病気になった時私たちはさまざまな選択肢に直面します
激しい痛みの原因は…
なんと膵臓が溶けていきます
(浜島)恐ろしい…。
更に膵臓の病気で注意すべきなのが…
ほかのがんに比べて生存率が低い恐ろしいがんなのです。
こうした膵臓の病気に立ち向かうチョイスがあるんです
今日は…
膵臓の病気のチョイスを一挙にご紹介しま〜す!
さあ今日の「チョイス」は「膵臓の病気」ですけども…。
でも膵臓って聞いてもどこにあるのかさえ分からない…。
確かに主要臓器であるけれどもなかなかちょっとマイナー感があるから…。
そうそう。
なかなか場所って言われても「ここです」って言いづらい…。
よく「ちょっと胃が痛いねん」とか言うたりするけど「膵臓痛いねん」って言う人はおれへんやんか。
でも年々膵炎って増えてるという事でこの20年で3倍近くに…。
何でそんなになっちゃったんですかね?何かの要因があんねやろうね。
増加傾向にあるという膵炎なんですがまずどんな病気なのかご覧下さい。
膵臓のトラブルに見舞われたのはこの人
チュートリアルの福田です!
お笑いコンビ…
それまで病気らしい病気はした事がなかった福田さん。
4年前大変な目に遭いました
今から4年前ちょうどお正月の事でした
久しぶりのまとまった休み。
福田さんは大好きなお酒を飲んで休みを過ごす事にしました
1月…元日の夕方ぐらいに仕事終わってそこで酒飲んで寝て…。
次の日から休みなんで朝起きるじゃないですか。
朝起きたらそこでまた起きるやいなや酒飲んでまた昼過ぎ夕方ぐらいまで飲んで寝てまた夜目覚めるじゃないですか。
夜目覚めたらまた酒飲んで寝て次の日の朝起きてまた酒飲んでというのを1週間ぐらい続けた。
大好きなお酒を飲んだ正月休み。
特に飲み過ぎとは思っていませんでした。
ところが1週間のお休みが終わりかけた頃明け方これまで経験した事のない激痛に襲われました
あ〜痛い痛い…。
内臓を針がいっぱいついた剣山みたいなものでず〜っとたたかれてるイメージです。
それがもうドンッてたたかれてちょっと間があいてじゃなくてずっとです。
痛さが治まる瞬間がない。
福田さんは一人で歩く事もできずマネージャーに連れられて病院へ行きました
検査の結果急性膵炎と分かりました。
これはおなかの断面図です。
丸で囲った部分が膵臓がある場所。
急性膵炎の患者では膵臓がぼやけてはっきりと見えません。
膵臓が溶けていたのです
膵臓では膵液という消化液を作っています。
この膵液が大量に分泌されてなんと自分自身を溶かしてしまいその結果激痛が起こったのです
福田さんは緊急入院。
3週間入院しその後自宅で1か月間療養。
仕事を長期間休まざるをえませんでした
膵臓が腫れるとか思ったら溶ける。
いやもう恐ろしい!確かにね。
だって自分の体液で自分を溶かしちゃうんでしょ?恐ろしくないですか?そら痛いはずよね。
自分が溶けてんねんもん。
おなかの中が。
何かちょっとホラーみたいな。
ホラーやね。
チュートリアルの福田さんは急性膵炎だったという事なんですね。
今回チョイスブロック膵臓の状態です。
下に行くほど悪くなるという事なんですけども急性膵炎っていうのは文字どおり急に膵臓の状態が悪くなっちゃう。
急降下するんですね。
グ〜ンと。
「痛い痛い」って言うてたもんね。
しかも激痛を伴うという訳なんですね。
何が原因でしょうか?酒や絶対お酒!明らかにお酒。
お酒が2割8割は日頃の行い。
福田さんの場合はやっぱりアルコールが原因だと思いますね。
アルコールによって膵臓が溶けてしまうような状況が起きてるんだと思います。
アルコールが直接膵臓を溶かす事はないですよね?ちょっとこちらの図で…。
メカニズムを知りたいのよ。
膵臓は消化を助ける機能を持つ臓器です。
体の正面から見ると胃の裏側にあります。
ほかにも肝臓胆のう十二指腸などの臓器に囲まれています。
膵臓はどんな働きをしているのでしょうか?
