初恋
俺は顔中にかいた汗をベロでふき取る。
ゆっくりと腰を回し、動揺を相手に悟られないために体中から吹き出た汗を、
気合で皮膚に吸収させていく。
「な、・・・なにしてたんですか・・・?」
そこには一人の美少女がいた。
「はぁああああああああん」
深田の心臓にAK47がぶち込まれる。
「ぼ、ぼぼぼ、ぼぼくはぁ太郎太郎たろ太郎と太郎と挨拶してました」
「(なんだこの子・・・!!かわいすぎる・・・!!今すぐこの子と・・)」
深田は19歳になっても恋愛というものを経験したことがない。
彼の股間は当然、自然の摂理として大きくなるのが順当である。
明らかに人を疑う目で女は深田を観察している。
「ほらっ本当だよ・・・太郎おいで!!」
ポケットに入ってある何時のかわからないビスケットを餌に、柵の向こうの太郎を引き寄せる。馬鹿犬は喜んでビスケットをほおばる。
「太郎は偉いなぁ!!!!よしお座り!!!!!」
太郎はビスケットがのっかっていた俺の右手をいつまでもなめている。
「いつもはできるんだけどなぁ・・・!」
「太郎は・・・お座りできないですよ・・・」
「!!!!!」
しっかり閉めた体中の汗腺が崩壊する。
深田の体は服をきたままシャワーにはいったかのようにびしょびしょになる。
「(どうすればいんだ・・・どうすればこの状況を打破できるんだ・・・)」
初めて恋、初めての修羅場。
深田に与えられる同時の難問が思考回路をショートさせる。
「うるせぇ!!!!!!!!!」
俺は今来た道をまっすぐ戻り、自宅に帰ることにした。
今日の文^-^
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