よみがえりマイスター スペシャル 2015.05.09


(タカトシ)その思いをタカアンドトシがかなえます!…がその技術で壊れたり傷んだりした依頼人の思いがこもったものの復活に挑むドキュメントバラエティー!今回の依頼は…この難題に立ち上がったのは…更に俳優梅沢富美男さんからの依頼は亡き母が作ってくれた「紅白」で着た着物のよみがえり。
30年間落ちなかったシミにクリーニング界のすご腕職人が挑む!さあ始まりました「よみがえりマイスター」!壊れてしまったけどどうしても諦めきれないという依頼人の思いを僕がしっかりと受け止めますのでお任せ下さい!トシ頼んだぞ!へたくそかお前よ!力入るわ!自然にできないの…。
NHKなんだから!分かってるよそんな事。
というわけでどんな難しい依頼が来ても私が責任を持ってその道のマイスターをご用意しますので頑張りたいと思います。
梅沢さんいろいろよみがえらせるという事なので。
(梅沢)すごい事だと思うね。
やっぱり日本の技術ってすごいからさ。
できるんだったら…そうですか。
いやいやまだまだお元気じゃないですか。
ダメよ全然。
ほんとに。
今朝ションベンした事忘れてるもの。
(笑い声)いいじゃないですかションベンした事ぐらい忘れても。
したくなった時にすればいいと思います僕は。
さあそして満里奈さん。
よみがえらせたいものってのはございますか?なんかねものじゃないんですけど中学の時の恩師が亡くなってしまったんですけど亡くなる前にお会いしたかったなと思って…できるか?おい。
(渡辺)お願いします。
考えても無理だろそれはさすがに。
最初の依頼は四国最高峰石鎚山の麓…よみがえらせたいものがあると聞き駆けつけたのは…。
俺だ俺だ俺だ俺だ俺だ〜!というわけでですね今回の依頼人に会いにやって来ました。
一体どんなものをよみがえらせたいのか。
トシ!お前はほんとに…スタジオでぬくぬくとただただぬくぬくとアナウンサーに進行を任せ普通の事しか言わないでスタジオ見てんのかお前は!今回のこのな依頼人のそのものをよみがえらせてほしいってやつをお前がなちゃんと受け止めなきゃダメだからな!ちょっと気合いが入りすぎたタカさん。
早速依頼人のご自宅へ。
ごめんくださ〜い。
どうも池内さんでいらっしゃいますか?娘さんと一緒に出迎えてくれたのが…よかったです。
トシと間違われたりするんです。
ありがとうございます。
房子さんのよみがえらせたいものを見せて頂きました。
こちらの…。
これですか。
見て下さい。
アコーディオン。
年季が入って…。
依頼品は房子さんの夫が70年前に手に入れたアメリカ製の…長年愛用してきましたが30年ほど前からまともに音が出なくなり見た目もボロボロになってしまいました。
どのように壊れているのか持ち主である房子さんの夫数男さんに教えてもらいました。
「お米」いらねえだろ。
「10キロぐらい」でいいだろ。

(アコーディオン)じゃばらで空気を送る事で音を出すアコーディオン。
通常ならこのように…しかし数男さんのアコーディオンは…また別のキーは妙に…このように多くの音がまともに鳴らないのです。
ご夫婦は依頼品が壊れてからも捨てるに捨てられず大切にしてきたそうです。
このアコーディオンにはお二人の半生が詰まっているからだといいます。
数男さんがアコーディオンを弾き始めたのは6歳の時。
ジャズ好きの父の影響でした。
買ってもらった小さなアコーディオンに夢中になり毎日のように練習したそうです。
そんな数男さんが愛媛から東京の大学へと進学する頃父が買ってくれたのが今回の依頼品。
当時日本では珍しい…よみがえらせずに買っちゃいます?依頼品を手に入れた数男さんはその腕を見込まれ戦後はやり始めたキャバレーで演奏。
アコーディオンで…その後父の鉄工所を継ぐため愛媛に帰郷した数男さん。
ここで生涯の伴侶と出会います。
依頼人の房子さんです。
当時今治のライブ会場でアコーディオンを弾いていた数男さん。
その姿は今でも房子さんのご自慢です。
あっこれですか?
