(橘珠子)
京都を旅する家族連れ…
美しい風景や美味しい食べ物の味は家族のぬくもりと共に子供たちの思い出にずっと残るに違いありません
ここ太秦の映画村もそんな楽しい家族の旅の思い出が生まれる場所の一つです
(拍手)
(女性)うわ嬉しいわ…。
写真撮ってください。
替わります…。
和輝…?
(橘和輝)ありがとうございました。
(藤野海斗)えいっ!
(和輝)あっ。
(珠子)大丈夫ですか?
(高梨優美子)大丈夫よね海斗ちゃん。
ねっ!なんでいるの!?何ボーッとしてるの!おわびは?ごめんなさい…。
ごめんね…。
(藤野加織)どうしたの!?海斗ちゃんが転んでしまって…。
男の子が泣かないの!うちの子の不注意なんです。
(和輝)すみません。
子守のあなたの怠慢よ。
それにいつも言ってるでしょう!?あまり甘やかさないでって。
すいません奥様…。
(藤野猛)海斗!あれっどうした?悲しくなっちゃったのか。
お腹すいたろう?なんか食べに行こう。
何がいい?パパハンバーグ食べたい!ハンバーグ!よーしハンバーグ食べに行こう。
なああっち行くよ。
食べに行けるぞ。
ごめんなさい…。
(ため息)ちょっと…何してんの?危ない危ない…。
ちょっと来て。
わかったわかった…。
(和輝)刑事のくせに尾行失敗だね。
尾行って…。
いやただ…映画村で働いてたよって教えてくれた人がいたからほんとかなあ?って。
やっぱ尾行じゃん。
なんで言ってくれなかったの?言ったら反対するだろう。
とにかく俺やめないから。
欲しい物あるの?あるなら相談のるのに。
それじゃ意味ないの。
休憩終わりだからもう行くよ。
あげる。
はい。
車回してきます。
はいお願いします。
すごいなあ。
(今村裕二)義兄さん。
裕二…。
義兄さん水くさいなあ。
こっち来てんだったらさあひと言知らせてくれよ。
義姉さんお久しぶりです。
ああ…。
なんの用だ?つれないな〜。
決まってんだろう。
例の件考え直してくれないかな?無理なものは無理だ!家族旅行中だ…少しは考えろ!切羽詰まってんだよ…。
血は繋がってないとはいえさたった一人の弟だよ。
とにかく…今はよしてくれ。
あとでホテル来い。
わかった。
…気をつけてよ。
(加織)海斗?海斗!?どうした?海斗がいないの。
さっきまでここにいたのに…。
海斗!?海斗!海斗−!あの…どうしましたか?あの…子供が…!ありがとうございます。
迷子は保護されてませんでした。
(藤野)こっちにもいない。
(優美子)私車でこの辺り回ってきます。
そうですね。
(携帯電話)
(携帯電話)そんな…!えぇ!?何かありましたか?すいません…。
《「息子を預かった。
警察には知らせるな」》《「五千万円を用意して次の連絡を待て」》誘拐!?事件の発生現場は右京区太秦の映画村。
(城戸禄郎)誘拐されたのは藤野海斗君6歳か。
(望月克己)班長メールの発信元は色々偽造してあるようで特定には時間がかかりそうです。
(成田慎平)父親のアドレスも調べてる事から計画的な犯行と見て間違いないですね。
父親の藤野猛は東京の大手建設会社の社長でかなりの資産家だよ。
ベビーシッターのお手伝いさんがついてたからセレブだとは思ったけど楽しいはずの家族旅行で…誘拐なんて!
(河本麻里)今は無理なの。
うん…。
どこかで一度戻るから…。
よろしく。
(ため息)麻里ちゃん…。
あっすいません…。
その部屋です。
(山之内文雄)海斗君に持病が!?毎日薬を飲まなくてはいけなくて…。
薬が切れている時に発作が起こると命に関わるんです。
(加織)明日いっぱいは大丈夫だと思うんですけど…。
そんな子を誘拐するなんて…!なんとかしてくれ!犯人がしばらく連絡してこなかったらどうするんだ!?あなたお願いだから落ち着いて。
お前は心配じゃないのか!?お金目当てなら身代金を払えばきっと大丈夫よ。
どこにそんな保証がある?実の子じゃないからそんな事が言えるんだ。
だから私が海斗を心配してないって言うの?そういう態度じゃないか!お前は海斗がいつまで経っても自分に懐かないって怒るが私に言わせればお前に責任がある!何かあると…いっつも全部私のせいなのね!ちょっとたばこ吸ってきます。
あの…海斗君が実の子じゃないというのは?亡くなられた前の奥様の子なんです。
加織さんは後添えに入られて。
私がちゃんと見ていればこんな事には…。
だってあなたは車を取りに行ってたんですから。
お願いします…。
助けてください!
