人生の楽園 傑作集 2015.05.09


今週は何かいい事ありましたか?私ね思うんですよ。
おはようございます!西田敏行です。
寒い日が続いてますがいかがお過ごしですか?さて今日は伝統の味を守り続ける2組の主人公をご紹介しましょう。
『人生の楽園』傑作集。
まずはふるさとの野菜を多くの人に知ってもらおうと農業を始めたご夫婦のお話です。
桃ちゃん。
はい。
都心にほど近いこの町にこんな伝統野菜があったんですね。
珍しい野菜もたくさん登場しますよ!150年前黒船でやってきたペリー提督を驚かせたのは海から見えたこの富士山。
そう。
ここは神奈川県横須賀市です。
もしも当時今日ご紹介するお店があったらペリーはもっと驚いたに違いありません。
すごい大行列が出来ているここすかなごっそです!「すか」は横須賀の「すか」「な」は菜っ葉の「な」そして「ごっそ」はごちそう!横須賀をはじめとした三浦半島の新鮮な野菜を売っている産直のお店です。
いやすごいですね大盛況です!たくさんお買い上げくださいましてサンキューペリーマッチです!あの今「ペリー」と「ベリー」をかけたんですけど…。
あっ聞いてらっしゃらないですね。
皆さん野菜に夢中です。
ハハッ!今日は友達に頼まれて東京にちょっと送ってあげるの。
って言われました。
この時期の一番人気は三浦半島の名産三浦大根です。
煮物にしても煮崩れしないのでじっくり味を染み込ませる事が出来るんです。
おでんにぴったりですよね西田さん。
ヘヘヘヘ!わかってますね桃ちゃん。
でもこの三浦大根を作る農家が今では減ってしまって市場にも出回らなくなってしまったんですね。
幻の味なんて言われてます。
(孝志さん)よいしょ!そんな三浦大根を守ろうと頑張っている方が今日の主人公です。
ご紹介しましょう。
59歳でリタイアし日々畑で汗を流すようになりました。
よいしょ!いや〜腰がちょっとつらそうですね。
私にはちょっと無理かな…。
どうしても三浦大根はね。
青首大根はどうなんですか?あ〜本当だ!三浦大根は一般的な青首大根に比べて土に埋まっている部分が太く抜くのに力が必要です。
なるほど。
しかも面積あたりの収穫数が少ないため栽培する農家がだんだん減ってきてしまったんです。
うんうん。
今では日本の大根の90パーセント以上が青首大根なんだそうです。
いや三浦大根は手間のかかる大根なんですね。
それでは桃ちゃん。
今日の舞台のご紹介をお願いします!今日の舞台神奈川県横須賀市は海の街として知られていますが内陸部には畑が広がり農業も盛んです。
温暖な気候に恵まれキャベツや大根をはじめとした露地ものの野菜が一年を通して収穫出来ます。
本日の主人公山田さんのお宅も古くから農業が盛んな内陸部にあります。
左がご自宅右は野菜の加工場です。
ここにもう一人の主人公がいます。
ご紹介しましょう。
サラリーマンから農家に転身した夫を支えています。
弘子さんの担当は漬物など野菜の加工です。
これがうまいって評判なんです。
親戚から聞いたのとか友達に聞いたのを自分なりに味ちょっと調えて…。
産地直売所すかなごっそでも人気商品となっている弘子さんの漬物。
おお!一般的なたくあんとは違い米ぬかを使わず塩酢砂糖のみでおよそ3週間漬け込みます。
おおっうまそうですね!この大根は孝志さんにお願いして漬物用に栽培してもらっている細いタイプの白首大根です。
もちろん名産の三浦大根の漬物も評判いいんですよ。
毎日おいしい漬物が食卓に上る山田家。
うらやましいです。
横須賀市の農家に生まれた孝志さんは両親が畑仕事をする姿を見て育ちました。
31歳の時同じ横須賀市出身の弘子さんとお見合い結婚。
3人の子どもが生まれました。
孝志さんは農協の預金や貸し付けの部署で働いてきた金融マン。
しかしいずれは両親の残した田んぼや畑を継ぐ時が来るだろうと思っていました。
