2014.03.10 (Mon)
駆け出し奮闘記「ボードゲームを作る時にやってはいけないこと」
さぁ、ボードゲームを作りましょう!(要望
「ボードゲームを作る時にはこうするのが良い」という情報は探ればちょこちょこ出てくるのですが、
逆に「こうするのは良くない」という情報は特にまとめが見当たらなかったので書いてみる事にしました。
ただ、あらかじめ断っておきますが鵜呑みにするのはお勧めしません。
作る時に「これやっちゃダメ、あれやっちゃダメ」を考えてしまうと、
本来集中すべき思考に力が回せず、結局アウトプットが出てこなくなる事があるからです。
(そもそも「ダメ」というのも私の個人的な感覚で書いてるだけですからね)
考えすぎて何も出ないよりは、十分とは言えなくても何か出せた方が後に続くと思います。
一番良いのは、ある程度ゲームの形が出来た所で改めて見直しに使う方法でしょうか。
さらなるブラッシュアップのヒントになってくれるかもしれませんよ?
やったらあかんリスト ~プレイヤーをイラつかせる10の方法~
・カードの文字が極めて小さい
単純に読みにくくて読む気力を奪います。ではどのくらいの文字サイズならいいのかと言えば
1行につき14~18文字辺りが良いのではないかと思います。(ちなみにMtgは20文字)
カードが遊戯王サイズであれば12~16文字ですかね。字が大きいに越したことはありません。
・カードテキストが5行以上続く
これも単純に長いと読む気力がー、という話です。
数十種類もカードがあれば中には難しい効果のカードが1枚くらいあってもいいですが、
全部が全部その調子ではさすがに嫌になります。
・効果が複雑または曖昧でいちいち解釈で揉める
カードの中に登場する要素が増えれば増えるほど理解は難しくなります。
例えば「AをBする」は誰にでも分かりますが、「AがBならばCして、DがEならばFする」
になってくると子供には難しいですし、大人でも一度読んだだけでは正確に意味が把握できず、
二度三度と読み返すかもしれません。
また、先ほどの例で言えば「2つの条件のどちらでもない時は?」等といった例外が
複雑になればなるほど起きやすくなります。これが曖昧さにつながる、と。
IT経験者であれば察して頂けると思いますが、例外は怖いですよホントに…( ´ω`)
・同じ意味なのに書き方にバラつきがある
例えば、あるカードでは「お金を得る」と書いて、別のカードでは「お金を入手する」と書いている。
普通に考えれば同じ意味なんですが、「わざわざ書き方が違うということは処理が微妙に違うのか?」
と勘ぐってしまうのがゲーマーのさが。(実際そういう場合もありますし)
ですので、同じ効果なのであれば表現は揃える方が余計な混乱を生みません。
まぁ、これは実際やってしまいがちなミスなんですけど(;´∀`)
・アイコンの種類が多く初回プレイではまず覚えきれない
最近は言語依存度を下げるためか、デザインのオシャレさを意識してか、
カードの効果をアイコンで端的に表したゲームが非常に増えてきました。
しかし種類が多ければ当然のように対応を覚えきれません。
せめて各プレイヤーにサマリーを付けてくれればいいのですが、
それすら無ければいちいち説明書を読み返すハメになります。
・専門用語が多い(しかも子供騙しなネーミングセンス)
これは上の「アイコンが多くて覚えきれない」と言ってることは同じです。
意味を用語で表すか、アイコンで表すか、の違いに過ぎません。
ただこの用語も「先制攻撃」や「不死身」など、大体効果が連想できるものであればいいのですが、
「ブレイブアタック」や「ロストプリズム」など、格好いいから付けました、みたいな
名前からは効果が全く連想できないネーミングはダメだと思います。
・点数計算が複雑な割に点数ボードがなく自前でメモ帳を用意する事が推奨されている
ゲームの根幹に関わる要素がコンポーネントに入ってないというのは信じられない話です。
ただそれを言い出すとMtgでもライフ計算はメモ帳やおはじき管理だったりするので、
ゲームが面白ければ無視できる程度の問題なのかもしれません。
これの亜種として「チップやダイスは自前で用意するよう記載されてる」があります。
ご家庭にチップやダイスが余ってて当り前な環境であればいいのですが……
・一手番中にやることが多い
多人数プレイが前提になるゲームでは、一人のプレイヤーが手番を終えるまでにかかる時間が
少し長くなるだけでもゲームテンポに大きな影響を及ぼしてしまいます。
業界用語でいう「ダウンタイムが長い」ですね。
もちろん、一手一手が他のプレイヤーへ大きく影響を与えるものであれば体感的な待ち時間は
減りますが、やはり一手番中にする事は一手かニ手程度にした方が無難でしょう。
(同時進行系のゲームはこの限りではありません)
・状況誘発処理が多い
端的に言えば「○○フェーズ開始時/終了時に△△する」というやつです。
全員共通で毎回発生する処理ならまだしも、特定の条件を満たした人だけ発生、
