かわいいハリネズミ。
ユーモラスなハリセンボン。
そしてこれは超極細の注射針。
先端は直径０．１８ミリ。
髪の毛より細い！おかげで糖尿病患者は大助かり！しかし細い針の難点は…。
細くても折れない針があれば皮やデニムなど硬い素材にも負けない耐久性を実現。
生産性は大幅にアップする。
更に夢は宇宙まで。
ご存じでしたか？宇宙服も実は針で縫っている事を。
究極の針なら縫い目を小さくして機密性を高める事が可能。
こんな身軽な宇宙服今まさに開発中！そこで究極の極細針対決。
世界的なミシン針メーカーからハイテク機器を駆使する若きエリート。
対するは町工場。
己の手先だけで超精密加工を施す凄腕職人。
目指すは分厚い金属板をするっと貫く夢の極細針。
無茶言うぜ！さあ始まりました「超絶凄ワザ！」。
ＭＣの千原ジュニアです。
我々のこの生活に針っていうのが思っている以上に関わってきてるというか。
そうですよね。
宇宙服ができたりとか。
次世代型の…やっぱ特殊な生地ですので宇宙服も。
ほんまにこの番組から何かちょっと世界変わるんじゃないですか？「ＮＡＳＡ凄！」とかなるかも分かりません。
見たい！それ。
今回私たちが挑みたいのは５ミリのアルミの板なんですね。
アルミなんで金属なので硬いんですよ。
これに０．５ミリのこの針で５ミリのアルミの板を貫いてほしい！ちょっと無理かなとも私たちも思ったんですけど引き受けて下さった方がいるんですよ。
すごいね〜。
時は大正時代美しい音色を生む蓄音機の針作りから彼らの歴史は幕を開けた。
長野県上田市。
自然豊かな町にある創業およそ１００年の老舗オルガン針。
主力はミシン針。
家庭用から工業用まで国内８割のシェアを誇る。
ハイテク技術で生み出された針は何と４，０００種類以上。
衣服やソファー更に人工芝など意外なものまで彼らの針で縫えないものはない！開発を担うのは精密加工のスペシャリスト…。
社内最年少で加工技術の国家試験に合格した天才肌。
僅か０．１ミリの針先にだって市川は楽々と加工を施す。
そして市川の師匠春原弘。
モットーは全針全霊。
新しい針の開発や技術力の向上につながると挑戦を決めた。
一応会社の名前もあるんでなるべくいいものを作ろうという…。
その名も信州ウルトラニードルズ。
トップメーカーの誇りにかけ貫け！対するは東京・大田区の町工場…
（平船）は〜い。
ちょっと怪しいこの男平船淳６０歳。
何とこのエレベーター廃材を集めて自分で作り上げたという。
平船が得意とするのは微細加工。
極めて小さな金属部品を手仕事だけで作り上げる。
しかも…何とフリーハンド。
何のガイドも使わない。
針の直径は僅か０．３ミリ。
指先の感覚だけを頼りに溝を掘り込む。
これが完成した針。
特殊な手術に使うというまさに職人ワザ！その腕を頼って注文は全世界から。
この日の客は何とオランダのメーカーだ。
細い針でぶすっと…。
（一同）刺すぞ〜！この番組ご夫婦で登場というのは初めてじゃないですか？初めてなんです。
微細加工のお二人でございます。
平船さん基本は全部手でやられるんですね？という事は自分で設計して？設計製作配線プログラム作り全てやります。
幅広いな〜！奥さんどうですか？今回この挑戦受けるっていう事なってそこに反対はなかったですか？先にオーケー出したんですか？どうしようとか相談なかったんですか？私がいない時にＮＨＫさんがいらしてもう決まってたんです。
そうなんすか！じゃあもう受けるしかないと…。
さあ対するは…。
ウルトラニードルズ。
市川さん今回のこの挑戦を受けられた理由っていうのは？上司からまあ…「こういう企画がある」だけで…。
それ初めて聞かれた時にどんな感じでした？その５ミリのアルミを貫いてる針ってのは想像できました？できないですよね。
このお二組に挑んで頂く舞台ご用意しました。
その舞台はこちらです。
