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 1980年代前半、自らの名前を冠した3本のバラエティー番組がすべて視聴率30%を超えたことから「視聴率100%男」と呼ばれた萩本欽一(74)。「視聴率」から「テレビのカタチ」まで幅広く「思い」を聞いた。

 ――「視聴率」とはビデオリサーチ社が調べた放送中に番組をみた世帯の割合を示します。萩本さんにとって、視聴率とはどういうものですか。

 数字は「責任」ですね。「コント55号」をやっている時は、関係ないものだと気にしなかった。数字を知ってからは、数字を言わないでくれと頼んでいました。20(パーセント)いったり、30になったりしたら教えてくれと言っていました。「前よりいいです」「周りよりいい」「だんだんいい」と、直接は話題に触れさせないようにね。数字と戦っているのは哀れな気がしてね。人気取りにはなりたくなかったし。

 数字はタレントがどんなに頑張っても20しか行かないんですね。その先はスタッフの頑張りです。

 ――昔に比べて視聴率全体が落ち込んで、最近の20%は昔の30%と同じだともよく言われます。

 昔とは変わっていないと思う。30%の番組は見てなくても耳に入ってくる。W杯サッカーであれ、「紅白」(歌合戦)であれ。30いったときは、昔と一つも変わっていない、はしゃぎ方から話題の仕方から。今は10で話題になっているけど怪しいね。無理やり話題にしているんだと思う。今の20は昔の30というのは、商売上の理由で言っているのでしょう。

 「じっくり見る」とか「ながらで見る」とか変わっているでしょうが、数字がもたらす影響力としては変わっていない。W杯サッカーは、茶の間が帰ってきた感じがしたし、高視聴率ドラマの「半沢直樹」(TBS系)は話題になり、耳に入ってきたので僕も見ました。やはり、みんなが見ているものは面白い。