(足音)ただいま…!
(松原美冬)いつ泊まりになってもいいように準備しとく。
ねっ。
刑事の娘を持った母親の務めね。
うわ…!はい!よいしょ。
さすがお母さーん!あっそう!これ持ってって。
皆さんの分も入ってるから。
大変な時だからこそちゃんと栄養をとらないとね。
うーん…相変わらずの母の味!それを言うなら母の愛の味でしょ。
ねえお母さん。
うん?和輝がね内緒でアルバイトしてんの。
でも理由言わないの。
欲しい物があるのかな?もう何考えてんだか…。
そんなね無理に理解しようとしなくたっていいのよ。
言いたい事があれば言ってきますよ。
あのね血が繋がってないからこそ母親としてちゃんと息子の事を理解したいの。
ねえもうちょっとさあビシーッて言った方がいいのかな?あのねえ血が繋がってたってわからないものはわからないの。
あなたもあなた…医者を継がずに刑事になったのも母親の私だってわからなかったんだから。
(橘晴彦)おぉ…泊まり込みなんだって?うん。
麻里さんも泊まりなんだろう?今日お子さんがおばあちゃんと診察受けに来たよ。
心配だろうなあ。
えっ病気!?風邪だよ。
熱は高かったけど安静にしてれば大丈夫。
それで…なんか様子がおかしかったのね。
(優美子)あの…コーヒー入れました。
ありがとうございます。
海斗君の世話はもう長いんですか?3年になります。
絵を描くのが好きでとっても優しい子です。
この旅行も海斗ちゃんが私も連れて行ってくれるようご両親に頼んでくれたのに…。
じゃあこの絵は…。
(優美子)全部この旅行中に描いたものです。
(携帯電話)
(藤野)「五千万円を鞄に入れお前の携帯と一緒に女に持たせて八時に嵯峨嵐山駅へ来い」「来ない場合は子供の命は保証しない」ホシは交渉する余地を与えないつもりらしい。
いいか!?犯人との接触が最大の逮捕のチャンスだ。
油断するなよ!8時に?うん。
嵯峨嵐山駅。
これでバッグの位置の確認が出来ます。
(山之内)犯人の指示に従ってください。
藤野さんに来たメールはこちらにも転送されます。
はい。
加織…ほんとに大丈夫なんだろうな?お前にかかってるんだぞ!?私にだってわからないわよ!私ばっかり責めないで…。
(麻里)ちょっ…大丈夫ですか…?奥様普段から貧血気味なんです。
念のため医者に診てもらった方がいいんじゃないですか?
(藤野)何言ってんだ…。
身代金どうするんだよ!?私が行きます!犯人は奥様とは指定していません。
お…女なら大丈夫なはずです。
(優美子)お願いします。
やらせてください!!
(電車の警笛)
(ため息)この状況じゃ心も体も憔悴しちゃいますよね。
いつもの薬を飲んだんですが…。
そうですか…。
(携帯電話)着信あったな。
連絡来ました?「ロッカーの中のものを着てトロッコ列車に乗り亀岡へ向え」「藤野の携帯は置いて中の携帯を持って行け」まずいわ…犯人の指示がわからなくなる。
トロッコ列車は…途中で止まる。
その時川に投げ落とすのかも。
河本列車が途中止まる時気をつけてくれ。
了解。
(山之内)目立つよなああれ。
(麻里)犯人はどこかで監視してる。
その目印でしょう。
(汽笛)よし行くぞ。
はい。
(汽笛)
旅情溢れるトロッコ列車は嵯峨嵐山から亀岡まで7.3キロの道のりを約25分かけて走るパノラマの旅です
ちょっと!そんな目で睨んでたらバレますよ。
カップルなんだからもっとほら楽しそうに笑ってください。
ね!フフフ…。
列車は雄大な保津川渓谷の大自然を満喫出来るように眺めのよい場所で一時停止します
列車は止まりましたが動きはありません。
駅で停車。
高梨さん確認しました。
犯人からの接触なし。
(携帯電話)
(山之内)馬車に乗るつもりだ…。
犯人の指示か?
