9お願い!編集長 SWITCHインタビュー 達人達(たち)「高見沢俊彦×林英哲」 2015.05.10


とある山中に一人の男がやって来た。
武道館では30年間毎年公演を続け…。
NHKホールでのライブ回数も断トツの歴代1位。
日本のバンドでは最多記録だ。
THEALFEEのリーダー高見沢俊彦。
永遠の王子の異名を持つ彼はなんと59歳。
最近では「ウルトラマン」の主題歌で子どもたちにも大人気だ。
(高見沢)・「夢をあきらめるな!心から叫ぼう!」僕は逆にノイジーな所が好きなので逆に何か落ち着かないかなと思ってたんですけどでもやっぱりいいなあこういう所は。
はいすばらしいと思います。
こんな場所まで来た理由。
それは…。

(太鼓)今回の僕のソロアルバムを作っている時に日本の伝統的な音は何かなと思うとやっぱり和太鼓かって入れてみたんですよね。
そしたらものすごく…高見沢は今和太鼓に夢中。
新作では大好きなヘビー・メタルに和太鼓を取り入れた。
何か僕らの中にあるんでしょうねDNAの中に。
「血が騒ぐぞ」みたいな。
その和太鼓の第一人者という事なので。
という事で会いに来たのが…和太鼓の可能性を追求し続け40年。
和太鼓を祭り囃子の道具から世界に通じる楽器へと羽ばたかせてきたパイオニアだ。
もうね神業。
要するに神力神通力というのがあるじゃない。
神力というか神通力がないとあれはできないと思う。
そういう肉体と精神を持った英哲さんだと思うのね。
いやもう崇拝してます。
ホントよ!それにしても全く面識のない2人。
高見沢からのラブコールを受けた林は…。
(林)僕はねもう全然…まさか世代が近いとかっていうイメージで思ってなかったんですよ。
もう全く分からない。
本当にどういう話が成立するのかがちょっと分からないので…そして…。
あっあちらにいらっしゃいますね。
こっちですよね。
どうも!やあ。
初めまして。
いらっしゃい。
初めましてどうも。
遠路はるばる。
高見沢でございますどうも。
林です。
(2人)よろしくお願い致します。
遠路はるばるどうも。
とんでもないです。
最寄り駅から車を走らせる事30分。
廃校となった木造の校舎が林の道場だ。
太鼓って間近な人もうるさいけども意外に遠鳴りがするので遠くにも聞こえてるんです。
完全に防音するとコンクリート1mぐらいの壁にしないと振動って…太鼓の重低音は防げないらしいんですね。
そんなものとても建てられないから…それでここに?探しててここが見つかった。
エレキギターを抱えた永遠の王子と和太鼓の鉄人。
40年の芸歴が生み出す名言の数々。
こつこつした積み重ね。
変な話よく言ってるんですが…アルフィーはぬるま湯の関係って言ってるんですよ。
でもぬるま湯っていうのはひどくネガティブなイメージですけど…林の究極のウオームアップ術1,000回ジャンプに…。
えっ!?できない…。
ギターオタク高見沢の秘蔵コレクション。
弾く時に邪魔なんですよ。
邪魔でしょう!ここにあるんですよ。
当然邪魔でしょう。
驚きの食生活まで。
何かもう格闘家の食事ですね。
そして両者は番組史上初の即興コラボレーションに突入した!えいや!ぐちゃぐちゃになって汚いですけどどうぞ。
お邪魔します。
一応靴を…。
はい大丈夫です。
よいしょ。
おお〜!スリッパ!すごい!スリッパにもこだわるという。
マイスリッパ!すばらしいな。
大体そこまで思いつかないけど。
すいません。
うわ〜!すごい!うわ〜!でかいな〜。
このようなものをやるので貸しスタジオでも嫌がられる事ありましてね。
これスタジオ入らないですよね?入らない。
レコーディングの時がもう大ごとで大体エレベーター通らない乗らない。
そうですね。
これはもうとても上がらない。
これはもう岩のようですから。
うわ〜!重いわ!これは駄目だ。
これはもう10人掛かりでないと台の上に載っけられない。
これはすごいですね。
どんな音がするのか。
(太鼓の音)すごい!
