富山 – 東京事変 – 落日2015/5/10
富山、近くなったな―、と思います。帰り13時に富山を出て東戸塚にのんびり帰って来ても17時に着いてたから、いやあ富山、金沢、遠いからな―、というのは確かに体感的にも払拭された感ある。金沢ばかり行ってましたが、富山も景色と景観と風景と天気には若干恵まれないながらも堪能できました。本当は行こうと思っていた高岡の能作然り、八尾の桂樹舎とかもあるし、氷見の魚もとか、ブルーベリー園の話もあったし、古い町家や、あと古い寺社仏閣も、もうなんか昨日の11時くらいにGWダラダラしたから最後どこかに写真撮りに行くか、となって、パッと富山、として良かったです。
日本海の夕景
富山、日本海に沈む夕日は見れないんだそうです。理由は能登半島があるから。決めてから知った。しかしそれはそれで良いのではないかと思いまして、新幹線で北へ抜けてからの天気の様子を見つつ、これは行けるなあと思って、富山駅着くなりトラム乗り場を目指します(迷ったけど)。
初めてのトラムでトラムなんたるかをわかっていなかったのですが、路面電車のそれとは違い、駅を出てしばらくは道路をゆっくり走り、途中から電車のようにスピードを上げて走り出します。大体、富山駅北から岩瀬浜まで25分くらい15分感覚で走っているようでした。デザインもかっこいいし、乗り心地も良いし、確かに「儲かるか」って言うと難しいと思うのだけど、そもそも富山は路面電車が日常的にある街でもあり、こういう乗り物が馴染んでいるのは面白いなと思いました。
岩瀬浜駅を降りて、北に向かって右手前方に、ちょっと脇道をすり抜けて海に出ると、岩瀬浜海浜浴場に辿り着きます。しかし、日は西に沈む、と思って、左手の漁港を見ると、とても綺麗な光景が広がっていた。
漁港の入江に夕日が落ちていくんですね。東京事変の落日をイヤホンでかけつつ、シャッターを切る。夕日は刻々と表情が変わるので、大体撮り始めると30分くらい撮り続けてる気がします。今回もそう。まあ出かける前の晩に落日聴いてて、夕日撮りたい欲求が沸々と盛り上がり、行った場所も夕日の撮影スポットでも何でもなく、言ってしまえば「海に出ればなんか撮れるはず」というだけだったので、なりゆき任せだなあと思うのですが、まあ大体僕が旅先で撮って来る写真はそんな感じな気がします。友人曰く、「加藤君、足で撮ってるよね」、とのこと。
コンセプトホテル和休
さて、予約していた宿舎に向かうのですが、今回、和を意識したちょっと良いビジネスホテル、みたいなところを取りました。玄関で靴を脱ぎ、大浴場もあって、部屋は畳、家具やベッドも高さのないもの。これ割と良かったです。
一泊朝食付き土曜日で7,000円ほど。コーヒーはブルックスのワンドリップが1Fに置いてあって、持って行けるし、部屋には冷水も予め魔法瓶に用意されていて、大浴場は朝風呂で利用しましたが、そんなに広くはないもののサウナ付き。
バイキングの朝食も美味しくて、総じて良いなあと思いました。これくらいの値頃感はとても良いと思う。難点を強いて言えば夜中起き出して、パソコンいじり始めたら、座椅子で長時間作業は結構しんどくて(まあ普通ゆっくり寝てろという話ではある)、それくらいかなあ。あと不満なかったです。
旬の戴き はるや
富山のお店、行きます!となってからお寿司屋さんなども紹介いただいてたのだけど、食べ物が美味しいところに行く時は小料理屋や割烹みたいなところを探すので(そういうところが一番色々食べれるなあと思う)、食べログのレビューを見ていたら、評価はそんなでもないんだけど、書いてる人のレビュー的に良い感じがして、結果とても良かった。
刺身盛り合わせ。片口の鉢に出てくる感じとかすごい良くて、生ホタルイカなども堪能。
釜揚げのホタルイカを頼みました(天ぷらもあった)。これもうなんかとんでもなく美味いもので、一応醤油とか出るんだけど、何もつけないで美味しいですと言われ、何もつけないで全部食べきりました。とても美味しい。富山はこれと白えびというのも有名だけれど、ホタルイカ、買う機会はこちらでもあるだけに、本場のそれがどう特別なのか身にしみた。
大体、炊合せみたいなの一品頼みたいですよねというわけで、鰊と茄子煮というやつを。こちらも美味しい。一緒についてる姫竹とかフキの味付けも良い按配で、ホクホクしながら食べました。
もう一品、本日のおすすめからモズクのかき揚げを。山菜の天ぷらもついてました。これくらいの量の天ぷらにビールは本当に良いです。