同じサイズの市販の針では…。
一定のスピードで針が板にくっつきます。
先端が今板に触れます。
そうするとこのようにポキッと折れてしまうんですね。
ポッキリ！ニードルブレーンバスター恐るべし！これどう考えても無理やと思うねんけどな。
さあその難題にお二組どうやって挑むのか。
究極の針作りの始まりです。
夫婦針チームの針作り。
まずは素材選び。
超硬とはダイヤモンドに迫る硬さを誇る金属。
しかし硬さだけで貫けるほど甘くはない。
平船貫通の鍵は針先の形にあるとにらんだ。
さあ試作だ！でもちょっと待った！頭のそれ何？手元くっきり。
直径０．５ミリの素材をフリーハンドでとがらせていく。
この道４０年。
平船ならではの職人ワザだ。
（平船）本来ならいくとしたらこれはこうなるわけ。
試作第１号。
針先を「へ」の字に加工。
太さを保ち折れにくくする狙いだ。
（平船）まあとりあえずやってみます。
早速腕試し。
うん？刺さったか〜？まさかいきなり…。
あ…。
あ〜…無情。
折れた針を調べる。
結局針はたった０．８ミリしか刺さっていなかった。
失敗の原因それはアルミが持つ特性にある。
通常針が相手とする布や皮膚はやわらかいので刺すとよけるように広がる。
しかし硬いアルミはよけてはくれない。
針はアルミの抵抗をまともに受けなかなか進めない。
一方の…こちらも針先の形を検討する。
奇抜なアイデアを出したのは春原だ！秘策は針につけた角。
これでアルミに亀裂を入れるという。
いくつもの角でアルミを割り進んでいく作戦だ。
春原のアイデアをもとに市川が設計図を作る。
やらないと雷が落ちるんで頑張らないと。
不安を口にする市川に春原は…。
市川やるしかない！図面にしたのは十二角形の針。
角が多い分亀裂を増やせる。
しかし作る難易度は高い！加工に使うのはスイス製の最新鋭マシーン。
一台およそ１，０００万円。
左手のダイヤルで針の位置をミクロン単位で調整。
同時に右手で砥石の当たり具合をコントロール。
肉眼では見えない先端をまずは０．２ミリにまでとがらせてゆく。
素材はこちらも超硬を選択した。
ここからが腕の見せどころ。
針先に多面体を作る。
０．１ミリ四方の極小の面を削り出す。
これを１２０回。
作業開始から４０分。
すいませんちょっと…ここまで細かな作業は市川にとっても初めてだ。
針先に全神経を集中させる事１時間半。
ついに最初の１本が完成。
円すいのように見えるが光の反射にご注目。
細かな面がずらりと並ぶ。
この角でアルミを割り進めるか！最初のテストに挑む。
いいっすか。
いきます。
うん？お〜？失敗。
市川の針は…先端から４ミリのところでへし折られていた。
現実を見せつけられたニードルズ。
挽回なるか？う〜ん…あの今までの対決の中で結構一二を争う難易度じゃないですか？そうですよねはい。
けど上司の春原さんから「人間が想像できる物は作れるんだ」と。
顕微鏡で見てると形が作られてくのが見えるのでこれは…やっぱずっとそういう感じでしたね。
作りながらやっぱそう思ってるんですか。
どうですか？ご覧になって相手チーム。
うん…発想はねやっぱり最初同じところに行き着くなと。
問題はそこで駄目だったんでじゃあ次のブレイクスルーがどこにあるかとそこですね。
次のブレイクスルー。
さあ奥さん旦那さんが貫通せずに苦しんではるのを見ててどんな感じですか？え！そんな感じしないじゃないですか！すごく明るくてっていう。
自宅が上なんですけど…もうやっぱり３０年も連れ添ってると足音で？
（和子）どうかなっていうのが…いかがですか？一方の平船さんの作業をご覧になって。
（市川）自分の手であそこまで細かい物を作り上げるっていうのは…いやいや１，０００万のメカ使ってるところこっちは下ろしたら…失敗の原因を探る信州ウルトラニードルズ。
春原がある事に気付く。
よく見ると角のラインがゆがんでいる。