とかになってくると、まぁ処理をやり忘れることやり忘れること。
正しく処理しなかったために勝った、負けたというのはとても萎えます。
可能な限り入れるべきではありません。
・舞台設定が説明不足または噛み合わない
「我々は何者なのか」「なぜそれを目指すのか」「手番中に行っている行動は何を表すのか」
がよく分からないままゲームが進んでいくというのはストレスが溜まるものです。
例えば、「女の子カードを集めて、同じ女の子が3枚集まるとお金に変わります」と言われたとして
なぜ女の子を集めるのか、同じ女の子が3人いるとはどういう事なのか、そしてなぜお金になるのか、と
これだけでは不可解な点が多いです。
どんなシステムでも納得のいく設定を盛り付けることは可能だと思うのですが、
その説明を面倒に思うのか、適当に設定を盛っただけで出してしまう人は少なくないようです。
しかし中途半端にテーマを盛るとゲームが死にます。
いっそテーマ性を省いてシステムだけで遊ぶゲームにすれば
「私自身が、そういうゲームで遊んでいる」に置き換わるので問題ないのですが…
(まぁそれをやると今度はパッケージで悩むことになるんですけどねw)
番外
・カードを重ねた時に重要な要素が見えなくなる
カードデザインに慣れない時にやってしまいがちな事としてひとつ。
プレイヤーがカードを手に持つ場合、扇状に並べるのが一般的だと思いますが
カードの右や下側にある情報というのはその並べ方では隠れてしまいます。(左手で持つ場合)
よって、カードの名前やコストといったピンポイントな情報は上や左に持ってきて
重ねた時でも見えるように配慮するのが良いと言われています。
私はその観点が漏れていたので後で配置を見直すハメになりました…('A`)
2015.5.11追記
・箱裏に何も説明がない
最近効果を実感するようになったので追加しました。
もし箱裏にスペースがあるのなら必ずゲーム説明を入れるようにしましょう。
ゲーム熟練者は当たり前のように、初心者でもデジタルゲームの慣れで、箱裏の説明をみんな見ます。
同じ内容をフリップボードで見せれば問題ないのでは?とも考えられますが、
フリップが視界に入らない人もいますし、商品を店頭委託した場合には店頭にフリップは置けません。
また、載せる内容はかいつまんだゲーム紹介、アピールポイントの他に、必ず絵を入れましょう。
プレイ中の盤面を表したものならベスト。遊んでるシーンがイメージ出来ると好印象を与えます。
「ボードゲームを作る時にはこうするのが良い」という情報は探ればちょこちょこ出てくるのですが、
逆に「こうするのは良くない」という情報は特にまとめが見当たらなかったので書いてみる事にしました。
ただ、あらかじめ断っておきますが鵜呑みにするのはお勧めしません。
作る時に「これやっちゃダメ、あれやっちゃダメ」を考えてしまうと、
本来集中すべき思考に力が回せず、結局アウトプットが出てこなくなる事があるからです。
(そもそも「ダメ」というのも私の個人的な感覚で書いてるだけですからね)
考えすぎて何も出ないよりは、十分とは言えなくても何か出せた方が後に続くと思います。
一番良いのは、ある程度ゲームの形が出来た所で改めて見直しに使う方法でしょうか。
さらなるブラッシュアップのヒントになってくれるかもしれませんよ?
やったらあかんリスト ~プレイヤーをイラつかせる10の方法~
・カードの文字が極めて小さい
単純に読みにくくて読む気力を奪います。ではどのくらいの文字サイズならいいのかと言えば
1行につき14~18文字辺りが良いのではないかと思います。(ちなみにMtgは20文字)
カードが遊戯王サイズであれば12~16文字ですかね。字が大きいに越したことはありません。
・カードテキストが5行以上続く
これも単純に長いと読む気力がー、という話です。
数十種類もカードがあれば中には難しい効果のカードが1枚くらいあってもいいですが、
全部が全部その調子ではさすがに嫌になります。
・効果が複雑または曖昧でいちいち解釈で揉める
カードの中に登場する要素が増えれば増えるほど理解は難しくなります。
例えば「AをBする」は誰にでも分かりますが、「AがBならばCして、DがEならばFする」
になってくると子供には難しいですし、大人でも一度読んだだけでは正確に意味が把握できず、
二度三度と読み返すかもしれません。
また、先ほどの例で言えば「2つの条件のどちらでもない時は?」等といった例外が
複雑になればなるほど起きやすくなります。これが曖昧さにつながる、と。
IT経験者であれば察して頂けると思いますが、例外は怖いですよホントに…( ´ω`)
・同じ意味なのに書き方にバラつきがある
例えば、あるカードでは「お金を得る」と書いて、別のカードでは「お金を入手する」と書いている。
普通に考えれば同じ意味なんですが、「わざわざ書き方が違うということは処理が微妙に違うのか?」
と勘ぐってしまうのがゲーマーのさが。(実際そういう場合もありますし)
