NHK高校講座 化学基礎「物質の三態〜姿は違っても同じ物質〜」 2015.05.06


(3人)こんにちは。
「化学基礎」始まります。
リホです。
ナオです。
カナです。
さてナオちゃん。
「化学基礎」はどう?楽しんでいますか?楽しんでます。
だって自分の周りには化学に関係するものっていっぱいあるんだもん。
確かにそうだね。
今日はいろんな変身の秘密が分かるらしいよ。
変身の秘密?華麗なるファッションモデルとかかな?う〜んファッションか。
モデルさんの洋服がどんな化学繊維で出来ているかという事なら化学と関係あるかもしれないけどね。
でも今日はモデルさんの変身ではありません。
私たちの周りにある物質の変身です。
えっ?周りにあるものの変身なの?うん。
はい。
今日のテーマは…三態?うん。
どういう事かと言うと…。
ジャン!カナちゃんこれが三態と関係あるの?私たちの周りにある…今日はその変身の謎を探っていきます。
よし!今日も頑張ろう。
それではケミストリーの世界に入りましょう。
(ナオカナ)は〜い。
ファッションとは関係なかったんだね。
うんそうだね。
最初のコーナーは「固体・液体・気体」です。
はい。
固体は固まりだからケーキ。
液体はジュースで気体は花の香りかな。
そうだね。
でもそれって自分の好きなものばっかりじゃないの?はいこれ。
何だか分かりますか?はい。
それは水。
液体ですよね。
はい。
水は固体にも液体にも気体にも変わるって知ってるよね?固体は氷。
液体は水。
気体は…水蒸気。
そうですね。
水は1気圧の時室温では液体ですが0℃以下では固体の氷。
100℃以上では気体の水蒸気になります。
温度や圧力で変身するんだね。
そう。
水に限らずあらゆる物質は温度や圧力が決まると固体液体気体のいずれかの状態になります。
この固体液体気体の3つの状態を「物質の三態」というんです。
3つの状態だから三態なんですね。
はい。
このような物質の3つの状態の間での変化を「状態変化」といいます。
そして化学の言葉でいうと固体から液体への状態変化を…液体から固体への状態変化を…融ける事を融解固まる事を凝固っていうんですね。
はい。
では液体から気体への変化は何というでしょう。
はい。
沸騰です。
う〜ん惜しい。
はい。
蒸発。
正解。
そして蒸発の逆気体から液体への変化は…凝縮ってバラバラのものが1つに固まって縮まるという事ですよね。
そうです。
さて固体から気体あるいは気体から固体への変化はどちらも同じ言い方なんだけど分かりますか?え〜何だろう。
私も分かんない。
これは…「昇華」といいます。
昇華か。
難しい言葉ですね。
いろんな状態変化があるんですね。
ではこちらのグラフを見て下さい。
これは水の状態変化を表したグラフです。
縦軸が温度。
横軸が加熱時間で氷が水から水蒸気へ変化していく過程を表しています。
氷に熱を加えると温度がどんどん上昇し0℃になると融解が起こって固体の氷が融けだします。
この温度を融点といいます。
反対に液体の水が凝固する温度も同じ0℃でこちらは凝固点といいます。
融点や凝固点ではしばらくは氷と水が混じっていて融解や凝固が終わるまで温度は変わりません。
へえ〜。
ここでは0℃の氷と0℃の水があるんですね。
そうです。
氷が融けきると再び温度は上昇します。
そして100℃に達すると水の中からブクブクと泡が出始めます。
この泡は実は水蒸気で液体の水が気体の水蒸気へと変化しています。
この現象を沸騰といいこの時の温度を沸点といいます。
なるほど。
沸騰が起こってる間も温度は一定なんですか?はい。
ここでも100℃の水と100℃の水蒸気が混ざり合っていて温度は一定です。
ふ〜ん。
なるほど。
では水の状態変化がどのように起こるのか実際に見てみましょう。
氷が入った試験管。
温度は−5℃以下。
では加熱開始。
氷の温度が上昇してきました。
氷が融けて水に変化し始めました。
温度はほぼ0℃。
どんどん水が増え氷が小さくなっていきます。