(房子)これがそうです。
これがこの…おっ!でこのアコーディオンがこれですか?はいこれです。
まあそうですね。
数男さんはデートの時にもアコーディオンを持ってきたそうです。
聞かされてやっぱりよかったですね。
そのかっこよさに惚れて結婚したという房子さん。
思い出の曲があります。
どの曲が好きだったんですか?何て曲が。
それを数男さんがいつも弾いて下さって。
家族にうれしい事や悲しい事がある度に数男さんはジャズのスタンダード「素敵なあなた」を演奏してくれたそうです。
今回房子さんがこのアコーディオンをよみがえらせもう一度数男さんに弾いてもらいたいと思ったのには訳があります。
そのつらい療養中…数男さんに支えられ回復した房子さん。
しかし入れ代わるようにこの数年数男さんの元気がなくなってきたのです。
ふっくら肥えとったんが痩せてしまって…。
苦しい時に…その思いで番組に依頼したそうです。
おいトシ!見てるか!お前のな夫婦と違ってこの愛にあふれた夫婦の絆のこのアコーディオンよみがえらせられるマイスターを必ず見つけてこい!分かったな!この…クズ!言い方があるだろ。
めちゃくちゃだな。
ちょっと…もう。
何で「クズ」って言われなきゃいけないんだよお前に。
それぐらいほんとに大切な思い出だった。
俺関係ねえじゃねえか!クズって言われる必要ない…。
だからほんとにお願いしたいって気持ちから出てしまったけどね。
でも数男さんと房子さんの夫婦のすごい年月があそこに詰まってる…。
楽器って相当難しいと思うんですよね。
修復するのに。
アコーディオン難しそうですよね。
直すの。
相当難しいと思いますよ。
誰がクズだよ!誰がクズだ!みんながクズって呼んでたから。
トシ!トシ!トシね。
それでは依頼人に登場して頂きましょう。
どうぞ!
(拍手)
(首藤)よろしくお願いします。
ちょっと今気になったんですけど…アーティスト名をフランソワーズさんという…。
さっきVTRでもちょっと絵映ってましたもんね。
いっぱい飾ってあるって思って。
あれはフワンソワーズさんがお描きになった…。
描きました。
房子さんはどうですか?今でも覚えてますか?数男さんが弾いている姿は…。
それでねさっきVTRでも言ってましたけど最近数男さんの元気がないと。
数男さんは6歳からアコーディオンを弾かれてという事はもう…80年のキャリアがあるという。
(首藤)という事は戦前から…。
数男さん?数男さん?
(どよめき)
(渡辺)いいですねいい感じ。
びっくりした俺!マリオネットじゃないよ!ここへ来る前にね練習せないかん思ってね歩く練習を。
ほしたら車から降りて入り口まで行ったら歩けんようになったんです。
それでまあここへ来れるかしら思って心配したんです。
それこそびっくりの。
数男さんをよみがえらせてほしいんじゃないんですから。
ダメだってなった時点で…壊れて音がまともに出なくなってしまった…この依頼に立ち上がったのはアコーディオンの世界では知られたすご腕職人。
(渡辺)こんな所で作業してるの?すごい!この道47年の…数多くのプロミュージシャンも依頼に来るといいます。
マイスターがこれまで手がけてきた修理は…まさにアコーディオン修理の達人です。
そんなマイスターの目に依頼品はどう映るのか?早速試し弾き。

(アコーディオン)音の悪さを確認したマイスター。
すぐに分解し始めました。
取り出したのはブロックという音を鳴らす部分。
アコーディオンの心臓部だといいます。
アコーディオンはじゃばらと呼ばれる部分を開いたり閉じたりする事で空気を動かしブロックにあるリードという金属をふるわせ音を鳴らす楽器です。
このブロックには2つの穴が開いた板がいくつもあり同じ音を奏でるリードが表と裏にずれてついています。
そして穴の反対側にはそれぞれ笛皮という空気で動く革がつけられています。
じゃばらを開き鍵盤を押すとその音のリードの部分に一定方向で空気が流れます。
この時笛皮が開く事でリードは振動し音が鳴りますが逆の笛皮は閉じて空気を通さないためリードは振動しません。
じゃばらを閉じると空気は逆に流れ先ほど鳴らなかった同じ音のリードが鳴るのです。
こうしてじゃばらが開いても閉じても同じ音が鳴るように出来ているのです。
今回の依頼品はリードや笛皮がかなり傷んでいて空気が流れても音が出なかったり妙な音が出たりするのだとマイスターは言います。
依頼品の心臓部をつぶさにチェックしたマイスター。
がく然としていました。
なんと音を奏でるリードが全てさびていたのです。
海で弾き潮風に当たった事も原因ではないかとマイスターは言います。
当然このままでは正しい音は出ません。
更に笛皮は反り返っていたり破れていたりして空気を間違って通すため…アコーディオンを私がやりだしてからね。
これほど傷んだものは修復した事がないといいます。