その思いが現実的になってきたのは50代半ば。
地元に初めて大型の産地直売所が出来る事を知ったのです。
そこを自分の力で盛り上げる事が出来るならばぜひ農業にチャレンジしてみたい。
そう考えた孝志さんは2012年弘子さんと2人で農家になる事を決めました。
一緒に2人でね…2人でだったら出来るんじゃないかなっていうふうに話し合いの中ではなったんですね。
よいしょ!はい。
はい。
じゃあ葉っぱ切る…。
というわけで本日は温暖な三浦半島で農業を始めたご夫婦のお話です。
ふるさとの野菜を多くの人に味わってもらおうと今日も畑で奮闘中!三浦大根のようにどっしり大地に根を下ろした第2の人生。
元気いっぱいでーす!神奈川県横須賀市の朝。
一日の始まりは野菜の収穫からです。
今日もまず三浦大根が相手です。
(孝志さん)よいしょ!全身の力を込めて引き抜きます!やっぱり鮮度はね朝取りが一番いいですよね。
孝志さんは色々な種類の野菜を育てる事で一年を通して収穫が出来るように努力しています。
中にはとっても珍しい野菜もあるんですよ。
ほうほう…。
では西田さん野菜クイズです!はいはい!この野菜はなんでしょうか?バカにしなさんな。
カブに決まってんでしょうが。
ブッブー!えっ!?これは大根です。
おむすびッシュ大根。
はあ?おむすび・うぃっしゅ?おむすび型のラディッシュでおむすびッシュです。
なるほど。
ハハハ!水分が少ないので天ぷらにして食べるとおいしいんですよ。
ほほう…。
(孝志さん)ゴルゴっていう名前なんですけど。
今度はなんかスナイパーみたいな名前ですね。
13個あったら『ゴルゴ13』ですよ。
(孝志さん)中は…こうです。
おおっ射撃の標的みたい!やっぱりそこからのネーミングなんでしょうか?いいえ。
原産国のイタリアでゴルゴと呼ばれている野菜なんです。
はあ〜。
十分甘くておいしいですね。
はい。
ヨーロッパではサラダでおなじみの野菜なんですよ。
いや知らない野菜がまだまだあるもんですねぇ!いやそれにしてもまあ色んな種類の野菜を育ててますねぇ。
こんなに多いと手間かかるんじゃないですか?うちなんか面積少ないですからね。
本当にあの…色んな種類作ってみてリスク分散じゃないですけど。
リスク分散…いわゆるリスクヘッジってやつですね。
さすが金融ひと筋だった孝志さんですね!この日の朝山田家はとってもにぎやかです。
同居している長男和輝さんと次女みおさんと一緒に食卓を囲みます。
農家になってからはこういう機会も増えました。
今朝の献立はオムレツに取りたて野菜のサラダに漬物です。
いや〜ヘルシーな朝ごはんでいいですねぇ!和輝さんみおさん。
ご両親が農業を始めた事お二人はどう思ってます?昔仕事してた時よりも今のほうが生き生きしてるなと思います。
すごい毎日楽しそうにやってるので。
思ってたよりもすごいストイックにやってるんでそれがなんか意外だったかなというか…。
もうちょっと緩くやるのかなと思ってたんで。
そして朝食を終えた孝志さんは収穫した野菜の納品に向かいました。
車で20分ほどの場所にあるすかなごっそです。
ここでは値段を決めるのも置く場所を決めるのも農家です。
やる気さえあれば結果もちゃんと出るというわけなんですねぇ。
漬物名人弘子さんが作った大根の漬物も並べます。
こちらはすかなごっそがオープンする時孝志さんに「出品してみては?」と声をかけてくれた方です。
実は島野さん孝志さんが勤めていた時の部下だったんです。
ええっ!?でも…。
いつも頭下げて叱られてます。
もう本当勘弁してください…。
やっぱり常に…いいんですかね?これ…常にこう顔は厳しかったですね。
厳しかったです。
もう今はあのなんていうんですかね…。
本当に楽しんでるんだなって。