この膵臓には2つの働きがあるんですよ。
一つはインスリンを出す。
もう一つは消化液の一つ膵液これを出すと。
インスリンというのは血糖を調節するホルモンでインスリンが出なくなっちゃうと糖尿病になっちゃう。
それから消化液の膵液は炭水化物とか脂肪とかタンパク質とかそういう食べ物を消化して吸収する役割があります。
という事は膵臓を壊してしまうと糖尿病になる可能性もあるって事ですか?はい。
アルコールが体の中に入ります。
そうするとまあアルコールに限らず食べ物飲み物が体に入ると膵液が出るんですよね。
消化するためって言いました。
膵臓から膵液が出て十二指腸の方に出ていく。
ところがアルコールの場合は膵液が大量に出るんです。
あっほかの食べ物よりもアルコールによって大量に膵液が出んねや。
どんどん出る。
こういうほかの食べ物よりアルコールが特にって事なんですか?そうですね。
あと脂肪分の高いものなんかもそうですけど特にアルコールは膵液がたくさん出るんです。
もうジャ〜ッと出るねや。
しかもアルコールに伴って出る膵液というのは特徴があると。
アルコールをたくさん長年飲んでると膵液自体がネバネバしてきてしまう。
うわ〜。
普通の膵液はサラ〜っとして流れやすいんですがネバネバして流れにくくなってしまう。
ですからもう大量に出る上にそれがネバネバしている。
更にアルコールで膵臓の出口の所も狭くなるんですって。
あ〜じゃあもう逃げようなくなるって事?じゃあネバネバで狭かったらもう行きようがないですよね。
そこにドバ〜たまる訳や。
ですよね。
普通の正常な人では膵液が膵臓の中では働きが起きないように蓋されてるんですけどもアルコールなどをたくさん飲んでこういう状態になるとその蓋が急に取れてですね膵臓自体を溶かしてしまう。
わ〜。
そうか。
膵臓から外へ出て本来働くようにできてるものそれがもう膵臓の中にいながら消化の役目を発揮するから膵臓自体が溶けてしまうって事?怖っ!怖〜い。
怖いね!ふだんは蓋されてるけどそれが蓋が開いちゃって徐々に徐々に溶かしていく。
まだまだ…って言うてんのに自分が稼ぐその場所に行く前にそこでもうわ〜ってやってもうてるって事?恐ろしい〜。
これは怖いね。
膵炎で一旦溶けてしまった膵臓をどうやって治すのでしょうか?膵炎治療のチョイスとは?
僕のチョイスは…
それは一体どういう事?
