スマートフォンからSDカードのスロットが消えるかも知れません。ニュースサイトZDNetが、「スマートフォンからSDカードのスロットが消える本当のワケ」というタイトルで、興味深い洞察を加えています。

SDカードのクオリティが問題?


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1つ目の理由としては、Xiaomiの副社長であるHugo Barra氏が述べたように、内蔵ストレージだけでまかなえる中、わざわざ外部ストレージを使用するメリットがないということのようです。
 
同氏は、KingstonやSanDiskといった大手SDカードメーカーの名前を挙げ、「とんでもなく低レベルのクオリティだ」と一刀両断。「遅いし、フリーズはするしで、ユーザーに散々迷惑をかけている。アプリはいつもクラッシュするし、データは飛ぶし、大方の苦情や苛立ちの原因だ」と舌鋒鋭く両社のSDカードを批判しています。
 
同様に、グーグルの副社長であるMatías Duarte氏も、「ユーザーを困らせるだけだ」と外部ストレージの欠点を認めています。

実際はベンダーの都合


しかし、上述したZDNetのコラムは、音楽やビデオが内蔵ストレージほどスムーズに再生されるわけではないものの、「言うほどの不具合は起きていない」としたうえで、SDカードのスロットを付けたがらない本当の理由は、外部ストレージを搭載しないことで、スマートフォンのベンダーが独占的に儲けることが出来るようになるからだ、と分析しています。
 
外部スロットにストレージを依存した状態では、挿し込まれたSDカードが64GBだろうと128GBだろうと、ベンダーにとっては何の関係もありませんが、内蔵ストレージだけにしてしまえば、数ギガバイト増量するだけで100ドル(約12,000円)近く、スマートフォンの価格を釣り上げることが出来るからです。

スロットが一貫して存在しないiPhoneシリーズも…


iPhone6 galaxys6
 
例えば、iPhone6の128GBバージョンは、16GBバージョンよりも200ドル(約24,000円)高額ですが、同じだけの容量をSDカードで補おうとした場合、わずか50ドル(約6,000円)程度で済みます。
 
したがって、もしiPhone6にSDカードのスロットが搭載されていたならば、わざわざ128GBのiPhone6を買おうとする人は、今よりもずっと限られた数になるでしょう。
 
ZDNetは、こういった潮流は今後も変わらないだろう、と結論づけています。最近も、200GBのmicroSDカードがSanDiskから発売されたばかりですが、SDカードメーカーにとっては、苦難の時代が訪れるのかも知れません。
 
 
参照元:ZDNet
執 筆:kihachi