ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
Close-Up Enterprise

東電とソフトバンク、
電力小売の新会社設立へ

電力自由化見据えた異色タッグの真の狙い

週刊ダイヤモンド編集部
2015年5月11日
previous page
3

最終的に電気自動車か

 では、この異色タッグによる新会社は、一体何に取り組むのか。

 各種報道では、電気料金と携帯料金の「セット割」が騒がれているが、「それだけでは味気ない。セット割はあくまで一歩目」と、双方の関係者は話す。

 実際、東電の廣瀬社長もすでに「携帯とのバンドルはしやすい。だが、新たなメニューは知恵の出しどころで、今打ち明けるわけにはいかない」と話している。

 サービスの内容は、それこそ実際に新会社の設立が決定してから決まるはずだが、両社のこれまでの動きを詳細に見てみれば、幾つかのヒントが見つかる。

 一つは、ソフトバンク傘下のヤフーも含めたインターネット経由での電力販売だ。SBパワーの新取締役にはヤフー幹部も名を連ねており、今後検討が進みそうだ。

 もう一つは、電気自動車や家庭用蓄電池などの販売への進出だ。東電が4月末に発表した人事異動では、小売り部門のトップがすげ替えられ、電気自動車などを担当してきた人材も新たに登用された。

 東電幹部は、「今後は、家庭用の蓄電のニーズが増すのは間違いない。電気自動車を含め、さまざまな施策が必要になる」と強調する。

 ともあれ、両社のタッグを手始めに、電力自由化に向けた動きは一気に表面化しそうだ。

 東京ガスは、日本電信電話(NTT)を通してドコモに打診しているとされ、KDDIも、全国の電力・ガス会社と“等距離外交”を進めている。

 特に、電力会社において、小売り事業は営業でなく、「料金徴収」がメインで付加価値が小さかった領域。今後は電子商取引(EC)や小売りチェーン、家電量販店などの参入も見込まれ、解体的な再編が進んでいきそうだ。

previous page
3

今週の週刊ダイヤモンド

2015年5月16日号 定価710円(税込)

格安スマホ 最強理由 あなたのケータイ高くない?

ガラケーより安い!!格安スマホ 完全ガイド

【特集2】
社外取締役を使い倒せ! 2人選任義務付けで問われる役割

【特集3】
キッコーマン 醤油から日本食へ 世界制覇の野望

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

関連記事
スペシャル・インフォメーション

経営課題解決まとめ企業経営・組織マネジメントに役立つ記事をテーマごとにセレクトしました

クチコミ・コメント

特集

経営課題解決まとめテーマ別に記事をセレクト

注目のトピックス

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


Close-Up Enterprise

日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。

「Close-Up Enterprise」

⇒バックナンバー一覧