要は喉を通ると…そこを通すと膵臓が反応するから膵液が出るんです。
だから基本的には水も食べ物も全部駄目なんです。
膵臓は食べたり飲んだりすると消化液を分泌します。
膵臓が痛んでいる状態で消化液を分泌すると膵臓を更に痛めてしまいます。
そこで治療は膵臓を休ませるため消化液を出さないようにするのです。
そのため何も食べない何も飲まない生活を1週間ほど続けます。
その間必要な栄養と水分は点滴で補います
10日間食事がとれないってなって10日たっておかゆでしたね。
すごい水分の多いおかゆから始まってそれを2〜3日やってじゃあ白ごはんで大丈夫ですねみたいな。
塩分も薄めの脂分はほぼない食事ですね。
飲み物は水でしたね。
お酒と食事の制限があるものの今では膵臓は元どおりになりました
1週間よく頑張りましたね〜。
いや〜これは地獄やと思うわ。
もう聞けば聞くほどきついんですけれど「絶食・絶飲」何も食べない何も飲まない。
絶飲って言葉なかなか聞かないもんね。
お酒じゃないですからね。
お水も。
禁酒とかじゃないから。
食べ物飲み物何もとらない。
そうです。
すごい病気やねこれは。
急性膵炎こういう場合に要注意です。
まずみぞおち背中の痛みを感じると。
それからふだんからお酒よく飲んでいて更にお酒を飲んだ。
そういう時ですね。
食後数時間したら激しい腹痛に襲われたと。
食後数時間後っていうのが見極める一つのポイントになるんですか?そうですね。
飲みながら食べながら痛くなるというよりも飲んでからしばらくして場合によっては飲んだ翌朝とかですね痛くなる事あります。
消化が始まり始めて膵液がたくさんたくさん出てくるのに数時間かかるっていう事ですか?はい。
そうですね。
ただ急性膵炎になってしまえば我慢できようがないです。
もうほとんどの人が救急車で運ばれるような感じですから。
自分で動いていく事もできないぐらいやからここまで来たらもう絶対入院する。
絶対入院って事ですよね。
急性膵炎はみぞおち背中が激しい痛みに襲われます。
特にお酒などを飲んだあとに痛みに襲われた時にはすぐに病院に行く事をお勧めします
もう一つ大きく分けてありましてこれはですね完治しない。
え〜?治らないんです。
もう嫌やな。
これはもう…。
どんどんゆっくりと悪くなっていくという事なんです。
痛みも急性膵炎ほどじゃない場合が多くて全く痛まなかったのにある日膵臓取り返しがつかない事になってるという事が分かったというケースをご覧下さい。
気が付いた時には深刻な膵臓の病気になっていた…
6年前から川上さんの膵臓は働いていません。
失った膵臓の機能を補うため消化を助ける薬とインスリンが欠かせません。
川上さんの膵臓はなんと20年という長い時間をかけて壊れていったと考えられます。
その間自覚症状はありませんでした
これは川上さんのおなかの断面図です。
膵臓は形はあるもののその機能を失っています。
なぜ知らず知らずのうちに壊れていったのか
その原因はお酒。
長年の飲酒が膵臓にダメージを与えていたのです。
川上さんはすし職人。
30年前に独立。
自分の店を構えました。
この時から川上さんはお昼の休憩時間に悪い選択をしていました
起きてきたらまた1杯っていうような感じでず〜っと…
更にお店が休みの日もついつい自宅でお酒を飲んでしまいました。
こうしてお酒の量は増えていきました
しかし体の異常を感じた事は全くありません。
こうしたお酒を飲む生活を20年以上続けました。
ところが6年前たまたま受けた検査で驚くべき事が分かりました。
膵臓が働いていなかったのです
膵臓が壊れその機能をほとんど失っていました。
生きていくのに欠かせない消化液とインスリンを作る事ができなくなっていたのです。
医師からある事を告げられました
(取材者)何かをすればがんになるとかって言われましたか?うん。
それはお酒ですよ。
川上さんはこれ以上体が悪くならないように健康に気を付けて過ごしています
これはこれでっていうか怖いね!いや〜恐ろしい。
20年間…。
