くという思いは断ち切れないというわけですな。
はい。
アカガニたちの行進はこうしんて続くというわけです。
あ〜やられた!そうきましたか。
ヘヘヘ。
さダジャレはこのくらいにしてもうすぐクライマックスですよヒゲじい。
お〜それは楽しみ楽しみ!メスが巣穴を出発したその夜。
うわ〜浜辺がメスたちで埋め尽くされています。
そして潮が引き始めた夜中の2時。
メスたちは波打ち際へと押し寄せていきます。
波を浴びたとたん卵を放ちました!ハサミを高く上げ体を小刻みに揺らします。
こちらのメスはどんどん海の中へと入っていきます。
完全に体を沈めて万歳のポーズ。
我が子を海に送り出します。
次から次へと卵を放つメスたち。
1匹が放つ卵の数は最大で10万個にも上ります。
おびただしい数の卵で打ち寄せる波が黒く染まって見えます。
海に放たれた卵。
すぐに殻が破れ「ゾエア幼生」と呼ばれる赤ちゃんが泳ぎだします。
大きさは1ミリ足らず。
赤ちゃんたちは引き潮に導かれ海岸から離れていきます。
するとそこに姿を現したのは巨大なサメ。
世界最大の魚ジンベエザメです。
海面近くでパクパクと繰り返し口を大きく開いています。
アカガニの赤ちゃんたちを海水ごと吸い込んでいるんです。
ジンベエザメにとってアカガニの赤ちゃんは最高のごちそう。
だからこの時期を狙って島の周りにやってきます。
赤ちゃんの成長を支える母なる海は危険に満ちた場所でもあるんです。
赤ちゃんが海に旅立ってから1か月がたちました。
波打ち際が何やら赤くなっています。
のぞいてみると…無数の赤い粒。
成長したアカガニの子どもたちが島に戻ってきたんです。
海岸の岩も真っ赤に染まっています。
子ガニの大きさは5ミリほど。
こんなにたくさんの子ガニが上陸するのは30年ぶりだといいます。
浜辺が埋め尽くされていきます。
そして子ガニたちは行進を始めました。
目指すは親ガニのすむ森です。
こちらの崖では…。
子ガニがぼろぼろと落ちています。
親たちですら苦難の連続だった道のり。
子どもたちにはさらに大きな試練です。
親たちにとって最大の難所だった人が住む町。
子ガニたちが危険な道路を横切っています。
あれ?島の皆さんが機械を使って道路に風を吹きつけています。
車にひかれないよう子ガニを吹き飛ばして移動させていたんです。
ふだんは人間の子どもたちが遊ぶ芝生の広場。
この時ばかりは子ガニたちに譲ります。
こちらは町のスーパーマーケット。
子ガニが迷い込まないように入り口をほうきで掃き続けます。
でも入ってきてしまいました。
子ガニの行進につきあうのは大変そうです。
町を通り抜けた子ガニたち。
そこにはさらなる試練が待ち受けていました。
それは…。
親ガニをも餌食にする恐ろしい敵アシナガキアリです。
あ〜捕まってしまいました。
子ガニたちになすすべはありません。
次々と命を奪われていきます。
子ガニたちが上陸して1週間。
ようやく親がすむ森にたどりつきました。
子ガニの甲羅が黒っぽく見えます。
硬くしっかりとした体に成長してきた証しです。
あっ岩に生えるコケを食べています。
こうして親ガニと同じように好き嫌いなく食べて大きくなっていきます。
そして4年ほどたつと海への大行進に加わるようになるのです。
絶海の孤島クリスマス島で繰り広げられるアカガニの大行進。
すべては我が子を母なる海に放つため。
回り続ける命の輪が生んだ大スペクタクルです。
2015/05/10(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「アカガニ5000万匹の大行進!」[字]
インド洋に浮かぶ絶海の孤島、クリスマス島。森で大繁栄するアカガニが年に一度、海に卵を放つために大行進!街や道路、そして海岸を埋め尽くす。壮大な命のドラマに密着!
詳細情報
番組内容
インド洋に浮かぶ絶海の孤島、クリスマス島。雨季、森で繁栄するアカガニが、海を目指して大行進を開始する。その数、なんと5000万匹!街や道路、そして海岸を真っ赤に染めるカニたち。その目的は海に卵を放つこと。卵はすぐにふ化し、子どもたちは海に漂う。すると、子どもを狙って世界最大の魚、ジンベエザメが襲来!さらに今回、30年ぶりの規模という子ガニの集団上陸にも遭遇。壮大な命のドラマに密着する。歌:平原綾香
出演者
【語り】近田雄一,龍田直樹,豊嶋真千子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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