父親が茶髪を勧めてくる。
散髪をしてこれば「なんで染めなかったの?」と訊いてくる。
流行りのヘアスタイルをしている女優やモデルを指して「こういう髪型にしよう」と言ってくる。
そんな父の希望をあしらいながらかれこれ数年、未だに黒髪のままでいる。
自分が髪を染めない理由は金がかかる、似合わない、面倒くさい、挙げればきりがない。
そもそも根暗ひきこもりキモオタ喪女なので髪を茶色にするメリットを感じない。
まずは形からリア充にして、外出したくなるようなお洒落をさせて、
明るい娘に変わっていくことを望んでいるようだ。
茶髪が嫌いなわけではない。その人に似合ってれば何色でも素敵と思うし、
量産型女子大生ヘアだってかわいいじゃん。好きでやってるなら文句を言う道理もない。
しかしどうして自分が茶髪にしたい、お洒落な髪型にしたいと思わないのかを考えると、惨めになってくる。
それとも恋人を作るために、社会で生きていくために自分を殺してお洒落するものなの?
自分のためにも変わる努力をしなきゃいけないんだけど、苦痛で踏み出せない。
身体が大きくなっただけで中身は垢抜けない子供のまま。
無理に髪を染めたくない。無理に社会に適合したくない。そんなわがまま言ってたら就職に躓いた。
本当に親不孝者です。ごめんなさい。