果たして依頼人の思いが詰まったアコーディオンはよみがえるのでしょうか?マイスターいよいよ修復作業に入ります。
まずはブロックから一つ一つ音階の板を外しリードのさびをとり始めました。
実はこの作業たださびをとればいいというものではありません。
(渡辺)換えちゃうんじゃないんだね。
リードは金属の長さや厚さの違いで異なる音を出します。
さび以外の金属を削ってしまうと音が変わってしまうのです。
(渡辺)そうなんだ〜。
一枚一枚手作業で丁寧に落としていきます。
これをなんと300枚以上やるそうです。
交換するのは割れたものだけにしてできるかぎり買った時から楽器についていたリードをよみがえらせたいとマイスターはいいます。
(土田)職人だねぇ。
(梅沢)取り替えた方が早いのにな。
そうする事によって…。
結局リードのさびとりだけで丸2日かかりました。
続いて取りかかったのは笛皮の交換作業です。
笛皮はやっぱ換えなきゃいけないんだねこれは。
新たな笛皮を用意したマイスター。
なにやら元の笛皮にはなかった鉄の板を一枚一枚に貼り始めました。
これは時間がたっても笛皮が反り返らないようにするためのもの。
少しでも長く使ってもらいたい。
マイスターの思いです。
そしてここからが最も大変な作業。
実はブロックは音階が2列でセットになっているため板の裏側の笛皮は真っ暗な狭い穴から貼らなければならないのです。
横のリードに触れてしまい…マイスターは探り探り暗い穴の中で笛皮を正確に貼っていきます。
なぜそんな事ができるのでしょうか?見ていたのはリードから僅かに漏れる光。
この光のラインと平行になるように笛皮を置いているのです。
まさに職人芸。
300枚以上仕上げるのに延べ48時間かかりました。
どうにか笛皮を貼り終え全てのリードを調律している時予期せぬ事が起こりました。
リードの厚みによって変わる音。
正確な音にたどりつくため微妙な感覚でリードをヤスリで削っている時でした。
マイスターが叫びました。
なんとリードが折れてしまったのです。
えっ?作業中にって事?しかも使われなくなったアコーディオンから抜いて集めているリードのストックにこの音はなく交換する事もできません。
折れちゃった…。
困り果てた様子のマイスター。
というわけでマイスターの頑張り見て頂きましたけども。
すごい細かい作業で。
音一個一個も調節しなきゃいけないですし。
多分2日にいっぺんぐらい「はっ!」て叫んでるでしょうね。
たまってね。
たまりますから細かい作業。
それではマイスターに登場して頂きましょう。
どうぞ!
(拍手)
(首藤)マイスターの松井俊仁さんです。
よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします!
(拍手)
(首藤)実はマイスターは…見事にきれいにして頂きました。
すごいね〜。
どうですか?房子さん。
こんなになるとはね。
外見も見違えるように。
ただきれいにはなっていますがこれだけでよみがえったという事にはなりません。
じゃばらが開く時音が鳴らなかったアコーディオン。
果たしてその音色は!?よみがえりマイスターよみがえりましたか〜!?
(アコーディオン)どうですか?ドの音は出てます?ええ。
(首藤)開いても閉じても…。
ここまでよみがえりマイスター!
(拍手)数男さん直りました!しっかり音が出ていたという事で…。
もう止まりませんね。
この感じですか?よく弾いていた頃の…。
はいそうです。
姿形もきれいに元通りになってほんとに…ところでマイスターこれは折れたのは一体どういうふうになったのか。
(首藤)マイスターはどうやって折れたリードを直したのかこちらをご覧下さい。
調律中に折れてしまい換えの見つからなかったリード。
この難問にマイスターが出した答えは…。
なんとリードを自分で作る事でした。
用意したのは1つ高い音のリードとはんだです。
リードの先端をはんだで僅かに重くし音を下げようというのです。
すごいな。
そんな事ができるんですね。
マイスターがつけたのは経験に基づいた僅かな1滴でした。
これで必要な音のリードが出来たのです。
へ〜あれだけで。
神業のようなマイスターの技術によって池内さん夫婦の思い出のアコーディオンは見事よみがえったのです。
(拍手)さあすごい技術でしたけどもねマイスターの。
数男さんどうですか?今のをご覧になって。
リードが折れるというのは…伺ったところによると…本来楽器にとってはあまりよくない事なんですか。
(松井)そうなんです。
ですから今度海でやったら一回海じゃないところで中の…1日で。
はあ〜そうなんですか。
という事でマイスターのすばらしい技術によってよみがえりましたこのアコーディオン数男さん当時のようにどうですか?弾いてみたくないですか?