(太鼓の音)おお〜!すごい!鳥肌立ちましたよ今。
すごい!和太鼓って血が騒ぐイメージなんですけど今英哲さんがたたいたのは…すごいですね!いや〜迫力あるし格好いいわ!トライしてみますか?いいですか?どうぞ。
高見沢が大太鼓に初挑戦!ちょっとあれですね。
(太鼓の音)ああ駄目だ。
全然ばらばらになっちゃう。
(太鼓の音)駄目ですね。
この画すごいですね。
ちゃんと撮れましたかね?この画なかなかすごいと思いますよ。
気持ちいいなあでも。
ハハハハ!すごい気持ちいいなあ。
これ面白い事に大きい太鼓はね…え〜!そうなんですか?やっぱりプロレスラーみたいな人がたたくと1発の音が全然いいです。
へえ〜!やっぱり質量が関係するんで骨が重たい方がいい音がする。
僕はいい音出ないからだとするともう…観客に背を向け大太鼓の正面に立つ…実はこれ林が独自に編み出したスタイルだ。
お祭りの太鼓なんかはこういう太鼓をとてもこの形では打てないですから大体みんな…。

(太鼓)それはそれで格好いい!この正面でたたくというのは英哲さんが考案された…。
ええ。
今全員こうやってますよね。
だからあれに…大変ですね!たたき方に著作権があれば。
あれば私は今ごろ左うちわで暮らしてたはずなんですけど残念ながら難しいんです。
なるほど。
へえ〜。
林は1982年30歳の時和太鼓のソロ奏者として活動を始めた。
ラヴェルの「ボレロ」をジャズピアニスト山下洋輔と即興演奏。

(拍手)ベルリン・フィルなどあまたの有名オーケストラとも怒濤のアンサンブルを見せる。
軽々と国境や音楽ジャンルを超えてしまう林に高見沢も圧倒されるという。
格好いいんですよね。
何て言うんですか…あのベルリンでやられた時のたたいた時にドイツの弦楽器の人がそれに合わせるじゃないですか。
もう「これは何だプログレか!?」みたいな。
キング・クリムゾンのような感じでロックだなみたいな感じがしたんですけどね。
だからやりにくいという話もよくオケの人に聞くんですけど。
そうなんですか?あれだけ音量音圧のある生楽器ってほかにないでしょ?ないですね。
音楽ホールだと特に相当響くんですよ。
そうすると結局自分の音が聞こえづらくなるから「負けるもんか!」みたいにしないと音程がとれないみたいですね。
昔さるオーケストラのバイオリニストにリハの時に途中で…怒られて…。
「何だと思ってんの!」って。
そうなんですか!いや僕も譜面に書いてあるように頑張ってるんですけどと思って。
僕らもね一度ベルリンでやった事があるんですよ。
ブランデンブルクゲートの前で。
おお!その時ベルリン・シンフォニカーの人たちと一緒に…。
リハーサルの時に音出した瞬間みんな耳塞がれましたから。
「あっすいません」みたいな。
同じ!オケのリハの時の写真がまだあるんですけどオーケストラの人みんな全員こうやって…。
やっぱりこうされるんですか?やりにくいですよねあれやられると。
やりにくい!音楽なのに…。
「えっどうしよう…。
これ下げた方がいいのかな?でも下げられないし」みたいな。
前ね竜童組宇崎さんに声かけてもらって「やろうよ」って。
僕はもうやっぱり渾身の力で打つでしょう?全員のモニターが地獄のような大音量に…。
ハハハ!みんな目が血走って「大丈夫なの?」って。
「上げて!聞こえない!上げて!聞こえない!」って。
どんどんモニターが上がっていっちゃうんですね。
ものすごい音量になってる。
へえ〜!面白いなあ。
しばらく宇崎さん「えっ?えっ?」って楽屋で話をしていても「えっ!?」。
ハハハハハ!完全に難聴になってた。
申し訳なかったです。
へえ〜!小さくたたくのは申し訳ない?せっかくお願いされてて…。
これはいい言葉ですね!何かちょこちょこっとねいい加減なお茶を濁すような事をしたのではお願いされてるんだから申し訳ないって頑張って打たなきゃっていつも思う訳ですね。
ところがアンサンブルでやる時は別にそんなに頑張ってもらわなくても…。
ただものすごい僕が頑張るもんだから…アハハハハハ!それよく言われましたよ。
この日林は石川県でのコンサートに臨んだ。
本番前林は一人静かに太鼓に祈りをささげる。
つぶやいておくと自己暗示にかけられるので。
この日の演目は全部で6曲。
ほとんどが20分を超える大作だ。
林は2時間出ずっぱりで休みなくたたき続ける。

(太鼓)1回の公演はフルマラソンを走りきるくらいの負担がかかるという。
