(テーマ音楽)差別や犯罪そして戦争など社会のゆがみに鋭く切り込みました。
メリークリスマス。
ミスターローレンス。
代表作の一つ「戦場のメリークリスマス」。
8か国400人を率いて大ロケーションを敢行。
戦争の不条理を描きました。
その生涯はまさに不条理なものに対する怒りと戦いの連続でした。
大島さんは昭和7年水産技師の長男として岡山県で生まれます。
6歳の時父親が急死。
母の故郷京都に移り13歳で終戦を迎えました。
幼くして世の中は不平等で思いどおりにならないと感じさせられます。
昭和25年京都大学に入学。
学生運動と学生演劇に熱中しました。
そして昭和29年松竹大船撮影所に入ります。
大島さんの映画人生はそれまでの日本映画の全否定から始まります。
入社5年目「愛と希望の街」で監督デビューします。
鳩を売って家計を助ける貧しい少年と同情からその鳩を買う金持ち娘。
鳩は売られても買った人の不注意で大抵逃げ帰ってきます。
それをまた売るんです。
2人の生きる世界の違いをあらわにしました。
どうした?京子。
(銃声)大島さんの思いは会社に理解されずタイトルも変えられました。
作品の評価もさんざん。
大島は二度と映画を撮れないといううわさも流れました。
爆弾として投じた2作目「青春残酷物語」は若者の反抗と破滅を描きました。
同じ年自らの学生運動を総括した「日本の夜と霧」を発表します。
この年は60年安保闘争が燃え上がった激動の年でした。
社会党委員長浅沼稲次郎が右翼の少年に刺殺されたその翌日「日本の夜と霧」は突然上映中止となります。
政治的弾圧だと大島さんは猛抗議し怒りをもって松竹を退社独立プロを立ち上げました。
そして常に新しい素材新しい手法で挑み続編を作らない事を信条としました。
性表現のタブーに対しても最前線に立ちます。
ハードコア映画「愛のコリーダ」は世間を驚かせました。
ところが「愛のコリーダ」のシナリオ本がわいせつ罪で起訴されます。
5年にわたった裁判で勝訴しますが国家権力への怒りは収まりませんでした。
信念を貫き続けた大島さんは昭和53年「愛の亡霊」でカンヌ国際映画祭最優秀監督賞を受賞。
世界のオーシマと呼ばれるようになります。
平成8年大島さんは突如脳出血で倒れます。
しかし映画作りへの闘いは続きました。
3年間のリハビリを経て再びメガホンを取ります。
「日本人たちよ私たちよこれでいいのだろうか」。
大島さん不条理な社会への怒りが未来を開くと信じた80年の生涯でした。
2015/05/09(土) 05:40〜05:50
NHK総合1・神戸
NHK映像ファイル あの人に会いたい「大島渚(映画監督)」[字]
「愛のコリーダ」や「戦場のメリークリスマス」などで知られる映画監督・大島渚。差別や犯罪、戦争など、社会のゆがみに鋭く切り込んだ作品で国際的に高く評価された。
詳細情報
番組内容
「愛のコリーダ」や「戦場のメリークリスマス」などで知られる映画監督・大島渚。差別や犯罪、戦争など、社会のゆがみに鋭く切り込んだ作品で国際的に高く評価された。昭和29年松竹大船撮影所に入り、「愛と希望の街」で監督デビュー。会社側との考え方の違いから昭和35年に独立、昭和53年の「愛の亡霊」でカンヌ映画祭最優秀監督賞を受賞。不条理な社会への怒りこそ未来につながると信じた人生観が語られる。
出演者
【出演】映画監督…大島渚,【語り】鈴木奈穂子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
情報/ワイドショー – 芸能・ワイドショー
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