竹石涼子
2015年5月11日16時05分
スーパーコンピューターで作成した心臓のモデルを使い、薬の副作用を予測することに成功したと、東京大の岡田純一特任講師らのチームが米専門誌サイエンス・アドバンシズに発表した。薬の開発を効率化できる可能性があるという。
東大、東京医科歯科大、エーザイのチームは、実際の細胞での実験データを使って、2千万個の仮想細胞からなる仮想心臓をスパコンで作成。心電図の波形や血圧、血流など心臓の働きを再現した。副作用がわかっている12種類の薬で試したところ、心臓に副作用が出るかどうかを正確に予測できたという。
予測が可能になることで、開発の初期段階で薬剤候補のふるい分けができるようになる。細胞や動物を使った実験では困難な、複数の薬による相互作用も調べられるという。
薬は、重い不整脈を起こす副作用の有無が開発の重要な判断基準となる。今回のシミュレーションで、この「予兆」が心電図の波形で出たが、量を増やしても重い不整脈にはならない薬があることもわかった。これまで断念していた薬の開発が、継続できるようになるかもしれないという。岡田さんは「将来は個人差も考慮した副作用リスクの予測も可能になる」と話す。(竹石涼子)
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