11回、打者小林のとき 二盗を決める巨人・鈴木(右)=ハードオフエコスタジアム新潟 (撮影・吉澤良太)【拡大】
3日の阪神戦(東京ドーム)では6年ぶりの本塁打となる1号3ランを放った。見逃した知人に「いいよ。春の珍事だから」と笑った。だが今回は違う。「本塁打はもう打たないと思う。自分の特長である足を生かしていきたい」。プロ19年間を一瞬に凝縮させた。
原監督の執念が実った。六回から代打攻勢をかけ、最後にベンチに残っていた野手は新潟・新発田農高出身の加藤のみ。野手15人、投手6人を惜しみなく使った。11回でわずか3安打。打線は本調子にほど遠い。それでも首位・DeNAの連勝を「6」で止めた。
「どういうふうに動かしても、きょうは2点が最高の点。鈴木の足が非常に生きた。よく2点を取ったな、という感じですね」。指揮官も“神の足”に感謝感激だ。
打てなくても、勝つ方法がある。中畑監督に王者の底力を見せつけた原巨人。10日の試合では開幕から5連勝中のD3位・高木勇(三菱重工名古屋)が先発だ。DeNAとは1・5ゲーム差。新潟でライバルにダメージを与える。 (桜木理)
鈴木についてDeNA・中畑監督 「鈴木の足をどうやって止めるのか。今後の巨人戦の教訓にしたい」
鈴木の走塁に巨人・川相ヘッドコーチ 「尚広がしっかりと走ってくれて、得点に絡んでくれた。小林の遊ゴロ? 三振じゃ、何も起こらないからね」
巨人・鈴木の“神の足”VTR
2014年7月23日の阪神戦(甲子園)。2-2の九回無死一塁から代走で出場した鈴木は一死から際どいタイミングながら、わずかにふくらむスライディングでタッチをかいくぐり二盗。能見の暴投で三進すると代打・矢野への初球、フォークがワンバウンドとなった瞬間にスタート。ボールが転々とする間に決勝のホームを駆け抜け、原監督も「いい足を見せてくれた」と大絶賛した。
(紙面から)