亀岡駅から保津川下りの船乗り場までは馬車で行く事も出来ます
はいありがとうございました。
ありがとうございました。
まずいな…女子トイレに入ったぞ。
なんか持ってるな…ゴミ袋みたいだ。
船乗り場に向かいました。
船の上から川に流す気か?
(袋を置く音)船に乗れば2時間はかかる。
河本嵐山の船着き場に先回りしろ。
はい。
ここで受け渡しをするつもりなのかしら?高梨さんはそのまま船に乗ったようだな。
亀岡から嵐山まで約16キロを下る保津川下り
かつては物資輸送のために利用されていましたが今は人気の観光スポットです
わかった。
いいだろう。
もうすぐ2時間だぞ。
まさかトイレで鞄をすり替えたとか?
(望月)いえ発信機はあの鞄を示してます。
(山之内)金を入れ替える時間なんかなかったしな…。
(女性の悲鳴)誰か…!誰かー!!
(麻里)すいません…すいません失礼します。
死んでる…!離れてください!離れてー。
あっ高梨さん…。
今村さん…!え?旦那様の義理の弟の今村さんです。
身代金はそのまま?はあ…どういう事!?海斗君が誘拐された時今村は現場にいましたよね。
…気をつけてよ。
今村の車が近くの食堂の駐車場で見つかったそうですけど彼とトラブルでも?
(藤野)あいつは大阪で会社を経営してる。
だが資金繰りがうまくいかなくなった。
度々私のところに融資を頼んできたが私は断った。
義理とはいえ…弟さんですよね?駄目な者にいくら金をつぎ込んでも無駄なだけだ!ああ…それで逆恨みをして誘拐を計画したんでしょうねえ。
どうして彼の事を黙ってたんですか?それより…海斗はどうなるんだ!?発作が起こったらあんたたち責任取れるのか!?ですから海斗君を救出するためにも協力をお願いしたいんです。
今村には共犯者がいたようでその仲間割れから殺されたと思われますが彼の交友関係に思い当たる節は?そんなものは知らん!
(望月)今のところ今村の共犯らしき人物は見当たりません。
身代金奪取には失敗したんだ。
必ずまた連絡をしてくる。
とにかく気を緩めるな。
(一同)はい。
司法解剖の報告書です。
死因は頭部の打撲でした。
刺されたのが死因じゃなかったのか?ええ。
奇妙なんですが犯人は今村を撲殺したあと包丁を突き刺したんです。
確かに出血が少なかったのでおかしいとは思ったんですが…。
死亡推定時刻は…午前10時から11時の間。
胃の内容物はえーっと…。
「生のマグロタイイカ…」「鶏肉」?「鶏の軟骨牛蒡人参蓮根こんにゃく筍…」おそらく…刺し身と筑前煮ではないかと。
消化の具合から見て死亡する30分くらい前に食べていたようです。
その時間帯に共犯者と会っていた可能性が高いな。
今村の車が見つかった食堂のメニューにも筑前煮の付いたお造り定食もありました。
ただ観光客がたくさん訪れる店なので店員は覚えてなくて…。
こちらの調べでも符合しています。
今村は電話で呼び出されて9時半頃に大阪のオフィスから出掛けていったそうです。
その相手は?携帯の通話履歴で調べたところ公衆電話でした。
ただ今村はその電話で…。
あああんた藤野の…。
その言い方だと共犯者って感じじゃないわね。
確かに…突然電話がかかってきたふうだよな。
という事は今村はその相手に誘拐犯の濡れ衣を着せられて殺された可能性もありますよね。
藤野の友達?部下!?もしくは妻!
(麻里)あなたは売店に買い物に行くと出かけたまま2時間も戻らなかったそうですね。
海斗の事が心配で部屋でじっとしていられなくて…。
お店に寄ったり誰かと話したりしましたか?ずっと一人でしたけど…。
私の事疑ってるの?そうじゃないですが関係者の行動を把握しておく必要があるんです。
教えて頂けませんか?ホテルを出て二条城の前を通って…神泉苑へ…。
(麻里)こんな時に本気で彼女が歩いたルートを辿ってみるっていうんですか?どんなに小さなひっかかりでも自分の足で歩いて一つ一つ潰していかないと気が済まないの。
それとついでにお造り定食も食べてみたいし。
(麻里)は?え?いや…殺された今村が食べてたもの。
ねえ麻里ちゃん。
あなたは加織さんの供述を信じないの?ええ。
このルートならどんなにゆっくり歩いても2時間はかからないでしょう?嘘をついてるんですよ。
車を使えば嵐山の船着き場で今村を殺して戻ってくる事は十分に可能じゃないですか。
でも犯人と決めつけるには早くない?海斗君と今村がいなければ藤野猛の財産は全て彼女が相続する事になるそうです。
誘拐はカモフラージュって事?ええ。
義理とはいえ子供を巻き込んで?