(笑い声)あの弾きたいかな?と思いまして。
あの…1曲弾いてみませんか?よろしいですか?房子さんも演奏聴きたいですよね。
はいお願いします。
今回は東京のキャバレーで数男さんが大人気だった時のアコーディオンとクラリネットの編成で演奏して頂きます。
クラリネット奏者は…よろしくお願いいたします。
さあそれでは数男さんに今回演奏して頂く曲は「素敵なあなた」です。

(拍手)すばらしい!
(拍手)房子さんいかがでしたか?今の。
表情も背筋も指の力強さとかも…園山さんは一緒に演奏されていかがでしたか?いやほんとに打ち合わせも何もなくて今ほんとに初めて一緒にやりましたけれどもやっぱりほんとに音楽が…さあそれでは房子さん最後にここまでよみがえらせてくれましたマイスターにひと言…。
ほんとこの度はありがとうございます。
こんなもうボロボロ…こんなになるとは思いませんでした。
ありがとうございます。
すいません数男さんがこのタイミングでタップを踏んでしまいました。
すいません。
うれしかったという事で。
ほんとにうれしかったみたいです。
続いての依頼なんですが依頼人はなんと梅沢富美男さんです!どうも。
梅沢さんの芸能生活の転機となったあるものに関するよみがえりです。
ご覧下さいどうぞ!美しい女形で人気を博し続ける…今回梅沢さんからの依頼の品は一着の着物。
役者人生の転機を飾った大切な着物です。
・「男と女あやつりつられ」役者のかたわら歌手として世に出した「夢芝居」が大ヒット。
33歳の時「紅白歌合戦」に初出場します。
(土田)33!?
(首藤)大人すぎます。
・「どこへ行くのよ……」そして大トリの細川たかしさんの横で踊る大役も務めたのです。
・「明日へ漕ぎだす」その時の衣装として特別に作られたのが依頼品の着物です。
(渡辺)すごい女の人みたいほんとに。
梅沢さんの美しい女形が一躍注目を集め全国から公演依頼が殺到。
この着物と共に各地を飛び回ります。
そんな日々を3年ほど送るうちに着物は汚れてしまいました。
右袖裏のたもとに大きな茶色のシミ。
何度かクリーニングに出したもののシミは取れなかったといいます。
それでも大切にしてきたのは「紅白」のために…戦前に父清さんが旗揚げした大衆演劇梅沢劇団。
旅一座の家庭に生まれた梅沢さんは子どもの頃は福島の祖母のもとで育てられめったに母千子さんと会う事はできませんでした。
15歳で本格的に役者を目指した梅沢さん。
一座の看板役者にしたいという家族の期待を背負って…初めて踊る女形の所作を手取り足取り教えてくれたのが母でした。
母千子さんは役者としての心得も教えてくれました。
そんな母を喜ばせる出来事が訪れます。
しかも大トリで女形を踊ってほしいという思わぬオファーが舞い込んだのです。
生地の染色は着物デザイナーの村寿三郎さんが引き受けてくれました。
母千子さんが徹夜で縫い上げ着物が出来上がったのは大みそかギリギリでした。
その着物を着て晴れ舞台に立った息子を客席から見ていたという千子さん。
「紅白」が終わったあとに聞いた言葉を梅沢さんは忘れられません。
母千子さんは梅沢さんが「紅白」に出場した16年後86歳で亡くなりました。
梅沢さんにとって…依頼お受けいたします!という事で着物を直してほしいという。
タカさんもさトシさんも初めて…思ってないですよ。
知ってますよ。
ほんと大変な作業ですからね。
特に僕は…非常に難しい。
それを一晩でお母様が。
でもあんだけシミ出ちゃうともうダメですよね。
結構シミになってましたもんね。
いろいろ手は尽くしたんですけどね。
でももしよみがえったらどうしたいですか?これは。
そりゃあ着たいよ。
ええっ!?そこまでやって頂けるぐらいの…。
何でタップダンスだよ!数男さんじゃないんだから。
母が梅沢さんに縫ってくれた掛けがえのない絹の着物。
「紅白」出場後舞台で使い続けるうちに出来た…果たしてどうしても取れずにいたシミをなくす事はできるのでしょうか?梅沢さんの依頼を引き受けてくれたのはシミ抜きのマイスター。
