目撃!日本列島「被災地 若者のすし屋〜岩手 陸前高田〜」 2015.05.06


東日本大震災から5年目の岩手県陸前高田市。
ちょっと変わったすし屋があります。
いらっしゃいませ〜。
おっ大当たり。
(歓声)くじを当ててもらうのはわさびたっぷりの巻物。
その名もなみだ巻。
え〜すごい!ここには多くの若者が来ています。
評判がネットで伝わり北海道から沖縄まで全国から訪れるようになりました。
店の主人は時間があれば若者を店の外に連れ出し被災地の今を実感してもらう事にしています。
旅行で訪れるのでは知りえない被災者の本音に触れます。
日常を離れて過ごすすし屋での時間。
若者たちの姿を見つめました。
震災で市街地が壊滅的な被害を受け死者行方不明者の数が1,800人余りの陸前高田市。
海から5キロほど離れた仮設の商店街に町で唯一のすし屋鶴亀鮨があります。
朝9時やって来たのは…29年営業を続けていた元の店舗は津波で流されました。
肉親を亡くしたり自宅を失ったりした従業員と共に店を切り盛りしています。
おおっ!多くの若者に何度も被災地を訪れてほしいとさまざまな趣向を凝らすようになりました。
店を訪れる若者の中には数日から数か月陸前高田に滞在する人もいます。
もっと斜めに長く切ってくれる?そうした若者たちは店を手伝いながら被災地の空気を肌で感じていきます。
いつもどうもどうもお世話さまでございます。
日本一周をしている途中に立ち寄った…店の手伝いをしながら被災地の話を聞きたいと6日間の日程でやって来ました。
野上さんは東京で看護師をしていましたが去年の春病院を退職。
旅をする途中でこの店の事を知りました。
(拍手)店を手伝いながらの滞在が始まりました。
(拍手)賄いの時間地元の従業員に話を聞きます。
働くうちに地元の従業員と仲よくなりました。
同世代の…綾ちゃんです。
この日綾ちゃんは野上さんを自宅のあった場所へ案内しました。
綾ちゃんは自宅があったこの場所で祖母を亡くしました。
(鈴木)おばあちゃも一緒に逃げた…。
初めて聞いた胸の内でした。
綾ちゃんは仮設住宅で暮らしています。
はいでは…。
(2人)頂きます。
頂きます。
津波で妻を亡くした…4年たっても昨日のような感じがする。
初めて触れた遺族の思いでした。
野上さんは店のノートに滞在して感じた気持ちを書き残しました。
「どんな形になるかわからないけど被災地支援に関われる事がしたいと思っています」。
「これから先もずっと陸前高田とつながっていきたいと思っているので必ずまた来ます」。
すし屋の阿部和明さんは休みの日には若者たちを震災前に店があった場所に案内しています。
3月下旬にやって来た…河野さんはこれまで被災地を訪れた事はありません。
4日間の予定でやって来ました。
実はここを訪れたのは人生の再スタートにあたり何かきっかけをつかみたいと思ったからです。
4月から保育園で働き始める河野さん。
3年前に大きな挫折を経験しています。
短大を卒業してすぐ保育士の道に進みました。
幼い頃からの夢がかない希望に満ちてのスタートでした。
ところが一人一人の子どもと向き合う事は想像以上に難しく4年で辞めてしまいました。
それから民宿や飲食店などさまざまな場所で働きましたがやっぱり子どもと関わっていたいともう一度挑戦する事にしたのです。
座ってお話ししてね。
あっよろしいですか。
すいません。
この日常連客と話す事になりました。
消防団員だった息子を亡くしました。
吉田光昭さんも津波で妻を亡くしています。
その日の午後河野さんは佐藤さんが手入れする田んぼを訪れました。
こんにちは。
こんにちは。
津波が押し寄せがれきだらけだったというこの場所。
佐藤さんは震災の3日後から仲間の手を借りてがれきや石を一つ一つ取り除いてきました。
10町歩あった田んぼのうち今年の春からは半分の田んぼで稲を育てる事ができるまでになりました。
遠くから足を運んでくれた河野さんにできる限りの事を伝えたい。
再建した自宅に案内しました。
はい。
人生の再スタートを切る河野さんに言葉を寄せてくれました。
はい。
(河野)ありがとうございます。
「まさみさんの夢に向って無理をしないで一歩一歩前に進んで下さい」。
(佐藤)ご苦労さんな。
(佐藤)気ぃ付けてな。
はい。
お元気で腕を大切にして下さい。
河野さんが帰る日の朝。
店の人たちはいつものサービスで見送りました。
本当にありがとう。
どうもね。
おお〜ナイアガラ!きれいです。
めっちゃきれいです!すごいすごいすごい!風の流れすごい!もう一回もう一回…。
そして4月。
河野さんは再び保育士として働き始めました。
(歓声)岩手県陸前高田市鶴亀鮨。
若者たちは被災地の現実に向き合います。
ここで立ち止まって生き方を見つめ直し日常に戻っていきます。
2015/05/06(水) 11:25〜11:49
NHK総合1・神戸
目撃!日本列島「被災地 若者のすし屋〜岩手 陸前高田〜」[字]

東日本大震災から5年目に入った被災地で、「生き方を見つめたい」と考える若者を中心に、続々と全国から人が訪れるすし店が岩手県陸前高田市にある。

詳細情報
番組内容
震災翌年に店主が一人の若者に声を掛け、店に迎え入れたことがきっかけとなり、ネットや口コミで評判が全国に拡散。これまで100人ほどの若者が訪れている。彼らは数日から数か月暮らして店を手伝い、被災した従業員や地元の人たちと交流、観光では知りえない被災地の現状を肌で感じていく。正社員を辞めた人。将来の道を立ち止まって考えたい人…。「生きる道しるべ」を求めて陸前高田のすし店にやってくる人々の姿を見つめる。
出演者
【語り】柳生聡子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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