でも温度はほぼ0℃のままです。
氷がほとんどなくなると水の温度が再び上昇し始めました。
そして温度が100℃に達すると水の中からブクブクと水蒸気の泡が出て沸騰が始まりました。
このように沸騰中は液体の水と気体の水蒸気が混じり合っていて100℃のまま一定の温度を保っています。
このあと発生した…融点や沸点の氷と水の変化がよく分かりましたね。
氷が融けている時と水が沸騰して泡がブクブクしている時は本当に温度が変わらないんだね。
うん。
はい!このコーナーの「ケミカルポイント!」は…今日はうがい薬で指紋検出の実験を行います。
使うのは…では実験開始。
まず…その間に…そしてうがい薬を空き缶に数滴入れて…。
すご〜い!こんな感じに指紋が浮き上がってくるのです。
今度は「熱運動が姿を変える」です。
カナちゃん。
熱運動ってどういうものなんですか?今までは実際に目に見える世界の話でしたがここからは目には見えない世界ミクロの世界の話になります。
ミクロの世界…面白そう。
まず覚えておいてほしい事は…え?小さな粒で出来ているの?私たちの周りにあるものはみ〜んなそう。
そして…ふ〜ん。
粒の動き方が変わるんだ。
そう。
例えば粒の動き方は温度によって変わります。
そしてその温度によって変わる粒つまり粒子の動きを…へえ〜じゃあこの水も小さな粒子で出来てるの?はい。
これを見て下さい。
これは物質を作っている粒子のモデルです。
固体では互いに粒子が規則正しく並んでいて熱運動は穏やかです。
熱運動?氷なのに粒子が動いているんですか?はい。
固まっているように見える氷でも粒子はその位置を中心にブルブルと細かく動いてるんです。
次は液体ですが粒子の熱運動は固体より少し活発になっていてその結果粒子の規則正しい配列が乱れ粒子は自由に移動できるようになります。
ふ〜ん。
液体は粒子が自由に動いているんですか?はい。
だから液体は容器の形に合わせて自由に形が変わるんです。
ああそういう事か。
最後に気体は粒子の熱運動が激しくなって運動はもっと自由になります。
粒子間の距離も大きくなっています。
熱運動が大きくなればなるほど粒子が自由に動くんですね。
そうです。
へえ〜。
私の周りでも熱運動でいろいろな粒子が飛び回っているのかな?そうだよ。
さっきからいい香りがするでしょ?うん。
何か花のいい香り。
あっもしかしてこの香りも熱運動なんですか?はい。
これは花の香りの粒子と空気を構成する粒子がそれぞれ熱運動をして混じり合ったからなんだよ。
ふ〜ん。
花の香りも粒子なんだね。
ではこのコーナーの「ケミカルポイント!」。
次は「最も低い温度」についてです。
−100℃とか?そうね。
これより低くならない温度って事かな。
カナちゃん。
温度ってどうやって決めたんですか?私たちがふだん使ってる温度はセルシウス温度といいます。
1742年にスウェーデンの物理学者セルシウスが考えた温度の目盛りでセ氏温度ともいいます。
書く時には「℃」と書きますね。
セ氏ってセルシウス氏って意味だったんだ。
はいそうなんです。
1気圧のもとで水の凝固点である0℃と沸点である100℃の間を100等分して1℃と定めたものなんです。
ふ〜ん。
ところで最も低い温度って何度なんですか?温度には高さの上限はありません。
でも低い方は−273℃以下の温度は存在しないとされています。
じゃあ最も低い温度は−273℃という事ですか?はいそうなんです。
そしてこの最も低い温度を「絶対零度」といいます。
絶対零度。
どういう意味なの?ふ〜ん。
熱運動が停止するっていう事はミクロの世界の粒子全てが動かなくなるって事なんですよね。
そういう事ですね。
粒子の熱運動が全て止まるので温度も一番低くなるんです。
全てが止まった世界か…。
想像できないね。
うん。
確かにすごい温度だね。
絶対零度−273℃を基準の0にした温度目盛りを絶対温度といい…これも人の名前から取りました。
じゃあこの温度計に注目して下さい。
これってセ氏の温度計ですよね?そうね。