川上さんの場合は急性膵炎の日ごとの話ではなくてもう慢性は年単位でゆっくりと壊れていく。
その間川上さんの場合は9年前に一度あったって言いましたけどもね。
ただそれ以外の症状というのは感じなかったという事でした。
なぜ分からなかったんですか?まあ普通はおなかが痛いって言ってこられれば頻度的には胃腸炎とかですねそういうのが多いですので膵臓まで検査しない事が多い。
多いんですか。
やっぱり…膵臓まで診てくれないのか〜。
ゆっくりと膵臓が壊れていく慢性膵炎。
みぞおち背中の痛みが長く続きます。
長年飲酒をしている人や過去に急性膵炎になった事がある人は注意しましょう。
そして膵臓の異常を見つけるチョイスがあります
それはおなじみ超音波検査。
通称エコーです。
超音波を発する機器をおなかにあてるだけの簡単な検査。
副作用もありません。
でもばっちり膵臓の異常を捉えられるんです。
これが超音波検査で見た膵臓です。
中央に白い点が見えます。
慢性膵炎になっているのが分かります。
更に丸で囲んだ黒く見える部分が膵臓がんです
このように超音波検査では膵臓の異常を確実に捉える事ができるのです
膵臓肝臓胆のうなどの病気の拾い上げにはとても有用とされていて…。
膵臓などの病気の拾い上げにとても有用とされています。
という事で超音波検査のチョイスを早めにして膵臓の状態も確認をしてほしいという事なんです。
そうですね。
でも超音波である程度膵臓は外から見たら大体分かるもん?こういうちゃんと働いているか働いてないかは。
正常か異常かは分かると思います。
なるほど。
そこで形がおかしいなって言うて精密な検査して…。
そうですね。
何か異常があれば次の段階のCTとかMRIの精密検査にという事になります。
とりあえずこの超音波検査はお手軽っていうか簡単で…。
これはどこでも受けられるんですか?消化器を専門にしているとこであればやってると思いますけども今では人間ドックでも超音波検査を一緒にやってるとこありますので人間ドック受ける時に一緒に超音波検査もお願いしたらいいと思いますね。
膵臓の状態が分かる超音波検査。
膵臓だけではなく肝臓胆のう腎臓の状態も一緒に確認できます。
できれば年に一度は超音波検査でおなかの中を調べましょう。
続いて第2章は膵臓がん。
膵臓がんに立ち向かうチョイスです
また膵臓がんってのはなかなかこう…ど真ん中じゃないっていうかいまいち膵臓っていう臓器自体がどこにあるかっていうのも分かりにくいしね。
膵臓がんというのはですね3つのやっかいな特徴があるんです。
あ〜やっかいやな〜。
胃がんや大腸がんは内視鏡で直接観察して早期診断や対処ができますけども…膵臓がんの難しさを示すデータもあるんです。
がんと診断されてそのあと5年間生存した人たちの割合。
生存率ですね。
大腸胃はここまであるんですがこの膵臓というのは低いんです。
7%前後なんですね。
1桁ですね。
これは例えば早期発見であってもなかなか…5年生存率は高くならないって事ですか?早期発見できない例がほとんどだっていう…。
それからこの3つの特徴のうちの2つ目ですが「転移しやすい」。
これはどうしてなんでしょう?膵臓という臓器はそれほど大きなものではないんです。
ですのでそこにがんが出来ますと膵臓から飛び出して周りの臓器や腹くうの中にがんが広がりやすい。
腹くうというのは…。
おなかの中ですね。
おなかの中で広がりやすい。
ちっちゃいから外へどんどん飛び出していってしまう。
すぐキャパを超えてしまうんだ。
それからあと膵臓の周りにはですね体のいろんな所に栄養を送る重要な血管やリンパがある訳ですね。
そのために体の至る所に転移しやすいって事になります。
その血管やリンパに乗って体中あちこちに運ばれてしまうって事ですか?特に肝臓とリンパ節に転移が来やすいです。
これ膵臓がんの自覚症状というのをまとめました。
この痛みの時に膵臓を疑えるかっていうところがね…。
それがその痛みの時に疑って診てもらってもかなり進行してるって事ですよね。
早期ではないって事ですもんね。