着物の洗浄や修復を手がけて50年以上の…マイスターの手にかかればこんなシミも…。
ご覧のとおり。
シミが出来た部分をきれいに漂白し再び色を入れて染め直す地直しという手法を用いこれまで数え切れないほどの着物を修復してきました。
マイスターに梅沢さんの着物を見てもらいます。
まずマイスターが確認したのは生地の状態。
高性能のスキャナーを使いおよそ100倍に拡大してこれからシミ抜きに挑む箇所の繊維の状態を調べます。
梅沢さんの着物は30年以上前のもの。
シミの付近の繊維が相当傷んでいる事が分かりました。
これから漂白を進めていくにあたり通常のやり方では生地が更に傷んで破れてしまうかもしれません。
マイスターは手ごわい依頼品だと言います。
修復作業が始まりました。
まずは漂白作業の前に…漂白前にできるだけ汚れを取り除いておこうというのです。
そしていよいよ漂白作業へ。
古い生地で繊維が弱っているため…更に漂白剤をつける道具も特別なものに。
通常であればハケや綿棒を使うところをシミ以外の繊維に漂白剤がつかないように先端が細い竹串を使い細心の注意を払います。
(土田)竹串でやるの?竹串の先端に微量の漂白剤をつけ何度も何度も細かく繊維にしみこませシミを抜いていきます。
(渡辺)え〜気が遠くなる。
そして漂白した部分に色を入れる作業。
地直しと呼ばれる工程へ。
マイスターはシミがあった周辺の生地の色を…長年の経験がなせる技です。
今度は水で薄め何十にも塗り重ねて染め上げていきます。
マイスターの筆先を特殊なレンズで拡大してみると…。
繊維一本一本を確実に捉えている事が分かります。
(渡辺)すごい!さあという事で赤間さんねすごいマイスターの方なんですけど…戻るなんていうのはみんながダメだって言われたんだから。
相当難しい作業…。
難しいよねほんとに。
それではマイスターに登場して頂きましょう。
どうぞ!
(拍手)よろしくお願いします。
(拍手)
(首藤)よろしくお願いいたします。
梅沢さんもお隣に…。
30年消える事がなかった…果たして!?よみがえりマイスターよみがえりましたか〜!?
(首藤)まずは右袖たもとにあった茶色いシミ。
えっどこだ?たもとの丸みの…。
(首藤)近づいて頂いて。
(首藤)そしてもう一か所ありましたね。
ちょっと回転させましょう。
お願いします。
左袖の2つあった白いシミはどうなっているでしょうか?こっち側の…。
左袖ですね。
(梅沢)これこれ!ここよ!ここにこうここの色にかかった丸いのがあったのシミが。
(首藤)2つありましたよね。
はい!ここまでよみがえりマイスター!
(拍手)ありがとうございます。
いやいやいやどうですか梅沢さん!だってみんなダメって言ったのよ!染め元…ここ…染めた所がダメだって…。
落ち着いて下さい。
分かりますけれども。
舞台着て頂けますね?よかったこれは!マイスター今回の仕上がりはいかがでしたか?年数がたつに…。
そうすると触りたくても触れないんですね。
ここまで着物がよみがえりましたけども。
(首藤)実は今回一座の裏方としてお母様と常に行動を共にしていた梅沢さんの妹のやすこさんに少しお話を伺ってまいりました。
ご紹介させて頂きます。
(首藤)やすこさんからお話を伺いました。
ふん…悔しいね。
あの…おやじもおふくろもね常々言ってたのは「男はピーピー泣くんじゃねえぞ」。
でも今日は…フフ泣かされましたね。
すいません。
男の涙ってのはほんとにみっともないんであんまり…。
お母様が亡くなられた日も公演を…。
はい。
本当におふくろがもうダメだっていうのは連絡が入ったもんですから僕は九州にいて僕の女房が病院に行ってたもんですから。
そしたらいきなり本当に後ろから「とんちゃん!」って声がかかったんです。
でハッて自分に戻ってすぐ女房の所へ携帯で電話入れたんですね。
そしたら女房が出て「何で分かったの?今死んだよ」。