(麻里)彼女ならやってもおかしくない。
そう思います。
ねえ…なんか加織さんに対して厳しいわよね。
彼女…海斗君は自分になつかないと言っていましたがそれは嘘です。
海斗君母親と楽しそうに手を繋いでいる絵を描いていました。
母親に歩み寄ろうとしていた。
その気持ちを彼女が拒否してるんです。
海斗くんは病気なのに冷たくするなんて実の母親なら…。
私には考えられない!私なら絶対に自分で身代金を持って行きます。
それがお腹を痛めて子供を産んだ母親の気持ちです。
育ての母親でも同じ気持ちだと思うんだけどな。
とにかくここからはお一人でどうぞ。
私は藤野加織を調べますので。
あっもしもし?僕だけど。
熱はだいぶ下がったのね?もう大丈夫だよ。
麻里さんにも伝えた。
それと一つ気になる事があってね。
加織さん貧血の薬を飲んだって言ってたけどあれは飲んでないね。
ちゃんと飲んでたらあんなふうにならないよ。
薬を飲んでない…?
(店員)お造り定食おまちどおさま。
筑前煮。
ん?あの食堂の筑前煮の鶏肉…骨なしなの!それがどうした?今村の胃からは鶏の軟骨の一部も見つかってる。
という事は今村はあの店で筑前煮を食べてない。
でも今村の車が…。
俺たちの目を欺くための偽装って事か。
そう!犯人は別のところで今村を殺して運んできたのよ。
そこに手がかりが残ってるはず…!嵐山から車で30分の圏内で骨付きの鶏肉を使った筑前煮を出してる店…和食店…居酒屋なんでもいい。
とにかく片っ端から当たってみてくれ。
お宅の筑前煮って骨付きですか?それは骨付きですか?お宅の筑前煮で使ってる鶏肉骨付きですか?
(望月)ああ…そうですか。
ありがとうございました。
わかった。
(携帯電話)駄目ですねそういう店はありません。
おい!
(望月)なんですか?山さん。
(山之内)炒り鶏だよ炒り鶏!あれ筑前煮と同じ材料だ。
俺女房が九州なんだよ。
女房の実家で食べたから間違いない。
今村と一緒にいるのは女だ。
しかしこれじゃ顔がわからんなあ。
どうした?この服…。
これは海斗君が旅行中に描いたものなんです。
(山之内)同じ水玉か。
(望月)やっぱり藤野加織…。
(麻里)違うわ…。
彼女じゃない。
(望月)この絵は母親でしょ?だったら藤野加織じゃ…。
あーっ!!麻里ちゃんの言うとおり…。
これ加織さんじゃないかも…!
(麻里)高梨さん。
これは海斗君が今回の旅行で描いた絵ですよね。
そうですが。
でこれは今村さんを殺害した犯人と思われる女性です。
同じ人物だと思いませんか?まさか奥様が?でも…加織さんにはこの傷はありません。
優美子さん。
リストバンドを外して頂けませんか?
