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 神戸市灘区の市立王子動物園で4月、希少種として知られるアムールヒョウの赤ちゃんが誕生した。同園での繁殖成功は19年ぶりで、夏ごろから公開される予定という。

 同園によると、2013年にロシアの動物園からやってきたオスの「アムロ」と、11年に広島市安佐動物公園からやってきたメスの「ポン」の間に先月8日、メスが2頭生まれた。1頭は14日に死亡したが、もう1頭は順調に育ち、4月末時点で体長約30センチ、体重約940グラム。ポンがお乳をあげて育てており、現在は母子ともに非公開だ。

 野生のアムールヒョウは密猟や森林伐採の影響で減少し、現在は極東ロシアで約50頭が確認されているだけ。国際自然保護連合のレッドリストに絶滅危惧種として分類されている。

 国内では14年末時点で5カ所11頭が飼育されているのみで、王子動物園での繁殖成功は1996年8月に2頭のメスが誕生して以来になる。同園の担当者は「1頭でも増やすことが大切で、貴重な赤ちゃんです」と話している。(下司佳代子)