(青木)
5月1日天皇皇后両陛下をおよそ8年間支えて来た…
…が退任
後任には去年9月から式部官長を務めていた河相周夫さんが就任しました
河相さんは外務事務次官で62歳
(河相)まだ経験も極めて浅い状況でありますし知恵も知識も足りたいところですからまた新しいポストで新しい経験を積みながら勉強をして行かなくてはいけないというのが私の正直な気持ちであります。
そういう中でもちろん力足らずかもしれませんけども全力で両陛下をお支えして行くという気持ちこれは誰にも負けない。
同じ宮内庁のいち職員として持ってるわけでございますけれども。
自分の性格って一番よく分からないんですけどもですからこれは私が言うと皆さんそんな自分のことを分かってないのかと思われるかもしれませんがあの基本的には楽天的というか楽観主義者ではあると思っています。
河相さんは平成以降では4人目の侍従長です
(井田)
8日皇居で春の叙勲の大綬章親授式が行われました
東京都知事の石原慎太郎さんら12人が天皇陛下から勲章を授与されました
皇居前広場柳の緑もだいぶ色濃くなりましたね。
そうですね季節がどんどん進んでいますね。
さて今週は天皇陛下や男性皇族の方々の洋服を特集します。
晩さん会や園遊会の時の礼服や普段のお出掛けの時のスーツなど皆さまいろいろな洋服をお召しになりますね。
はい。
今回60年以上にわたって天皇陛下の礼服やスーツを作っている洋服店を取材しました。
天皇陛下のお洋服
ご公務でのフォーマルウエアからお出掛けでの装い
そしてプライベートなど時と場所目的に応じてさまざまです
明治の初めまだほとんどの日本人が和服を着ていた時代に進んで洋服をお召しになったのが明治天皇です
それは当時日本の近代化を図る上で重要な役割を果たしたといいます
(高木さん)十分に近代化が進んだ国であるということを示すためにはやはり西洋の服である。
日本国のトップの地位にあられる方が十分に作法に合った方法で着こなしている…っていう姿を見せることは政治的にも大変重要なことだったと思うんですね。
こちらは明治時代の官僚が宮中で着用した…
当時の礼服はこのようにきらびやかなものでした
現在も服装は重要な役割を果たしています
天皇陛下はオランダ国王夫妻歓迎の宮中晩さん会には燕尾服で臨まれました
(天皇陛下)誠にうれしく思います。
…にはタキシードで
また今年パラオを訪れた際に開かれた…
…には陛下は白いシャツで臨まれました
それぞれの行事にふさわしい服装ドレスコードを両国が事前に話し合うそうです
パラオの場合は「アイランドフォーマル」という言い方をしていましたけれどもパラオ国にとって格式の高い洋服はシャツということで陛下もそれに合わせた装いをされていました。
ペリリュー島での慰霊の際も白いシャツで臨まれた陛下
熱帯の気候を考慮して作られたものだそうです
(笛吹の声)パラオでは最も大切だったのはその慰霊の時だと思うんですけれども陛下のご体調を考えて熱がこもらないように涼しさが感じられるような生地選びに大変こだわったということを聞いています。
去年天皇陛下は伊勢神宮を参拝する際新しくあつらえたモーニングで臨まれました
そのモーニングを仕立てた洋服店が東京・渋谷区にあります
お邪魔します青木です今日はよろしくお願いいたします。
(服部さん)よろしくお願いいたします。
この店の2代目です
こちらでは陛下の洋服を60年以上にわたって作り続けています
18歳で立太子礼を迎えた陛下が着用されたモーニング
ご成婚の際にお召しになった燕尾服もこちらの店で作られました
ご成婚の時の燕尾服も作られたんですか?はいうちでお作りしたことは間違いございませんが当時はまだ父が健在でございましたので父がお受けしてお納めしているわけです。
ただ当時私も父の仕事をずっと手伝ってまして裁断はほとんど私がやっていたもんですからそれにハサミを入れた記憶はあります。
父金生さんが昭和43年に亡くなり後を継いだ服部さんが陛下の礼服やスーツを作り続けています
陛下は何か好みがありますか?はい。
ご自分のお好み非常にはっきり決まってらっしゃいます。
ダブルはお好みですね確かに。
これもヨーロッパに初めていらした時に向こうのファッションをご覧になってらしてその中で非常に印象にお残りになったものなんじゃないでしょうか。
昭和28年
天皇陛下は初めて欧米諸国をご訪問
紳士服の本場イギリスで出会ったのがダブルのスーツでした
いわゆるダブルですけどむしろお好みとしてはお襟のラペルの広いのがお好きなんですよ。
イギリスいらした時にちょうどその頃イギリスでラペルの広いのがはやってたんで大変それが印象に残ってらっしゃるんじゃないでしょうか。
ですからどちらかというと広いラペルのほうがお好きですね。
もし新調なさるとすれば同じような形でお作りになるということです。
ですから随分長いこと形をお変えになってないはずです。
陛下が皇太子時代アフリカを訪れた時にはサファリジャケットをお召しになりました
これも服部さんが仕立てたものです
象と一緒に…できるかな?象…ここに立ってみたらダメ?