(拍手)はいお疲れさま。
(一同)ありがとうございました!終演後は必ず両腕をアイシングする。
これをやらないとね…やっぱりツアーとかコンサートを1晩やるというのは楽器が…例えば太鼓よりギターが楽かというとそんな事がなくて…そうですね。
だから体力もそうなんですけど緊張感を持たなきゃ駄目なんですよね。
そこをどういうふうに持っていこうかなというのはやっぱり自分結構悩んだ時がありましたね。
ツアーがすごいたくさんあった時にやっぱり…例えば100本やろうと1本ずつを新鮮な気持ちで立てるような自分に追い込もうとそれは心掛けていますねやっぱり。
和太鼓なんかも含めて体力勝負じゃないですか。
ふだん体力作り…マラソンもそうですけど食べる物とか気を付ける物ってあるんですか?食べる物はねいろいろ…。
あるんですか?やっぱり。
あるんです。
本番の前に…そうするとでんぷんがより体内に吸収されやすくなって長時間の重労働に耐えられるんです。
ほう〜。
例えばねこれがですね2日前。
この日肉だけ食うんです。
わ〜すごい肉…肉!肉は…。
ででんぷんを一切体から干すんです。
ないですね肉しかないです。
これ焼き肉屋。
これ…何かもう格闘家の食事ですね。
これが昼飯だったのかな。
これはささ身です。
ささ身ですね。
これは僕もよく食べますね。
あっささ身大事ですよね。
ゆでただけの…。
筋肉には大事ですねささ身。
さっとゆでたささ身とトマトとアボカド。
ささ身なんかもとらなきゃいけないと思うんですけど残念ながらおいしくないんですよね。
パサパサだよこれ。
まあパサパサです。
何食ってんだか分かんない。
これ…前の日です。
前の日ですね。
おはぎを…でっかいおはぎを。
結構ヘビー。
空港着いて現地で…。
そば?そば。
ちょっと写真撮る前に食べちゃいましたね。
気が付いてあっ食べちゃった…。
食べちゃった。
随分少ないそばだなと思ったんですけど…。
これ全部載ってたんです。
分かります。
これはその当日ですか?楽屋にお握りがダダダって来て。
おいなりさんとお握りと…。
すごいですねこれ!チャーハンとまた焼きそば!こういうものをリハの間に入れて。
そうすると当日もう元気ハツラツ!やっぱり体力ですから和太鼓の演奏って。
そういうところも気を付けてらっしゃるんですね。
1曲目から疲れて疲れて疲れて疲れて。
一番疲れてる時にクライマックスをやらなきゃいけないという状態なんで…そこでうまい具合に使い切らないといけないんで。
一方高見沢も負けてはいない。
3時間を超えるライブは当たり前。
全国各地を移動しながら週4日ステージに立つ事もある。
還暦目前にしてこのパフォーマンス。
一応僕も筋トレを…。
おっ!やってるんですよ。
ジムへ行ってされるんですか?トレーナーの方を呼んでやってるんですけど。
え〜っ!重いとこまで今いってますよ。
あらすごい。
この間ちょっと…やっぱり努力をされてる。
そうしないとコンサートツアーが多いもんですからだんだんだんだん体力がなくなってくるの分かるんですよね。
酒も弱くなってきてるしこれは駄目だなって事でトレーニングを始めたんですけどね。
そういう事をする事によって声も出やすくなったし…。
筋トレされてるっていうのは合理的だと思います。
そうなんですね。
絶対そう。
でも肩凝らないですか?載ってると。
肩は…首ですね。
首が凝りますね僕の場合。
首をこう振ってギターこんななってやるんで…。
髪の毛をバサバサするようにわざとやってるんですけど。
あれは意味ないんですけどね。
いやいや。
意味なくはないと思うけど。
あれ毛振るの大変だと思います。
そうなんですよ。
昔日本舞踊を習ってたんで…。
毛をこう振るやつ。
大変なんですよあれ。
できる!首が…。
林は公演前になると毎日はだしで山道を30分走る。
30年来の習慣だという。
海外公演してる時によく本番の前はね会場の周りとかを走ってたんですけど「やめてくれ。
何があるか分かんないから」って。
帰ってこなかったら…。
そうですよね。
そうするとウオームアップできない状態で本番やらなきゃいけない事に近くなって。
きついですね。
効くんですよ。
1,000回ですか!?それはすごいですよ!えっ1,000回!適度な…短時間で場所も要らなくて本番前の調子が上がる非常にいいウオームアップ。
どのように跳ぶんですか?ちょっとやってみましょう。
興味ありますね。
ハハハハハハハ。