ですので、同じ効果なのであれば表現は揃える方が余計な混乱を生みません。
まぁ、これは実際やってしまいがちなミスなんですけど(;´∀`)
・アイコンの種類が多く初回プレイではまず覚えきれない
最近は言語依存度を下げるためか、デザインのオシャレさを意識してか、
カードの効果をアイコンで端的に表したゲームが非常に増えてきました。
しかし種類が多ければ当然のように対応を覚えきれません。
せめて各プレイヤーにサマリーを付けてくれればいいのですが、
それすら無ければいちいち説明書を読み返すハメになります。
・専門用語が多い(しかも子供騙しなネーミングセンス)
これは上の「アイコンが多くて覚えきれない」と言ってることは同じです。
意味を用語で表すか、アイコンで表すか、の違いに過ぎません。
ただこの用語も「先制攻撃」や「不死身」など、大体効果が連想できるものであればいいのですが、
「ブレイブアタック」や「ロストプリズム」など、格好いいから付けました、みたいな
名前からは効果が全く連想できないネーミングはダメだと思います。
・点数計算が複雑な割に点数ボードがなく自前でメモ帳を用意する事が推奨されている
ゲームの根幹に関わる要素がコンポーネントに入ってないというのは信じられない話です。
ただそれを言い出すとMtgでもライフ計算はメモ帳やおはじき管理だったりするので、
ゲームが面白ければ無視できる程度の問題なのかもしれません。
これの亜種として「チップやダイスは自前で用意するよう記載されてる」があります。
ご家庭にチップやダイスが余ってて当り前な環境であればいいのですが……
・一手番中にやることが多い
多人数プレイが前提になるゲームでは、一人のプレイヤーが手番を終えるまでにかかる時間が
少し長くなるだけでもゲームテンポに大きな影響を及ぼしてしまいます。
業界用語でいう「ダウンタイムが長い」ですね。
もちろん、一手一手が他のプレイヤーへ大きく影響を与えるものであれば体感的な待ち時間は
減りますが、やはり一手番中にする事は一手かニ手程度にした方が無難でしょう。
(同時進行系のゲームはこの限りではありません)
・状況誘発処理が多い
端的に言えば「○○フェーズ開始時/終了時に△△する」というやつです。
全員共通で毎回発生する処理ならまだしも、特定の条件を満たした人だけ発生、
とかになってくると、まぁ処理をやり忘れることやり忘れること。
正しく処理しなかったために勝った、負けたというのはとても萎えます。
可能な限り入れるべきではありません。
・舞台設定が説明不足または噛み合わない
「我々は何者なのか」「なぜそれを目指すのか」「手番中に行っている行動は何を表すのか」
がよく分からないままゲームが進んでいくというのはストレスが溜まるものです。
例えば、「女の子カードを集めて、同じ女の子が3枚集まるとお金に変わります」と言われたとして
なぜ女の子を集めるのか、同じ女の子が3人いるとはどういう事なのか、そしてなぜお金になるのか、と
これだけでは不可解な点が多いです。
どんなシステムでも納得のいく設定を盛り付けることは可能だと思うのですが、
その説明を面倒に思うのか、適当に設定を盛っただけで出してしまう人は少なくないようです。
しかし中途半端にテーマを盛るとゲームが死にます。
いっそテーマ性を省いてシステムだけで遊ぶゲームにすれば
「私自身が、そういうゲームで遊んでいる」に置き換わるので問題ないのですが…
(まぁそれをやると今度はパッケージで悩むことになるんですけどねw)
番外
・カードを重ねた時に重要な要素が見えなくなる
カードデザインに慣れない時にやってしまいがちな事としてひとつ。
プレイヤーがカードを手に持つ場合、扇状に並べるのが一般的だと思いますが
カードの右や下側にある情報というのはその並べ方では隠れてしまいます。(左手で持つ場合)
よって、カードの名前やコストといったピンポイントな情報は上や左に持ってきて
重ねた時でも見えるように配慮するのが良いと言われています。
私はその観点が漏れていたので後で配置を見直すハメになりました…('A`)
2015.5.11追記
・箱裏に何も説明がない
最近効果を実感するようになったので追加しました。
もし箱裏にスペースがあるのなら必ずゲーム説明を入れるようにしましょう。
ゲーム熟練者は当たり前のように、初心者でもデジタルゲームの慣れで、箱裏の説明をみんな見ます。
同じ内容をフリップボードで見せれば問題ないのでは?とも考えられますが、
フリップが視界に入らない人もいますし、商品を店頭委託した場合には店頭にフリップは置けません。
また、載せる内容はかいつまんだゲーム紹介、アピールポイントの他に、必ず絵を入れましょう。
プレイ中の盤面を表したものならベスト。遊んでるシーンがイメージ出来ると好印象を与えます。
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