沖縄側の訴えに正義があることを多くの国民が理解していることの表れであろう。広がる連帯の動きをしっかりと受け止めたい。
東京電力福島第1原発事故の影響に苦しむ福島県の郡山市で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に反対する市民らが「沖縄・福島連帯する郡山の会」を発足させた。佐藤栄佐久元福島県知事や植田英一元自民党福島県連幹事長ら、地元の保守系重鎮らが相談役として名を連ねる超党派の組織だ。
戦後70年たっても新たな米軍基地が提供されようとすることへの沖縄の異議申し立てに対し、政治的立場や主義主張を超えて賛同の声が広がっていると実感する。
吉川一男共同代表は「原発事故の犠牲を強いられる私たちと同じように沖縄は立ち向かっている」と指摘。植田さんは「沖縄の人の苦しみを自分のものとして共に立ち上がりたい」と話した。
福島からの激励を非常に心強く感じる。同時に震災や原発事故で被災した人たちを支援し続けていくことの必要性を再確認したい。
辺野古をめぐっては、埋め立て用の土砂や岩ずり(廃石)などの調達をめぐり、採取が予定される本土各地の環境団体などが合同で計画撤回を求める動きもある。
土砂採取が予定される瀬戸内海や奄美のグループが今月末に全国組織を発足させる予定だ。大量の採取、砕石に伴う地元生活への影響と、土砂が運び込まれることによる辺野古の豊かな海の喪失の二つの懸念が結び付いた形だ。
環境破壊への憂慮、そして移設反対の民意を無視して中央政府が地方自治体を抑え込もうとすることへの疑問。一連の動きは、米海兵隊の新たな基地建設という議論とは別の次元からも、辺野古の現状に対する国民の批判が強まっていることの反映とも言えよう。
「沖縄の非武装地域化こそ、東アジアの平和のために必要です」。辺野古移設阻止を目的に設立された「辺野古基金」の共同代表に就く意向を示している映画監督の宮崎駿氏は昨年11月、移設運動に取り組む沖縄の市民らにこうメッセージを寄せた。
国内だけではない。海外の著名人らが昨年出した移設反対の共同声明に見られるように、沖縄に呼応する動きは世界に拡散している。各地の人々との連携を深め、沖縄に対する草の根からの理解をさらに広げていきたい。
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