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ロシア 戦勝70年記念で市民50万人が行進
5月10日 6時59分

ロシア 戦勝70年記念で市民50万人が行進
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ロシアの首都モスクワでは、第2次世界大戦でのナチス・ドイツに対する戦勝70年を記念する軍事パレードに続いて、プーチン大統領も参加して50万人以上の市民が市内を行進し、欧米との対立や経済の低迷が続くなか、国民の結束をはかるねらいがあるものとみられます。
モスクワの赤の広場では9日、ナチス・ドイツに対する戦勝70年を記念する軍事パレードに続いて、戦争で戦った兵士をたたえる行進が行われ、ロシア内務省の発表で50万人以上が集まりました。
会場には、急きょプーチン大統領も登場し、戦争に参加した父親のウラジーミルさんの写真を持って行進に加わりました。
参加者たちは「ロシア万歳」などと声を上げながら市内のおよそ4キロを歩き、元兵士や遺影を掲げた遺族などの姿もありました。
こうした行進は、極東のウラジオストクなど各地で行われ、ロシア政府としては、戦勝記念日を全土で祝うことで、ウクライナ情勢を巡る欧米との対立や、通貨ルーブルの下落など経済の低迷が続くなか、国民の結束をはかるねらいがあるものとみられます。
参加した若い男性は「今は外交を巡る問題を最優先に解決しなければならない。そのためにもロシア国民は結束しなければならない」と話していました。

ロシアと中国 緊密な関係をアピール

ロシアで行われたナチス・ドイツに対する戦勝70年の記念式典で、プーチン大統領は、欧米の首脳が軒並み欠席するなか、中国の習近平国家主席との緊密な関係をアピールしました。
モスクワの中心、赤の広場で9日に行われた軍事パレードでは、両首脳がひな壇に一緒に座って見学し、プーチン大統領は演説で「ナチズムや日本の軍国主義と戦った国からのすべての招待客を歓迎する」と述べて、これまであまり触れなかった日本の軍国主義について言及し、中国への配慮を見せました。
また、第2次世界大戦で死亡した兵士を追悼する記念碑への献花も、両首脳が中央に立って行ったほか、9日夜に行われた記念のコンサートにもともに出席して親しく話を交わすなど緊密な関係をアピールしました。
両首脳は前日の8日に首脳会談を行い、ともに第2次世界大戦の戦勝国として、歴史のわい曲を許さないとする立場を確認したほか、ロシアが主導する「ユーラシア経済同盟」と、中国が陸と海に新たなシルクロードをつくる構想を連携して進めることで一致するなど経済関係の拡大も強調しています。

歴史認識巡り亀裂広がる

第2次世界大戦でのナチス・ドイツに対する戦勝70年を記念する軍事パレードを行ったロシアに対し、ウクライナではポロシェンコ大統領が非難する一方、東部の親ロシア派は歩調を合わせてパレードを行い、歴史認識を巡っても亀裂が広がっています。
ウクライナのポロシェンコ大統領は9日、首都キエフで軍の関係者を前に演説を行いました。
この中でポロシェンコ大統領は、ロシアで行われたナチス・ドイツに対する戦勝70年を記念する軍事パレードについて、「ロシアはこの記念日を近隣諸国への拡張政策や帝国復活のために利用している」と述べ、非難しました。
ウクライナでは、これまでロシアとともに5月9日に戦勝記念の式典を行うのが恒例でしたが、ポロシェンコ政権はことし初めてヨーロッパ各国と同じ5月8日にも行い、ロシアと距離を置く姿勢を鮮明にしています。
一方、東部の親ロシア派が支配する地域では、戦勝記念の軍事パレードが9日行われ、中心都市ドネツクでは、およそ1万5000人の住民たちが見守るなか、戦車などの軍用車両30台が披露されたほか、ルガンスクでも戦闘員およそ800人が行進しました。
ウクライナでは、2月の停戦合意後も、東部で政府軍と親ロシア派の戦闘が散発的に起きるなど緊張が続いていて、ロシアがヨーロッパの戦争を終結させたとする歴史認識を巡っても東西の亀裂が広がっています。

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