これではうまく割り進めない。
いかにゆがみをなくし直線で削り出せるか。
市川の大きな課題だ。
悩んだ末加工しやすい六角形に変更。
しかしこれでは亀裂の数は減ってしまう。
そこでもう一工夫。
六角形を互い違いに重ねている。
これで亀裂の数を増やす作戦だ。
しかし市川の悩みは形だけではない。
砥石を当てると針先に目には見えない振動が発生。
そのせいでゆがんでいた。
どうする？うん？割り箸！何と割り箸で支えながら削っている！針のゆがみをもたらすごく僅かな揺れ。
これで本当に防げるのか？１時間後作業終了。
再び春原のチェック。
納得させられるのか？見事オーケー！春原の難しい注文を市川がついに形にした。
完成した針がこちら。
０．２ミリの針先にはゆがみなき角が！ハイテクマシーンでも防げないブレを割り箸１本で防いでみせた！凄ワザだ！再び分厚いアルミに立ち向かう。
仲間たちも挑戦を見守る。
（市川）いきます。
・いいねいいね。
アルミの裏側には穴がくっきり！メンバーにも安どの表情が。
第１関門突破だ！ニードルズ貫通の一報はすぐに平船に伝えられた。
お〜…お〜…。
それは何とかしないと…。
大丈夫。
顔が曇る平船。
訳があった。
（平船）じゃいきま〜す。
挑戦開始から１０日平船は苦しんでいた。
あ…！
（平船）あ〜…。
失敗を重ねた針はすでに２０種類を超えていた。
今んところはお先真っ暗。
さてどうしようって…。
岩手出身の平船。
高校卒業後に上京。
二十歳で会社を興したが経営は苦しかった。
そんな平船を支えたのは同じ岩手出身の妻和子。
食費を切り詰めパートに出て家計を補った。
苦労をかけた妻のためにも負けるわけにはいかない。
挑戦開始から２週間。
夫婦針の２人はある会合に向かう。
乾杯！
（一同）乾杯！町工場の経営者たちが集まる月に一度の親睦会。
皆金属加工のプロで平船の良き理解者だ。
５ミリの純アルミに…。
自然と今回の対決に話が及ぶ。
刺すのではなく切り裂く！思いもよらないアイデアをもらった。
負けられないちゅうのは負けられないけどね。
翌朝。
マイナスドライバーをヒントにアルミを切り裂く針を作る。
１時間後０．１ミリの針先はまるでやいば。
（平船）さあじゃあいきま〜す。
狙いどおり切り裂けるか。
うん？滑り出しは順調。
（平船）このまま上げます。
奇抜なアイデアをフリーハンドで針先に実現。
４０年磨き続けた腕のみがなしえる凄ワザだ！ふ〜！ふ〜…。
（和子）開いたの？
（平船）開いた！
（和子）わ〜やったやった。
妻も食い入るように見つめる。
夫婦針チーム苦労はいつも２人で乗り越える。
2015/05/08(金) 16:20〜16:50
ＮＨＫ総合１・神戸
超絶 凄（すご）ワザ！「金属板を貫け！究極の針対決」（前編）[字][再]
直径わずか０．５ミリと極細の針で、ぶ厚い金属板を貫通せよ！町工場のすご腕職人が凄ワザ初の夫婦参戦。一方、大手針メーカーはハイテクで迎え撃つ。夢の針は出来るのか？
詳細情報
番組内容
今回の無理難題は「直径わずか０．５ミリと極細の針で、ぶ厚い金属板を貫通せよ」というもの。挑むは、夫婦で共に苦楽を乗り越えてきた町工場のベテラン職人。手仕事で究極の微細加工を施すすご腕で、今や世界中から注文が殺到する。凄ワザ初の夫婦チームで挑む。対するは、ミシン針の国内シェア８割を誇る大手針メーカー。ハイテクマシンとシミュレーション技術で究極の針作りに挑む。金属板をするっと貫く夢の針はできるのか！？
出演者
【出演】挑戦企業…オルガン針，インパクト，茨城大学工学部講師…永野隆敏，【司会】千原ジュニア，池田伸子，【語り】千葉繁
ジャンル :
ドキュメンタリー／教養 – その他
バラエティ – その他
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