孝志さんの他にもすかなごっそが出来てから農業を楽しみ始めた方がいっぱいいます。
少しだけの野菜でも気軽に納品出来るので高齢のため農業を諦めていた人たちが戻ってきてくれたんですねぇ。
嬉しいです。
エヘヘ!儲かってますか?ハハッウソウソ!どうですか?楽しんでますか?農業。
楽しいよ!アハハハ何よりですねぇ!自宅の加工場では弘子さんが大仕事に取り掛かっていました。
これ三浦大根ですよね?大仕事…何を作るんだろう?火にかけた鍋に三浦大根を入れて煮詰めていきます。
へえ〜なんだろう?自家栽培のゆずは香り付けです。
大根おろしの煮込みなんて聞いた事ないしな。
アハハ!砂糖も入れるのでとーっても甘いものです!甘い?えっ?もしかして…。
そう!実はこれ三浦大根のジャムなんですよ。
うわっ珍しい大根ジャム!ジャム作る時はもう作るぞっていって…。
なるほど大仕事ですねぇ!これもすかなごっそで売るんでしょうか?そうなんです。
このジャムは少しでも多くの人に三浦大根のおいしさを知ってもらおうとすかなごっその企画で考え出されたものです。
農家のお母さんたちが同じレシピで作っています。
ああ〜!10本ずつ並べる?みんなのそれぞれ。
今日は対面販売しようと集まりました。
ああ〜そうですかなるほど。
三浦大根のジャムってどんな味するんでしょう?ちょっと食べてみたいですねぇ。
今日は1人でも多くの方に美味しさを知ってもらえるようにバンバン味わってもらいましょう!横須賀を知っていただくにはなんかがんばれないかなと…。
そうですね。
こういう機会があるとうれしいですね。
パンに塗って試食の準備も万端ですよ!丹精込めて作り上げた三浦大根ジャム!あっ来た来たお客さんだ!三浦大根ジャム試食しませんか?いいですか?ああ…残念。
入ってすぐだからね。
確かにね。
まずは売り場へ進んじゃいますもんね。
大根ジャム試食しませんか?いいえ…。
ああ…。
ここで弘子さん野菜売り場まで出向いて声をかけ始めました。
どうでしょう?三浦大根ジャムいかがですか?三浦大根をジャムにしました。
さあどうですか?どうですか?ヘヘヘヘ!あっ続々とお客さん集まってきましたよ!あら3個もお買い上げ。
3つだけにありがとさんな〜んて!もうジャムだけにギャグも甘いっす!すいません!この日孝志さんが向かったのは近所にある池上神社です。
(孝志さん)こんにちは。
遅くなりました!今日は祭りに備えて神輿の修理をするために集まりました。
孝志さんが代表を勤める神輿の会の皆さんです。
実は孝志さん若い頃から神輿を担ぐのが大好きでここ池上神社の神輿の管理を頼まれてるんですねぇ。
孝志さんにとって大切なお神輿です。
手作りで作った神輿なんですよ。
買ったんじゃないんです。
そうなんですよね!神輿の裏には孝志さんの名前が刻まれています。
4年がかりで作り上げました。
孝志さんはこの神輿を担ぐ事でふるさとの素晴らしさを心に刻んできました。
自分の生まれ育ったところをなんていうんですかね盛り上げていきたいっていう気持ちもありますしね。
年齢も職業も超えてひとつになれる神輿は地域の人々の心のよりどころなんですね!鎖3目して…。
弘子さんも地域の活動をしています。
商店街にある集会所で近所の方々に編み物を教えているんです。
家族が着てるものが全部ニットっていうか手作りのニットだったんで近所の人がそれを目にして教えてって言われて…。
引き受けて以来3人の子育てをしながらずーっと続けてきました。
今年で25年目。
生徒の皆さんはほとんどが年上です。
こちらが最年長の生徒さん。
美與子さん編み物歴は何年になりますか?編み物歴はね…77歳から始めたの。
もうこれのおかげで頭もぼけてないし。
それでみんなとおしゃべりも出来るし。
もう何よりですよ。
最高ですよ。
ハハハハハ最高ですか!人の輪が元気の源。
素晴らしいです!めめちよ!