お店も新しく綺麗で洗練されてる店内、酒の取り揃えも多かったようですし、カウンター席は僕以外、そこそこの年齢のカップルが静かに食事楽しんでおられて大人な印象のお店でした。ただ、あの刺身盛り合わせ(1人前だけど)頼んでも、食事4,000円しないくらいだったので、良いと思います。ビールは5杯くらい飲んでしまったが。
富岩運河環水公園
さて2日目。8時くらいに宿を出て富岩運河環水公園というのを目指します。なんでも有名なスターバックスがあるということだったのだけど、いやあでもスタバでしょう、と思いつつ朝早くから行けそうで足を向けたんだけど、ここ絶対行くべきところだった。
とても日本離れしていた。中心部にこれだけの空間があるのは素晴らしい。さすがの観光スポットでスタバは混み合っていましたが、運良くテラス席空いており、しばし運河を眺めながらコーヒーと、あとなんか写真映えするんじゃないかと思って、朝飯食べたばかりなのにキッシュを注文。Instagramにすると更に良い感じである。
樂翠亭美術館
こちらはFacebookで教えていただいた、良いらしいと。その情報をくれたのが、金沢在住の以前鈴木大拙館へ案内してくれた友人だったので、これなんか面白そうだなあと思って、気持ち開館待ちしつつうかがいました。ここすごくてですね。内田鋼一さんという陶芸家の方の展示が行われていました。
いわゆる日本建築があって、だからまあ家ですよね。大層立派な家。その中に展示物が配されていて、以前、多治見に行った時のギャラリーとかそんな感じだったのだけれども、ああこういうところに美術品があると展示あって言うか、なんだろう、「在る」って感じだな、と思いました。大きなものもあったし、茶盌もあったし、畳敷きだから触れないけど床に座って眺められる。そういう意味でもギャラリー的な鑑賞をできる美術館で、面白かったです。あと別館の蔵という建物に作家さんが世界で蒐集したシャベルの展示があって、それがまた静かな中にかなりの迫力があって、というかあれは迫力というか凄味だな。そういうのがある、とても良い展示でした。
話はここで終わらなくてですね、こちら庭に出れてそれがとても良くて、撮影もできるので、写真も撮って来ました。
最後少し館長さんかららしき方から声をかけていただく機会があって、どこで知ったんですかとおっしゃるので、金沢の友人の話をしつつ、どこから来たのかと聞かれたので、横浜と答えると、「じゃあ北陸新幹線で!」となりました。やっぱりそういうの少なからず期待というか、あるのではないかなと思います。去年の開業前の金沢でも思ったけど。ちなみに自分が焼きもの好きとか仕事で関わりがあるみたいな話は、なんか中途半端になりそうだったので、一切しませんでした。まあ旅先だし、自分が陶芸やってるわけじゃないしな、とか。
富山市役所
さて、駅を挟んで富山市役所へ。旅先で市役所を目指したのは初めてですが、何でも70mの展望台にエレベーターで上がれて無料とのことだったので、行くことに。残念ながら天気がイマイチで立山連峰は綺麗に望めませんでしたが、見下ろした街はカワイイ感じでした。
あまり良い写真は撮れる感じはしませんでしたが、見晴らし良くて街自体がフラットなので、とても気持ち良いところだと思います。ここ富山行くなら良いと思います。市役所だし。
D&DEPARTMENT TOYAMA
最後は向かいの新しくできたというD&DEPARTMENTへ。僕実は昔あまりD&DEPARTMENTって好きじゃなくて、ただ、ソウル行った時はちょっと面白かったし、ヒカリエの8のところはたまに全国各地のものを見るのに楽しめるので行っていて、富山でも行ってみようということに。
結果、買った。
富山の作家さんの工芸品や、富山の食品がそれなりのボリュームあって、とても楽しめます。能作とか桂樹舎のものもある。ガラスは久しぶりに買ったのだけど、網目の文様とフォルムがぼってりしてて良いなと思ったのと、家帰って来てから気づいたのですが、裏面も綺麗。
まとめ
最後は高岡行こうという予定を切り上げて、昼の北陸新幹線で(行きは空いてたけど、帰りはさすがに混んでいた)帰って来ました。冒頭にも書いたけれど、旅先として、まだまだ見るべきものありそうだし、勿論、立山とか五箇山みたいな場所も気になるけれど、「遠目に知らなかった遊び方」みたいなのも何やらあるところだなあという感じもしました。行ってみたら、大変良かった、富山。ちなみにうちの母方のルーツは祖父母とも福井でして、福井大人になってから行けてないんだけど、いよいよかなあという気も帰りながらしました。大野と小浜なんですけどね。
いつにも増して、思い立ったが吉日な1日限りの富山行きでしたが、思い立っての落日から始まって、とても充実した良いものに触れる旅だったなあと思います。夕景を見返している。