まずね5種類の跳び方を100回ずつやるんです。
100回100回100回100回100回。
これを2セット。
え〜。
最初両足跳びで手首振りながら12345678910。
22345678910。
これで100回ですから。
今度は次は足を蹴り出しながらやるんです。
12345678910。
結構きついな…。
ハハハッ…。
結構きついな。
結構きつい…。
で次が123。
横蹴り。
横?…78910。
えっできない。
できません?これ。
なかなかちょっと…。
そうですかね。
その次は両手両足。
56789…。
あっこれできそうだ。
これならできる。
でこれが4つ目でしょ。
最後5つ目がこれを上で手をパッチンするんです。
12345678…。
これで500回やってまた1から2セットやれば次太鼓打つ時非常に楽なんです。
楽なんですね。
オーケストラの曲とか例えば番組の収録なんかの時は「一番おいしいところ見せてもらえますか」みたいな事言われるでしょ?ええあっ一番マックスなところを…。
一番マックスをいきなりやれって言われると一番つらい…。
これやっておくと割にドンドンドン…っていうところからいけるんで。
すごい!これはすごい。
ちょっと勉強になりました。
アハハハッそうですか。
あまり無理はしない方がいい。
1,000回はやめます。
そうそうそう…。
かつて林が所属していた…1970年代ボストンマラソンを完走してからそのまま舞台に駆け上がり太鼓をたたくというパフォーマンスで世界のどぎもを抜いた。
林はその中心メンバーとして10年余りを過ごす。
望んで就いた仕事では必ずしもなかった。
子どもの頃からの憧れはグラフィックデザイナー。
19歳の時横尾忠則の講演を聞こうと訪れた佐渡が運命を変えた。
「佐渡・鬼太鼓座」の結成に参加。
新聞もテレビも見ない禁欲的な生活を共にしながらひたすら太鼓の練習に打ち込んだ。
一日50kmものランニング特訓も課せられた。
それだけの距離を走った方が太鼓はうまくなるんですか?いや必ずしも…関係なかったんですか?それはじゃあ何のために?ただその主宰者のイメージの中では…鬼はじっとしていてはいけない。
走るって書いてありますからね。
歩いてタラタラ歩いている鬼はいないんだから…そう極限状態を作る。
だから…日常からステージに立つまでのをですよね?実際にだから音楽に感動しているというよりそういう生活をしている人が今ここで生でやってる太鼓の演奏を見るとまさにふだんから毎日何十kmも走っているなという体をしている訳ですから。
駄目出しをされてどうする…?精神論とやっぱりあれですかね太鼓の精神と和太鼓と通じるものがあったんでしょうかね。
世の中と全く違うものを見せつけてるグループだっていうか。
エネルギーが…。
すごかったと思います。
すごいと思いますよ。
それだけ…。
何かこう気迫と…。
律してますからねストイックを。
超えてますからねそこは。
ふんどし姿で和太鼓をたたくパフォーマンスは世界各地で評判を呼ぶ。
北大路欣也は37年前パリの劇場で初めて演奏に触れて以来の熱狂的ファン。
ホントにふんどし一丁でね。
観客に背を向けてたたかれる。
その体がねこう…ピンク色にブワ〜ッと紅潮してくるのよね。
フランス人ヨーロッパの人と一緒に聴いて…ウワ〜ッて。
そして演奏が終わったあとはもうねしばらくシ〜ンとしてねスタンディングオベーションでね大変だったの。
大感動して。
そのあと英哲さんとお会いしてあまり言葉も交わせないぐらい感動してたのね。
まさか自分がこれを天職にするとは思わなかったんだけども。
自分の思ったとおりにいかないんですよね。
英哲さんが目指されてる音楽というんですか最終的にやはり和太鼓という事を表現する時にジャンルというんですかね。
目指してる。
どこへ何を音楽家として目指してるのかなというのをお聞きしたいなと思ったんですけど。
あのね普通自由な表現の商売してるような人は子どもの時から憧れててねそこず〜っと来て太鼓も客観的に見れば…僕の場合はあんまりそれがなかったから。
美術でずっと来てたんで。
だからこうやって…ちょっとこう自分でしゅん巡するというか…しょっちゅうあった訳です。
参ったなでも…あっこれは美術をやってると思えば。
美術ってそれこそジャクソン・ポロックではないですけど絵の具を散らしただけの人もいればゴミだけ集めて「アートだ」っていう人もいる訳ですから何でもありでしょ?それを人が認めるかどうか世の中が受け入れるかどうかの違いだけで…どうにかなるかもしれない。
