AngularチームとReactチームとのコラボレーション
JavaScriptフレームワークのAngularとReactのサポートチームが,共同作業の可能性について話し合いを持った。ただし,最終的なフレームワーク統合には至らないようだ。
Christopher Chedeau氏とReactチームは先週,Angularチームに会うために,GoogleのMountain Viewキャンパスへと101号線をドライブした。同じ問題に取り組んでいる彼らが現在何をしているのか,お互いに支援し合うにはどうすればよいのか,顔を合わせて話し合うことが目的だった。
“[Christopherは]私たちが協力し合うべき場所について,会って話し合うことを提案しました。” AngularチームのマネージャであるBrad Green氏は,InfoQのインタビューでこのように述べている。ただし彼らが会ったのは,これが始めてではない。昨年の1月にも,今回とは逆にAngularのメンバが,Facebook本社で開催されたReact.jsのカンファレンスを訪ねている。
Green氏の議事録を見れば,コマンドラインツールや不変データ構造,国際化といった共通の課題に対して,両方のチームが独自の取り組みをしていることは明らかだ。両チームが時間を取ってそれぞれの開発成果の一部を発表して,うまく行っている場所とそうでない場所の記録を比較した。
“私たちはWebをもっと高速にしたいのです。一緒にチームを組んで,統一した計画の下でjsエンジンの実装とコミュニティの確立を行うのは,その共通する思いからです。” Chedeau氏はインタビューにこう答えている。Green氏も同じような意見を述べている。彼らが期待しているのは,“Web プラットフォームの進むべき道を示す共有ライブラリで協力し合うことです。開発が(予想していた)成功を収められたならば,これをブラウザに取り込めるように,標準化団体(TC39, W3C)と協力して作業したいと思っています。”
Angularチームは昨年,MicrosoftのTypeScriptチームとも会っている。その結果としてAngular 2が,ベースとしてTypeScriptに採用されることになった。同じような統合がReactとの間で行われる可能性は低いものの,両プロジェクトの周辺部分での共通性が確認されることは期待できそうだ。例えば,議題となったアクション項目のひとつに,AngularチームのVictor Savkin氏が “Angular 2の変更検出にimmutable-js用に特化したサポートを追加する”,というものがある。
Hacker Newsでの議論の中で開発者のColin Ramsay氏は,両チームの対話を嬉しく思っている,と述べた。氏はNPMでの標準化決定について言及し,“彼らがEmberの関係者と連絡を取っているのも,よい傾向だと思います。彼らのCLIへのアプローチは,他の人たちの成果を再利用して,それをラップしたものだからです。車輪の再発明をするケースが多過ぎるのです。特によいと思うのは,新たなパッケージマネージャを開発するという話題に,誰も触れていないことです。”
いずれのチームのメンバも,会議はフレンドリで生産的なものだったと語っている。“正直なところ,話し合う時間をもっと早く取るべきだったと,本当に残念に思っています。どちらのチームにとっても,今後の進行を大きく加速するものであることに間違いありません”,とChedeau氏は言う。
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