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えっ?平凡ですよ?? 作者:月雪 はな

♦運命を紡ぐ者

女子高生 橘 ゆかり

 私の名前は、橘 ゆかり。

 公立高校に通う女子高生です。
 我が家は母子家庭で、お母さんが女手ひとつで育ててくれた。
 お父さんは、私が生まれる前に交通事故で亡くなっている。
 当時のお母さんは精神を病み、私を流産しかけたこともあったらしい。

 だけど、いつもお母さんの周りには人がいた。

 お母さんのことを心配した親族や友人、職場の人達。
 なにより、私がお母さんのお腹の中で常に一緒にいた。
 お母さんは人の優しさにふれ、徐々に生きる気力を取り戻し、私を産んだ。

 そして、素敵な名前をつけてくれた。

 −−−−ゆかり−−−−

 私がお母さんのもとに産まれてきたのも、運命というゆかり

 人と人との縁。

 それを大切にして欲しい、と願いを込めてつけられた名前。
 お母さんは、ちょっと照れくさそうに話してくれたよね。

 お母さんありがとう。

 そして、お母さんごめんなさい。

 私は、お父さんの似なくていいところが似てしまったみたい。

 私は今日、車にかれた。

 どうか、またお母さんに人の縁が集まりますよう。

 1人じゃないことに気づきますよう。

 それが、橘 ゆかりとしての最期の記憶。



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