(皇后さま)誰かに撮ってもらいましょう。
(天皇陛下)じゃあお願いします。
(皇后さま)お願い。
そして昭和天皇の洋服も服部さん親子は2代にわたり手掛けました
昭和天皇のお言葉で印象に残ってることとかはありますか?ご採寸申し上げる時も何にもおっしゃいませんですよ。
はい黙って立っててくださるという。
ある意味ではお任せになってるとも言えますけども。
採寸や仮縫いの時何も言わなかったという昭和天皇
しかし一度だけ服部さんに質問をされたことがあったそうです
それは昭和46年のヨーロッパご訪問を前にオーバーコートの仮縫いをしていた時のことでした
非常に珍しいんですが陛下のほうから「実はライン下りがあってドイツは寒いからね」っておっしゃったんですよ。
それで「このコート十分寒さに耐えられるか?」というご下問がございましたね。
これがたった一回です。
それに対してどのように対処されたんですか?
(服部さん)「裏を全部お付けしますし十分保温力はございますから」って申し上げたら「あそう」とおっしゃいました。
3年前に亡くなられた…
…の洋服も服部さんが長年仕立てていました
大変洋服のことお詳しくてそれからあとまた興味をおありになるようでちょっと珍しい服をたくさんお作りになってらっしゃいますね。
よく一緒に帽子もお作りになってましたでしょ。
同じキレでね。
ジャケットをお作りになる時に「これ帽子の分も取っておいて」っておっしゃるんですよ。
それをそのお知り合いの帽子屋さんにお持ちになってそれでデザインをしておもらいになってお作りになるということですね。
一着の洋服を長くお召しになっているという天皇陛下
服部さんには直しの依頼も入るそうです
天皇陛下をはじめさまざまな皇族方と長年にわたって信頼関係を持って洋服を作り続けているということに関してはご自身はどのように受け止めていらっしゃいますか?非常に光栄なことですしそれからもう大変ある意味では大事なお仕事だと思っておりますので頑張れる限り続けたいと思っております。
青木さん天皇陛下や男性皇族の方々の洋服の取材をしてみてどんなことを感じましたか?はい皇太子時代に欧米諸国を訪問された天皇陛下ですが若い頃に触れた本場の伝統というのを今も大切にされているというのが印象的でした。
『皇室日記』それではまた。
2015/05/10(日) 06:00〜06:15
読売テレビ1
皇室日記[字]
前半は天皇ご一家、皇族の公務、研究、国内外の訪問、伝統と文化そして身近な事柄と皇室の関わり等のテーマで特集します、後半は皇室の皆さま一週間の動静をお送りします。
詳細情報
番組内容
前半はテーマを決め特集を組みます。テーマは天皇ご一家、皇族の公務、研究、国内外の活動や皇室の伝統、文化にスポットを当て掘り下げます。又、身近な事柄と皇室の関わりには新鮮な発見もあり親しみの持てる番組になるよう、様々な角度から皇室を紹介します。そして皇室の今を伝える為にタイムリーに皇室の行事を盛り込んでいきます。
後半は皇室の皆さまの一週間の動静をお送りします。字幕放送もしています。
出演者
井田由美(日本テレビアナウンサー)
青木源太(日本テレビアナウンサー)
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
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