YDNのプレイスメントターゲティングの仕組みと設定、考え方までのスベテ
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(以下、YDN)を既に活用している方も多いと思いますが、Googleディスプレイネットワーク(以下、GDN)のプレースメントターゲットとほぼ同様の機能としてYDNにも「プレイスメントターゲティング」があります。
「スベテシリーズ」の第三回目は、前回の「プレースメントターゲットの仕組みと設定、考え方までのスベテ」に続き、「YDNのプレイスメントターゲティングの仕組みと設定、考え方までのスベテ」をお送りします。
YDNのプレイスメントターゲティングとは
YDNのプレイスメントターゲティングは、GDNのプレースメントターゲットと同様に、広告を出したい任意のウェブページをURL単位で指定して配信することができる手法です。基本的にはGDNのプレースメントターゲットと考え方は同じと考えてよいでしょう。その為、YDNの配信先の中で効果の出そうなサイトに指定して配信したい場合は強力な武器となります。
ただしGDNのプレースメントターゲットとは若干の違いが有るため、それらも踏まえてYDNのプレイスメントターゲティングの仕組みと設定、考え方までのスベテを書き出します。
プレイスメントターゲティングの設定方法
前提としてYDNでプレイスメントターゲティングを行うには、まずは「プレイスメントリスト」の作成が必要になります。
プレイスメントターゲティングの設定の流れは以下になります。
- プレイスメントリストを作成する
- プレイスメントターゲティングを行うキャンペーンを用意して広告グループにプレイスメントリストを設定
1. プレイスメントリストを作成する
「YDN」タブから「ツール」の中にある「プレイスメントリスト管理」を選択してプレイスメントリスト管理画面を開きます。
プレイスメントリストの管理画面に変わったら、次に「+プレイスメントリストの作成」へと進み、「新規作成」を選択します。
プレイスメントリスト作成画面に変わったら、次にプレイスメントリストの登録に進みます。ここで、広告の配信対象(または配信対象外)とするURLを「プレイスメントリスト」として登録していきます。
配信対象(または配信対象外)となるプレイスメントは「候補を検索して選択」、または「手動で入力」の2つの方法で登録が可能です。
※プレイスメントリストはアカウント内に100件まで作成可能
※1つのプレイスメントリストに登録できるURLは最大1,000件まで
「候補を検索して選択」から登録する場合
「候補を検索して選択」から登録する場合は、カテゴリーの一覧から候補となりそうなカテゴリーを選択して配信先を選択するか、もしくはURLで検索をかけて配信先を選択します。
①配信先の候補が一覧で出るので、良い配信先が見つかったらチェックを入れ「追加」ボタンを押して②プレイスメントとして登録していきます。③「保存」ボタンを押せばプレイスメントリストの完成です。
ここに表示されるURLの候補は、過去30日間の配信実績をもとに表示されます。
配信先のセグメントとして「掲載フォーマット」を選択すると、目的のフォーマット別にセグメントすることもできます。
プレイスメントリスト作成のポイントは、1つのリストにプレイスメントを詰め過ぎないことです。できるだけ細かくプレイスメントリストを作成して、配信先の良し悪しを判断できるようにしておきましょう。その際、プレイスメントのリスト名は配信先のURLやテーマ別に分けておくと判りやすく管理ができるのでお勧めです。
「手動で入力」から登録する場合
直接URLを入力して登録することで、候補のURLには表示されないURLも登録できます。登録する際は、「http://」「https://」を抜いた状態で貼り付けて登録していきます。
※プレイスメントリストは、後でリストの追加・削除が可能です。
プレイスメントリストの作成が完了したら、広告グループにプレイスメントターゲティングの設定をおこないます。
2. プレイスメントターゲティングを行うキャンペーンを用意して広告グループにプレイスメントリストを設定
「YDN」タブから、「キャンペーン管理」へと進み「+キャンペーン作成」ボタンを選択します。
キャンペーン作成画面へと進んだら、基本情報の広告掲載方式の中の①「ターゲティング」を選択します。②任意でキャンペーン予算を設定したら③「保存して広告グループ作成へ」を選択して広告グループを作成します。
広告グループを作成したら、ターゲティング設定画面で①「プレイスメントターゲティング」の②「設定する」を選択して、前の工程で作成した③プレイスメントリストを④「配信対象を設定」に設定したら完了です。
以上でYDNのプレイスメントターゲティングの設定は完了です。
プレイスメントターゲティングの配信先の選定は?
