ユネスコの世界文化遺産に登録される見通しになった「明治日本の産業革命遺産」。GW後半は、各地に観光客が押し寄せ大賑わいだった。静岡県伊豆の国市の「韮山反射炉」の3~6日の来場者は1万225人と、前年同期の約4倍にふくれ上がったという。
■当初推薦されるはずだったのは…
この盛況ぶりに、世界遺産登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を抱える長崎県内のさる市議会関係者は、ため息交じりにこうつぶやく。
「順番からいって、『教会群』が先に勧告を受けると思っていました。しかし、2013年8月の国の文化審議会で内閣官房が推す『明治日本――』に逆転されてしまった。政治的な介入があったのかと疑いたくもなります」
それもそのはず、各国の文化遺産推薦枠は年に1件で、12年7月の文化審議会では文化庁が推す「富岡製糸場」が選ばれ、13年は同庁が推薦する「教会群」が既定路線だった。