今だから本当の事言いますけどバスの中でツアーバスで移動してたもんですから。
大泣きしてましたね。
初めて泣きながら「かあちゃん」って言って泣きましたね。
僕の事一番好きでしたから。
…って言ってましたんでね。
いかんねこういう番組!もうすごいお母様の気持ちが…ものすごく伝わってきてお着物がね…こう何だろうすごくほんとに魂がこもっているものなんだなというのがすごく伝わってきました。
お母さんの思いが詰まってる着物ですからねほんとに。
それではマイスターに梅沢さんからひと言頂けますか?本当にありがとうございました!いえいえこちらこそありがとうございました。
(拍手)続いての依頼は今年3月まだまだ雪深い秋田県から寄せられました。
(スタッフ)どうもこんにちは。
純子さんは3人の息子を持つ子育て真っ最中のお母さん。
小学2年生の長男と幼稚園の次男にいつもお母さんにべったり甘えん坊の三男。
(土田)うちもそうだよ。
ちょっと目を離すとすぐにけんかを始める3兄弟。
大変だな男の子3人は。
(泣き声)ああ弟泣いちゃったよ。
男ばかりの家庭で毎日家事と育児に追われる純子さん。
ご飯をゆっくり食べる時間もありません。
(渡辺)そうだよね〜。
そんな頑張るお母さん純子さんのよみがえらせたいものってどんなもの?き金メダル!?一体何のメダルなんですか?なんと依頼人はオリンピックに出場した事もあるすっごいマラソン選手。
あの…その名を世界に知らしめたのが93年にドイツで開催された世界陸上。
この大会で純子さんは見事優勝。
日本人女子の陸上選手として初めて世界陸上金メダルを獲得しました。
今回の依頼品はその燦然と輝く金メダル。
しかし今では黒ずんでしまい輝きがありません。
(渡辺)こんなになっちゃうの?かつての輝きをよみがえらせたいというのが純子さんの依頼。
そこには子どもたちへの強い思いがありました。
実は純子さんこれまでマラソンの事も金メダルの事も3人に話した事はありませんでした。
今気にかかっているのはもうすぐ9歳になる世央くんの事。
家での遊びでも学校のマラソン大会でも諦めるのがちょっと早いんです。
(渡辺)即答だな。
そんな世央くんに純子さんはマラソンを通して伝えたい事があったのです。
自分自身成功を簡単につかんだわけではないという純子さん。
高校時代は全国大会へ出場した事もありませんでした。
社会人になって初めて挑戦したマラソンでは優勝争いに絡めないまま惨敗。
しかし諦めませんでした。
マラソンで勝ちたいという目標を掲げ地獄のようなトレーニングの日々を続けました。
そんな追い込み方するんだ。
そして迎えた93年の世界陸上。
(実況)「さあ浅利純子どこでどこで追い抜くか。
大丈夫です浅利純子ここで先頭に立ちました。
さあ眼鏡を取った!眼鏡を取った!」。
(拍手)
(実況)「大観衆の拍手に迎えられまして今2時間30分03秒見事な優勝です!浅利純子日本に金メダル!日本のマラソン女子マラソンに金メダルをもたらしました!」。
純子さんは世界の並み居る強豪を抑えて優勝。
これまでの努力が実を結んだ瞬間。
その時表彰台で感じた思いを今世央くんに伝えたいと考えたのです。
(土田)DNAは受け継いでるからな。
そのためにも表彰台でもらった時と同じ輝きのメダルを子どもたちに見せてあげたい。
それが純子さんの願いです。
よし純子さんの依頼引き受けました!さあ今回の依頼実は高橋純子さんが自ら番組のホームページにメールを送ってきてくれたんです。
えっ?自ら送ってきて頂いたんですか?金メダルですよ世界陸上の。
日本女子マラソン初の…。
初の金メダル日本にとっても大切な宝物ですから。
変なマイスター連れてくるんじゃないぞ!お前にかかってるんだからな。
頼んだぞ!大丈夫です分かりました。
雑魚が!クズとか雑魚とかよ言い過ぎだろ!純子さんは実は今までに何度か…持って行かれてるんですけれども……と言われてしまったそうなんです。
貴金属屋さんも…。
(首藤)ちょっと難しいと。
手に負えないと…ええっ!?