でもはい。
こちらをずらすと左側は絶対温度になりました。
これでセルシウス温度と絶対温度の比較ができるよね。
ホントだ。
セ氏−273℃が0Kになってる。
という事でセ氏0℃は273Kです。
ではセ氏100℃は何Kかな?273+100だから373Kかな。
はい!リホちゃん正解。
やった!最後に覚えておいてほしい事は…でも…物質を作る粒子の熱運動は絶対温度に関係しているという事です。
熱運動がある場合とかない場合とか…先生こんにちは。
リホちゃんこんにちは。
今日学習した物質の三態変化とその物質を作っている粒子の熱運動との関係分かりましたか?はい。
物質の状態変化には目には見えないミクロの粒子の熱運動が関係しているという事が分かりました。
でも目に見える世界の事は実験などを見てよく分かったんですが目に見えないミクロの世界の粒子がよくイメージできないんですよ。
そうですか。
ではミクロの世界をイメージしやすいように粒子を人に例えて説明してみましょう。
はいお願いします。
ではこちらのパターンを見て下さい。
こちらは先ほど見た固体の状態の粒子です。
これは学校の授業中だと思って下さい。
時々隣の友達を見たりしますよね。
氷の中の粒子も多少は動いてるという事です。
うん。
でも私はもっとキョロキョロしてるかもしれないです。
そうですか?では次は液体です。
こちらはこれは学校の休み時間だと思って下さい。
皆さん元気にある程度は自由に動き回りますよね。
はい。
お弁当を食べたあとの昼休みなんか相当動き回ります。
そうですか。
では次は気体です。
これは学校の放課後だと思って下さい。
ホームルームが終わると皆さん自由ですよね。
学校を出て行動範囲は一気に広がりますね。
そうですね。
放課後ははじけちゃいますもんね。
これらは多かれ少なかれ熱運動がありましたが全ての粒子の熱運動が停止する絶対零度−273℃では入学式や卒業式このように皆さん背筋をピッと正して動かないですね。
なるほど。
これすっごく分かりやすいです。
先生ありがとうございました。
はい。
今日は…同じ物質でもその物質を作っている小さな粒子の運動のしかたが変わると姿を変えるっていうのは面白かったね。
ナオちゃん。
物質の変身の謎は解けましたか?うん。
やっぱり化学って面白い。
まだ始まったばかりだけどね。
これからもっともっと面白くなるよ。
うん楽しみ。
では今日のまとめの「ケミカルポイント!」。
今度はファッションの事も化学で勉強したいな。
何でそんなにファッションにこだわるの?だってファッションモデルになりたいんだもん。
そうだったの!?そうなの!?ファッションモデルになりたいの?知らなかった。
ねっ。
あらゆる物質は…温度には上限はありませんが現在−273℃より低い温度は存在しません。
2015/05/06(水) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 化学基礎「物質の三態〜姿は違っても同じ物質〜」[字]

化学基礎は平成24年度から新たに設けられた科目で、中学校から高校への橋渡しの役目をする内容です。基礎をしっかり学んで、本格的な化学の学習に役立ててください。

詳細情報
番組内容
私たちの身の周りの物質には、気体・液体・固体という3つの状態がある。このような物質の状態の違いは、粒子の熱運動に関係している。熱運動が激しくなると、固体、液体、気体と変化していく。逆に、熱運動が停止したときを絶対零度、これを基準にした温度を絶対温度という。絶対零度は−273℃であり、これを0K(K:ケルビン)とする。
出演者
【解説】立教新座高等学校教諭…渡部智博,【出演】高田里穂,吉田奈央,横畠加奈子,【語り】伊倉一恵

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
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