音楽の何かをやるというよりも売れない美術家ぐらいの気持ちでやってればそんなに落ち込まないでできるんじゃないかなって。
ステージ衣装にはアートへの思いが込められている。
これ自分でやったんです。
えっそうなんですか?自分でお描きになったのこれ。
光ってるの実はガムテープなんです。
ええっ!?ガムテを貼って。
ホントだ。
ここに上から黒いスプレーかけてでその上に絵の具をビャッビャッとやっただけなんです。
え〜っそう見えないですね。
ここはガムテをとったんです。
あっそうするとこう…アハハハ。
美術をね目指してたっておっしゃってましたけどやっぱり音にも英哲さんの…あっありがとうございます。
だからそういう部分で考えるとやはり天職なのかなって思うんですけどね。
今になるとねまさかこれを天職に自分がするとは思わなかったんだけども。
えてして人生そうなんですかねやっぱりね。
できっとそうだなと思って。
というのは普通の人でも例えばこの大学行きたかったのにここ行っちゃった。
で別の学科に受かっちゃった。
あっちの会社に行きたかったのがこっちの会社になっちゃって。
普通の人生大体皆さんそうでしょ。
そうですよね。
これ一本の道す〜っとね。
いかないんですよ。
金メダル取った人がね「夢は必ずかなう」とかみんな今よく言うでしょ。
まあいいんですけどそれはね。
でもあなたの夢はかなったけど…かなってない。
かなってないんですよね。
あなた一人が金メダル取れたけどあと全員取れなかったんだから。
ほぼみんな敗者ですからね。
勝者はたった一人ですからね。
それを頑張りなさいっていう。
おお〜それはいい…。
というような偉そうな事をねこの年になると言うようになっちゃった。
後半は舞台をスイッチ。
今度は東京都心にやって来た林。
楽しみですね。
どういうふうなってまずギターがどのぐらい並んでるだろうとか。
あのギターの実物を見た事がないですからそういうの見れるかな〜とか。
あっどうも。
どうもどうも。
どうもどうも。
高見沢はツアー中以外は朝から晩までスタジオに籠もっているという。
和太鼓をちょっと入れてみたという楽曲の譜面なんですけど和太鼓入ってるシーンだけちょっと聴いて頂けますか?結構激しい曲なんで…。
・「風雲急を告げて黒い雲がわき上がる」そうなんですよ。
どっちかっていうとその世界に和を融合させてみるのはどうなのかなと思ったんですけど。
これバランスがねなかなか難しいんですよ。
太鼓らしくしようと思ってどんどん出すと結局ほかの楽器を食っちゃうんですよ。
すごい存在感ですよね。
そうそう。
ヘビメタだな〜。
いやいやいやいや。
ヘビメタですけどね。
みんなで並んでこう…。
ヘビーです。
ですよね。
ここはずっともう個人のスタジオで?ここは借りてるんですけど。
そうですね僕が詞を書くまでみんな待ってますから…。
徹夜で?「おはよう日本」なんかもう完全に通り越してますね。
皆さんそれにつきあってる?つきあわないと。
うわ〜。
(取材者)高見沢さんは長い方なんですか?すごいですね。
後になるとあ〜なるほどねっていうところが出てくるんで。
そうであったとしてもあ〜っていうのはあるんですよね後で聴くと。
それはできるからですよ。
僕もきちんとやりたくない訳ではないんですよ。
でも結局…それで聴き直すと…確かにリードギターっていうか…割にそうですよね。
そうです。
ファーストインプレッションっていうんですか最初のやつが一番いい。
それを超える事はなかなかできないですねやっぱりね。
テイク1でいきたいんですけどね。
いよいよ秘蔵のギターコレクション。
お〜並んでる。
ギターコレクションが…。
一応変わったギターという事で…。
うわ〜4本ネック。
これがですね今まで作ったギターの中での失敗作です。
何が失敗かってですね重いんですよ。
重そう。
トランプが4つあるんで4本ネックにしたんですけどこれは重いんですよ。
これ…どうぞ。
うわ〜これず〜っと掛けてるの大変ですね。
ですからね下につっかい棒を置いてやんないと駄目なんですよ。
だからいまだかつて…現在高見沢が所有するギターは…ご存じ…わんこそばまで。
好きなものは何でもギターにしてしまう。
中でも高見沢の代名詞にもなっているのがこちら。
これが最初に作ったウフィツィ美術館ってイタリアにある…。
