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国連 シリア和平へ再び調停開始
5月6日 5時27分

国連 シリア和平へ再び調停開始
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泥沼化したシリアの内戦の終結に向け、国連は、アサド政権と反政府勢力に加え、関係国の代表などをスイスに招き、関係者を一堂に集めるのではなく、国連の特使らが個別に会談を重ねる形で、事態の打開に向けた調停に再び乗り出しました。
シリアでは、アサド政権と反政府勢力、それに過激派組織IS=イスラミックステートなども加わり、激しい内戦が続いていて、国連は去年、政権側と反政府勢力の和平調停を試みたものの、不調に終わっています。
国連は、アサド政権と反政府勢力のほか、国連の安全保障理事会の常任理事国や、地域に影響力のあるイランやサウジアラビアの代表などをスイスのジュネーブに招いて、再び調停に乗り出しました。今回の調停は、関係者を一堂に集めるのではなく、国連のデミストラ特使らが関係者と個別に会談を重ねることにしていて、デミストラ特使は5日、今回最初となる個別の会談をアサド政権の代表と行いました。
会談を前にデミストラ特使は、5日、記者団に対して、「和平に向けた交渉が再び始められるか見極めたい」と述べ、事態の打開につなげたいとの考えを示しました。
シリアの内戦の終結に向け、国際社会では過激派対策を優先するにはアサド政権との協力もやむをえないという声も上がっています。デミストラ特使は、来月半ばまで会談を重ね、勧告をまとめることにしており、新たな調停が成果を出せるのか注目されます。

何度も協議行われるも具体的成果出ず

国連などは、これまでもシリアの和平に向けた取り組みを続けてきましたが、具体的な成果は出ていません。
アサド政権と反政府勢力の間の戦闘が激しくなった2012年6月には、国連がスイスのジュネーブで、国連安保理の常任理事国やアラブ諸国など関係国が参加する国際会議を開き、アサド政権と反政府勢力の双方が参加する暫定的な政権を作り、民主的な政権移行を目指すことで合意しました。しかし、アサド大統領の退陣を求める欧米諸国と、それに反対するロシアなどとの立場の隔たりは埋まらず、合意は実行されないまま、戦闘は激しさを増しました。
また、国連は去年1月から2月にかけても、スイスのジュネーブでアサド政権と反政府勢力の双方が参加した初めての和平協議を行いましたが、協議は暗礁に乗り上げ、具体的な成果は得られませんでした。
一方で、アサド大統領が去年6月、欧米などが反対するなか、大統領選挙を実施して当選し、みずからの正統性を強調すると、反政府勢力は強く反発し、両者の溝は深くなり、和平は一層遠のきました。
国連による調停が頓挫したことを受け、ことし1月には、アサド政権を支援するロシア政府が仲介して、アサド政権と反政府勢力の代表をモスクワに招き、和平協議を行いましたが、欧米などが支援する反政府勢力の有力組織「シリア国民連合」が参加せず、進展は見られませんでした。
シリアでは、和平に向けた取り組みが進まないなか、過激派組織IS=イスラミックステートが各地で攻勢を強めるなど、さまざまな勢力が複雑に入り乱れ、内戦が泥沼化しており、今回の調停が事態の打開につながるかは不透明な情勢です。

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