聞き手・神庭亮介
2015年5月10日13時49分
握手券に投票券、ライブチケット……。音楽チャート上位には、様々な特典を付けたCDが並ぶ。そんななか、エアバンドのゴールデンボンバーは昨年、シングル「ローラの傷だらけ」を、あえて特典を一切つけずに発売した。ボーカルの鬼龍院翔に思いを聞いた(取材は今年1月17日)。
――昨年、シングル「ローラの傷だらけ」を、特典を一切つけずに発売しました。なぜですか。
一番の理由は、僕が今まで特典だらけのCDを売ってきて、それが嫌だったから。どんな表現者でも、自分が一番見てもらいたい表現以外を求めて作品を購入する人がいたら、モヤッとするはずです。結局、コピーできる音楽よりも、握手とかコピーできない特典の方が強いんですよね。
やっぱり、1人の人に複数枚売らなきゃいけない現状は間違っている。ミュージシャンみんながそう思っています。それでもやめられないのは、会社や色んな人の生活がのしかかっているからですよ。特典を無くすことで、誰かが仕事を失うことになるかもしれないし。
――同時に、特典つきの無音CDまで発売しようとしていたそうですね。
もし出していたら、面白いことになったと思います。ただ、「あまりに業界を皮肉り過ぎている」という事務所の判断でやめました。それに、ファン心理としては「音楽が好きだ」という前提があったうえで、「握手したい」ということのようなんです。だから、無音CDはファンにはあまりうれしくないのかなと。
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