基本的にはヘテロセクシャル。いままでセックスは男性としかしたことがない。
ネットでお店を調べて電話をかけると、「この商売」っぽい雰囲気の男性の声がする。
女の子の希望を聞かれて、女性とは初めてなので慣れている子で、あと可愛い子がいいですと言う。
「○○ちゃんっていう子がいて。写真見てもらってもわかると思うんですけど、若くて可愛い子。本物は写真より可愛いです!オススメです!」
こういう感じか、なるほどと思いながら、じゃあその子にしますと告げる。
指名料込みで60分16000円。可愛い子がいいと言っただけで指名料がかかるのか。
着くまで1時間少しかかるとのこと、ひたすらそわそわしながら待つ。とりあえずは化粧を直す。
少しは酔っておきたいと思い、コンビニでワインを買って来て飲む。告げられた時刻の10分くらい前に歯を磨く。
わあ、ほんとに可愛い子がきた。
アイドルみたいな美少女。ぱっちりした目。お店のプロフィール18歳はさすがに嘘かもしれないけれど、それでも若い。
ストレートの髪の毛。ピンクの唇。黒い無地のワンピース。顔も身体も細くて白い。声も可愛い。
挨拶をしてコースの確認。それから、お店に電話しますねと、彼女が到着と時間の連絡をする。お金は先に払う。
それから一緒にシャワー。服を脱ぎながらわあなんか緊張するねと言い合うのすでに楽しい。
狭いバスルームでそわそわ洗われる。ものすごく軽く、洗うというか触れるくらい。
静かでおとなしそうな女の子、私ほどではないにせよ彼女も緊張しているみたい。
カップルや、お店の女の子との3Pはあっても、女のお客さん一人は初めてだって。おっぱいきれいですねと言われて照れる。う、うれしい。
シャワーを出て、ベッドの上に座って、キスしてもいいですかときかれる。もちろんです。
お互い遠慮がちに、おずおずとキス。初めてなら私がリードしたほうがいいよね?と聞かれたから、そうしてくださいと答える。
ベッドに横になって、彼女が愛撫してくれる。優しく、むしろおそるおそる。上から順番に下まで。
「指、入れたいけど、今わたし爪長い…」
「大丈夫、入れて」
「大丈夫かなぁ」
ねえ痛くない、痛かったら言ってねと何度も聞かれる。痛いような触り方じゃないのに。
触られながら、私も彼女のきれいな髪の毛に触りたいし、細い身体を撫でて抱きしめたいと思う。
でも気が引けてそろそろと。思わず一回だけおでこにキスしてしまった。
ちょっとだけ交代してみる。彼女に負けないくらい、いやもっとおそるおそる。
下を触ろうとしたとき、「あ、わたし、濡れてるよ…」と言われた。
わあこれは。うれしい。すごくうれしい。男の人はいつもこんないい思いしてるのかと思ってしまった。
ふたたび彼女に耳とか首とか舐められているとき、時間を知らせる電話がお店からかかってくる。
「あっという間だったね」とか「なんか、かわいい…」とか本気にして私は簡単に喜んでしまう。
風俗の客は往々にして女の子が自分のこと好きだと思い込むものらしい。それも分かるような気がする。
きっともう二度と会うことはない女の子。私の身体を丁寧に、そうっと扱い、たくさん思いやってくれたこと、忘れないでしょう。