【コラム】米国が韓国人の心をつかむには

 韓国の長年の同盟国として、米国がこの亀裂を縫い合わせる方法を探すとすれば、それはかつての政府だけを相手にするやり方ではなく、国民の心をつかむリッパート大使のやり方であるはずだ。韓国政府に「日本との関係を改善しろ」と要求するばかりでは駄目なのだ。安倍首相の訪米中、それに気づかせた人たちがいた。訪米中に米議会の外でデモを行った元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さん、ハーバード大ケネディ行政大学院(ケネディスクール)の前での沈黙デモを企画したチェ・ミドさん、安倍首相に慰安婦の強制動員を否定する理由を尋ねたジョセフ・チェさんたちだ。彼らは米国に、同盟国の国民がどんな考えを持っているのかを伝えたという点で、107年前「韓国は日本の保護を受けるべきだ」と主張した外交官D・W・スティーブンスを処断した張仁煥(チャン・インファン)、田明雲(チョン・ミョンウン)両義士を思い起こさせる。

 与党セヌリ党のユ・スンミン院内代表が先月28日「こうした個人の抗議努力が本当に涙ぐましい」と語ったのは、彼らの努力が韓国政府の外交的な対応以上に大きな効果を挙げたためだ。実際に、歴史への反省が抜け落ちた安倍首相の演説に対し、エド・ロイス下院外交委員長は「非情に失望した」と述べた。米シンクタンク「ヘリテージ財団」のエドウィン・フュルナー前総裁も「歴史問題の解決に執着する韓国に対し、米国で『疲労症』が広がっている」という一部の指摘に対し「同盟国の国民の懸念に疲労を感じるというのは妥当ではない」と反論した。また、米下院議員らは安倍首相に歴史問題での謝罪を要求する連判状に署名した。

 米国はベトナムでの失敗を東アジアで繰り返すという愚を犯してはならない。折しも、エズラ・ヴォーゲル・ハーバード大名誉教授ら世界的な歴史学者たちが先ごろ、安倍首相に慰安婦問題の解決を求める声明を発表した。韓国人の心をつかんで同盟を強化するという米国の韓米日協力外交は、この声を尊重することから始めるべきだ。

金泰勲(キム・テフン)デジタルニュース本部次長
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