(麻里)あなたの事を調べさせてもらいました。
あなたは25歳の時に結婚して徹君という息子さんがいた。
徹君は4年前6歳の時に川で溺れて亡くなったそうですね。
あなたはショックで手首を切って自殺未遂まで起こしている。
そのあと離婚して旧姓の高梨に戻った。
海斗君は無意識にあなたの手首の傷を絵に描いたんです。
私のはずがないでしょう?私はあの時保津川下りの船に乗っていたんです。
船に乗っていたのはあなたではないとしたら?何を言ってるんです?いや…加織さんの具合診たのうちの旦那なんです。
加織さん薬を飲んでいないんじゃないかって言ってました。
あなたなら薬を他のものにすり替えられる。
例えばなんの効果もないただのカプセルか何かに…。
黄色い派手な服や帽子をかぶっていたのには意味があった。
(麻里の声)遠くから監視していた私たちに例え帽子で顔が見えなくてもその服を着ているのがあなただと思い込ませるため…。
そしてあなたは保津川下りの船乗り場にあるトイレで…。
(ノック)あらかじめ同じ格好で待っていた替え玉と入れ替わった。
(麻里の声)私たちが身代金に気をとられている隙に替え玉は船に乗りあなたは着替えてトイレから出ていった。
そして何も知らない今村を呼び出し鈍器で撲殺して船着き場へ運んだ。
キャーッ!そうやって騒ぎを起こした隙に入れ替わり私に船から下りたのはあなただと思わせた。
これは復讐…。
そうですね?もし我が子の死が事故じゃないなら絶対に許せない。
私も母親だから…その気持ちはわかるわ。
知らない。
私には何も関係ない。
あなたお願い!何があったのか本当の事を話して!海斗の命がかかってるのよ!?うるさい!海斗が誘拐されてるというのに散歩してたくせに心配してるふりするな!そんな事ありません!あの加織さんは心から海斗君の事心配してます。
加織さんが歩いた道を調べたんです。
神社の前でうずくまって泣いていた加織さんの事を神主さんが覚えていました。
海斗を助けてください…!お願いします!海斗の母親になりたい。
そう思うとつい厳しくしてしまった…。
私生まれてすぐ母を亡くして本当の母親ってどんなものか知らないから…。
あなたは一生懸命母親になろうとしてる。
その気持ちがあれば大丈夫です。
きっと海斗君もわかってくれてます。
刑事さん。
大切なのは血の繋がりじゃなくて愛情。
私はそう思います。
フフ…。
女一人でここまで計画を立てて実行に移すとはなあ。
海より深き母の愛か…。
(山之内)班長!ああ。
高梨優美子の携帯の通話記録から身代わりになった女がわかりました。
金で雇われたそうです。
あなたたちの推理どおり私は復讐した。
徹は泳げなかったし水が苦手なんだから川に近寄るわけがないの。
でも…あの子が橋の上で遊んでいたと証言をした人間がいた。
それが殺された今村裕二。
警察は最初あの男のあいまいな目撃証言を疑ったけど結局事故で処理した。
その裏で義理の兄の藤野が色々動いていたという噂を聞いて私はあの家に入り込んだ。
兄さん前みたいに助けてくれよ。
じゃないと俺子供を突き落としたって自首するかもよ。
(今村)ああ〜邪魔だ!どけ!
(高梨徹)わあっ!
(水音)嘘だろ!?脅す気か?犯罪者が身内から出たら困るんだろ?でもさ兄さんだってそれをもみ消したんだから俺たち同罪だよ。
(優美子の声)やっぱり徹は事故なんかじゃなかった。
殺されたのよ。
すまない!このとおり…!あの頃ちょうど大きな事業を始めようとしていた時で身内から犯罪者出すわけにはいかなかった…。
全部本当の事を話す!だから海斗がどこにいるか教えてくれ!発作が起きたら海斗は…!頼む!わかった?一番大切なものを失った苦しみ。
徹の命を奪ったあの男には命で償わせた。
あの男…嘘の金の話で釣ったら喜んで出てきたわ。
(今村)じゃ頼んだよ。
ママ!徹…。
徹があんな事にならなかったら家族で京都に旅行に来るはずだった。
徹にたくさんきれいな景色を見せてあげたり美味しいものを食べさせてあげたりするはずだった。
なのに…。
今回あなたが京都に行くと言った時私は徹が与えてくれたチャンスだと思ったの。
本当にそうかしら。
徹君天国でそんな事望んでるかしら?
(ドアが開く音)お願いします!海斗を助けてください!海斗の代わりに私を殺してくれてもいい!海斗がいなくなったら私…。
この絵の海斗君こんなに笑顔であなたも笑ってる。
子供は素直よ。
あなたは海斗君の事大切に思ってる。
それが海斗君にもわかるのよ。
お願い。
海斗君を助けてあげて!いない…。
違うんでしょうか?いや。
ここで間違いないはずだ。
(荒い息遣い)いない?そんなはずない!待ってるように言ったのに。
逃げ出したんじゃ…。
(優美子)それはない。
海斗ちゃんにはこれはゲームだって言ってあったから。
映画村の前で連れ出した時もむしろ楽しんでた。
薬も食べ物もちゃんと用意してあったし。
薬は飲まずに置いてあったって。
そんな…!もしかしたら私が約束の時間に戻らなかったから不安になって…。
約束の時間っていつ?2時間前。
連行されなければ行くはずだったの。
(ため息)
(携帯電話)
(携帯電話)もしもし海斗ちゃん?どこにいるの?今どこにいるの?