どんな選択チョイスがあるのかこちらのボードをご覧下さい。
これがあるのかなチョイスがっていうぐらい大変な…。
あるタイミングで膵臓がんを見つける事ができれば完治も期待できるという選択があるんです。
膵臓がんの完治が期待できるというチョイス。
どういう事なんでしょうか。
膵臓がん克服に成功した…
膵臓がんと分かって9年が過ぎました
全然気にしてない。
膵臓がんと分かったきっかけはみぞおちに痛みを感じた事でした
いつも胃が悪いから胃だとばっかり思ってたんです。
それでいつもかかってるお医者さんで検査した結果何か異常が出たんでしょうね。
田原さんは念のため病院に行きました。
検査の結果痛みの原因は膵臓だと分かったのです。
これは田原さんのおなかの断面です。
膵臓に影がありました。
膵臓がんの可能性があると分かりました
膵臓がんっていったって膵臓がどこにあってどんな働きするか全然分からなかったから…。
だから「膵臓ってどこにあるんですか?」って聞いたもんやっぱり。
ハハハハハ。
この時妻の伊代子さんは覚悟を決めたといいます
まさかとは思いましたよねやっぱり。
でもやっぱりがんというのを聞いてからは「ああもう駄目だ」っていう…それが一番先に頭に来た。
がんは膵臓の膵頭部という場所にありました。
膵臓がんで最も多い場所です。
田原さんのがんは膵臓の中だけにとどまっていました。
そのおかげで田原さんは膵臓がんを治す事ができるチョイスを選べたのです
そのチョイスとは手術。
手術でがんがある部分の膵頭部を切除。
同時に胆のう十二指腸も取り除きます。
がんが転移している可能性があるためです。
そして小腸を伸ばして胃とつなぎ更に膵臓をつなげました。
11時間に及ぶ手術でした。
更に手術後2か月間抗がん剤の投与と放射線治療を行いました。
手術から9年。
がんの再発はありません
(伊代子)はいごはんですよおとうさん。
田原さんは体重が10キロほど減ったものの膵臓がんになる前と変わらない生活を続けています
それでも太らないんですよね。
田原さんの場合残った3分の2の膵臓が働いているため食事に気を遣う必要もありません
正直言ってびっくりしてますよね。
これだけ長く生きられたって事は。
いつまで生きてもいいんですけど…。
生きてもらわないと困るんですけどね。
「俺長生きしちゃったね」って言ってはいますけどね。
何にも分かんない。
分かんないからまたよかったのかもしれない。
あんまりつらいだけで…ああだこうだって覚えちゃったら何か考えたと思います。
治療が難しい膵臓がんでもちゃんとチョイスがあったのです
よかったですね!手術できるんだっていうちょっと今光がポッと見えた感じがします。
どうやってできるだけ早く膵臓がんを見つけて手術に持っていけるかというのが非常に重要なポイントだと思います。
究極の理想のケースですよね。
あの手術自体は難しいものではないんですか?やはり膵臓の手術そのものがおなかの中の臓器の手術の中ではやはりかなり難しい手術と…。
へえ〜。
やっぱりこれぐらい広く取らないといけないものですか?
(本田)膵臓がんは染み込むように周りに広がりますから大体このぐらいでってそこで切ると結構そこにがんが…そこまで来てたりっていうのが多いのである程度広い範囲で取るっていうのが一般的な考え方です。
なるほど。
胆のうも取っちゃいましたよね。
胆のうを取る事によって何か…もう今は薬も何にものんでらっしゃらないっておっしゃいましたけど胆のうの機能がなくなる訳ですよね。
それによって何かが起こるって事はないんですか?それはほとんどないと考えていいと思います。
胆のうはですね胆汁をためるだけの機能と考えられてますので無くなってもそれほど健康に大きな影響はないというふうに考えられてます。
手術でがんを切り取ったと思ってもこの「転移しやすい」それから「再発しやすい」という事なんですね。
これをですねなんとかしたい!いやそれできたらそら…御の字よ。
ここをなんとかしたいという新しいチョイスが実はあるんです。
あ〜聞きたい!どういうものなんでしょうか?