(孝志さん)何言ってるかよくわかんないよ!この日山田さんのお宅に小さな訪問者が。
孫の遼太朗くん2歳です。
ばあばのほうがいいのかよ。
なんだよ。
ばあばのほうがいいのかよ。
ヘヘヘヘ!おじいちゃんよりはおばあちゃんのほうがいいんだ。
ねえ遼太朗くん!こんにちは。
こんにちは。
今日は今年の初物のたけのこを収穫します。
自宅の裏山に竹林があるんです。
こっちこっちこっち。
(遼太朗くん)どこだ〜?どこだ〜?孝志おじいちゃん張り切ってます!あっ…あったあった!出てきました!
(孝志さん)よいしょ!よっこら…はい取れた取れた。
おお〜立派なたけのこですよ。
ほら!この日は遼太朗くんにとって人生初のたけのこ掘り。
おじいちゃんいいところ見せないといけませんね!ヘヘ〜!30分ほどでこんなに収穫出来ました!あっ遼太朗くんも掘りたくなっちゃったみたいです。
ヘヘヘヘ!踏んじゃった?
(孝志さん)うんうん。
踏んじゃったから取れちゃったよ。
ほら取れちゃった。
アハハ遼太朗くんみたいにミニサイズですね。
でも記念すべき初めての収穫です。
よかったね!
(孝志さん)この中入れといて。
さっとアク抜きをして初物のたけのこをいただきましょう!いいですね〜!やっぱりその季節初で食べると一番おいしいです。
初物を食べると75日寿命が延びるって言いますからね。
うんおいしいおいしい。
さあ遼太朗くんはどうかな?
(弘子さん)おいしい?ヘヘヘヘ…!まだこの味ちょっとわかんないかな?そのうち手伝って掘ってくれるようになればいいんですけどね。
もうあっという間ですよ。
ねえ!孫と一杯なんていう日もね。
山田さんご夫婦が選んだ道は愛し続けてきたふるさとを舞台にした人生でした。
第1の人生は種をまき続けた日々だったかもしれません。
そして今それが大きく育ち花を咲かせています。
孝志さん弘子さんこれからもふるさとにしっかりと根を張りいーっぱい収穫してください!昔からお祝い事がある度に作られてきた味。
続いてはそんな食文化を大切にしているお母さんたちのお話です。
お店を切り盛りするお母さんたちのパワーに私圧倒されてしまいました。
ここは加賀百万石の城下町金沢。
町を歩けば時空を超えた旅が出来ます。
古い町並みいいですねえ。
特にここひがし茶屋街は人気のエリアです。
外国からのお客様何撮ってらっしゃるんですか?おっほっほっほっ和服美女。
この町に似合います。
元々はお茶屋さんが並んでいた江戸時代の歓楽街。
桃ちゃんちょっとぶらぶらしてみましょうかね。
はい。
最近はお茶屋さんだった建物をそのまま利用したおしゃれなお店が増えているんですよ。
こちらは和の小物を売っていて奥は和風カフェになっています。
ああ〜いいですねえ〜。
和菓子と抹茶金沢らしいですねえ。
ここもちょっとのぞいてみましょうかね。
何屋さんでしょう?いらっしゃいませ。
おほほっまぶしい!はい。
金沢名物金箔の専門店です。
お〜!ほお〜!ゴージャスだなあこれ!あっ金の延べ棒発見!いいえ!これは金箔を貼り付けたケーキです。
わあ…!いやいいですねえひがし茶屋街。
歩くだけで百万石の殿様気分です。
西田さんそろそろ今日の主人公のお店に行きましょう。
ああ〜そうでしたそうでした。
ねえ!こちらの細〜い路地に入っていきますと…。
ありましたねえ金澤寿し。
なんだか敷居が高そうに見えますが入ってみましょうか。
ごめんくださ〜い。
(笑い声)おっ意外にも室内はにぎやかですねえ。
お寿司屋さんっていう雰囲気じゃありませんねえ。
