日本経済新聞

5月9日(土曜日)

日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
  • ヘルプ

コンテンツ一覧

速報 > 国際 > 記事

中国、南シナ海の拠点拡大 埋め立て面積4倍に
米国防総省が試算

2015/5/9 9:18
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有

 【ワシントン=川合智之】米国防総省は8日、中国の軍事力に関する年次報告書(2015年版)を発表した。中国が南シナ海で「軍民の作戦拠点に使える」大規模な埋め立てを進めていると指摘し「多くの識者は、中国が現状変更を意図しているとみている」との見方を示した。同省当局者は同日、埋め立て面積が昨年末から4倍に増えたと試算し「南シナ海の領有権争いは平和的な外交手段で解決すべきだ」と中国に要請した。

中国が埋め立てを進める南シナ海のスビ礁。滑走路が建設できるほどの広さがある(4月12日、フィリピン軍撮影)
画像の拡大

中国が埋め立てを進める南シナ海のスビ礁。滑走路が建設できるほどの広さがある(4月12日、フィリピン軍撮影)

 今回の報告書では南シナ海の埋め立てに関する特別項目を設けた。「14年に中国は南沙(英語名スプラトリー)諸島の5拠点で大規模な埋め立てに取り組んだ」と指摘。14年12月後半時点で500エーカー(約2平方キロメートル)を埋め立てており、港湾や通信・監視、後方支援施設、滑走路などを建設可能としている。

 同省当局者は8日、埋め立て面積が現時点で2千エーカー(約8平方キロメートル、東京ドーム約170個分の広さ)に増えたとの試算を記者団に公表。「平和と安定という地域の要望とは一致しない」と批判した。

 報告書では「中国は東・南シナ海での不測の事態への準備に重点を置いている」と強調。急速に軍の近代化を進めており「米軍の技術的な優位性が損なわれる可能性がある」と警戒した。中国の国防予算は05~14年の間に年平均で9.5%拡大したとされるが「透明性に欠け、実際の軍事費を見積もるのは難しい」と指摘した。

 中国人民解放軍は中長距離弾道ミサイルや対地・対艦巡航ミサイルなどの開発に力を入れていると分析。日本やグアムの米軍基地が射程内に入るとして懸念を示した。サイバー空間や宇宙に対しても展開しているとして「中国は世界で最も活発な宇宙計画を誇る」と指摘した。

 報告書は「中国は軍事力拡大や戦略決定を巡る透明性が欠けており、周辺地域で中国の意図に対する懸念が増している」と強調。「人民解放軍の近代化が進むとともに懸念は一層強まるだろう」と批判した。

小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有
関連キーワード

中国、南シナ海、米国防総省

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

【PR】



主な市場指標

日経平均(円) 19,379.19 +87.20 8日 大引
NYダウ(ドル) 18,191.11 +267.05 8日 16:37
ドル/円 119.73 - .76 -0.27円高 9日 5:49
ユーロ/円 134.17 - .22 -0.41円高 9日 5:49
長期金利(%) 0.420 -0.010 8日 17:12
日経Gooday(グッデイ)カラダにいいこと、毎日プラス

日経ウーマノミクスプロジェクト
GlobalEnglish 日経版
CollegeCafe 日本経済新聞社の学生向け情報サイト

モバイルやメール等で電子版を、より快適に!

各種サービスの説明をご覧ください。

TwitterやFacebookでも日経電子版をご活用ください。

[PR]

ページの先頭へ

日本経済新聞 電子版について

日本経済新聞社について