膵臓がんの再発を防ぐ治療のチョイスをした…
もう終わりだなと思ったんですよ。
自分自身が。
人生が終わりだなと思いましたよ。
大野さんは2009年の5月に膵臓がんと分かりました。
これが大野さんのおなかの断面です。
丸で囲った部分が膵臓に出来たがんです。
大野さんの膵臓がんは手術ができるものでした。
主治医の本田医師です。
大野さんの場合ある懸念がありました。
手術後にがんが再発する可能性が高いというものでした。
そこで本田さんは再発を防ぐためにある治療を提案しました。
それは術前化学放射線療法という新しい治療法です。
一般的に膵臓がんの手術ではがんを切り取ったあとに抗がん剤治療を行います。
しかし術前化学放射線療法は手術前にも抗がん剤と放射線治療を行うのです。
なぜ手術前に治療を行うのでしょうか
膵臓がんは転移しやすく目に見えないレベルのがんが広がっている可能性があります。
こうしたがんは手術で取り切れない可能性があります。
そこで本田医師は手術の前に抗がん剤で小さながんをたたき膵臓のがんも放射線治療で弱らせるという戦略をとったのです。
しかし膵臓がんでの放射線治療はこれまで難しいものでした
しかし放射線治療装置が飛躍的に進歩。
今では膵臓にあるがんを狙い撃ちする事ができるようになってきたのです
大野さんはひとつき半抗がん剤治療と放射線治療を受けました。
するとがんに変化が現れました。
これは大野さんの治療前後の膵臓の画像です。
白く見えるがんを1か月の治療で直径1センチほど小さくする事に成功しました。
転移もない事を確認してがんを切除する手術を受けました。
膵臓の3分の1と十二指腸胆のうを取り除きました
その後再発を防ぐため半年間再び抗がん剤の投与が行われ治療を終えました。
それから5年。
がんの再発はありません。
大野さんは膵臓がんを克服する事に成功したのです
今出てきましたけれども術前化学放射線療法。
ちょっと難しい言葉なんですがポイントはとにかくこの「術前」。
手術前に行っているという事。
これでその転移再発の率を下げていくという事なんですね。
またあの技術も飛躍的に…。
言うたらスナイパーみたいなもんですよね。
ピンポイントで放射線を当てる事ができると…。
いろんなもの避けて避けて犯人だけみたいな。
すごいですね。
より確実にって事ですよね。
最初やって手術やって最後も念には念をみたいな…。
膵臓がんの可能性があるという時にどういう状態だったらこの治療を選択肢として…。
一つは転移してないって事ですね。
ある程度大きいですけど局所にとどまっているっていうのが第1条件だと。
それからやはりあまりに高齢の方とか元気のない方はちょっと難しいんじゃないかと思います。
あと少し進行して十二指腸にちょっと染み込むように広がって十二指腸に潰瘍が出来たりする事があるんですけどそういう患者さんでは放射線を当てると出血を起こしたり食事がとれなくなったりするのでそういう患者さんは対象外になる事があります。
自分がどんなに望んでもそれができる状況かどうかまず判断してもらわないといけないって事ですよね。
それは慎重に判断してやらないといけないと思います。
これどんな病院でも受けられるっていうものではないですよね?そうですね。
やっぱりある程度膵がんを専門に取り扱っている施設でないとなかなか取り組んでない施設も今ではまだあると思います。
術前化学放射線療法は新しい治療法で標準的な治療ではありません。
そのためこの治療を受けられる施設は限られています。
また治療期間の目安は術前化学放射線療法が1か月半。
次に手術を行います。
その1か月後から抗がん剤治療を半年ほど。
全ての治療を終えるには1年近くかかります
今なんとか闘おうという事で「転移しやすい」「再発しやすい」という事医療も進歩しているという話だったんですがもう一個残ってるんです。
「早期発見が難しい」。
それさえできればってとこがあるのよ。
病気って。
これもですね今…。
いける?いこうというチョイスがあります。
膵臓がん早期発見のチョイスです。
膵臓がんの早期発見に成功したのは…
人間ドックを受けたところ膵臓に異常が見つかったのです。
これがその時の検査の画像です。
膵臓の中に丸くなった部分がありました
膵のう胞とは膵臓に出来た袋の事です。
その袋の中には体液がたまっています。