お客さんたちワイワイ何か作ってますよこれ。
何やってるのかまずは拝見するとしましょうか。
世界で一つしかないお寿司が出来上がりますよね。
そうなんです。
自分で色とりどりの具をのせていって押し寿司を作っていたんです。
あっこれは顔ですかね?色合いちょっと考えれば…。
ああこちらが今日の主人公お店にぎやかでいいですね!外観とまったく違うかもしれないんですけど…。
おお〜なるほど。
どんな具材があるんでしょう?はい。
16種類の食材が用意されています。
おお〜!どれも金沢ゆかりのものなんですよ。
うんうん。
(女性)出来た〜!
(男性)出来た。
出来た?アハハ。
あっ具だくさんでうまそうじゃないですか。
あっこれ顔みたいなやつだ。
個性出てますねえ。
これでフタをして押せば出来上がるわけですよねえ。
すぐに食べたいんだけども…。
あのちょっと待ったほうがいいんですかね?味がちょうどなんていうか…落ち着くんですよ。
皆さんいかがでした?面白いね。
食べるのが楽しみや。
ちょうどこれから帰るんで。
金沢でしか出来ない体験。
ちょうどうちに帰った頃に具が酢飯にしっとりとなじんで食べ頃ってわけですね。
世界に一つの押し寿司です。
元々金沢では春と秋の祭りや婚礼などに押し寿司を食べる習慣があったんです。
酢飯と具を経木で仕切り幾重にも重ねて切り分けます。
うん。
酢で締めたサバや小鯛裏側は紺海苔と呼ばれる青い海藻と干しエビで彩るのが基本です。
なるほど。
金沢には押し寿司の文化が根付いているんですね。
金澤寿しの閉店は夕方4時。
片付けを終えたまゆみさんが必ず立ち寄る場所があります。
(まゆみさん)今日も終わったよ。
(周田重孝さん)ご苦労さん!仕事終わりに焼き鳥屋さんで一杯…というわけじゃないんですよ。
ここはまゆみさんの夫が営む焼き鳥屋さんなんですね。
15年前重孝さんは脱サラしてこの店を始めました。
重孝さんまゆみさんってどんな方ですか?僕より男らしい面ありますよね。
ワオ!決断したらもうおいおい!って言ったってもうそのまま前へ進むタイプですんで。
まあそれに関してはもう…ええ。
重孝さんは飲食店の先輩として温かく見守ってくれてます。
石川県加賀市生まれのまゆみさんは子どもの頃母親を手伝って押し寿司を作りました。
本当はお客様に先に出さなくちゃいけないんだけどこっそりつまみ食いして。
ちょっと食べちゃって…。
めっちゃくちゃ食いしん坊。
フフ…。
金沢で保育士をしていたまゆみさんは25歳で重孝さんと結婚。
2人の子どもが生まれました。
重孝さんは勤めていた旅行会社を辞め36歳の時焼き鳥店を始める事に。
まゆみさんは調理師免許を取ってサポートしました。
店は軌道に乗り子どもたちも独立。
すると今度はまゆみさんも自分の夢を持ちたいと考え始めました。
何が出来るかな?って思った時にお寿司なんですよね。
なんか寂しいなって。
金沢の押し寿司文化を伝えていきたい。
その思いをお母さん仲間にぶつけるとあっそれはいい!と10人ほどがすぐに集まってくれました。
そして試行錯誤するうちにオリジナルの押し寿司をお客さんに体験してもらおうという事になったんですね。
そしてひがし茶屋街の町家を借りて体験型のお寿司屋さん金澤寿しをオープンさせました。
まゆみさんが最初に声をかけ仲間を集めてくれたのがこちらの所村さんです。
お声かけしたらこんにちは!あっこんにちは!こんにちは。
いや〜ダブル見返り美人。
ベレー帽お似合いですね!
