連敗が「4」で止まり、出迎えた原監督(左)と歓喜のタッチ【拡大】
ひんやりとした新潟の夜風が気持ちいい。スタンド半分をオレンジ色に染めたG党の声援を浴び、鈴木が今季2度目のお立ち台に呼ばれた。
「監督から思い切っていっていい、といわれていたので、自分を信じていった。(盗塁は)相手バッテリーと勝負しようと思っていきました」
原巨人が誇る足のスペシャリスト。その技は“神の域”に達している。九回から代走で出場し、2盗塁2得点。鈴木がベンチにいなければ、負けていた試合だった。
チームは4連敗中。打線は沈黙を続け、この日も敗色濃厚だった。1点を追う九回無死一塁に“神”はグラウンドに降臨。小林の2球目に二盗。犠打で三進した後、亀井の右前打で生還し、試合を振り出しに戻した。
真骨頂は延長十一回だ。無死一塁から打席に立った鈴木。通常ならばバントのサインが出るところだが、原監督の指示は“打て”。安打で応えることはできなかったものの、二ゴロで二塁封殺。鈴木は併殺をまぬがれて一塁に残った。一死一塁から再び二盗。小杉の暴投で三進した後、小林の遊ゴロで生還した。チームはこの回無安打で、決勝点を奪った。