実はこの状態が長く続くと膵のう胞にがんが出来る事があるのです。
眞島さんは定期的に膵のう胞の状態を調べ続けました。
そして2年後の2014年膵臓にがんが見つかりました
いや〜びっくりしましたね。
眞島さんはすぐに膵臓全てを取り除く手術を受けました
膵のう胞を早く見つける事で眞島さんは膵臓がんの早期発見早期対処に成功したのです
ほう〜膵のう胞っていうのが出来るんですね。
問題なのは粘液が中に詰まってるようなのう胞でこれは全体の膵のう胞の4割程度なんです。
…でその鑑別は専門家が行えばそんなに難しいものではありません。
それも見た感じで分かるもんですか?画像検査で大体鑑別できます。
なるほど。
膵のう胞は腹部超音波検査で簡単に見つかります。
膵のう胞に必ずがんが出来る訳ではありません。
がんになるタイプかどうか画像検査を行えば分かります。
不安に思わずに是非検査を受けましょう。
疑わしい膵のう胞が見つかった時に経過観察で活躍するのが…
胃カメラのように口から内視鏡を入れていきます。
内視鏡から超音波を出し膵臓に近い場所から観察できるので膵のう胞の状態を詳しく見る事ができます
これは一般的に我々が胃や十二指腸食道などの状態を診る内視鏡検査とは違うカメラなんですね?カメラ自体は違いますけどやる事は普通の胃カメラと同じような感じで行われます。
…でほかにもその早期発見につながるこんな人は膵臓がんのリスク高いというものを改めてまとめました。
まずここまで出てきました膵のう胞があるという事。
それから家族が膵臓がんになった事があるという事。
それから糖尿病慢性膵炎そして喫煙というふうにあります。
膵臓がんの患者さんの大体3から9%ぐらいに家族に膵臓がんになった方がいらっしゃいます。
ですので家族に膵臓がんの方がいらっしゃる方は定期的に膵臓を検査していった方がいいと思います。
それは高い割合なんでしょうか?10人に1人という事ですのでかなり高い割合だと思いますし糖尿病がありますと膵臓がんの危険率が約2倍。
それから慢性膵炎ですと約6倍。
それからタバコを吸われる方も約2〜3倍。
あと肥満も膵臓がんのハイリスクだっていう事も分かってきてます。
膵臓の病気のまとめです。
急速に膵臓が溶けて激しい痛みに襲われる急性膵炎。
ゆっくりと膵臓が壊れていく慢性膵炎。
そして膵臓がん。
こうした膵臓の異変を早く見つけるためには腹部超音波検査がお勧めです。
膵炎が起こっていないかがんがないか膵臓の状態を簡単に検査できます。
自覚症状がなくても年に一度は是非膵臓の状態をチェックしましょう。
そして膵臓にダメージを与えるのがアルコールです。
お酒の飲み過ぎには注意しましょう
こんな教訓もありましてね休肝日といいますけれども併せて休膵日なんですよ。
ほんまや。
やっぱりアルコールを休むという事は肝臓を休めるだけじゃなくてこれだけ大事な機能をしてくれている膵臓も休める事。
だから水曜日は膵臓を養う日で膵曜日にしたらいい…。
月火水木金土日の水曜日?水曜日は膵臓を養う日。
膵養日。
そうだそうだそうだ。
何か一番飲み会とかも少なそうですしね。
そうそう!あんまり飲まなければ…。
水曜日なんか行こかってなれへんから。
自然と。
そういう事でいいでしょうか?
(笑い声)水曜日は膵臓を養う日で…。
いいと思います。
2015/05/09(土) 20:00〜20:45
NHKEテレ1大阪
チョイス@病気になったとき「まとめスペシャル すい臓の病気」[解][字]
命に関わる「すい臓」の病気「すい炎」と「すい臓がん」のポイントをまとめて紹介するスペシャル版。すい臓がんを防ぐ大切な検査のチョイスも紹介
詳細情報
番組内容
命に関わる「すい臓」の病気「すい炎」と「すい臓がん」のポイントをまとめて紹介するスペシャル版。すい臓がんを防ぐ大切な検査のチョイスも紹介! 【出演】星田英利、浜島直子、小山径アナウンサー ほか
出演者
【ゲスト】東京都立駒込病院副院長…神澤輝実,東京都立駒込病院外科医長…本田五郎,【司会】星田英利,浜島直子,【リポーター】小山径,【語り】佐藤真由美,江越彬紀
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 高齢者
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:32072(0x7D48)