(2人)フフフフ…。
ヘヘヘヘヘ。
あらららら。
いや〜皆さんの明るさが最高のトッピングになっているようです!朝は金沢の台所近江町市場で仕入れです。
近江町市場いいですねえ!大好きです。
もう〜あれもこれも欲しくなっちゃうんですけど。
ヘヘ…ですよね。
冬は海産物がおいしい季節ですもんね。
旬のズワイガニ。
石川県では加能ガニというブランド名で知られています。
小さいのはメスで香箱ガニと呼ばれています。
いや〜うまそうですねえ。
冬の金沢最高です!まゆみさんは青果店へ。
金時草と加賀レンコン。
お寿司の上にのせたいんですよ。
うんうん…。
だからあんまり大きいとちょっと場所とっちゃうので…。
加賀レンコンは加賀野菜の一つ。
強い粘りがありきめが細かいのが特徴です。
こちらは鮮やかな紫色が映える金時草。
全部で15種類ある加賀野菜。
今の季節はこちらのサツマイモが旬です。
うわっこれまたすごい種類ですね。
甘くてほくほくしているのが特徴の形と大きさで36種類に分類されています。
これってこの五郎島金時だけですよねこんなに…。
そうですね。
サツマイモ数ある中で五郎島金時だけ…。
いや〜金沢の食文化奥が深いです。
仕入れを終えたまゆみさんはひがし茶屋街へ急ぎます。
8時前にはもう出勤です。
お店はかつて芸妓さんたちの髪結いをする場所だったそうです。
太い梁と高い天井。
大きな階段が往時をしのばせます。
早速まゆみさんは体験用の具を仕込みます。
まずは加賀レンコン。
すごい色白でもっちりもちもちのレンコンですね。
加賀レンコンは薄い塩味で。
甘い五郎島金時はおだしを入れて炊きます。
肉厚の能登シイタケ。
甘辛く味付けします。
(まゆみさん)味付けはお母さんたちでもうちょっとだねとか炊いてみてはちょうどいい味でストップしましたね。
いや〜みんなで作り上げた味なんですね。
おはようございまーす。
はいおはようございます。
スタッフのお母さんたちが続々と出勤です。
おたかさんこと…。
担当はなんでも屋。
おはようございまーす。
おはようございます。
こちらはとんでもない。
やる事はがさつでございます。
ございます…。
(益成さん)はいございま〜す。
ありがとうございます。
(まゆみさん)おはようございます。
おはようございます〜!ディスプレー担当の自分でつけたあだ名があるそうですね?垂乳根ですよ。
(まゆみさん)えっおっぱいが下がってるって事?
(又野さん)アハハハ!歳はとってても気持ちは乙女だというふうに…。
そういうのを垂乳根っていうんですか?いやいや自分で言ってるだけなんです。
ヘヘヘヘ…。
いやいやいやいや…。
次は酢飯を作ります。
お母さんたちと色々食べ比べてこれいいんじゃないと。
採用!フフフフ。
甘さ控えめさっぱり味の酢飯は金澤寿しの命とも言えるものです。
はい。
この酢飯を使ってテークアウト用のお寿司も作っているんです。
(まゆみさん)石川の食文化として伝えたいのでうちでは笹寿司も作って。
なるほど。
金沢伝統の笹寿司ですね。
シイタケやレンコンをのせまして…。
なんですか?これ。
これも具材ですか?