(土田)怖いしね。
変なふうになっちゃったらね。
メダルですからね。
実は多くの金メダルが金だけで出来ているわけではない。
(梅沢)中身銀なんだ。
銀に金をめっき…ややこしいですね。
というわけで今回は金メダルの仕組みを理解した上である腕利きマイスターを用意させて頂きました。
すっかり黒ずんでしまった金メダル。
輝きを取り戻し子どもたちに見せてあげたい。
この依頼に応えてくれるマイスターは東京・五反田にいました。
金属を知り尽くしたスペシャリスト小澤茂男さん75歳。
めっきの達人です。
装飾品から電子部品までさまざまな分野で使われている「めっき」。
マイスターはこれまで他ではできないと言われた数々の依頼に応えてきました。
例えばスペースシャトル「エンデバー」に搭載する特殊な実験装置。
世界で唯一の超精密な金めっきを開発しました。
また小惑星探査機「はやぶさ」の部品も。
マイスターにかかればどんな素材でもその用途に適した最高のめっきが出来るといいます。
(渡辺)日本の宝じゃないですか。
そんなマイスターの目に依頼品のメダルはどう映るのでしょうか。
変色の原因は何か?マイスターは電子顕微鏡で今のメダルの状態を分析します。
そこから色が黒ずんでしまった意外な原因を指摘しました。
色が変わった原因は表面の金めっきが剥がれたり汚れたりしたためではありませんでした。
20年以上という長い年月を経て金と銀2つの金属は混ざり合い表面を覆っていた金は銀との合金に変化。
表面に出てきた銀が空気に触れた事で酸化し黒くなっていたのです。
そこでマイスターが考えた修復作戦。
それは酸化して黒くなった表面だけを磨き取り再び金のめっきを薄く施すというもの。
なんとその厚さは数十ミクロンという世界。
まず磨くための下準備として始めたのが表面の洗浄。
液体につけ込んで…次の作業へ。
問題の酸化した銀を取り除く作業。
マイスターが配合した液体に電気を流しメダル表面の酸化物を剥ぎ取ります。
見た目はかなりきれいになりました。
しかしここからがマイスターの腕の見せどころ。
へこみとはどういう事か?確かに酸化した銀は取り除かれ黒ずみはなくなりました。
しかしその分肉眼では分からないような凹凸が出来ているといいます。
この僅かな凹凸を磨き表面を平らにしなければめっきがきれいにつきません。
取り出したのは白い粉末。
ブラシの先端に意識を集中させ微妙な力加減で磨き上げていきます。
最も神経を使う作業です。
ひたすら磨いて1時間。
(渡辺)1時間!?そして金めっきを施す部屋へ。
ここは数々の宇宙製品を仕上げてきた場所ですこちらが金めっきに使う液体。
ここに入れると電気の力で液体の中にある金の成分が付着。
それが薄い膜を作りめっきとなります。
1時間半後。
(渡辺)あっ!メダルの表面には満遍なく金がついていました!
(渡辺)ついた。
わ〜きれい!しかしこのままではメダルは光りません。
油とアルミの粉末を使い輝きが出るまでひたすら磨き続けるのです。
この仕上げ次第で金の輝きは変わってくるといいます。
マイスターが金メダルの修復作業に入ってから1週間後。
番組スタッフは依頼人の純子さんを訪ねました。
こんにちは。
(スタッフ)こんにちは。
お久しぶりです。
この日修復が終わった金メダルを初めて純子さんに見せます。
開けていいんですか?
(スタッフ)はいどうぞ。
えっ!?いいリアクションですね。
これあれですか?本物ですか?え〜!すごい…。
うわ〜!めっちゃきれい!うれしい。
あぁすごい…。
輝きを取り戻したメダルと一緒に子どもたちに伝えたいという純子さんの思い。
その思いきちんと伝えられるでしょうか。
さあ!という事で実はですね純子さんにスタジオに来て頂いております。
登場して頂きましょう。
どうぞ!おっすごい!ピカピカのメダルで。
(拍手)ようこそいらっしゃいました。
(首藤)高橋純子さん。
元マラソンランナーの旧姓浅利純子さんです。
ありがとうございます。
どうですか?これ最初に見たお気持ちは。
(笑い声)逆にね。
逆に「あれ?」っていう。
もらった時より輝いてんじゃないか?ぐらい。
でも当時金メダルもらった時はこれぐらいな感じでしたよね?
(純子)はい光ってました。
(土田)さっきのVTRにあった…。
(渡辺)箱とかじゃなくって巾着に無造作に。
でもすごい練習量だったんですね。
次の日死んでるかもしれないっていうぐらいって。
あっでも…だから練習がいかにつらいかって事よ。
そして純子さん長男の世央くんの事が気になるってどういうところが気になってるんですか?なるほど。
ちょっと淡泊な?
