
山梨学院「酒折能」が6月15日、山梨学院メモリアルホールで開催された。「酒折能」は山梨学院大の古典芸能研究会と大学院野村千佳子ゼミナールが主宰し、企画。山梨学院創立70周年記念事業として山梨学院生涯学習センターの所管事業として実施された。当日は、午前に古典芸能研究会のメンバーによる謡(連吟)と仕舞の発表。午後には喜多流能楽師・友枝真也さんによる体験型能楽教室や喜多流職分家佐藤家11代目・佐藤章雄さんの仕舞「羽衣」や古典芸能研究会師範で喜多流能楽師の佐藤寛泰さんがシテ(主演)を務める能「経政」の公演が行われた。この「酒折能」公演では、敷居が高く難しそうという「能」のイメージの払拭と身近な所で本物の能を鑑賞する機会の提供を主眼に置いており、公演の冒頭に能楽教室を催したりと能に親しめるような企画内容となっていた。また、公演の様子はビデオで収録され、後日古典芸能研究会と野村ゼミに所属する留学生が内容を英語・中国語・ベトナム語に翻訳し、大学のホームページを活用し、「能楽」の伝統文化を世界に向けて発信を行う。
山梨学院「酒折能」は、山学大古典芸能研究会と大学院野村千佳子ゼミナールが主宰し、山梨学院創立70周年記念事業として山梨学院生涯学習センターの所管事業として企画された。この日の「酒折能」公演は、午前と午後の2部制で開催され、午前の部では、古典芸能研究会による謡(連吟)と仕舞の発表が行われた。「謡」とは、能の中でセリフや歌にあたる部分で、主人公の心情や場面の状況、眼前に広がる景色などを表現し、「仕舞」とは、能の中の一場面を能面や装束をつけず、紋服や袴のままで舞うもので、囃子を伴わず、謡だけを伴奏に行われる。メンバーらは、連吟「湯谷」、仕舞「湯谷」「猩々」「大江山」「月宮殿」などを披露。発表後、古典芸能研究会の
森山里菜部長は「大きな舞台で演じてみて緊張しましたが、次回に向けてまた頑張りたいなという気持ちが沸いてきました。私も含めて他のメンバーも今まで練習してきたものが出せたと思います。能の美しさをもっと世界中の人に知ってもらいたいと思います」と語り、留学生という立場で能の文化発信に努めている
陳頗可さんは「少し緊張がありましたが、無事に終わることができ、楽しかったです。午後の部では、しっかり勉強し、能の持つ和の心や日本の伝統芸能をネットを通じて世界の人たちに伝えたいと思います」と述べた。
午後の公演に先立ち、古典芸能研究会顧問を務める
野村千佳子経営情報学部教授は「能はユネスコの世界無形文化遺産になっているにも関わらず、多くの人は日本の伝統芸能であることは認識していますが、詳細な部分については、理解されておりません。今回は実際に本物の能を見て頂いて、能を知って頂き、すでにファンの皆様にも楽しんで頂ければと思います」と挨拶。午後の部では、敷居が高く難しそうという「能」のイメージの払拭と身近な所で本物の能を鑑賞する機会の提供を目的に、冒頭に能楽師による体験型能楽教室が催された。教室では、喜多流能楽師の友枝真也さんが講師役となり、能の歴史や芸術的側面から見た能の文化の解説、舞台や能面の仕組みなど、能楽師の目線から分かりやすく説明を行った。また、古典芸能研究会のメンバーが実際の能面を着装したり、観覧者が「高砂」を友枝さんのリードで謡ってみたりと能を身近に感じる試みも行われた。能楽教室の後には、喜多流職分家佐藤家11代目・佐藤章雄さんの仕舞「羽衣」や古典芸能研究会師範で喜多流能楽師の佐藤寛泰さんがシテ(主演)を務める能「経政」の公演が行われ、教室で得た知識を踏まえて、間近で繰り広げられる荘厳な能の世界を堪能していた。また、この日の公演の様子はビデオで撮影され、能の文化の世界発信を目的に、古典芸能研究会と野村ゼミに在籍するメンバーが内容を英語・中国語・ベトナム語に翻訳し、大学のホームページを活用して発信される。
甲府市酒折から世界へ・・・世界文化遺産「富士山」とエコパーク「南アルプス」を望む甲府市酒折の地から、若者の手によって世界無形文化遺産「能楽」の文化が世界に向けて羽ばたいていく。
文(Y,Y)、カメラ(藤原 稔)2014.6.15
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