(まゆみさん)こういうふうに…。
おっなんだ?はいフグの卵巣のぬか漬けです。
ほお〜!石川県の海沿いの町に古くから伝わる発酵食品です。
(まゆみさん)珍味であり高級品ですからね。
いや〜おたかさんいける口ですね!そんなおたかさんが盛り付けますと…。
(まゆみさん)ダイナミック!おいしいからっていっぱい入れちゃね…。
いけないね。
だから取りましょう。
(奥田さん)はーい。
エヘヘヘヘ。
別にけちってるわけじゃないんですもんね。
味が濃いのでちょっとで十分なんですね。
まあそれにしても色とりどりの具きれいです。
たらちね乙女又野さんは笹包みの名人です。
(奥田さん)はい出来上がり。
(又野さん)オッケーです。
石川県北部に伝わる笹寿司は酢で締めたサケやサバを具にします。
まゆみさんのお店では他にも甘い五郎島金時やフグの身と卵巣のぬか漬けをのせたりとひと工夫して一つ150円で販売しています。
金澤寿しではランチも始めたんです。
なるほど。
(益成さん)お待たせしました。
ようこそ。
(女性)いや〜すごいわ。
八品の料理が並ぶ金澤定食2500円。
新鮮なお造り旬の味はブリに出世する前のガンド。
ほどよい脂です。
いいですね。
こちらは酢飯にとろろをかけて金箔をあしらいました。
伝統料理べろべろは卵と甘いだしを寒天で固めてあります。
なるほど。
他にも治部煮など金沢のおもてなし料理がたっぷり。
おなかいっぱいになれますよ。
いやいいですねえ。
いかがですか?お客さん召し上がって。
うん…。
なんかビールと酒があったらねもう…。
この一つの御膳で全部金沢…。
いや好評じゃないですか〜!売り上げクッと上がるといいですね!大葉は?大葉はあとで一番最後で…。
昼下がり厨房が慌ただしくなってきました。
(又野さん)昆布あります?
(奥田さん)あっ塩昆布あっち…。
(まゆみさん)今日はようこそ。
お願いしま〜す。
わっわっわっ!すごい団体さん。
一体何人いるんでしょうかね?今日は24名様で。
ちょっとうれしいです。
あっごめんなさい。
どうぞ。
はあ〜これぞすし詰め状態ですね。
本日の講師はお嬢でございます。
次が345。
笹を放射状に敷き詰めるやり方はお隣富山県の名物ます寿司をお手本にしました。
いい感じ。
いい感じ。
ごはんがぎゅっぎゅっ…。
キャンバスに絵を描くような形で盛っていってみてください。
さすがお嬢らしい説明ですね。
酢飯のキャンバスに絵を描くようにお願いしますよ皆さんね。
これはフグの卵巣のぬか漬けです。
こちらはエビの位置でお悩みのようですね。
楽しかった〜。
楽しい!ウフフ。
こんなにいっぱい色んなおかずが入ってていいのかなって。
フフ…。
ずーっと笑いっぱなしであっという間の30分。
終わる頃にはもうすっかり仲よし。
(笑い声)私たちの年代でこんなに楽しくお仕事出来るなんてないよねえ。
ないない。
とってもありがたいと思うしやりがいもあるし。
地元のお母さんたちが楽しくやりがいを持って働ける場を作りたい。
まゆみさんにはそんな思いもありました。
こちらはかつて北前船が寄港した港町です。
歴史ある魚の加工場が立ち並び伝統食フグのぬか漬けが作られている町なんです。
伊藤九商店の伊藤と申します。
今日はよろしくお願いします。
(一同)よろしくお願い致します!伊藤さんは100年続く加工場の4代目です。
(まゆみさん)うわあ〜!すごい!春にゴマフグの卵巣を塩漬けにし一年漬け込みます。
でもこれ猛毒ですよね?
(伊藤さん)食べられません。
やっぱりね。
(伊藤さん)この時点ではまだ無理です。
誰がこんな事考え出したんかね?
