ソウル=東岡徹
2015年5月9日13時13分
北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、水中の潜水艦から弾道ミサイルを発射する試験を実施し、成功したと報じた。日時や場所は不明。潜水艦による発射は陸上と異なり、衛星などで事前に察知するのが難しい。事実なら軍事的な脅威が増すため、日米韓は慎重に確認を進めている。
朝鮮中央通信によると、金正恩(キムジョンウン)第1書記の提案と指導で開発が進められた。正恩氏は試験発射も現地で視察し、「人工衛星打ち上げに劣らない驚異的な成果だ」と指摘。長距離弾道ミサイルの発射と同程度の価値があるとアピールした。「近く実戦配備されれば、敵は安心して眠れないであろう」とも述べたという。
朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」(電子版)は9日付で、試験発射の成功を伝える記事と写真を掲載した。写真には発射を見る正恩氏や、海面から煙を噴きながら飛び出すミサイルが写っている。ミサイルの胴体にはハングルで「北極星―1」と記されている。
韓国国防省は、北朝鮮が核弾頭を小型化できる能力について「相当な水準に達しているとみられる」と分析。弾道ミサイルが搭載できる新型潜水艦の建造も進めているとみていた。
ただ、潜水艦による弾道ミサイル発射は技術的にも難しい。実際に成功したかは慎重に確認する必要があり、関係国の間では「米国などを挑発する狙いではないか」との見方もある。(ソウル=東岡徹)
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