小川奈々
2015年5月11日17時34分
各地の美術館や神社に若い女性が詰めかけている。お目当ては刀剣。「イケメン」が登場するインターネットのゲーム「刀剣乱舞(とうけんらんぶ)―ONLINE(オンライン)―」をきっかけに今年になって人気に火がついた。急きょ公開を始めた美術館もある。中高年の男性に愛好家が多いとされたこの世界、若い女性を引きつけた魅力とは……。
1935年に開館し、尾張徳川家ゆかりの宝物(ほうもつ)を所蔵している名古屋市東区の徳川美術館。2月から1本の脇差しの展示を始めた。江戸時代初期、大坂夏の陣で焼け、徳川家康の命で研ぎ直されたと伝わる「名物(めいぶつ) 鯰尾藤四郎(なまずおとうしろう)」。1月下旬になって、「今、見られますか」と急に女性からの問い合わせが殺到したため、収蔵庫から取り出した。
京都市の会社員、勝田佳乃さん(28)は休日を利用して見物に訪れた。38・5センチの刃をガラス越しに両手で測ると、「ゲームで大好きなキャラクター、鯰尾藤四郎は目の大きな可愛い系男子。実物の方は輝きがまぶしくて神々しい。違った魅力があります」と感激した様子だった。
同館がフェイスブックで展示の予告案内をしたところ、3日間でアクセス数が1万5千件を突破。初日は開館と同時に若い女性が展示場へ向かう姿が目立ったという。
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