(伊藤さん)そうですね。
一年塩に漬けた卵巣に米ぬかをまぶし木の樽でさらに一年ぬか漬けにします。
こうする事で次第に毒が減っていき食べられるようになるんだそうです。
(伊藤さん)北前船の…ここがちょうど寄港地だったんで乗組員さんの保存食でなんか日持ちのするものが出来んかという事で作ったんだと思います。
冷蔵庫なんかないんで。
そうですよねえ。
言いたいですね。
北前船で持ってきてこうしたのがこうなったんですよ…。
こうしたのがこうなって今度はこうなります。
伊藤さんが取り出したのはわらの縄。
樽のふちに置いて麹唐辛子をのせてフタをします。
うん。
その上に流し込むのがイワシで作った魚醤です。
はあ〜フタの上からかけちゃうんですね。
はい。
魚醤は先ほど置いた縄に染み込み少しずつ樽の中に入っていくんです。
は〜なるほどね!
(まゆみさん)ガラスみたい。
(伊藤さん)これ塩の結晶です。
(まゆみさん)すごーい。
こんな貴重なの開けて頂いていいんですか?麹の甘い匂いがしてくるね。
(まゆみさん)そう甘い匂いと…。
(一同)わあ〜!いや先人の知恵はすごいですね。
本当これは絶対お客さんに伝えたい事ですね。
いや本当そうですね。
気の遠くなるような手間をかけてお店に届いてるんですもんね!私も今後心していただきます!この日金澤寿しの厨房にお母さんたちが集まりました。
何か作ってます。
あっ巻き寿司のようですね…。
金沢の食材であったり食べ方であったりするものを…伝わるお弁当。
ほうお弁当も始めるんですか?実は北陸新幹線開通に向けて新しい駅弁を開発する事になったんです。
え〜!すごいじゃないですか!せーのでよいしょ!今回試作するのはフグの卵巣のぬか漬けや五郎島金時を入れた巻き寿司。
(まゆみさん)じゃあこれでいきます。
なるほどね。
巻き寿司を花の形にしたんですね。
やっぱりお寿司で勝負です。
味はどうですか?おいしい。
けどもっとフグほしい。
あんまりフグ…。
(まゆみさん)感じないでしょ?3月にはもう商品化してないといけないんですよ。
まだまだがんばりますね。
(又野さん)もちろんです!いや…ハハハ!皆さんいきいきしてます!金澤寿しの新しい駅弁楽しみに待ってます!自称食いしん坊のまゆみさん。
幼い頃から食べていたふるさとの味を未来に伝えていきたいと考えました。
そしていつしかまゆみさんの夢はともに力を合わせて働くお母さんたちみんなの夢になりました。
まゆみさんこれからも明るくて楽しい愉快なお母さんたちと金沢の味を広めていってください!応援してまーす!2015/05/09(土) 14:00〜14:50
ABCテレビ1
人生の楽園 傑作集[字]

近年、栽培する農家が少なくなった三浦大根を育てる男性、加賀野菜などを使った押し寿司の体験工房を始めた主婦…。故郷伝統の味を守るために頑張る二組の主人公を紹介。

詳細情報
◇番組内容
『三浦大根で故郷に元気を!』 59歳で専業農家となった主人公は、青首大根に押されて栽培する農家が少なくなった三浦大根、イタリア原産の「ゴルゴ」などの珍しい野菜を育て、故郷・三浦半島の農業を元気にしようと奮闘している。『古都で楽しむ押し寿司体験』 金沢の伝統食・押し寿司の文化を伝えたい…と考えた主人公は、主婦仲間と力を合わせ、古い街並みが残る金沢市の茶屋街に、押し寿司作りを楽しく体験できる店を開いた。
◇出演者
【楽園の案内人】西田敏行、菊池桃子
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/rakuen/
◇おしらせ2
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
福祉 – 高齢者

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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