そこに「音楽天使」って絵があるんですよ。
このぐらいの絵でリュートを持った天使の絵があるんですよ。
これ見てこういうギターを作ろうと思ってこれを作ってみたんですよ。
これが第一号…。
これ一体化してるんですか?木でこれ…。
木です。
これが進化してこのようにだんだんなっていくんですけどこれが一応ビーナス・エンジェルっていうんですけど。
これがすごい。
そうなんですよ。
役に立たない代わりこれ英哲さん…ここにあるんですから。
当然邪魔だと思います。
ものすごい邪魔なんですよこれ。
うわ〜。
だからちょっと見た目だけでこれは。
これが最近よくずっとステージで使ってるクリスタル・エンジェルっていうんですけどこれあれなんですよ。
光るんですここが。
お〜!暗転の時に結構…。
うわ〜。
これきれいでしょうこれは。
これはステージだと。
ステージ抜群ですねこれは。
うわ〜!どこに自分がいるかよく分かるんですよ。
こんな感じですね。
THEALFEEは日本のライブの歴史を変えてきた。
1986年にはお台場の特設会場で前代未聞の10万人コンサートを開催。
実は…名だたるコンサート会場の…またツアーの度に新調される高見沢の衣装も見どころの一つ。
一番ライブでなきゃできない事って…。
今スタジオでの仕事もされるでしょ?それとライブとって結局随分違う事じゃないですか。
それはやっぱりライブでなければという思い入れっていうか…。
これはやはり何て言うんだろ…何月何日の数時間。
って言葉があるように…たまらなく緊張しますけどそこで弾くギターが僕好きなんですよ。
それはねかなり分かります。
僕も道場みたいなあんな山の中にいるでしょ?「英哲さん。
あそこで一人で誰もいない所で黙々と集中してやって」って。
いやいや。
人が聴いてない時はそんなにできない。
あるでしょ?あります。
それホント不思議ですよね。
あんな自分は集中できるんだと。
人が見てる中でって。
そうなんですよ。
多分それは同じ事じゃないかと。
僕もですね…だからこれだけ長い間コンサートやってると変な話練習って言っちゃ失礼なんですけど…高めてきたっていう感じですよね。
集中力の中で。
数時間すごい緊張感の中でギターを弾いたりしてるとできなかったフレーズが「あれ?できた」って時があるんですよね。
今ソロとアルフィーと並行してやってるんですけど…2,400!?うわ〜!結局お金を頂いてやってる以上なにがしかのこの時間を過ごしたのがよかったとか…随分前に永六輔さんがね「英哲お前もな太鼓真剣にたたくだけが能じゃないぞ」と。
「さだまさしを見ろ。
9割しゃべってる。
お前もそのぐらいの事ができるようにならないと」って。
あの方特殊ですけどね。
特殊だと思うんですけど。
お宝写真公開。
高見沢の高校時代。
黄金の1970年代ロックの洗礼を受け髪が伸び始めている。
一番最初はどなたかにギター習ったんですか?僕はですね小さい…ホントに幼稚園の頃ピアノをちょっとやってたんですよ。
ふ〜ん。
おたまじゃくしの雰囲気っていうのは大体その当時植え付けられちゃったんで音楽に対する抵抗は全くなかったんですよね。
でも「触るな!」っていつも言われたんですよね。
「これは触るな!」みたいな。
でも「触るな!」って言うと触るのが弟の特権ですから。
知らないうちに弾いてて自分の持ってるピアノの知識とギターの音のあれでこういうふうにして弾いて音を覚えてましたね。
普通はそれなかなかできないでしょ?きっと。
そんな事ない。
絶対音がある訳じゃないしそんな大したもんじゃないけど。
ギター弾けないから。
それでプロになろうっていう…。
プロになるのが。
高校の時にアマチュアのロックバンドとか友達同士でやってそこで終わってもうこれで大学行こうっていう事で音楽をやめたんですけど入った時に…あそこで会わなかったら僕は音楽やってないですね。
あの学校で。
要するに学食で会っちゃったんですよ。
あいつの部屋へ行ってギター弾いてハモってるうちに「お前なかなか声が高いな」という事でその次の日が彼のバンドのライブだったんですよ。
「明日出ない?」とか言われて。
「えっ?」とか言って。
「どうかな〜いいよ」とか言って行ったら桜井もいた訳です。
そのままずっといる訳です。
だから何となく…
(「夏しぐれ」)僕ソロになってから大阪と東京で大きいコンサートができる事になってやったんですね。
大阪厚生年金会館の中ホール。