(海斗)「わかんない…」「ここどこ…?早く来て…」替わって。
海斗君何が見える?「今ね橋の下にいる…もう歩けないよ…」橋の下?どこの橋?
(不通音)も…もしもし?も…。
「電源が入っていないため…」駄目。
電源切れたみたい。
6歳の子供の平均的な移動スピードは確か時速約…1.2キロ。
この範囲…この範囲内の橋の下。
海斗君!海斗君!海斗君?
(山之内)海斗君!
(望月)海斗君!
(麻里)海斗君!海斗君!駄目だ。
さかのめ橋にはいない!ことづき橋にもいないな。
あっ高荷橋にもいません!わかった。
駄目です!あわた橋周辺もいませんでした!先生!薬飲んでなかったら…。
そろそろ限界かもしれない。
そんな…!これで橋は全部チェックしたよな。
成田君たちには川べりも捜してもらってます。
水の音がしてたから川の近くにいる事は間違いないんだけど…。
(優美子)私のせいだ。
海斗ちゃんに何かあったら私のせい…。
まだ終わりじゃない。
終わらせるわけにはいかないの。
海斗君の人生はまだ始まったばかりよ。
生きなきゃ。
楽しい思い出たくさん作らなきゃ。
徹君の分までいっぱいきれいな景色見せてあげたり美味しいもの食べさせてあげたりしなきゃ。
そのとおりですよ。
水…水よ。
地図は生きている…。
地図は生きている…!地図は生きている…。
地図は生きている…。
地図は生きている…。
水路…!?そうか!川にかかる橋じゃない。
人が歩く橋じゃないのよ!麻里ちゃん班長!水路…!
(麻里)先生!
(サイレン)
(サイレン)麻里ちゃん!麻里ちゃんあっち!
(麻里)はい!ね晴さんも捜して!あっああ!
(麻里)海斗君!海斗君!海斗君!海斗君!海斗君!
(麻里)海斗君!
(晴彦)海斗君!
(麻里)海斗君!海斗君!海斗君!海斗君ね?ね!よかった…!大丈夫よ。
晴さんお願い!よかった…。
大丈夫か?薬飲もうか。
ね。
はい。
はい手出して。
うん心配ない。
本当?大丈夫だよ。
はいお水飲もう。
はい。
はい飲もう。
ねえゲームもう終わり?そう。
頑張ったからママがご褒美くれるって待ってるわよ。
ママだ!ママ!海斗…!海斗よかった!大丈夫か?
(藤野)大丈夫か?ああよしよし。
よかったよかった!ハハ…!
(藤野)よかったなあ海斗!うんよかったよかった…!よかった…。
徹…?
(藤野の笑い声)もう大丈夫か?海斗。
苦しくないか?ほら。
抱っこしよう。
そら!
(藤野の笑い声)行こうか。
もしもしママだよ。
フフ…すぐ帰るからね。
ただいま〜。
ああおかえりなさい。
おかえり!あっ晴さん…。
色々ありがとう。
なんのなんの。
あ〜疲れた。
はい…プレゼント。
え?私誕生日じゃないけど。
何よ。
ほらほら…いいから開けてちょうだい。
何何何?えっ!?和輝が街で見かけてあなたにとっても似合うんじゃないかしらって思ったんだって。
え?それでバイトしてたんだよ。
もらった小遣いで買うんじゃ意味ないって。
素足にスニーカーじゃもう寒い時期だからって。
帰ってたの?和輝…!うおっよせよ。
なんだよ!うーんしばらくこうしてる!勘弁してよもう。
重い重い重い!苦しいし…!おはようございますあるき目ですのお時間がやって参りましたゴールデンウイークいかがお過ごしですか?2015/05/04(月) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
[終]捜査地図の女[再][字]
「京都嵐山…紅葉のトロッコ列車が運ぶ誘拐殺人!本当の母になりたかった!!」
詳細情報
◇番組内容
決め台詞は「地図は生きている!」…捜査地図を武器に鮮やかに犯人のアリバイを崩す女刑事を真矢みきが演じる!京都の名所が次々出てくる旅情たっぷりのミステリー!
◇出演者
真矢みき、石黒賢、中村梅雀、内山理名 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0x0818)
EventID:27015(0x6987)