活用広がる先生のための教育事典「エデュペディア」
神戸新聞NEXT 5月10日(日)19時13分配信
全国の学校現場で実践されているユニークな指導法を集めたインターネットサイト「先生のための教育事典 EDUPEDIA(エデュペディア)」の活用が広がっている。教員同士の情報共有を目指し、神戸市教育委員会の情報担当の小川弘さん(51)らが設立。教科の指導案から卒業文集の書き方まで、現場で役立つ約1700件のヒントが無料で公開されている。
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教員の若返りが全国的に進む中、指導のノウハウの継承だけでなく、課題解決の手助けにもなると注目されている。
小学校の現場を経験した小川さんは「教師の情報不足」や「指導法の継承の難しさ」を感じていたといい、解決に向け、優れた実践例の発信を計画。賛同した学生ボランティアらと2009年に同サイトを設けた。
小中学校の取り組みを中心に、教科の指導案だけでなく、授業の効率を上げる工夫やこつ、学級運営のヒントなども掲載。国語の実践例では、少ない出題を毎日繰り返す「漢字テスト」を紹介。児童に少ない負担で漢字が定着し、成長が実感できるという効果を挙げる。記事は動画や教材付きで紹介されているものも多く、取り組みやすいよう工夫されている。
教科以外のヒントも多く、児童と会話する機会をつくるための「一人一役当番表」は全員に役割を決め、その当番が終われば担任に報告する仕組み。担任は握手をして、児童のいい行動を褒める時間が持てるという。
現在は東京と京都にボランティアの拠点ができ、大学生らが全国の学校のユニークな取り組みを探し、教員との掲載交渉や取材、執筆などを担う。
メンバーの1人で、教員志望の立命館大3年犬塚真優子さん(20)は「取材で現場の大変さを知った。先生の助けになる情報を発信したい」と力強い。
ページ閲覧は月30万件に上ることもあり、小川さんは「いい情報でも分散しては探しにくい。一カ所に集めることで価値を持たせたい」と話している。
エデュペディアのアドレスはhttps://edupedia.jp/(小尾絵生)
最終更新:5月10日(日)21時22分