中学校を卒業できなかった高齢者や外国人らが通う「夜間中学校」について、文部科学省がどの程度ニーズがあるかを初めて調査し、8日発表した。ボランティアたちが運営する似たような取り組みが154市区町に広がる一方、夜間中学を置いているのは8都府県25市区にとどまった。

 調査は全国の教育委員会を対象に昨年5月1日時点の状況を聞いた。

 夜間中学は全国に31校あり、大阪市や奈良市、東京都世田谷区、千葉県市川市などにある。生徒1849人のうち、8割が外国人で、入学理由は「読み書き」や「日本語会話」の習得が3割近くと多かった。一方、全員が中学未修了者で、不登校などでほとんど中学に通わないまま形だけ卒業した既卒生はいなかった。