「iPhoneを買わないか?」。2014年12月、中国・上海で日経BP社の記者に、男が近寄ってきた。彼が持っていたのは「iPhone 6」。最初は5万円を要求してきたが、手持ちの約2万円で交渉が成立した。海外用にSIMフリー端末が欲しかった記者は思わぬ“掘り出し物”に喜んだが、実はiPhone 6そっくりのニセモノだった…。今回は、記者がつかまされたiPhone 6模造品の分解調査を紹介する。
記者が上海で入手したiPhone 6模造品の価格は2万円少々。本物の3分の1程度の価格である。それでもシャンパンゴールドのケース、本物と変わらない質感、黄色とオレンジの2色のカメラ用フラッシュなど、外観はかなり似ている。正規品の発売から、わずか3カ月ほどで世に出た模造品である。
一見したところ、この模造品にもiPhone用のLightningコネクターらしきものがある。しかしソケットは汚れており、めっきがボロボロだ。正規品の充電ケーブルを接続してみたが、「カチっ」という接続完了の手応えがない。
だまされて購入した記者によると、ケーブルとの相性によっては充電できるときもあるらしいのだが、数時間たっても何の変化もない。仕方なく充電をあきらめて、動作確認不能の状態で分解に入った。
■同じなのはディスプレー寸法ぐらい
分解してみると、電話機能は第2世代のGSMだけ。無線LANとBluetoothの機能はあるが、本物が搭載している近距離無線通信のNFCは見当たらない。画面の縦横を入れ替える際に使用する加速度センサーは搭載しているようだが、センサーIC(集積回路)の製品名やメーカー名は確認できなかった。地磁気センサー、ジャイロ、気圧センサー、照度センサー、近接センサーは積んでいないようだ。
リチウムイオンポリマー二次電池は3.7V、容量は1200mAhで正規品より約600mAh少ない。OSはAndroid(アンドロイド)を搭載しているらしい。結局、本物のiPhone 6と同じなのは4.7型というディスプレー寸法などの外見だけだった。
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