あそこでやろうという時に多分おぼろげな記憶なんです。
大ホールの方がアルフィーさんだった。
そうなんですか!?…っていう事を楽屋で聞いた覚えがあってそれが恐らく僕がアルフィーって言葉を聞いた最初なんです。
そんな事言ってましたか。
今度締めとかなきゃ。
ああそうですか。
いろいろ情報を見ると売れるようになるまでがすごく大変だったって。
1974年にデビューして「メリーアン」が出たのがちょうど1983年でしたから丸9年は…ただ先輩に恵まれてましたね僕らはね何か。
かまやつひろしさんとか研ナオコさんのバックバンドをちょっとやらせて頂いて結構そこでかわいがって頂いて。
MCすごい面白いし歌で締めるというか…そういうのを若い時に目の当たりにしてたからそういうのをステージングで生かしたいななんてずっと思ってましたね。
僕らの中では。
10年ヒットが出なかったって事は逆に…何だろうな精神的にタフになりますね。
まさに苦節10年。
アルフィーは実に通算16枚目のシングルでようやく日の目を見る。
高見沢が作詞作曲した「メリーアン」。
「紅白歌合戦」にも出場した。
小泉今日子をはじめ他のアーティストへの楽曲提供も増えていった。
・「さえぎる夜を乗り越えて」僕はね何か…でも…逆なんですね。
それを楽しまないと結構きつい時もありましたね。
出さなきゃいけないんだってプレッシャーになってくると逆にできなくなっちゃうんですよね。
そこは変な言い方すると…どこで。
ステージで弾くにはどうしたらいい。
ツアーを組むにはある程度の…それにはある程度の……っていう事に落とし込むんですよね。
そうすると自分の中でまた頑張っていこうみたいな気持ちになれるんですよ。
いきなりガ〜ンってもしデビューから売れていたとしたらもしかしたら40年も続いてなかったかなと。
太鼓を打つための体に特化してず〜っと来てるんでダラダラした生活とか普通の生活がもうできない体になってる。
音楽じゃなくても同じメンバーで何か続けるって大変でしょ?ですよね。
…だと思うんですけど何か秘けつあるって思ってますか?多分ね僕らだけなのかもしれないですけど…あ〜そうですか。
アルフィーって。
例えば僕が曲を作って…「俺が歌う!」って言うやつ誰もいないんですよ。
「どうぞどうぞあなたが」。
だから困ったから自分で「これは坂崎桜井俺」みたいに振り分けてキーもつけて。
分かんないやつは3人でオーディションして一番いいやつ。
「お前がいいな」って事で決めるんですけど意外とグイグイ前に出るタイプの人間じゃないんですよねアルフィー3人とも。
そこがうまくこう…よかったのかなって気はしますけどね。
自分たちの表現でアルフィーは…でもぬるま湯っていうのはひどくネガティブなイメージですけどぬるま湯っていうのはちょうどいい温度でぬるま湯につかってるにはホント言うと…だからこのぬるま湯の関係が俺たちなんだろうなみたいな。
大体声を出して引っ張ってったりするのは体育会系の僕なんですけど気合いを入れるじゃないですけど始まる前にふだんよりは声を出して「いくぞ!」みたいな事で試合前の感じですよね。
それでちょっと高めてったりとか。
高見沢さんから体育会系ですからって言われるのが非常に…。
そうみたいですね!僕今こんな頭してますけど…今耳見えないですけど。
何があったんですか?あとそうだな〜自分を高めるって事で言うと…1か月で…30曲は無理でしたけど十何曲作った事もありましたし。
そうやってモチベーションを高めていきましたね。
誰かが「こうやろう」って言うとそれにみんなついていく傾向にあるんでみんなで高まっていくみたいな。
スポーツとかほかの分野でもそうですけど…だから10年売れないっていうのもそのあと順調に来られた訳ですからそれは足跡というか物事のたどり方としてはある意味理想的だったかもしれない。
山がある時にここから一直線で登っちゃうとこっち側の風景が見えないじゃないですか。
だから僕らはきっとこういうふうに登ってったからいろんな角度からいろんな風景を見ながら登っていく感じじゃないかなと思うんですよ。
まだ頂上は行ってないんですけど。
いやいやそれはすばらしいです。
こう行っちゃうとあっという間に着いちゃいますけどゆっくりでもこう行った方が景観はきれいだしいろんな事が分かるのかななんて。
ちょっと自分なりの勝手な判断ですけどねそう思ってきたんですけどね。
でも今お話伺ってるとホントによく分かります。