(純子)はい。
そこまでとは言わないでしょうけども。
(首藤)このあと純子さんは子どもたちに金メダルを見せて思いを伝えたそうなんですがさあその反応はどうだったのか?ご覧下さい。
世央くんが3年生になったこの日純子さんは初めて自分のマラソン人生についてそして金メダルについて伝えようとしていました。
子どもたちが遊んでいる中純子さんおもむろにDVDをセット。
うん。
何?まずは世界陸上の映像を見せます。
レースの先頭を走る自分を見たら子供たちは興味を持つのではないか。
うん。
2番目。
速い!頑張れ頑張れファイト!ママ!ファイト!すぐに興味が薄れる弟たち。
一方世央くんはお母さんの映像に興味津々。
(DVD・実況)「浅利純子ここで先頭に立ちました!さあ眼鏡を取った!眼鏡を取った!」。
じっと映像に見入っています。
何か感じているのでしょうか。
(純子)あっゴール!よ〜し!レースが終わるとすぐに持ち出してきたのは表彰台の写真。
これこれこれ。
(純子)似てる?ちょっと違うね。
えっ!ほんとに?玲央スリーツーワン!金メダル。
ねえ俺も!盛り上がったと思いきやすぐに外し弟へ。
母としてはもう少し金メダルを感じてほしいところ。
純子さんは穏やかにしかししっかりと世央くんに語り始めました。
言葉は少ないですがお母さんの気持ちを受け止めた世央くん。
ちょっと自慢げに金メダルを見せてくれました。
そして世央くんからこんな質問が…。
うん。
イェーイ!世央くんがその時の気持ちを書いてくれました。
う〜ん!という事ですが…。
顔つきが変わったもん。
お母さんを見る目も変わったしね。
うちも男の子は3人いるんですけれども一番上はねやっぱおっとりなんですよ。
ほら争う人もいないでしょ。
弟たちは上にお兄ちゃんいると争ってねどんどんどんどん活発になってくけどお兄ちゃんおっとりしてるけどだいぶ伝わったと思いますよ。
これからたぶん…実は純子さんの息子さんたちがスタジオ見に来てくれてるんですよね。
ほらいましたよ!おいでおいで。
おいでおいで。
ママの横に。
お母さんの金メダル見てどうだった?あの走る映像初めて見たの?どうだった?走ってるお母さん。
すごいなと思った?すごかったね確かに。
そこからとあとは…なるほど。
名前はねもうほんとに…。
金メダルですよ。
金メダルを見せてから世央くん何かちょっと変わったなみたいなとこありましたか?あっそうですか。
純子さんマイスターにもしひと言あれば…。
すっごくきれいにしてもらって本当にうれしいです。
ありがとうございます。
今までもすごく大事でしたけどもこれからはもっともっと大事にしたいと思います。
ありがとうございます。
という事でね…世央くんねじゃあまた今度頑張って…はい。
30年ぶりによみがえった梅沢さんの着物。
梅沢さんの楽屋にあの着物がありました。
(梅沢)本当に復活したってこんなうれしい事ないわなぁ。
ああいいね。
ああいい!う〜ん!これなら大丈夫。
今日これ着て踊りますから。

(「矢切の渡し」)亡き母千子さんが縫ってくれた思い出の着物で舞台に立ちます。
披露したのは32年前の「紅白」と同じ踊りです。
母が鍛えてくれた女形。
母が教えてくれた役者の心得。
(拍手と歓声)舞台役者梅沢富美男さん。
今日もお客さんを捉えて離しません。
(拍手)輝きを取り戻した金メダル。
純子さんは箱に入れて大事にしています。
世央くん勉強に一生懸命。
「子供たちみんな自分の好きなものを見つけて頑張ってほしい」。
母の願いです。
よみがえったアコーディオンを毎日弾いているという数男さん。
食欲も回復。
房子さんは数男さんに笑顔が戻った事が何よりうれしいそうです。
2015/05/09(土) 10:05〜11:19
NHK総合1・神戸
よみがえりマイスター スペシャル[字]

タカアンドトシ司会の壊れた大切なものをマイスターの達人技でよみがえらせようとするバラエティー。依頼は梅沢富美男の母が縫った着物や日本マラソン史に残る金メダルなど

詳細情報
番組内容
修理・再生のマイスターが、依頼人の思いにこたえ、壊れたものをよみがえらせようと奮闘するタカアンドトシ司会の「復活ドキュメントバラエティー」。依頼は、さびてしまった日本女子マラソン史に残る金メダル。夫婦の思いが詰まった壊れたアコーディオン。ゲスト梅沢富美男さんが紅白で着た母の手縫いの着物のシミ落としなど。すご腕職人が挑む!【司会】タカアンドトシ、首藤奈知子【ゲスト】梅沢富美男、渡辺満里奈、土田晃之
出演者
【司会】タカアンドトシ,首藤奈知子,【ゲスト】梅沢富美男,渡辺満里奈,土田晃之,【語り】川下大洋,桐谷蝶々

ジャンル :
バラエティ – その他
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
バラエティ – トークバラエティ

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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