朝食
約八畳の部屋。
窓もカーテンも締め切った部屋。
最後に部屋の換気を行ったのはいつだったか、その部屋の所有者は覚えていない。
「ちゅんちゅんちゅん。」
外が夜を跨ぎ、次第に朝を迎えると共に、外の小鳥たちがさえずりを始める。
男はベットから気だるそうに体を起こした。
「よっこらしょういち」
つまらないギャグをかましても、彼をしかれる人はこの深田ルームにはいない。
やりたい放題である。
手馴れた動作で、まずはパソコンの電源に手を伸ばす。
「ヴゥウーーーーーン」
パソコンの起動音が彼の部屋に音を与える。
耳をすべて覆えるヘッドホンを頭に被せ、
部屋にもれる音はクリック音だけとなる。
「コンコンコン」
部屋のノックを鳴らす音がした。
「っち・・・。糞ババアか・・・。」
頭に被せたヘッドホンを素早く外し、勢いよく壁に投げつける。
「うるせぇ!!!!!仕事に集中できねぇだろうが!!!!!」
扉の向こうの人物はこのやり取りに慣れているのか、一向に動じていない。
「ご飯・・・置いておくからね・・・。」
深田は扉に耳を当て、扉の前に誰もいないかを確認する。
朝食を持ってきた母親が廊下を渡り、階段を降りる音を深田は聞き逃さない。
そして、ここですぐに朝食に手を伸ばしていはいけないことを、
深田は理解している。
すぐに朝食に手を出してしまっては、今にも待ってましたといわんばかりの、
がっつくその態度を母親に知られたくないのだ。決して恥ずかしいわけではない、そう深田は自分に言い聞かせる。
3分ばかりたったであろう。
ゆっくりと、扉をあけ食器の音を鳴らさないように薄気味悪い部屋へと、朝食を移動させていく。その作業を終えると、なるべく音を立てずに朝食をとる。
「・・・・くそっ!!くそぉ!!」
自分の頬に伝う涙が、少し暖かい味噌汁に落ち、水面に波紋を与える。
「うめぇ・・・うますぎるっ・・・!!!!」
深田の箸はとまらない。
朝食は卵焼きに、味噌汁と沢庵とご飯。
このメニューはすべて深田のわがままで、毎朝同じ献立にさせている。
運動も、勉強もまったくしない彼には、過ぎたカロリーである。
「・・・・」
空になった食器を眺め、深田は思った。
「おかわりがしてぇ・・・。」
当然、彼のプライドがそのような行動を許すわけもなく、深田は食器を廊下へかたづけた。
一日一話更新できればいいかなと思ってます。
面白いなとおもったらコメントください。
当然批判コメントも受け付けます。
僕の作品を罵倒してください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。