効果的なプレイスメントターゲティングの選定は、「プレースメントターゲットの仕組みと設定、考え方までのスベテ」でお伝えした事と同様なので割愛しますが、まずは過去の配信実績から効果の出ている配信先をピックアップすることから始めましょう。
過去の配信実績は”広告配信レポート”から確認することができます。
広告配信レポートの見方
「YDN」タブから「レポート」タブを選択すると「パフォーマンスレポート」タブに移るので、そのまま「新規レポートを作成」ボタンを選択。もしくは「+新規テンプレートを作成」を選択します。
次に①レポートの種類の中から②「広告配信レポート」を選択して、③コンバージョンを含めた必要項目を選択して④レポートを作成します。
レポートの作成が完了したら「広告配信レポート」の完成です。
作成したレポートから、GDNのプレースメントレポート同様に効果がありそうな配信先をピックアップしていきましょう。
GDNプレースメントターゲットとの違い
GDNのプレースメントターゲットとYDNのプレイスメントターゲティングには、いくつか異なる点があります。
1. 配信対象サイトと配信対象外サイトの設定にはリストの作成が必要
YDNのプレイスメントターゲティングでは上記で解説したとおり、プレイスメントターゲティングを行う際は、事前にプレイスメントリストの作成が必須となります。
2.配信面の違い
YDNの広告配信先はYahoo!JAPAN内の各ページ、及び提携しているパートナーサイトに配信されるため、配信の多くはYahoo!JAPAN内への配信が中心となります。配信面の広さではGoogleの方が有利ですが、Googleの出せないYahoo!JAPAN内への配信はYDNならではの強みでしょう。
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)の主要な広告掲載サイト
3.配信フォーマットの種類が限定的
YDNはバナーのサイズがGDNに比べて限定されます。PC/タブレットは計4種類。スマートフォンは計3種類となっています。
【対応するバナーサイズ一覧(以下、横×縦:単位ピクセル)】
▼全デバイス対応
300×250
▼PCタブレット対応
468×60
160×600
728×90
▼スマートフォン対応
320×50
320×100
※詳細は「[随時更新] Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)/Google ディスプレイネットワーク(GDN)で使える最新バナーサイズ一覧」をご確認ください。
4.YDNではプレイスメントできる階層が2階層目まで
2015年4月末現在、YDNで設定できるURLはプロトコルヘッダ( http:// https:// など)、ポート番号(:80 :8080など)を除いたサブドメインと2階層目までのディレクトリまでが指定可能となっています。
5.キーワードによる掲載面のセグメントは不可
GDNのプレースメントターゲットではキーワードによる掲載面のセグメントが可能でしたが、YDNにはキーワードによるターゲティング機能がないため、キーワードによるセグメントはできません。
またYDNのプレイスメントターゲティングは、「インタレストマッチ」など、その他の広告掲載方式と組み合わせる設定はできません。
プレイスメントターゲティングの注意点
YDNはGDNと比べるとクリック単価はまだまだ低い傾向にありますが、プレイスメントターゲティング時は、GDNのプレースメントターゲットと同様に通常の入札単価よりも高めの入札を行わないと配信されない場合があるため、ある程度の余裕を持って入札を行いましょう。
まとめ
YDNのプレイスメントターゲティングはGDNのプレースメントターゲットと設定方法が多少違えど、仕組みと考え方自体は基本的に同様です。
GDNに比べ、YDNのプレイスメントターゲティングを試している広告主はまだまだ少ない傾向にあるため、効果の出ているサイトには積極的にプレイスメントターゲティングを活用していくことで他社との差を付けることができるでしょう!