安定してるっていうか浮ついた感じがしない。
こういうのだけね失礼ですけど…。
かなり浮ついた楽器が。
ちょっと僕のイメージにあったんですけどこうやって今ずっとお話を聞いてるとこのぐらい着実なミュージシャンっていないかもしれないって思えてきますね。
すごいですよそれは。
じゃあこっち見ないで下さい。
(歓声)アルフィーは今年も北海道から九州まで全部で46回の公演を予定している。
加えて高見沢はソロでも全国ツアーを展開中だ。
若い時と違ってやはり今二千何本って言いましたけどあと実際問題…思うんですよホントに。
ちょっと考えますよね。
考えます?いつまでできるんだろう。
思います。
そう思うと…もちろんお客さんに対してもですけど。
だからやっぱり自分はちょっときつくても頑張っちゃうんですね何かね。
ちゃんと筋トレしてねシェイプも保ってっていう事を意識して…。
まあ年齢の事もあるから。
そうですね。
自分でそういうふうに追い込んでっていう…。
筋肉もそうですし技術もそうですけどコツコツした積み重ね。
変な話よく言ってるんですが…でも何て言うか天命というのがどこから来るのか分かんないけど結局ここまでやったっていうのはこれ高見沢さんもそうだと思うんですけど…あんまり運命論みたいな事思いたくはないんだけど何かあるんだと思いません?思いますね。
もうちょっとばらけて来てくれればできるのに。
何でこんな時に締め切りが1か月つながるんだろうみたいな。
でもやれるでしょ?やっちゃいます。
これはだからそう運命づけられている。
これやんなきゃ駄目だろうなと。
いいと思います。
どうもありがとうございました。
こちらこそ。
だが今回はこれで終わりではなかった。
2人はぶっつけ本番の即興セッションに挑戦する事に。
22345678。
林の1,000回ジャンプも本気モードだ。
12345678!
(太鼓)お〜すごい。
1,000回跳んじゃったらしいじゃないですか。
1,000回跳んだんです。
すごい!すばらしい。
いやいや。
お願いします。
よろしく。
あのホント大したあれじゃないんですけどデモを作ったオケがあるんですが始まる前にフリーフォームで英哲さんのドラムがガ〜ッダンって決まった時にスタートしてあとは英哲さんの好きなようにたたいて頂ければもうギター入っていきますけどそこから。
実は高見沢はこの日の明け方突如セッション用のモチーフがひらめいたという。
じゃあやってみましょうか。
はい。
じゃあお願いします。
よっ!やった〜!すばらしい!ありがとうございます。
あ〜緊張した。
ドキドキしました。
すごいやっぱり。
楽しいセッションだな。
ギターの音って好きなんでギターのエレキのキュイーンってところが僕はとても好きなんですよ。
合間にこう入ってくるのがたまらないですね。
まだちょっと興奮してます。
今日寝られないな。
一線でやってきた人の重みとかそれから説得力ですよねご本人の道ですから。
その形がずっと今日まで持続しているっていう人はやっぱりすごいですね。
すごく興奮してます。
これはもう英哲さんの太鼓ありきですからそういう意味では勉強させて頂きましたね。
いやいやまあ…ホントに。
ありがとうございました。
2015/05/10(日) 01:00〜02:00
NHKEテレ1大阪
お願い!編集長 SWITCHインタビュー 達人達(たち)「高見沢俊彦×林英哲」[字]

NHKホームページ「お願い!編集長」へのリクエストに応え、「SWITCHインタビュー 達人達(たち)高見沢俊彦×林英哲」(2013年放送)をアンコール放送する。

詳細情報
番組内容
30年連続武道館公演、シングル47曲連続トップ10入り、解散も休止もせず40年活躍を続けるアルフィーの高見沢俊彦。一方、「この仕事でいいのか」と悩みつつ、和太鼓を世界に通じる芸術表現に高めてきた林英哲。2人は「ぬるま湯の関係が長続きのコツ」「愛と筋肉はお店で売っていない」「続ければ天職になる」など名言を連発。高見沢のお宝珍ギターの数々や、還暦前後には見えないアンチエイジング術まで、一挙大公開!
出演者
【出演】ミュージシャン…高見沢俊彦,太鼓奏者…林英哲,【語り】吉田羊,六角精児

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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