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【格闘技】

長谷川、復活の勝利 大差判定 進退は明言せず

2015年5月10日 紙面から

4回、オラシオ・ガルシア(左)に強烈の右がヒット=神戸市立中央体育館で

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◇ボクシング 長谷川穂積再起戦

 (ノンタイトル・フェザー級10回戦)▽9日▽神戸市立中央体育館▽観衆2900人

 元世界2階級制覇王者長谷川穂積(34)=真正=が9日、神戸市立中央体育館で約1年ぶりの復帰戦となるフェザー級ノンタイトル10回戦に臨み、WBC世界スーパーバンタム級9位オラシオ・ガルシア(24)=メキシコ=に3−0の判定で勝った。大方の予想を覆す完勝で完全復活を遂げたが、自らの去就については明言を避けた。戦績は長谷川が39戦34勝(15KO)5敗、ガルシアが30戦29勝(21KO)1敗となった。

 感動的な復活劇だった。最終10回。判定で明らかに勝っている長谷川だったが、最後までリスキーな打ち合いを演じた。終了のゴングが鳴ると、満員の会場が“穂積コール”に包まれた。

 「メッチャ怖かったです」。ヒーローインタビューで長谷川がそう言うと、会場が爆笑に包まれた。昨年4月23日、IBF世界スーパーバンタム級王座に挑戦して、TKO負け。「長谷川はもう、終わった」。無残な負けっぷりに限界説が流れた。

 1年ぶりの再起戦が決まってからも、「引退試合になるだろう」との見方が多かった。相手は29戦全勝21KOで伸び盛りの24歳。右ストレートで対戦相手の左腕を骨折させるほどの豪腕の持ち主。しかし、長谷川は覚悟を決めたかのように、果敢に、そして、縦横無尽に攻め立てた。

 「倒される夢ばかり見てました。ネットでは殺されるとか書かれてあったけど、ボクも勝てるとは思いませんでしたから」

 4月末、練習中に右足首を捻挫してほとんど練習もできなかった。軽症と思われていたが、靱帯(じんたい)の一部が断裂していたことを明かした。

 「それで負けても実力。勝っても実力。この状態で勝てたのは自信になる。全盛時と比べたら70%だけど」と長谷川。しかし、現役続行宣言は聞かれず「この試合はボクのわがままでやらせてもらった。家族が辞めろと言えば、辞める。ここまでくると、ボクもなんのためにやってるか分からなくなる」とポツリ。

 夢の続きはなんなのか? しばしの休息の後、長谷川自身が決めればいい。 (竹下陽二)

 

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