NHK「クローズアップ現代」にやらせ発覚!
Photo:Kyodo
NHKの看板報道番組である「クローズアップ現代」(月曜~木曜午後7時30分から放送)に、やらせの疑いがあることが週刊文春の取材でわかった。
やらせの疑いが指摘されているのは、昨年5月14日に放送された「追跡“出家詐欺”~狙われる宗教法人~」。「出家詐欺」とは、お寺で得度(出家の儀式)を受ければ戸籍上も法名への変更が可能となる制度を悪用したもので、宗教法人と結託して多重債務者を別人に仕立て上げ、ローンや融資を騙し取る詐欺の手口のこと。
番組は、滋賀県の寺を舞台に実際に起きた詐欺事件の概要を報じた後に、出家詐欺が社会に蔓延している現状をリポートした。大阪社会部の記者が出家詐欺のブローカーの事務所を突き止めてインタビューを行い、事務所を訪れた多重債務者とブローカーの会話を隠し撮りしたシーンも放送された。記者は、事務所を後にする多重債務者を追いかけ、路上で直撃インタビューも試みている。
だが、番組でブローカーとして登場した人物はこう証言した。
「私はブローカーでもありませんし、出家詐欺に携わったことも一度もありません。番組に登場するブローカーは架空の人物で、NHKの記者に依頼されて私が演技したものです」
この人物と多重債務者として番組に登場した人物は古くからの知人で、その知人からNHKの記者を紹介されて撮影に協力したという。NHKの記者と多重債務者として登場した人物も元々の知り合いだった。
NHK広報局は、週刊文春の取材に対してこう回答した。
「今回の番組は、十分取材を尽くして制作したものであり、やらせやねつ造があったとは考えていません」
NHKの番組は視聴者からの受信料で作られている。NHKは指摘を受けた点についてきちんと調査し、視聴者に詳細に結果を報告するべきだ。